2015年6月29日

自分のために走り出し、誰かのためにゴールする【ドア・イン・ザ・フェイス】

● 今回のテクニック:【ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(17)】

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは、はじめに本当に頼みたい事柄よ
りもかなり負担の大きな依頼をし、一度断られてから本当に頼みたいことを伝
えるテクニック。

最初に提示した情報が頭に残り、その後の判断に影響を与えるアンカリング効
果の一部と考えてもよい。

依頼者が一端譲歩すると、ついつい相手も譲歩してしまうことを「譲歩の返報
性」と言うが、これを利用ししている。

※ 「フット・イン・ザ・ドアテクニック」の反意語。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「部長、おはようございます。え~! 帰ってきたんですか」


マネジャー :
「おお、おはよう」


部下 :
「いつこっちへ帰ったんですか」


マネジャー :
「昨夜だ」


部下 :
「昨夜帰宅して、今日の朝から出勤ですか。ハード過ぎる……」


マネジャー :
「そんなに休んでられないよ」


部下 :
「ところで部長のご活躍は、ひそかにフェイスブックで確認しておりました。
やりましたねっ!」


マネジャー :
「ああ。何とか、な……」


部下 :
「2度目ですか」


マネジャー :
「3度目だ。3度目でようやく完走した」


部下 :
「サロマ湖のウルトラマラソンって100キロですよね? 何人ぐらい出場
者がいるんですか?」


マネジャー :
「今年はどうだったんだろう……。去年は確か、3500人とか3600人
ぐらいいたはず。今年はもっと多いんじゃないかな」


部下 :
「さ、3500人……!」


マネジャー :
「すげーよなァ。100キロをただ走ればいいってことじゃなくて、10キ
ロごとに制限時間があって、それを突破できる走力も持ってないと完走さえ
できない。つまり『それなりの走力があるランナー』が3000人とか40
00人集まってるんだから」


部下 :
「私からすると、週末に、最北端のオホーツク海まで行って帰ってくるだけ
でも、めちゃくちゃ疲れそうな気がしますが」


マネジャー :
「そうだよな。北海道のサロマ湖まで、それだけの大人数が日本全国や世界
から集まるんだから、それだけでも凄いことだ」


部下 :
「前から興味があったんですが、こういった過酷なレースに出る意味って何
ですか? 申し訳ありません。部長に野暮な質問をして」


マネジャー :
「ウルトラマラソンに出場する意味かァ」


部下 :
「やはり『限界に挑戦する』ってヤツですか」


マネジャー :
「確かにそうだな。『限界に挑戦する』ってことだったのかもしれない。で
も、走っているうちに目的が変わってきたんだよ」


部下 :
「へェ……」


マネジャー :
「『自分のために走り出し、誰かのためにゴールする』って」


部下 :
「自分のために走り出し……。誰かのためにゴールする……」


マネジャー :
「そう。誰が言った言葉か忘れたけど、どこかの大会に出場したとき、この
フレーズを聞いた。すごく心に残った」


部下 :
「か、カッコいいです」


マネジャー :
「走っていると、やっぱり苦しいんだよ。あまりに苦しいと、いろんなこと
を考えちゃって……。苦しいからやっぱりやめよう、こんなに苦しい思いを
してまでゴールを目指さなくてもいいじゃないかって思えてくる」


部下 :
「普通、そう思いますよね」


マネジャー :
「でも、鎮痛作用を施す脳内物質エンドルフィンが分泌されるからだろうか、
だんだんその苦しみが少しずつ快楽に変わっていって、自分がゴールするこ
とによって誰かを助けられるんじゃないか」


部下 :
「……」


マネジャー :
「誰かを勇気づけられるんじゃないか、誰かを心から祝福できるんじゃない
か、誰かを心から愛し、その人のためにまた生きていけるんじゃないか、っ
て、思うようになってくる」


部下 :
「……」


マネジャー :
「エンドルフィンは脳内麻薬のようなものだから錯覚かもしれないけど、で
もそんな気持ちにさせてくれるんだよ。不思議と」


部下 :
「す、すごく憧れます。部長、カッコいいですね」


マネジャー :
「そうか。ありがとう」


部下 :
「なんか、私もウルトラマラソンに挑戦したくなってきました」


マネジャー :
「なんだなんだ。去年なんか『死んでもやりたくない』って言っていたくせ
に」


部下 :
「自分のために走り出し、誰かのためにゴールする、って言葉を聞いたら、
なんだか感動しちゃって……。自分も、そのエンドルフィンを出してみたい
と思いました」


