2015年3月30日

人間関係の悩みを解決する「ラポール構築」3つのポイント【ロー・ボール】

● 今回のテクニック:【ロー・ボール・テクニック(16)】

ロー・ボール・テクニックとは、まずは相手が受け取りやすいボールを投げて
から、徐々にオプションを増やしていく方法である。

説得される側は、気がついたときには最初の条件よりも吊りあがっているため、
騙されたと感じるかもしれず、リスクは高い。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックよりも強力な説得技術と言われているが、
多用は禁物である。


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● 今回のコミュニケーション例


父 :
「夜の10時を過ぎてる。もうゲームはやめなさい」


5歳の息子 :
「うん。もうやめるよ」


父 :
「1日にどれぐらいゲームをやってるんだ。ゲームばかりやってると、ドン
ドン目が悪くなるぞ」


5歳の息子 :
「うん」


父 :
「もう、寝なさい」


5歳の息子 :
「お父さんは、スマホばっかり見てるね」


父 :
「え」


5歳の息子 :
「お父さんも、スマホばっかり見てるよ」


父 :
「うーん……。お父さん、たまに、仕事のメールも来るから」


5歳の息子 :
「お父さんは、スマホばっかり見ててもいいの?」


父 :
「いや、そんなにスマホばっかり見てるかな?」


5歳の息子 :
「この前、ご飯たべてるときも」


父 :
「たまに、じゃないか」


5歳の息子 :
「お父さん、布団に入って目をつむったら、すぐに朝だよ」


父 :
「……ああ、お前はすぐに寝るから」


5歳の息子 :
「お父さんも、目をつむったら、すぐに朝?」


父 :
「いろいろ考え事をするから、すぐに朝、ってことはないな……」


5歳の息子 :
「お母さんのこと考える?」


父 :
「お母さんのことは考えない」


5歳の息子 :
「僕もお母さんのこと、考えない」


父 :
「すぐ寝るからだろ?」


5歳の息子 :
「わかんない」


父 :
「一か月に一回は会いに来てくれるから」


5歳の息子 :
「お母さんからのメールがスマホにくるの?」


父 :
「……ほとんど来ない」


5歳の息子 :
「お母さんも言ってた。お父さんのメールはスマホに来ないって」


父 :
「……」


5歳の息子 :
「お父さんもお母さんも、スマホが子どもなの?」


父 :
「えっ!」


5歳の息子 :
「だって」


父 :
「どうしてそう思うんだ?」


5歳の息子 :
「わかんない」


父 :
「お父さんもお母さんも、子どもはお前だけだよ」


5歳の息子 :
「そうなんだ」


父 :
「当たり前だろう!」


5歳の息子 :
「もう寝る」


父 :
「……」


5歳の息子 :
「お父さん」


父 :
「なんだ」


5歳の息子 :
「あしたの夜、折り紙おるの手伝って」


父 :
「折り紙か、わかった」


5歳の息子 :
「折り紙でスマホつくる」


父 :
「え」


5歳の息子 :
「僕がつくったスマホを使ってね」


父 :
「……」


5歳の息子 :
「家にいるときだけでいいから」


父 :
「……」


5歳の息子 :
「僕がつくったスマホには、きっとお母さんからのメールがくるよ」


父 :
「……」


5歳の息子 :
「そうしたら、メールをかえしてあげてね」


父 :
「お前……」


5歳の息子 :
「僕も、折り紙でつくったゲーム機でゲームする」



……人と信頼関係を構築するには「心の探り合い」をやめることです。

もしも相手の期待に応えようと行動しているにもかかわらず、相手から信頼さ
れていないと感じるのであれば、心を開いて相手の望む行動を知るようにしま
しょう。

自分はできていると思っても、相手からも同様に認識されているか、わからな
いものですから。

ラポール(信頼関係)構築のための大作コラムを書きました。今回のコラムは
ぜひ読んでください。


■ 人間関係の悩みを解決する「ラポール構築」3つのポイント
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20150328-00044294/


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 【62点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

約1年ぶりでしょうか。

先週末、家族で旅行に行きました。近場の昼神温泉です(長野県)。

私は学生時代、観光地でアルバイトした経験がいくつかあり、北海道の知床
(ウトロ)のお土産屋でバイトしているときに、

「お土産って、お金を出して買うものじゃないな」

という先入観を持ってしまい、今にいたっています。

ですから、観光地へ行っても滅多にお土産を買って帰りません。(私はお土産
に関しては『不燃客』です)

ところが早朝起きて5キロジョギングし、その足で昼神温泉の「朝市」へ出向
いたところ、

路上に並べられた野菜や山菜、饅頭、お惣菜など……を目にして心が動かされ
てしまいました。すべてが地元の人の手作り。

なんといっても参考になったのが、売り子さんたちの「販売トーク」です。

朝市では商品陳列やポップなどで「売れる空気」を作ることができませんから、
「トーク」重視です。

観光地の朝市に足を運ぶような人の中に「不燃客」はいません。半分近くが
「自燃客」です。

「空気でお客様を動かす」に書いた、「第一の知識」「第二の知識」を販売
トークに織り交ぜることで、お客様たちは空気に感化され、次から次へと買っ
ていってしまいます。

「いらっしゃーい! お兄さん、この草餅どう? お店で売ってる草餅のほと
んどは、中国でとれた乾燥ヨモギだよ。だけど、この草餅は地元でとれたヨモ
ギだけを使ってるね。全然味が違うよ。ここで試食していってよ。口の中に入
れたあと、強いヨモギの風味が広がるのがわかるでしょ。ここにある全部の草
餅、おじさんのお母さん、もう94歳になるね。うちのお袋が昨夜つくった草
餅ばっかりだね。一所懸命つくったよ。一個100円。え? 3つ買う?
あーーりがとーーーございますっ!! お客様、草餅3つお買い上げぇ
ぇーー!」

……という感じです。

必要かどうかわからないものまで、私も大量に買ってしまいました。
(不燃客だったはずなのに)

今日、部下8人にお土産を配ります。買ったのは「レーズンきなこ」。箱買い
してしまいました。

2015年3月26日

会話効率を上げる「ヒト・ショートカット」 【オーバーステート】

● 今回のテクニック:【オーバーステート(12)】

オーバーステートとは、文字通り「大袈裟な表現」のことである。

曖昧なことを繰り返す相手に、わざと大袈裟な数字を示して反論させ、具体的
な条件を引き出す方法。 少しふざけた調子で吹っかけるのがコツ。

「100%ダメなんですか?」 → 「100%ダメというわけじゃないです」
「年収1000万ぐらいもらってるんだろ?」 → 「半分くらいですよ」
「本当は彼女の3人や4人いるんだろ?」 → 「1人しかいませんよ」


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「来週、A社に持っていく提案書を見せてくれ」


部下 :
「あ、はい……。ただ、まずは部長に承認をとってからでもよいですか」


マネジャー :
「どうして部長に承認をとる必要があるんだ」


部下 :
「いや、それは……その、以前も、提案書があったら私にまず見せなさいと
部長は言われていたので」


マネジャー :
「君は一年間、どれぐらいの提案書を書いているんだ」


部下 :
「一年間、ですか? 月に4つだとして、50ぐらいは提案書を書いていま
す」


マネジャー :
「20人近く部下のいる営業部長が、ひとりひとりの営業が書く提案書すべ
てに目を通さなくちゃいけないのか? すべて100%部長がチェックしな
いとお客様に持っていけないのか?」