マネジャー :
「それならすぐにできるよ」


部下 :
「えっ」


マネジャー :
「今日のお客様への訪問件数は何件の予定だ?」


部下 :
「ええーっと……。4件ぐらいを予定していますが……」


マネジャー :
「それを120件にしたら? 30倍だ」


部下 :
「はァ?」


マネジャー :
「どうした? 1日120件のお客様に訪問するんだよ。制限時間は夕方の
5時まで。しっかりと走破してくれ」


部下 :
「ちょ、ちょっと待ってください。120件って、何の意味があるんです
か」


マネジャー :
「限界に挑戦するんだよ」


部下 :
「限界って……」


マネジャー :
「限界に挑戦していれば、『自分のために走り出し、誰かのためにゴールす
る』の意味がわかってくるはずだ」


部下 :
「ちょ、ちょっと待ってください。120件は、ちょっと……。物理的に無
理です」


マネジャー :
「本当に無理なのか?」


部下 :
「えええ」


マネジャー :
「13時間以内で100キロ走れとは言ってない。6時間程度で120件訪
問しろと言ってるんだ」


部下 :
「ちょ、ちょっと待ってください。これまでの話の流れからしたら、ちょっ
と断りづらい雰囲気になってますけど、さすがに120件は無理ですって」


マネジャー :
「じゃあ、何件だ? 80件か?」


部下 :
「は、80件? ……いや、あの、40件にしてもらえませんか」


マネジャー :
「40ゥ?」


部下 :
「す、すみません。40件でも大変ですよ。予定の10倍ですから」


マネジャー :
「しょうがないな。君は何歳だったっけ?」


部下 :
「え? 36歳ですが」


マネジャー :
「じゃあ、36件でいいよ」


部下 :
「えっ! 本当ですか? あ、ありがとうございます。じゃあ、今日じゅう
に36件まわってきます。今すぐに行ってきます!」


マネジャー :
「制限時間は夕方の5時だ。忘れるなよ」


部下 :
「誰かのためにゴールします!」



……驚いたことに、「絶対達成チャンネル」にアップされている『超集中状態
"ゾーン"に入る技術』という動画のアクセス数が急激にアップしています。

圧倒的なアクセス数を誇っていた『成功する人ほど「モチベーション」を口に
しない』に迫る勢いで伸びています。

この動画に「超集中状態」を作ることで、脳内物質エンドルフィンが分泌され、
多幸感を覚える、という話を紹介しています。ぜひ、ご参考にしてください。


■ 超集中状態"ゾーン"に入る技術
https://youtu.be/GN_tK2slOYQ


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 【12点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

以前からメルマガ編集後記に書いてきたとおり、6月の21日から28日まで、ス
ペインのサラマンカへ「超短期留学」をしていました。

詳細についてはFacebookで実況中継してきましたので、編集後記では割愛しま
す。

と、まるで過去形のような文章で書いていますが、実は今、留学先のサラマン
カを出てマドリッドに到着し、マドリッドのホテルでこの編集後記を書いてい
ます。

今回の留学は不安でいっぱいでしたが、結果的には非常に濃密な時間を過ごす
ことができ、とても満足しています。

1年に1度は長期休暇を取得するよう義務付けている会社にまず感謝したいです
し、もちろん留学を後押ししてくれた家族にも心からお礼を言いたいです。

そしてこれからは、まさに「馬車馬」のように働いて、留守を守ってくれた部
下たちに恩返ししようと思います。

完全に気持ちを切り替えてやっていこうと考えています。

(とはいえ、一番は、何といっても家族に対してしっかり時間をとらないとい
けませんね。家族とのラポールが第一ですから)

2015年6月15日

「単価の高い」商材を開発する手順【フット・イン・ザ・ドア】

● 今回のテクニック:【フット・イン・ザ・ドア・テクニック(16)】

フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは、はじめに小さな依頼を受け入れて
もらい、次に本当に頼みたいことを受け入れやすくするテクニックのこと。

最初の承諾が人間の心を拘束する心理術を応用している。ドアを開けた瞬間に
片足を捻じ込むセールスマンのテクニックからこの名が付けられた。ドア・イ
ン・ザ・フェイス・テクニックの反意語。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「なかなか目標が達成しないな」


部下 :
「はい。実際に市場を分析してみましたが、新規顧客を開拓し続けても当社
の事業には限界があります」


マネジャー :
「価格も下落しているし、な」


部下 :
「そうなんです。参入障壁が低いせいなのか、競合他社がドンドン参入して
価格が落ちています」


マネジャー :
「今は新規の顧客を増やして何とか目標はギリギリ達成できるが、来年も再
来年も同じような結果を出せるかわからない」


部下 :
「はい。今は営業力に頼っているだけです」


マネジャー :
「そうだな。行動改革をして営業力はついたが、新たな商品を作らないとこ
れ以上は予材が増えない」


部下 :
「営業部は本当に頑張ってます。今度は我々、商品開発部が力を発揮してい
かないといけません」


マネジャー :
「そこで、どう対策をとっていくか、だ」


部下 :
「そうなんです。商品開発部とは名ばかりで、うちの部は長らく新しい商品
を開発していません」


マネジャー :
「アイデアは出しているが採用されたことがない。今後は、だからこそ真価
が問われる」


部下 :
「私としては、もっと環境に優しい商品を作ったほうがウケるんじゃないか、
と思ってるんです」


マネジャー :
「え」


部下 :
「実は開発部の課長とも話していたんですが、他社もやっている環境対策を
もっとしたほうが……」


マネジャー :
「いやいや、ちょっと待って」


部下 :
「どうしたんですか」


マネジャー :
「そういうヒラメキに頼ってアイデアを出すのはやめよう」


部下 :
「違うんです。ヒラメキではなくって――」


マネジャー :
「ヒラメキで考え付いた商品がヒットすることもあるだろうが、それは偶然
だ。再現性がない」


部下 :
「しかし、再現性のあるアイデアなんてできそうにないです。アイデアなん
てこんなものじゃないですか」


マネジャー :
「物事を『分解』と『再構築』していこう。当社の商品の機能や特性を分解
し、他の要素を足したり引いたりしながら発想を練るんだ」


部下 :
「分解と、再構築……」


マネジャー :
「そう。いろいろなヒット商品の特性を知り、その共通項を抽出してストッ
ク化していこう」


部下 :
「わかりました。けっこう大変そうですが、確かにヒラメキに頼るのはギャ
ンブルのようですので、やってみます」


マネジャー :
「競合他社の商材を調査するのはやめてくれ」


部下 :
「え、競合他社の商材でなければ何を研究するのですか」


マネジャー :
「世の中にあるヒット商品だ。商品全体を眺めている限り、新しい発想が生
まれてくることはない」


部下 :
「ええと……。それじゃあ、自動車とかバイクとかスマホとか……」


マネジャー :
「シャンプーや旅行ツアー、テレビ番組でもいい」


部下 :
「そんな異分野もですか? 参考になるんですか? 当社は建築資材の会社
ですよ」


マネジャー :
「商品全体をまるめて眺めているからだ。そういう癖がある限り、創造力を
発揮することはできないぞ」


部下 :
「わ、わかりました。けっこう大変そうですね。それですぐに新しいヒット
商品が誕生するんでしょうか」


マネジャー :
「おいおい。そんな簡単に売れる商品が開発できるわけがない。想像してみ
たまえ」


部下 :
「確かにそうですよね……。何年もの間、名ばかりの商品開発部だったので、
その辺りの感覚がないんです」


マネジャー :
「ヒット商品を分析して共通項を抽出する。これをずっと続けることで頭が
ストレッチできるようになるんだ。感度も上がってくるであろうし、世の中
の流れもつかめるようになる」


部下 :
「最初に想像していたよりかなりハードルが高くなった気がしますが……」


マネジャー :
「気のせいだ」


部下 :
「そうですよね。再現性のある、売れる商品を開発するわけですから」


マネジャー :
「こういった訓練を繰り返すことで、単価の高い商品が開発でき、効率よく
予材を作りだすことができる」



……7月の「絶対達成セミナー」のテーマはマーケティングです。特に「予材
単価」を押し上げる「プロダクト戦略」について詳しく解説します。

物事をレイヤーごとに「チャンクアップ」「チャンクダウン」できるようにな
ることで、「分解」と「再構築」ができるようになります。

「予材管理」をやっているが、なかなか効果的に「予材」が積みあがらないと
いう企業経営者、マネジャーの方々、ぜひお越しください!