部下 :
「いやいや、そんなことはありません。特に重要な案件だけだと思います」


マネジャー :
「特に重要な案件かどうかは、課長の私が判断すればいいだろう」


部下 :
「確かに、そうですね」


マネジャー :
「勝手にルールを作らないでくれ。……部長に資料を見せると、よけいにや
やこしくなるんだよ……」


部下 :
「え、何か、おっしゃいましたか?」


マネジャー :
「ひとりごとだ」


部下 :
「それでは、すぐ課長にチェックしていただきます」


マネジャー :
「うん。それでA社の誰にこの提案書を渡すんだ」


部下 :
「A社のK次長です。いつもK次長が窓口となっていますから」


マネジャー :
「おいおいおい、K次長じゃないだろう。あそこの決済者はG本部長だ」


部下 :
「それはわかっていますが、いつもK次長に提案書を持っていくことになっ
ていますので」


マネジャー :
「そういうルールになっているのか?」


部下 :
「いや、そんなことはありませんが……」


マネジャー :
「営業支援システムで商談履歴をチェックすると、過去、A社に提案した回
数は12回ある。そのうちK次長へ提案したのが4回。G本部長が5回だ。
3回がその他の人だ」


部下 :
「私の場合はいつもK次長なんです」


マネジャー :
「君がA社に提案する場合100%、K次長を通さないといけないのか?」


部下 :
「100%ってことはありませんが……」


マネジャー :
「私もK次長のことはよく知っている。とても気さくでいい方だ」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「いつA社にお伺いしても、K次長はいらっしゃる」


部下 :
「た、確かに」


マネジャー :
「反対に、G本部長はほとんど社内にいない」


部下 :
「おっしゃる通りです。G本部長にお会いすることは滅多にありませんね」


マネジャー :
「君に聞きたいんだが、提案書は何のために作るんだ? 仕事を受注するた
めなのか、誰かに渡すためなのか」


部下 :
「もちろん、仕事を受注するためです」


マネジャー :
「仕事を受注するためであれば、滅多に会えない人に会え」


部下 :
「……な、なるほど。その通りかもしれません」


マネジャー :
「K次長に提案書を渡したら、ほとんどのケースでG本部長の手に渡らない。
同じ会社のK次長でさえも、G本部長とはなかなか会えないからだ」


部下 :
「そ、そうですね」


マネジャー :
「G本部長に会うためには、当社の専務に言え。当社の専務ならG本部長と
アポイントをとれる。組織営業とは、こうやってやるんだよ」


……「話を通しておかないと、後でややこしくなる人」と、「話を通すことで、
かえってややこしくなる人」がいます。

「会話効率」をアップするためには、会話の『ゆがみ度』がヒドイ人はなるべ
くショートカットし、話のわかる人、話をキチンと前に進められる人とだけコ
ミュニケーションをとりたいですね。

そうでないと、いつまで経っても目的を果たすことができません。


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 【19点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

これまでに多くの人から「あの内容はよかった」「アレを朝から読んで気合が
入った」と言われる、私の過去メルマガがあります。

「絶対達成する決断力のつけ方」のキャンペーン用に出した号外メルマガです。
2013年の5月31日に配信しています。

先日もある社長とランチしているときに、「あのメルマガは泣けた」と言われ
ました。

2年近く前のメルマガのことを覚えていただけるなんて、とても光栄に思いま
す。せっかくですので、そのときのメルマガを転記しようと思います。


……(これ以降の文章が、その号外メルマガの内容です)


先日、娘にされたことで、泣けるような出来事があり、それを今日は書きたい
と思います。


仕事から早めに帰宅し、夕食をとったあと、


風呂から上がってきた6歳の娘に、


「肩がこっているから、100回モミモミしてくれ」


と私は頼みました。


娘がイヤそうな顔をし、体をモジモジさせているのですが、私はおかまいな
しに、


「100回モミモミしてくれよー」


と言うと、「いいよー」と言って、肩を揉んでくれました。


肩揉みのスピードはとても速く、


「いち! にっ! さん! しっ! ごっ! ろっ!……」


という感じでしたので、私は意地悪して、


「いーーーーーーーーーーーーーーーーーち、にーーーーーーーーーーーーー
ーい、さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん……」


と、大きな声でゆーーっくり肩揉みの数をかぞえはじめました。


すると娘も合わせて、


「しーーーーーーーーーーーーーーーーーーい、ごぉーーーーーーーーーーー
ーーお、ろーーーーーーーーーーーーーーーーーーく……」


と私に合わせ、大きな声でかぞえはじめます。


しかし、実際の肩揉みのリズムは、「いち! にっ! さん! しっ! ご
っ! ろっ!……」なのです。


私と娘が、「じゅうーーーーーーーーーーーさーーーーーーーーーん」と、声
を合わせて1カウントしている間に、


娘の肩揉みは、4回から5回ぐらいはされています。


したがって、私と娘で「25」ぐらいまでかぞえたとき、すでに肩揉みは
「100回」を超えていました。


しかし娘は頭が悪いのか、健気なのか、私に同情しているのか、


「さんじゅーーーーーにーーーーーーーーーーーーーーー、さんじゅーーー
ーーーーーーーーーーーーーーさーーーん……」


と、大声でかぞえつづけるのです。


「よーーーーーーん、じゅーーーーーーーーーーーーーー」


と、かぞえる数が「40」を超えたとき、もうすでに私は涙をこらえることが
できなくなってきました。


「アホか、こいつは。もう肩揉みは200回近くやってるじゃないか。なんで
やめないんだ。こんなお父さんに調子を合わせなくてもいいんだよ」


心の中でそうつぶやいても、元気な声で、娘と数をかぞえます。


「ごじゅーーーーにーーーーーーーーーーーー、ごじゅーーーーーーーさーー
ーーーーーーん……」


声のリズムとは関係なく、娘の肩揉みのリズムは遅くなることなく、相変わら
ず「いち! にっ! さん! しっ! ごっ!」というリズムなので、


だんだん私は肩が痛くなってきました。


娘もかなり手が痛いんじゃないか。いい加減、「もう終わり!」と言って、や
めたらいいのに……と、私は思っていました。


しかし、まったくやめる気配がありません。


まさか、このまま「100」をかぞえるまで肩揉みをするんだろうか?


「ろくじゅーーーーーーよーーーーーーーーーーーーーん……」


「60」を超えたあたりから、かなり肩が痛くなってきました。娘は力を弱め
ることなく、同じリズムで肩揉みをしつづけます。とはいえ、


「もう、痛いよ。もう、お父さん、痛いからもういいよ」


などとは言えず、


「ろくじゅーーーーーーーーきゅーーーーーーーーーーーう……」


と、相変わらず2人で声を張り上げました。


「70」を過ぎたころ、再びこみ上げるものがありました。


胸が熱くなり、声がうわずっても、


「ななじゅーーーーーーーーーーさぁーーーーーーーーーーん……」


と、やりつづけます。


「80」が過ぎ、


「90」が過ぎ、


いよいよ「ひゃーーーーーーーーーーーーーーーーーくぅーーー」と言うとき
が来たのですが、


娘は肩揉みをやめません。


まだまだ「いち! にっ! さん! しっ! ごっ! ろっ!……」のリズム
で肩揉みし続けるのです。


「もういいって! もういい。もうお父さん、満足したから!」


と言えなくて、


「ひゃくさーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん、ひゃくよーーーー
ーーーーーーーーーーーーん……」