■ 絶対達成する営業マーケティング戦略&予材管理概説
【大阪 7/2】http://attax-sales.jp/seminar/3509.html
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 【12点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

いよいよ6月21日から28日までの間、スペインに超短期留学へ出かけます。

会社から一週間休暇をいただけるので、これを利用し、サラマンカの学校で、
他の西欧の学生たちと一緒に5日間だけスペイン語のクラスに入ります。

20年以上前、24歳のときから3年間、中米グアテマラへ行っていましたの
で、一応いまでもスペイン語は少しわかります。

現地へ着いたら学校で実力テストがあるそうですが、中級クラスに入ることが
できるよう、今は勉強中です。

「スペインへ行く」

と、誰かに言うと、「闘牛は?」「バルセロナのガウディ建築見る?」「サッ
カー観戦行く?」「アルハンブラ宮殿は必見だよ」等と助言されることが多い
のですが、

サラマンカという小都市にしか滞在しないため、とにかくクラスの先生と同級
生と楽しい日常が過ごせたらいいかなと思っているだけです。

スペインはおろか、ヨーロッパへ行くのも初めてです。

滞在先はホームステイ。

いろいろ不安がありますが、楽しい留学生活になることを期待しています。

2015年6月12日

部下を「ダマして」達成させる方法【公表効果】

● 今回のテクニック:【公表効果(2)】

公表効果とは、たとえ強い意志がなくとも人前で公表し続けることで、意志が
固くなっていく心理効果を指す。

大衆の前で、繰り返せば繰り返すほど、強く訴えれば訴えるほど、無意識のう
ちに公表効果は高まっていく。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「どうだ、今の気分は?」


部下 :
「はい。正直なところ、いつものことだな、と思います」


マネジャー :
「入社して何年だ?」


部下 :
「7年目です。7年たっても、ずっと目標が達成できていません」


マネジャー :
「今期はこれまでの営業3課から、2課へ異動した」


部下 :
「はい。これまでだいたい7億の目標に対して、95%ぐらいの達成率でし
た。今回は商材も担当客も変わりましたので、数字は4億3000万でし
た」


マネジャー :
「それで?」


部下 :
「頑張ったつもりですが、結果は4億ギリギリです」


マネジャー :
「その結果をどう受け止めている?」


部下 :
「前の課では95%だった達成率から、さらに落ちました。何だか、すごく
悔しいです」


マネジャー :
「2課に異動してからやったことはなんだ?」


部下 :
「はい。今までは目標を達成するとか、絶対にやり切るとか人前で言うのが
すごく抵抗あったんですけど、部長に言われたとおり、自分の知人10人に
言いました」


マネジャー :
「そうか」


部下 :
「さらにフェイスブックでも1週間に1回は『今期は絶対達成する!』と書
き続けました」


マネジャー :
「そうしたらどういう気分になった?」


部下 :
「最初のうちは、ものすごく嫌でした。部長との飲み会で騙されて誓約書に
サインした私がバカでした」


マネジャー :
「君を騙すつもりで誓約書を作って行ったんだ」


部下 :
「あのときは、なんて部長だ! と思いましたよ。でも実際に、知人に対し
てとか、フェイスブックで宣言していったら、なんだか気分が変わっていっ
たんです」


マネジャー :
「どういう風に?」


部下 :
「目標を達成しなくちゃ、って思うようになりました。そして……目標を達
成したい、と……」


マネジャー :
「『マスト』から『ウォント』へと心境が変化していった、ということだろ
う」


部下 :
「そうなんです」


マネジャー :
「それで結果は?」


部下 :
「去年より、達成率がダウンしました。すごく悔しいです」


マネジャー :
「去年の今ごろはどういう気分だった?」


部下 :
「……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「何も、ないですね。別に、気分も何も……。悔しい気持ちもなかったと思
います」


マネジャー :
「去年の今ごろのほうがいいか? それとも、悔しい気持ちを抱えている今
のほうがいいか?」


部下 :
「去年のほうがいいに決まってます。何もストレスが感じられなかったんで
すから」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「相変わらずウソが下手だな。営業なんだから、もう少し上手に人を騙せる
ようにならないとダメだ」


部下 :
「そ、そうですね」


マネジャー :
「君はウソをつくと鼻の穴が開くんだ」


部下 :
「き、気をつけます」


マネジャー :
「今年のほうが、成長を実感するだろう?」


部下 :
「そうでしょうねェ。おそらく3年ぐらいしたら部長に感謝できると思いま
すが、今は悔しくて、悔しくて……」


マネジャー :
「その悔しさが成長の証だ」


部下 :
「うーん、そうかもしれません。みんなに公表してきたから、かな……」


マネジャー :
「フフフ……」


部下 :
「――?」


マネジャー :
「フフ、フハ……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「フハッハッハッハ……! アーーーーハッハハッハッハッハ!!」


部下 :
「ど……」


マネジャー :
「アハハハハハ、ハッハッハッハッハ! ……アー……ハッハッハッハ!」


部下 :
「ど、どうしたんですか、部長」


マネジャー :
「じ、実は、騙されてるんだ、君は……」


部下 :
「はァ?」


マネジャー :
「ハハハハ……。君の目標は3億8000万だったんだ――」


部下 :
「え、何を言ってるんですか?」


マネジャー :
「4億3000万が目標だと言われて君は頑張ったが、結果的に4億ギリギ
リの結果だった。しかし、本当の目標は、3億8000万だった」


部下 :
「部長、何を言ってるんだか、私には意味が……。え……! ……じゃあ、
また私を騙して?」


マネジャー :
「そうだ」


部下 :
「ひ」


マネジャー :
「実は、君は目標を達成している」


部下 :
「ひどい、じゃないですかっ! 目標の数字までウソをついていたなん
て!」


マネジャー :
「じゃあ、君は3億8000万だと最初から言われていたら、達成していた
か?」


部下 :
「――!」


マネジャー :
「君を騙していたのは、入社してから昨年までの君自身の先入観だ。君の先
入観が、君にウソをついていたんだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「君はどんな数字を言い渡されようが、90~95%ぐらいしかできないと
いう先入観がある。その先入観に、君は騙されていたんだ」


部下 :
「自分が、自分を……」


マネジャー :
「君はできるんだよ。目標を達成できるポテンシャルがあるんだ。だから今
期は自分の力で目標を達成させろ。今期こそは、自信をもって公表していけ
るはずだ」



……どんな数字を言われようが、常に「目標の9割ぐらいしかできない」
「80%できればよしとしよう」と思い込んでいる人は、

先入観が勝手に自分自身のポテンシャルを調整してしまうのです。自分の先入
観が、自分自身を騙している、と捉えましょう。


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 【76点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

アメリカンニューシネマの代表作3つを、立て続けに鑑賞しました。

ウォーレン・ベイティの「俺たちに明日はない」、ポール・ニューマン、ロ
バート・レッドフォードの「明日に向って撃て!」、ピーター・フォンダ、デ
ニス・ホッパーの「イージー・ライダー」。

昔からひねくれていたので、反体制、反社会的なメッセージを出す小説が好き
で、パンクやロックンロールも好き。

最近、不眠症を解消するために、コーヒーやお酒もやめようかなと思うほど、
健康的な生活を心掛けているのに、

音楽や映画は、相変わらず「ドラッグ&暴力&セックス&ロックンロール」に
傾いているのは、やはりいまだどこかで「反主流」でいたい。「アンチテー
ゼ」が好み、の性格だからでしょうね。

世の中の多くの人が「絶対達成」と言いはじめたら、私は冷めてしまうかもし
れません。

「目標やノルマなんてどっちでもいい」「もっとラクに自由に生きて、人生を
楽しみたいよね」という風潮が広まれば広まるほど、「いやいや目標は絶対達
成だろ」「自由の中にこそ、不自由さはあるんだよ」と声高に言いたくなる性
分です。

年に2回の私の激熱セミナー「絶対達成LIVE」は8月にあります。久しく
高揚感を味わっていない人は、ぜひお越しください。


■ 横山信弘のサマーセミナー「絶対達成LIVE2015夏」
【大阪 8/3】http://attax-sales.jp/seminar/4152.html
【名古屋 8/19】http://attax-sales.jp/seminar/4147.html
【東京 8/26】http://attax-sales.jp/seminar/4126.html