と、同じようなリズムで2人でかぞえつづけます。


結局、「120」を過ぎてからようやく娘がやめ、


「ひゃー……。ちかれた」と言いながら、ゴロリと床に仰向けになって、倒れ
こみました。


そのときはじめて、娘がお風呂から出たばかりで、真っ裸のままだったことを
私は知りました。


「風邪をひくから、すぐ着替えなさい」


私が言うと、娘はお尻をかきながら、


「はぁーい」


と言い、背中を向けて和室へと向かいます。


まだ塗れたままの娘の髪、背中、お尻を見ながら、再び私は泣きそうになって
目頭を押さえました。


子供たちが寝たあと、妻にその話をすると、


「久しぶりにお父さんが早く帰ってきたら、嬉しいのよ」


と言われました。


私は考え込みました。


一番、大切なものは何だろう。一番、自分が幸せに感じる瞬間はどんなときだ
ろう、と。


それは、人によって違うでしょうが、


幸せな瞬間を「幸せだ」と受け止められるだけの心の余裕があること。


それが前提条件だろうな、ということを、あらためて思いました。


私たち会社員は、1日の多くを勤務時間に当てています。


その勤務時間の中で、私たちが実現しなければならないこと、達成しなければ
ならないことがあります。


その「当たり前」のことが、あたりまえにできていないと、心の余裕がなくな
り、


何気ないひとときに味わう、一粒の幸福感も覚えられないことでしょう。


『絶対達成マインドのつくり方』に書いたとおり、


長男が生まれたころ、私の心はがらんどうで、ポケットティッシュの色と同じ
ように、真っ白でした。空っぽでした。


日々刻々と変わる、第一子の表情の変化にさえ気付かない精神状態でした。


いま振り返っても、当時、何を考え、何に心を動かされ、何が自分を怯えさす
のか、


まるでわからないほど、空虚でした。


私たち会社員は、1日の多くを勤務時間に当てています。


つまり、人生の大半が勤務時間です。


人生を豊かにするためには、まずその時間で叶えなければならないことを「絶
対達成」し、


心の状態を安定させることが、何をするにしても、何を目指すにしても大前提
ではないでしょうか。


娘から肩揉みをされているとき、


私の声と、娘の声とが「120回」もシンクロし、その重なり合ったふたりの
声が私の耳に届くたびに、


なんとも言えない喜びを覚えました。


小さな小さな日常の喜びを見つけられる、そんな日々を送るために、


「絶対達成」しましょう。


優柔不断な自分にサヨナラです。

2015年3月25日

褒めて伸ばす育て方「グッド&スルー」【フリンチ!】

● 今回のテクニック:【フリンチ!(13)】

フリンチ!とは、相手からの無茶な指示や要求を飲まないために、冗談ぽく驚
いてみせること。

相手の言葉をはじめから「本気ではない/ジョークだ」と決め付け、大袈裟に
驚いたり笑ったりすることで、相手も本気だと言えなくなるという強引なコミ
ュニケーション技術。

言われた瞬間、間髪入れずに笑い飛ばすぐらいの覚悟が必要。例えばお客様か
ら「もう少し安くできない?」と言われたとき「ええええええ! 価格交渉な
んてあるはずないでしょう。いやだなァ~、部長ときたらすぐにそんな冗談を
言うんだから~。前も言ったじゃないですか、価格交渉はないって。もしいま
値引いたら僕が嘘つきになっちゃいます~。ワハハハハ!」という感じで返す。

もちろん相手との強力な信頼関係(ラポール)が前提であり、それがないのに
実践すれば、大変な目に遭うことは間違いない。


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● 今回のコミュニケーション例


友人A :
「部下育成で、相談があるんだ」


友人B :
「私に?」


友人A :
「うん、君は確か今の会社でグループリーダーをしているだろう。部下が4
人いると聞いた」


友人B :
「でも私のとこって、みんな女性だから、男とは違うかも」


友人A :
「それでも参考に聞かせてほしいんだ。去年の4月に新しい部下が3人やっ
てきて、ちょうど1年になるけど、なかなかうまくいかなくて……」


友人B :
「具体的にどういうことで悩んでるの?」


友人A :
「叱ると萎縮するんだよね。そして、ハッキリと自己主張してくる。『私は
褒めて伸びるタイプです』って」


友人B :
「それならいいじゃないの」


友人A :
「えっ。そうか?」


友人B :
「簡単でしょう? 自分で言ってるんだもの。部下を褒めてやりなさいよ」


友人A :
「褒めたら育つんだろうか」


友人B :
「部下を信じてない証拠だよ。『私は褒めて伸びるタイプです』って公言し
てるんだから、褒めてあげないと」


友人A :
「褒めても伸びなかったらどうなるの?」


友人B :
「そもそも褒めてないんでしょう?」


友人A :
「うん……。まァ、ね」


友人B :
「やってもいないことをアレコレ考えてもしょうがないでしょう」


友人A :
「そりゃあ、そうだけど」


友人B :
「ウジウジ考えてるから、ダメなのよ。部下からハッキリそう言われてるん
だから、そうしてあげなさい。簡単じゃない」


友人A :
「うん……」


友人B :
「私の部下もいたよ。『私は褒められないと成長しません』っていうのが。
だから徹底的に褒めてあげた」


友人A :
「やっぱり、そうしたらうまくいったの?」


友人B :
「ううん」


友人A :
「えっ!」


友人B :
「全然、成長しなかった」


友人A :
「じゃあ、ダメじゃんか……」


友人B :
「ダメじゃないでしょう。単純にその子は『褒めて伸びるタイプ』じゃなか
っただけ。半年ものあいだ、褒めて褒めて褒めまくったのに、全然伸びない
から、今度は叱ってあげたわよ」


友人A :
「叱った……? 叱って、叱って、叱りまくったってこと?」


友人B :
「そんな執拗にはしないけど、ピシャリと言うことが多くなったかな。そう
したら伸びてきたのよ。負けん気の強い子で、意外とタフだった」


友人A :
「へええ」


友人B :
「私、3年前からマラソンをやってるんだけど、10キロ走だけやっている
ときは、後半バテるタイプだと思い込んでた。だからフルマラソンをやるよ
うになってから、後半バテないようにトレーニングを重ねてきたんだけど」


友人A :
「うん」


友人B :
「ところがフルマラソンの大会に何度か出場していたらわかった。私は『後
半バテるタイプ』じゃないってことが」


友人A :
「へええ」


友人B :
「だから、トレーニング方法を変えたらすごくラクに走れるようになったの。
これって、同じことじゃない?」


友人A :
「ああ、確かに。自分のことって、意外と自分自身じゃあわからないもんだ
よね」


友人B :
「それと同じよ」


友人A :
「わかった。俺も褒めて、褒めて、褒めまくってみるよ。それで成長しない
ようなら、方向転換してみる」


友人B :
「その時に覚えておいたほうがいいことが『グッド&スルー』」


友人A :
「『グッド&スルー』?」


友人B :
「褒められることを部下がやったら、キチンと褒める。これが『グッド』」


友人A :
「ああ、なるほど」


友人B :
「褒められないようなことをしていたら注意したりせず放置。これが『ス
ルー』」


友人A :
「ええっ! スルー?」


友人B :
「そうよ」


友人A :
「しかし、スルーしていい時と悪い時があるだろう。たとえばお客様からク
レームがあったのに上司に報告しなかったらどうだろう? スルーしていい
ものだろうか」