2015年6月8日

「熱いコトバ」で人を動かす【譲歩の返報性】

● 今回のテクニック:【譲歩の返報性(7)】

譲歩の返報性とは、「返報性の原理」のひとつ。

相手に譲歩することで、相手もこちら側に譲ってくれる可能性が高まる。

相手とペースを合わせる「ペーシング」の基本。

コミュニケーション相手の言い分をまず受け止めることは、こちらの主張をい
ったん飲み込んで譲歩することと似ている。


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● 今回のコミュニケーション例


近所の人 :
「おはよう……というか、こんちは」


私 :
「あ、どうも」


近所の人 :
「もう11時だから『おはよう』じゃあ、おかしいわな」


私 :
「はァ」


近所の人 :
「今日は仕事休み?」


私 :
「いえ」


近所の人 :
「いえ……?」


私 :
「というか、休みました」


近所の人 :
「段ボールの製造会社に勤務してるだろう」


私 :
「営業です」


近所の人 :
「君のお母さんから聞いた」


私 :
「お母さん、か」


近所の人 :
「仕事は大変か」


私 :
「別に」


近所の人 :
「上司は優しいか」


私 :
「どうなんでしょう……」


近所の人 :
「営業成績は悪くないか」


私 :
「あんまり」


近所の人 :
「あんまり悪くはない、なのか、あんまり良くはない、なのか、どっちなん
だ」


私 :
「良くはないんじゃないですか」


近所の人 :
「『ないんじゃないですか』なんて、他人事みたいだ」


私 :
「……」


近所の人 :
「ちょっと説教くさいか」


私 :
「説教?」


近所の人 :
「私は55歳で会社を辞めてから2年間、定職に就いてない。そんな私に言
われてカチンと来るか」


私 :
「一応、ご自分のこと、わかってるみたいですね」


近所の人 :
「何?」


私 :
「……」


近所の人 :
「私みたくなってもらいたくないから、言ってるんだ。休みの日でも化粧は
したほうがいい」


私 :
「眉毛かいてるからいいでしょ」


近所の人 :
「死んだ私の家内は、外に出ていくときはどんなときでも必ず化粧をしてい
た」


私 :
「そのこだわりは、どーかと思いますが」


近所の人 :
「もういくつになった?」


私 :
「26」


近所の人 :
「結婚の予定は?」


私 :
「はは……。どこまでズケズケ質問するんですか。ありません」


近所の人 :
「面白いか」


私 :
「だって、笑えてくる。普通、昼間っからこんな路上で、いきなり突っ込ん
だ話をしてこない」


近所の人 :
「カチンときたか?」


私 :
「こないこない。めんくらっただけ」


近所の人 :
「めんくらった?」


私 :
「だって、営業成績はどうだとか、結婚はしないのかって、そんなこと私に
質問する人、全然いないもん」


近所の人 :
「ふーん」


私 :
「逆に新鮮」


近所の人 :
「新鮮か」


私 :
「相手の顔色うかがって、距離をとってる人が多いから。それでいて突然キ
レる」


近所の人 :
「距離」


私 :
「どうしてリストラされたの?」


近所の人 :
「わからない」


私 :
「わかんないじゃあ、ダメじゃないですか」


近所の人 :
「理由なんて要らないだろ」


私 :
「そうかな。なんでも理由は必要ですよ」


近所の人 :
「……」


私 :
「どうして私は今の会社に入らなくちゃいけなかったのか。どうして私が営
業をやらなくちゃいけないのか。どうして営業成績はあんまり良くないの
か」


近所の人 :
「……」


私 :
「どうして仕事にやりがいを感じられないのか。どうして朝起きて仕事に行
きたくないと思うときがあるのか。どうしていま私は生きているのか」


近所の人 :
「……」


私 :
「わからないことばっかり」


近所の人 :
「……」


私 :
「知りたい理由ばっかりで、頭が重くて重くて」


近所の人 :
「理由なんか要らない」


私 :
「……要らないかな」


近所の人 :
「今のは、全部、『理由が要らない系』だ」


私 :
「……『理由が要らない系』?」


近所の人 :
「そうだ、その系統だ」


私 :
「昨日、上司からこんなこと言われたんです。『どうしてそんなに仕事に身
が入らないんだ。明日までに理由を考えてこい』って」


近所の人 :
「……」


私 :
「理由を考えていたら眠れなくて、それで朝まで起きてたら会社に行きたく
なくなった」


近所の人 :
「仕事に身が入らないのなんて、理由ないだろう」


私 :
「『理由が要らない系』ですか」


近所の人 :
「そう。『理由が要らない系』だ」


私 :
「はは……」


近所の人 :
「理由があると思うと、それを探してしまうだろ。すると理由を探すことに
ばかりに意識が向かって、行動することに意識が向かなくなる」


私 :
「へええ」


近所の人 :
「『全行動の自動車モデル』って知ってるか」


私 :
「全然」


近所の人 :
「前輪が『行動』『思考』で、後輪が『感情』『生理反応』だ」


私 :
「前輪が『行動』『思考』で……後輪が『感情』と『生理反応』……」


近所の人 :
「後輪はハンドル操作で直接コントロールすることはできない」