友人B :
「はァ? 何を言ってるの? ちょっと冗談でしょう?」


友人A :
「え……」


友人B :
「いいわけないでしょう。それはガツンと言わないと!」


友人A :
「……だって、さっきスルーしろって言ったじゃないか」


友人B :
「えええええええ! ちょっと何を言ってんの。こっちはマジメに相談乗っ
てるのにィ」


友人A :
「ご、ごめん」


友人B :
「わかってるくせに言わないでよ」


友人A :
「そ、そうだな……」


友人B :
「たまに頭が整理できてない上司っているでしょう? そんなんじゃ部下育
成なんてできるはずないのに」


友人A :
「あ、ああ」


友人B :
「クレームが来て上司に報告したら『よくやった! 凄いぞ』って、褒める
わけないでしょう。やって当たり前のことを褒めるわけがない」


友人A :
「確かに……」


友人B :
「やって当たり前のことをやってもいないのに、スルーできるはずがないよ。
別の会社の私でさえわかること」


友人A :
「そうそう。そうだな」


友人B :
「たとえば相手によって態度を変える部下っている?」


友人A :
「ああ、いるね。お客様によって態度を変えちゃう部下がいる」


友人B :
「そういうのをスルーして」


友人A :
「ああ、そうか。誰が見ても問題か、というと、そうでもないよな……。価
値観の違いというか」


友人B :
「でも、実際にはそういう態度を改めてほしいんでしょう?」


友人A :
「そりゃそうだよ。一応、営業なんだから」


友人B :
「お客様にいい態度をとったら思いっきり褒めてよ。褒めまくるの。『今日
の積極的な態度、よかったよ』とか、『すぐ見込み客にならないお客様にも
笑顔で対応するなんて凄いな』とか、嫌味っぽくならないように気を付け
て」


友人A :
「そうか、そうやって褒めていくんだな。そうやって褒め続けることで、本
来、お客様にどう接するべきかを気付くことだろうね」


友人B :
「うん。『褒めて伸びていくタイプ』はそうだね。でも、それを半年続けて
も、態度を改めないようであれば『褒めて伸びていくタイプ』じゃないって
こと。だからピシャリと言ったほうがいいよ。感度が低い部下だね」


友人A :
「『お客様によって態度を変えるのはやめなさい』とハッキリ言えばいいの
か。つまり、ハッキリ言わないとわからないタイプだ、と上司の俺が認識を
改めることが重要だな」



……「問題」を2つに分解すると「常識的な問題(common-sense problem)」
と、「個別特有の問題(specific problem)」に分けられます。

「期限を守らない」「挨拶をしない」「嘘をつく」「整理整頓ができていな
い」「目標が達成しない」……などは「常識的な問題」です。

しかし経営者やチームリーダーの価値観によって、組織の「あるべき姿」が個
別特有になる場合があります。

たとえば、「上司には1週間に1度は報告・連絡・相談をすべきである」「お
客様から電話を受けたら、その日のうちにコールバックすべきである」「朝礼
がある日は10分以上前に集合して社長の話を聞くべきである」……等。

共通認識を正しくしておかないと理解されない「あるべき姿」のこと。

この「あるべき姿」とギャップのある行動をしていると「個別特有の問題」が
発生するというわけです。

今回ご紹介した「グッド&スルー」の焦点は、「個別特有の問題」が発生して
いるときにスルーするのか、叱るのか、です。

このあたりが整理されていないリーダーがたくさんいて、部下指導に苦労して
いる人が多く見られます。

私たちの「組織風土診断サービス」は。この2種類の問題を明らかにして、組
織の空気を診断し、変革させていきます。


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 【39点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

(累計1500万人以上が見た、と言われる)プルデンシャル生命が運営する

「【日出ずる国の営業】――週替わり道場で学ぶ、至福の営業」

に、今週の月・水・金に私の記事がアップすることとなりました。

3.3万人もいるプルデンシャル生命のFBページに「社外師範」として紹介
されます。

日本全国に2000名以上の会員がいるという「営業部女子課」を主宰する
太田彩子さんからバトンを受けて登場させていただきました。

https://www.facebook.com/hiizurukuninoeigyo/photos/a.396000040458883.90464.370831779642376/884228984969317/

これまでの「日出ずる国の営業」の内容をまとめた

『アメリカ本国を驚愕させたプルデンシャル生命の「売る力」』

も先日発売され、ベストセラーとなっています。

どうぞよろしくお願いいたします。

2015年3月19日

集中して仕事の効率をアップさせる「3つの基本」【ハード・トゥ・ゲット・テクニック】

● 今回のテクニック:【ハード・トゥ・ゲット・テクニック(16)】

ハード・トゥ・ゲット・テクニックとは、「あなただけが手に入れられる」
「あなたしかできない」という選民意識を相手に植えつけ、こちらの思惑通り
の行動へ誘導させるコミュニケーション術である。

営業のモチベーションアップ、もしくは行動変革を促す場合には、「君がオン
リーワンの存在なんだ」と訴えかける必要がある。

どんなコミュニケーション術でもそうだが、特にハード・トゥ・ゲット・テク
ニックを実践する場合は話す側の「心」が必要だ。本気で「あなただけ」とい
う気持ちがないと伝わるはずがない。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「ちょっといいかな」


部下 :
「はい?」


マネジャー :
「君は昨夜、夜の10時までオフィスに残っていたそうだが、何をしていた
んだ」


部下 :
「ああ、昨日は提案書の作成に手間取っていました」


マネジャー :
「何時から始めて、何時まで提案書を作っていたんだ」


部下 :
「何時から何時までって言われても――。厳密には、朝の10時からも提案
書作りをやっていましたし、お昼もコンビニの弁当を食べながらやっていま
した」


マネジャー :
「だから?」


部下 :
「ええっと、ですから、厳密に言うと、何時から何時までと言われても、そ
う簡単には言えない、ということです」


マネジャー :
「その提案書を見せてくれないか」


部下 :
「まだ、完成していませんが」


マネジャー :
「それでもいいから見せてくれ」


部下 :
「えっと……。これが提案書です」


マネジャー :
「4ページの提案書か。しかも1ページ目は表紙。4ページ目は価格表だ」


部下 :
「はい。2ページ目と3ページ目の作成に時間がかかってしまいまして」


マネジャー :
「細かいことを聞くけど、この提案書は何日から作り始めた」


部下 :
「えっと、先週の金曜日からです。あ、しかしですね、その金曜日に作った
資料は後で修正しまして――」


マネジャー :
「いいんだ、別に。今週に入ってから提案書作りをした日は何曜日と何曜日
だ?」


部下 :
「ええっと……。月曜日も、火曜日も、です」


マネジャー :
「そうだよね。月曜日も夜11時まで残っていた。火曜日も9時半まで残業
をしていたよね」


部下 :
「そ、そうですね。でも、提案書ばかりやっていたわけじゃありません」


マネジャー :
「知ってるよ。何をやっていたんだ?」


部下 :
「ですから、その……。来期に向けた管理資料の整理とか、お客様リストの
精査とか、その……」


マネジャー :
「このシートが何かわかるか?」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「このオフィスの中に、実はひとりだけ君を1日観察していた人物がいる。
その人物に、君がしている作業を分類分けして記入してもらった」


部下 :
「えええっ!」


マネジャー :
「スパイのようなことをして悪かったが、これを見てくれ。月曜日の午前中、
君は確かに提案書の資料作成画面をパソコンに表示させているが、2時間あ
っても、ほとんど作業が進んでいない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「なぜかというと、その2時間の中で7通のメールを処理し、3件の電話を
とっているからだ。2人の同僚に質問され、対応に時間をとられている」


部下 :
「……」


マネジャー :
「外部からかかってきた電話を内線でまわすのを間違え、お客様に迷惑をか
けたといって、お詫びのメールを書いたり、他部署の人にその後の対策を相
談したりして、お昼から1時半までその対応に追われている」