私 :
「なるほど!」


近所の人 :
「仕事に身が入らないのも、会社に行きたくなくなるのも、感情の問題だ。
しかし感情を変えるためには、まずハンドルを操作して行動を変えるしかな
い」


私 :
「ひょえー。なんかわかる気がする。ハンドルで行動を変える、か」


近所の人 :
「行動を変えずに感情や生理的反応を変えられない。理由なんか要らないん
だ」


私 :
「なんか熱いね」


近所の人 :
「私には時間がある。君の会社に行って、上司に話をつけてやろう」


私 :
「ええっ」


近所の人 :
「私は行くと言ったら行くぞ」


私 :
「なんか面白そうだから、本当に来てもらおうかな」


近所の人 :
「本気だ」


私 :
「どうしてそんなに熱いの? 近所に住んでるけど、私とは今日までほとん
ど口きいたことなかったじゃない」


近所の人 :
「それは理由がある」


私 :
「え、それは『理由が要る系』なんだ?」


近所の人 :
「近所に住んでいる若い女性が、会社に行けないでその辺をうろついている
んだ。放っておけない」


私 :
「どうして?」


近所の人 :
「それは理由など要らん。放っておけないと言ったら、放っておけないんだ。
どこかで思考はストップさせないと無限ループに入っていく」


私 :
「無限ループかァ。どこで思考をストップさせるか、だね。確かに」


近所の人 :
「車を持ってくるから、ここで待ちなさい。本当に行くぞ」


私 :
「わかりましたわかりました。そのかわり、私の話も聞いてよ」


近所の人 :
「なんだ」


私 :
「せめてスーツは着て」


近所の人 :
「スーツ? どうして」


私 :
「理由なんて要らないよ、もう」



……どんな言葉を選択すると人は動くのか、どんな感情を込めると人は動くの
か。

「絶対達成トレーニングキット」の中身を観ていて、あらためて気づきました。

過去と未来へのペーシング、「インフィニティ・ストラテジー」を最後の8枚
目のDVDで語っている自分自身を目にして、

「ものすごく感情こめて話してるな……」と、「さすがにコレなら動かされる
な」と

ロジカルだけれども熱い語り口調に、我ながら心を動かされました。やはりロ
ジックとパッションの両輪が不可欠ですね。


■絶対達成トレーニングキット(DVD11枚、CD1枚セット)
http://attax-sales.jp/products/1611.html


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 【57点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

明日、いよいよ「絶対達成LIVE2015夏」の案内をスタートします。

特に東京は、今春のLIVEのときより会場の収容人数が大幅に少なくなって
いるため、一気に満員になる可能性があります。

ご興味のある方は、早めにお申し込みください。

過去、一度たりとも「満員御礼にならなかったことがない」LIVEセミナー
です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※今回は「絶対達成」のロゴ入りA4レポート用紙(方眼タイプ)を全員に配
布いたします。

2015年6月1日

残念な上司の「ぼかし表現」ランキング10【 両面提示の法則】

● 今回のテクニック:【 両面提示の法則(2)】

良い側面、特徴だけを取り上げてアピールする方法を「一面提示」と呼び、長
所のみならず、短所もキチンと混ぜながらアピールする方法を「両面提示」と
呼ぶ。

自己アピールするとき、自分の強い部分だけでなく、弱い部分も見せることで、
相手との信頼関係(ラポール)を構築しやすくなる、この法則を「両面提示の
法則」と言う。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「君はすごくいいね。本当に多くの営業に見習ってもらいたい」


部下 :
「ありがとうございます」


マネジャー :
「特に挨拶がいい。ポジティブだし、何事にも挑戦する気概がある」


部下 :
「ありがとうございます。元気だけが取り柄です!」


マネジャー :
「うん。『元気だけが取り柄です』……も、いいんだけど、それだけじゃマ
ズイ。4月から課長になったわけだから、マネジメントをしてもらわない
と」


部下 :
「はい、部長! マネジメントを心掛けます」


マネジャー :
「元気いいなァ」


部下 :
「あはははははは! 元気だけが取り柄ですから!」


マネジャー :
「うん、まァ、いいよ。ところで、君の課のHさん、最近、仕事がとれない
ようで悩んでいるそうじゃないか」


部下 :
「はい。意識させます」


マネジャー :
「え、何を……?」


部下 :
「仕事をとれるように、意識させます」


マネジャー :
「おいおい、そんな言い方があるか。もっと具体的に話をしてくれよ」


部下 :
「はい。私はいつも、お客様のニーズに沿った最適な提案をしろと指導して
います。それを積極的にやるよう、きっちり心掛けてもらえるようにしま
す」


マネジャー :
「最適な提案っていうのはなんだ? 積極的にやるというのは何を何回実践
することなんだ? さらにきっちり心掛けるとは、どうすれば客観的に評価
できるんだ」