部下 :
「……そ、そうでした」


マネジャー :
「結局、提案書作成はまったく進まず、昼すぎの2時から外出した。しかし
3時過ぎには外出先から戻ってきて、またパソコンの前で1時間、メールの
処理3件、ネットサーフィン、電話の受け取り2件をしてから、4時半に再
び外出」


部下 :
「……はい」


マネジャー :
「夕方6時半に戻ってきて、それからまたメールの処理2件。処理というよ
り、閲覧だと思うが、それから提案書作成の画面を出して夜の8時まで作業。
隣の課の係長と20分雑談。さらに10時までにメール閲覧やネットサーフ
ィン……管理資料のメンテナンスははじめるが、10分でやめてしまう」


部下 :
「はい……」


マネジャー :
「次の火曜日も、同じような調子で朝から仕事をしている」


部下 :
「お恥ずかしいです」


マネジャー :
「君は私がメールを送るとすぐに返してくれる。何か仕事を頼むと、すぐに
取り掛かってくれる。悪いことだと言わないが、常にそのような状態だと計
画的に仕事をしているのだろうかと疑いたくなる」


部下 :
「申し訳ありません。場当たり的に仕事をしていると思っています。まだ営
業の仕事に慣れていないのかもしれません」


マネジャー :
「君は前職で生産管理をしていたそうだな」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「そういう君だからこそ、もっと効率化をしてもらいたいんだ」


部下 :
「本当にそうですね。営業の仕事って、ある意味自由ですから、自分を律し
ないと生産性が上がらないですね」


マネジャー :
「生産管理のときは違っていただろうけど、営業がオフィスにいると、いろ
いろなものに繋がってしまう。パソコンをネットワークに繋ぎっぱなしで仕
事をするな。気が散って仕方がないだろう」


部下 :
「ホント、そうですね……」


マネジャー :
「君だから私は言うんだ。君なら今の10倍のスピードで仕事を処理できる
だろう」


部下 :
「どうすればいいんでしょうか」


マネジャー :
「基本が3つある。類似した作業をグルーピングすること。いったん作業を
スタートしたら終わるまでやめないこと。ネットワークを遮断することだ」



……簡単に仕事の効率をアップさせるには、類似した作業を密にした集まりを
作り(作業グルーピング)、集中して処理することです。

「作業をいったんスタートさせたら、終わるまでやめない」これが基本です。

「集中する」は「気が散る」の反意語。

気が散らない環境を作ること、つまり「繋がり」「ネットワーク」からの自立
が求められます。


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 【23点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

明日、号外メルマガで私から重大な発表があります。

しばらく悩んでいたことですが、決断するとスッキリするものですね。

新しい可能性を手に入れるためには、大切な何かを捨てなければ手に入らない
ものだと思っています。

2015年3月16日

「決断力のない人」が決断できるタイミングとは?【Iメッセージ】

● 今回のテクニック:【Iメッセージ(15)】

Iメッセージ(アイメッセージ)とは、「私」を主語にして相手の行動を促す
メッセージ。相手が行動することによって「私」がどう感じるのかを言葉で表
現することにより、相手が自主性を失わず承認に結びつく。コーチングの基本
テクニックであり、会話の中にさりげなく織り込むのがコツ。

反対にYOUメッセージ(ユーメッセージ)とは、「あなた」を主語にするメ
ッセージ。例えば「早くやりなさい」「報告・連絡・相談をしっかりしろ」
「きっちりやるように」などである。「私」と「あなた」との繋がりが断絶さ
れているので、相手に抵抗が生まれ、反発が生まれやすい。


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● 今回のコミュニケーション例


友人A :
「4月から、部長に昇格することになったよ」


友人B :
「え! 部長?」


友人A :
「そう。今の部長が定年退職することになって、俺が部長に昇格する。社長
に頼まれたんだ」


友人B :
「課長になってまだ2年だろう?」


友人A :
「そう。他にも課長が4人いるが、俺が部長になるそうだ。39歳で最年少
課長なのに」


友人B :
「最年少課長が部長になるってことはどういう気分なんだ。プレッシャーを
感じるだろう?」


友人A :
「そうだな。でも、やってくしかない」


友人B :
「他の課長さんは、お前が部長になることに納得しているのか?」


友人A :
「4人中、3人は納得していないと思う」


友人B :
「年齢は?」


友人A :
「他の課長4人は全員、50代だよ。10歳以上、年上」


友人B :
「そりゃあ、やりにくいな」


友人A :
「何とかなるんじゃないか」


友人B :
「俺だったら絶対にムリだよ。とても、できない」


友人A :
「どうして?」


友人B :
「どうしてって……。10歳以上も年上の、しかも経験も豊富な人を部下に
持つんだろう? やりにくいじゃないか」


友人A :
「だから、どうして? 俺の質問の答えになってないよ」


友人B :
「え……」


友人A :
「どうしてムリなの? どうしてやりにくいの?」


友人B :
「どうしてって……。年下のヤツから、命令とか指示とされたら、その課長
さんたちは気分が悪くなるかなと思って」


友人A :
「課長4人が気分が悪くなるから、どうなの?」


友人B :
「え……」


友人A :
「お前の話には中身がない気がする。年上の部下たちが気分悪くなるなら、
部長を引き受けるのはムリってこと?」


友人B :
「いや、それだけじゃなくて……」


友人A :
「じゃあ、何なの? わかりやすく説明してくれよ」


友人B :
「うーん、なんて言えばいいのかな……。とにかく、俺にはムリだってこと。
お前の置かれた立場だったら、部長は引き受けない」


友人A :
「それはそうだろう。自分にはムリだ、という理由もわからないし、自分な
らできる、という根拠も見つからないからだ」


友人B :
「……?」


友人A :
「断る理由もないし、引き受けられる根拠もないってことだ。ただそれだけ
なら、引き受けたほうがいいだろう。断る理由がないんだから」


友人B :
「……」


友人A :
「断る理由がないことを、引き受けて何が悪いんだよ」


友人B :
「悪くはないさ、突っかかるなよ」


友人A :
「高校時代、剣道部だったとき、お前が主将だった。俺は全然強くもなかっ
たし、後輩をまとめる力もなかった。でも、お前は実力も人望もあった」


友人B :
「……」


友人A :
「あのとき、実力も人望もあったから主将をやれと監督に言われたとき、引
き受けたのか?」


友人B :
「……え」


友人A :
「もし俺が監督に『お前が主将をやれ』と言われたら、尻込みをしたと思う。
俺以外の部員に適任者がいたからだ。それでも監督に『お前にやってほしい
んだ』と言われたら、引き受けたと思う」


友人B :
「そうか」


友人A :
「引き受けたうえで、実力をつけようと思うだろうし、後輩からリスペクト
されるよう努力したと思う」


友人B :
「……」


友人A :
「『断る理由』を探してばかりいるヤツに、『部長を任せたい』と言ってく
る社長はいないだろう」


友人B :
「……そう、だな」


友人A :
「課長に推薦されてるんだろう?」


友人B :
「え――!」


友人A :
「お前の会社に大学時代の先輩がいるから知ってるよ。『断る理由』を探し
てるのか?」


友人B :
「俺、優柔不断なんだよ。決断力がなくって」


友人A :
「剣道部のときは圧倒的な実力差があったから、迷う必要はなかったかもし
れないけど、社会人になると、そんな差はないからな。リーダーシップがあ
るかないかだなんて、そんな物差しは見つからない」