部下 :
「はい! 最適な提案というのは、お客様のニーズを正確にとらえ、しっか
りとした提案をするということです」


マネジャー :
「……おいおい、あのさ」


部下 :
「はい! 積極的にやるというのは、当事者意識を持ち、主体性をもってこ
とに当たる、という意味であります」


マネジャー :
「……だからさ、そういう」


部下 :
「はい! きっちり心掛けるというのは、しっかりと危機感をもって、自主
的にやり、必ずやり遂げるという意識を徹底して持つということでありま
す」


マネジャー :
「やめろやめろ、『ぼかし表現』のオンパレードじゃないか!」


部下 :
「はい! 『ぼかし表現』を徹底します!」


マネジャー :
「何を言ってるんだっ。ぼかし表現を徹底します、って……」


部下 :
「とにかく今期は新規のお客様を開拓できるよう、キッチリしっかりやって
いきます。業務の効率化、行動の最適化が、私にとって最も徹底すべきこと
です」


マネジャー :
「頭がクラクラしてくるよ。君が提出してきたマネジメント資料にもこんな
ことが書いてある」


部下 :
「はい!」


マネジャー :
「『新規開拓を徹底させるつもりが、業務の効率化を最優先したため停滞気
味。しかし業務も効率化できていないため、引き続き来月も危機感をもって
意識する』と」


部下 :
「はい!」


マネジャー :
「口頭で『ぼかし表現』を使うのならともかく、こういうマネジメント資料
にまで文章で書くのは絶対にやめてもらいたい」


部下 :
「徹底します!」


マネジャー :
「マネジメントサイクルを回せなくなる。わかるか?」


部下 :
「はい! 意識します」


マネジャー :
「結局、どう行動を変えるんだ。君は?」


部下 :
「はい! 当たり前のことを当たり前にやる。これが重要と認識しました。
参考にさせていただきます」


マネジャー :
「本当にわかってるのかね……?」


部下 :
「はい! 積極的に徹底し、意識します」


マネジャー :
「君には不思議な魅力を感じるな……。長所も短所もわかりやすいからだろ
うか」



……残念な上司が使う「ぼかし表現」ランキングを、先週コラムで書いたとこ
ろ、久しぶりに大ヒットコラムとなりました。

1位は「徹底する」、2位は「積極的に」、そして3位は「意識する」……果
たして10位は?


●「残念な人」の口癖「ぼかし表現」ランキング10
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20150530-00046169/


また、今月の「絶対達成セミナー」はマネジメントの仕組みがテーマ。会議資
料、管理資料に「ぼかし表現」を書かないためにはどうすればいいか、です。

(※東京はすでに定員をはるかに超えているため、もうすぐ締め切ります)


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 【29点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

昨年から"メルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」"を点数で表現して
います。

この点数がかなり不可解であると、よく言われるのですが、点数の基準は何度
もメルマガを読んでいただき、相対評価して見つけてくださればと思います。

ちなみに、

過去のメルマガで、最高点を出してもいいと思えるのは「号外メルマガ」にな
ってしまうのですが、こちらです。2012年3月8日の、東日本大震災からほぼ1
年後に書いたメルマガ。

http://attax-sales.blogspot.jp/2012/03/blog-post_08.html

メルマガ読者が半分になっても構わない。しかし解約する前に、このメルマガ
だけは最後まで読んでくれと懇願する文章からはじまっています。

このメルマガなら90点台をつけてもいい、と私は思っています。

さて、このメルマガで紹介した「西條剛央」さんの新刊が3年ぶりに登場しま
した。


■「チームの力: 構造構成主義による"新"組織論」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480068309/mysterycon0c-22/ref=nosim


週末の日経新聞にも大きな広告として掲載されていましたし、アマゾンの総合
ランキングでも10位以内に入っています。

(ビジネス書のランキングではなく、アイドル写真集やコミック等を含む、す
べての書籍のランキングで10位以内です)

筑摩書房さんの特設ページでは、私の書評も掲載されました。ぜひご確認くだ
さい。

http://www.chikumashobo.co.jp/special/team_power/

西條剛央さんは、私が最もリスクペクトする人物の一人です。

日経BP社のはからいで対談させていただいたとき、全身から漂うオーラに
「死」の文字が含まれているのかと錯覚するぐらい、凄まじい「気」を持った
方でした。

あれだけのプロジェクトを、あの若さで大成させるわけです。

さながら、リアル大河映画の主人公と相対した気分でした。どんなに有名な経
営者、芸能人と会ったとしても、あんな経験は二度と味わうことはないと思い
ます。