友人B :
「うん……」


友人A :
「最年少課長なのか?」


友人B :
「いや、うちの会社は小さいから、俺よりも年下の課長はいるよ。でも、自
信がないんだ……」


友人A :
「その決断をすることで何を失うんだ? 失うものの大きさで判断したらい
い」


友人B :
「失うもの、か……」


友人A :
「単純に、責任が重いとか、ストレスを感じるとか、という理由で引き受け
ないのなら、その決断によって失うものは大きいよ」


友人B :
「課長を引き受けないほうが、失うものが大きいってこと?」


友人A :
「そうだろう。自分への信頼という名の『自信』が失われていくと思う」


友人B :
「……」


友人A :
「俺は剣道部時代、主将のお前を尊敬していた。だから4月になったら、お
前が課長職に就いているとすごく嬉しい」


友人B :
「そうか」


友人A :
「反対に、明確な『断る理由』がないにもかかわらず、課長になるのを断っ
ていたら、俺はすごく残念な気持ちになる」


友人B :
「……」



……何らかの決断を迫られたとき、「決断できない理由」を探していると、
堂々巡りとなり、「理由らしき理由」は見つかっても、『決断できない真因』
は意外と見つからないものです。

ただ何となく決断を先送りしていくと「決断力」が落ちていきます。「決断
力」が落ちていくと、「自信」もまた失っていきますので気を付けたいですね。

4月は決断には絶好のタイミングですので、この時期を何となく過ごすのはや
めたほうがいいでしょうね。


■大きな決断をするのに「4月」が絶好のタイミングである理由
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20150315-00043849/


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 【34点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

先週で「絶対達成LIVE2015」が、東京、名古屋、大阪、すべて終了し
ました。

今回は500名近い動員があり、すべての会場で過去最高を記録しました。反
響はものすごく大きく、たくさんの方からメールをいただいています。

1月から東京でスタートした「絶対達成社長の会」も、まったく想像以上に盛
り上がっており、

4月に名古屋、8月に大阪でもスタートし、福岡や札幌でもやってくれ、とい
うオファーをいただいています。

これら環境の変化を敏感にとらえ、私は4月を待たずして、昨夜、大きな決断
をしました。

また近々メルマガで公表したいと思います。

2015年3月12日

ヒアリング力を身につけるために必要な3つのポイント【アンカリング効果】

● 今回のテクニック:【アンカリング効果(13)】

アンカリング効果とは、最初に示された情報が頭に残り、その後の判断に影響
を与えることを言う。

このアンカリング効果を利用し、相手の発言を誘導させるテクニックを使う。
逆に影響を与えさせないようにするためには、他者の意見に左右されないよう、
いっせいに紙に書かせるなどのテクニックが有効だ。

※ 確実にアンカーを落とすためには、冒頭に有無を言わせないような態度と
裏づけのある事実をもって説明するとさらに効果的である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「君の提案は、なかなかお客様に受け入れられないようだな」


部下 :
「そうなんです、どうしてなんでしょう。お客様のニーズを正しく拾い上げ
てないせいかもしれません」


マネジャー :
「ほう。お客様のニーズを正しく拾い上げていない、か」


部下 :
「そうです。ヒアリングがうまくできていないんだと思います」


マネジャー :
「じゃあ、どうすればいいと思う?」


部下 :
「はい。やっぱりもっとお客様のニーズをヒアリングすべきだと思っていま
す。それをシッカリやります」


マネジャー :
「ああ、そうか……。やっぱりそう来るか」


部下 :
「え、そう来る?」


マネジャー :
「私がこの支社に来たのは2015年の1月。今まで君たちの言動を見聞き
して思うことがある」


部下 :
「……はい」


マネジャー :
「テキトーな話はやめようか。私は真剣に話をしているので、テキトーに返
答されるのは好きじゃない」


部下 :
「ど、どういうことでしょうか」


マネジャー :
「たとえば、この前だって残業が多いから対策をとれと言っただろう。そう
したら君は何と答えた?」


部下 :
「ええと……」


マネジャー :
「思い出せないだろう? 『もっと業務を効率化します』と言ったんだ」


部下 :
「あ、そうです。はい」


マネジャー :
「それがテキトーな返事だ、ということ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「『もっと業務効率化します』と言って、実際に何をやったんだ?」


部下 :
「ええっと……」


マネジャー :
「何もやってないだろう。実際に残業も少なくなってない」


部下 :
「申し訳ありません」


マネジャー :
「お客様にもっとヒアリングしてきます、と言っているが、実際に何をする
んだ」


部下 :
「ですから、その……。キッチリお客様のことを調べたうえでヒアリングを
しようと思って……」


マネジャー :
「今日は午前中、A商事に出かけるよな? 何をヒアリングする?」


部下 :
「ええっと……」


マネジャー :
「もういい、もういい。ヒアリングって簡単に言うけれど、そう簡単にでき
るものじゃない」


部下 :
「た、確かに、そうですよね」


マネジャー :
「私はお客様に正しくヒアリングするためには、覚えておかなくてはならな
いポイントが3つあると思っている」


部下 :
「へえ」


マネジャー :
「まず1つ目は、そもそもお客様はヒアリングなどされたいとは思っていな
い、ということだ。これを忘れてはならない。どうしてかというと、人間関
係が構築されていることが前提だからだ。これが2つ目」


部下 :
「そうですね。関係構築ができてもいないのに、いろいろヒアリングされて
も……」


マネジャー :
「3つ目は、そもそものヒアリングスキルだ。意外と技術が必要なんだよ」


部下 :
「仰る通りです。質問する内容を準備しておけば、正しくヒアリングできる
かというと、そうではないでしょうね」


マネジャー :
「あくまでもこれは、ヒアリングに対する私の意見だ。君はどう思う?」


部下 :
「え」


マネジャー :
「効果的にヒアリングするためには、どうしたらいいと思う?」


部下 :
「え、ですからまずは関係構築が必要ですし、ヒアリング技術を身につける
ことが重要かと……」


マネジャー :
「いやいや、それは私の意見だ。私の意見を鵜呑みにする必要はない。君は
どう思うのか、と私は君にヒアリングしているんだ」


部下 :
「ええっと」


マネジャー :
「君の意見を言えばいいんだよ。何しろ私はまだこの支社に来て3ヶ月も経
っていないんだし、君の意見を尊重したい」


部下 :
「……いや、あの、私もそう思います。というか、以前からそのように思っ
ていました」


マネジャー :
「あ、そうなの?」


部下 :
「はい。ヒアリングする項目をただ準備するだけではうまくいかないと、思
ってたんです」


マネジャー :
「なるほど」


部下 :
「営業は、マニュアル通りにはいかないですから」


マネジャー :
「そうだな。その通りだ。じゃあ、どうする?」


部下 :
「もっとお客様のところへ通います。まずそこからやり直します」


マネジャー :
「具体的な数字を言ってくれ」


部下 :
「特に関係構築できていないお客様をリストアップします。おそらく70社
あると思いますので、既存顧客以外にも、それら70社を毎月まわります」


マネジャー :
「うん。素晴らしい。それはテキトーな返事ではないな」



……ヒアリングって、意外と難しいものです。

「お客様のニーズをよく聞いて」などと言う人がいますが、そんな簡単なもの
ではありません。

以下のコラムに書いた「バックトラッキング」ぐらいは習慣にしたいですね。


■「ヒアリング能力」をアップさせるために、知っておきたい3つのポイント
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20150312-00043759/


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 【19点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

昨日は「3・11」でした。

昨年の3月11日は、日比谷コンベンションセンターで「みずほ総研」主催の
講演がありました。

講演中に、受講された250名ほどの方々との黙とう。

震災から4年が経過しましたが、私たちは何かあるたびに思い出さなければな
らないと思います。

「愛の反対は無関心」です。被災地に対する「関心」が薄れていくことはよく
ないことですから。

2015年3月9日

どうせなら組織の「DK」ではなく「DSK」になれ!【黒い羊効果】

● 今回のテクニック:【黒い羊効果(1)】

黒い羊効果(black sheep effect)とは、同じ集団の中に異質な人間がいると、
集団の秩序や和を乱されると思い込み、強く差別されたり、排除されたりする
ことがある。

この心理現象を「黒い羊効果」と呼ぶ。差別的感情が発生する、根源的な心理
である。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「先日の部長会議で、かなり叩かれたな」


部下 :
「知ってたんですか、課長。はい……。それにしても、あそこまで言われる
必要があるんでしょうか。確かに私のはコストを度外視した提案だったかも
しれませんが、それでもやる価値はあると思うんです」


マネジャー :
「1000万円の販促キャンペーンだろう? 昨年の販促予算の3倍だ。内
容よりもコストが大きすぎて部長たちはビックリしてしまった」


部下 :
「効果との比較をしていただきたいです。去年までの販促予算と比較したっ
て意味がないでしょう」


マネジャー :
「カリカリするな」


部下 :
「この前だって、そうです。イベントで配布するアンケートの内容を刷新し
ましょうと言ったのですが、それも聞いてもらえませんでした。『君がそこ
まで口を出さなくてもいい』なんて言って」


マネジャー :
「ああ」


部下 :
「どうしていつも私の提案は却下されるんですか。他の営業なんて、全然提
案しないのに、私だけですよ。いつも問題提起しているのは」


マネジャー :
「そうだなァ」


部下 :
「積極的に提案したまえって、いつも部長は言うのに、提案したら提案した
で、全然聞く耳を持ってくれない。これじゃあやってられませんよ」


マネジャー :
「うーん……」


部下 :
「ハッキリ言って、モチベーションが落ちます。組織のためを思って考えて
いるのに」


マネジャー :
「考えられる理由はひとつだ」


部下 :
「何ですか?」


マネジャー :
「君が単なる『DK』で終わってるからだ」


部下 :
「ディーケー?」


マネジャー :
「そうだ。『出る杭』だよ」


部下 :
「『出る杭』で『DK』ですか……。ダイニングキッチンの略かと思いまし
た」


マネジャー :
「白い羊の中に、一匹だけ黒い羊がいると差別されるものさ」


部下 :
「私は黒い羊で、しかも『DK』ってわけですか」


マネジャー :
「ところで先日、私は社長に会って、台湾でのイベント企画について提案し、
承認してもらった」


部下 :
「台湾でのイベントって」


マネジャー :
「少し前から画策してたんだ。コストは1500万ほどかかるが、社長はO
Kしてくれた」


部下 :
「部長会議で承認してもらったんですか?」


マネジャー :
「部長会議? いや、社長が部長に説明してくれるだろう。部長たちには何
も言ってない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「去年、当社に営業支援システムに、マーケティングオートメーションの機
能を付加させたのも私だ。年間500万円ほどのコスト増となるが、社長が
OKを出してくれた」


部下 :
「……ちょ、ちょっと待ってください。失礼ですが、どうして課長なのに、
そんなにヒイキされてるんですか? それも部長会議で議論されてないでし
ょう?」


マネジャー :
「社長がいいと言ってるんだから、いいんじゃないの」


部下 :
「課長、まさか……」


マネジャー :
「なんだ?」


部下 :
「課長って、社長のご子息だとか――?」


マネジャー :
「違うよ! 赤の他人だ」


部下 :
「じゃあ、どうしてそんなにヒイキされるんですか。私も直接社長に掛けあ
えば、話を聞いてもらえるんでしょうか」


マネジャー :
「それはムリだ」


部下 :
「どうして!」


マネジャー :
「私が『DSK』だからだよ」


部下 :
「ディーエスケー……?」


マネジャー :
「『出過ぎた杭』だってこと」


部下 :
「……へ」


マネジャー :
「君も知っているだろう? 私は自分が決めたことは、やり通す主義だ。誰
に何と言われようが諦めない。私が主任だったころ、部長たちが首を縦に振
るまでつけ回し、説得し続けた。相手が社長だろうが、専務だろうが、とに
かくお構いなし。会議で否決されても、まったく気にならない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「承認されてもいないのに、実行したこともある。実行して会社に損させた
こともある。でも私はうまくいくと思って実行した。だから後悔はしていな
い。周囲もわかってくれている」


部下 :
「……」


マネジャー :
「反対を押し切って自分のワガママを聞いてもらい、絶対に結果を出す、と
思ってこれまでやってきた。だから経営幹部や部長たちにとって私の存在は
『出過ぎた杭』なんだ。叩こうと思っても、叩きようがないほど出過ぎてし
まった」


部下 :
「私はまだDKだから叩かれるんですね」


マネジャー :
「部長会議で承認されなかったからと愚痴をこぼしているようでは、それだ
けの気持ちしかなかった、ということだ。そんな気持ちで社長が聞く耳を持
つはずがない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「組織でうまく立ち回るためには、経営陣が愚痴をこぼすほど『面倒なヤ
ツ』と思われるぐらいになれ」


部下 :
「わかりました……。『DSK』ですね」


マネジャー :
「黒い羊ではダメだ」


部下 :
「何色の羊になればいいんですか?」


マネジャー :
「馬になれよ。羊じゃダメだ」


部下 :
「……」



……「組織を変えたいのですが、部長がなかなか理解してくれなくて」「社長
が投資対効果がわからないと言うので、稟議が通らないのです」

等と、上層部のせいにして自分を正当化する中間管理職の方が多すぎます。

単純に覚悟が決まっていないだけです。

私どもに研修やコンサルティングのオファーをしてくる人は、2種類しかいま
せん。社長か、DSKか、どちらかです。

社長もDSKも、同じ匂いがする人種です。

周囲に反対されようが「やると言ったらやる」という人です。ですから私ども
と気が合うし、組織改革も成功するのです。

どうせやるなら「DK」にとどまらず「DSK」になりましょう。そのほうが
ストレスを感じることがなくなります。


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 【52点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

『DSK』になるためには、いかに「面倒な人間」になるか、です。

以下のコラムにも書いています。


●「面倒くさがりや」の人を動かす究極の方法
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20131003-00028631/

2015年3月6日

「15秒」で終わる、ポイントを押さえた話し方【エレベーターピッチ】

● 今回のテクニック:【エレベーターピッチ(9)】

エレベーターピッチとは、起業家が、あるプロの投資家と偶然エレベーターに
乗り合わせた際、エレベーターが目的の階に着くまでのわずかな時間(数十秒
から1分以内)で、自身のビジネスプランの魅力、優位性を伝えられるか?
伝えられるか伝えられないかでビジネスの明暗を分ける、と言われたことに由
来するプレゼンテーションスキルの概念。

営業がお客様に商材のトピックを伝えるときはもちろんのこと、マネージャの、
部下に対するコミュニケーションにおいても同じことが言える。

短い時間でポイントを正しく伝えることの大切さをあらわしている。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「さて4月からどうするか、君の方針を聞かせてほしい」


営業マン :
「はい……。もう4月からはですね、本当にその、何ですか、とにかくガム
シャラにやるしかないという感じでいきたいということでですね、本当に、
そういうつもりでやろうかと思っている次第だということでございます。ま
ずは、やはり、やらなければならないこととしてですね、ま、とにかく、見
積もりをいかに多くもってくるか、これがまさに、そういうことだと思いま
す。とにかく見積もりをたくさんいただけるようにお客様との関係作りにで
すね、邁進していきたいと、このように思っている次第でですね。ま、それ
以外に考えていることとして、その、何といいますか、やはり効率的にスケ
ジュールを組みましてですね、やっていこうということを思っている次第で
ございまして、その――」


マネジャー :
「はい、そこまで! 話の要点がつかめない。ポイントを3つに絞ってもう
1回話してくれ」


営業マン :
「え? あの、ポイントを……何でしょうか?」


マネジャー :
「話の要点がつかめないから、ポイントを3つに絞ってもう1回話してくれ、
と言ったんだ」


営業マン :
「えーっと、ポイントを整理してですか。ま、要するにですね、その私は昨
年度、なぜ目標予算を達成できなかったかと申しますと、先ほどお話したと
おり、見積もりの件数がとにかく少なかった。まさにこれに尽きると言いま
しょうか。この見積もりに関する意識が足りなかったせいでですね――」


マネジャー :
「はい、終了! もう1回言う。要点を3つだけ話して。ポイントだけでい
いから」


営業マン :
「え……? あ、あの……。ポイントですか……。何のポイントでしょう
か」


マネジャー :
「4月からの君の基本方針について、だ」


営業マン :
「ですから先ほどからお話をしているとおりですね、私は昨年度の反省から、
見積もりの件数を増やそうと、このように考えているわけでして――」


マネジャー :
「はい、終了! ポイントの1つは見積もり件数のアップ。そうだな?」


営業マン :
「は、はい」


マネジャー :
「次は?」


営業マン :
「次……。次はですね、やはり計画的な営業を心がけて効率化をしていかな
いと、何だか仕事に追われて毎日が終わっていくような気がするんです。し
たがって、私としては何としても効率的で、かつ合理的な営業活動をしよう
と、このように思っている次第でございまして、決意をしたという風にです
ね――」


マネジャー :
「はいはい! 終わり終わり。次のポイントは何? 1フレーズで言って」


営業マン :
「1フレーズで……。計画的な営業活動をして、効率的な仕事に邁進すると
いうことをやっていきたいと、このように私は――」


マネジャー :
「1フレーズ!」


営業マン :
「は、はい! 計画営業です」


マネジャー :
「3つ目は」


営業マン :
「み、みっつめは……。何でしょう? 強いてあげればお客様との関係作り
でしょうか。これをなくして見積もりも、そう簡単にはとれないですし」


マネジャー :
「そのために何をするの?」


営業マン :
「お、お客様を訪問します!」


マネジャー :
「そんなことは前年度もやってきたことだ」


営業マン :
「は、はい! お客様をもっと訪問します」


マネジャー :
「もっと訪問? それじゃあわかりづらいだろう」


営業マン :
「訪問件数をアップします!」


マネジャー :
「よし、じゃあもう1回言う。4月からの方針を3つポイントを整理して言
え」


営業マン :
「ええっと……。最初にお伝えしたのが、見積もりの件数だったと思います。
なぜ見積もり件数かと申しますと――」


マネジャー :
「ポイントだけ!」


営業マン :
「見積もり件数アップ、計画営業、そして訪問件数アップです」


マネジャー :
「わかりやすく順序を入れ替えてみよう」


営業マン :
「計画営業、訪問件数アップ、見積もり件数アップです」


マネジャー :
「もう1回」


営業マン :
「計画営業、訪問件数アップ、見積もり件数アップ!」


マネジャー :
「最後にもう1回!」


営業マン :
「計画営業、訪問件数アップ、見積もり件数アップ!」


マネジャー :
「よし、最後にさらにもう1回!」


営業マン :
「計画営業、訪問件数アップ、見積もり件数アップです! がんばりま
す!」


マネジャー :
「よし、4月から頼むぞ!」


営業マン :
「はい! やります!」



……自分が常に「意識」すべきこと、相手に常に「意識」させたいことは、ポ
イントを絞り込んだ単語に凝縮し、繰り返し繰り返しアウトプットすることで
す。

「10~15秒」で要点がつかめるような話し方・伝え方をする練習をしまし
ょう。

以前「エレベーターピッチ」のメルマガを書いたら、祥伝社の編集担当の方か
ら、「エレベーターピッチの達人」という書籍を献本いただきました。

とても参考になったので部下たちにもお勧めしています。

著者は、ベストセラー「ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣」の美月
あきこ氏です。


■「15秒で口説く エレベーターピッチの達人」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396615116/mysterycon0c-22/ref=nosim


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 【18点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

先日、アル・パチーノの「カリートの道」という映画を観ました。

昨年末ぐらいから私自身が常に考えるキーワードが「孤独」です。「孤独」だ
と思うことへの恐怖を断ち切って、さらにクールになるべきだと自分に言い聞
かせています。

「カリートの道」は、そんな今の私にぴったりの作品でした。

2015年3月2日

「新入社員」の早期退職を防ぐ方法【マイ・フレンド・ジョン】

● 今回のテクニック:【マイ・フレンド・ジョン(12)】

マイ・フレンド・ジョンとは、「話し手」の知人や知人を介して聞いた話、も
しくは「一般論」の中に、相手をイメージ誘導させたい内容を意図的に含ませ
る方法。

他人の体験も、自分の体験のように聞こえてしまい、「話し手」が直接的にリ
ーディングせずとも相手を誘導できる、説得技術。

「お客様の声」というのは、まさに「マイ・フレンド・ジョン」の典型例。

相手との深い信頼関係(ラポール)が必要であることが前提である。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「部長、花粉症はどうですか?」


マネジャー :
「だいぶ良くなったよ。先週は本当にキツかった」


部下 :
「薬ですか?」


マネジャー :
「いや、『鼻うがい』をするようになって、随分とスッキリするようになっ
た」


部下 :
「『鼻うがい』ですか? あれって、鼻がつーん!となるじゃないですか。
私は絶対に嫌ですね。薬のほうがいいです」


マネジャー :
「いや、俺もそう思ってたんだけど、2リットルのお湯に食塩を大さじ1杯
入れて溶かし、それでうがいをすると、つーん! としないんだよ。すごく
気持ちがいいから、何度でもできるし」


部下 :
「ええええ。本当ですか?」


マネジャー :
「本当だ。私も疑いながらやったが、何度でも鼻洗浄ができたので、すごく
スッキリした。週末は家にいたから、1日に3回もやったよ」


部下 :
「へええ……」


マネジャー :
「やっぱり、正しい知識は必要だな。もっと早く知っておけばよかった」


部下 :
「『もっと早く知っておけば……』ということは、けっこうありますよね」


マネジャー :
「ああ。新入社員に対してもそうだよね」


部下 :
「どういうことですか」


マネジャー :
「昨年の今の時期、私の大学時代の後輩の会社で、4月入社の社員対象に説
明会を実施した。ところがそれが失敗だったようだ」


部下 :
「失敗、ですか?」


マネジャー :
「そう。その説明会のせいで、30人の新入社員のうち1年以内に6人も辞
めていったというんだ」


部下 :
「えええ……。それは残念ですね。どんな説明会だったんですか?」


マネジャー :
「説明会と言いながら、新入社員たちひとりひとりに対して面談し、『入社
してからやりたいこと・実現したいこと』などを問い掛けたようだ」


部下 :
「なるほど」


マネジャー :
「ところが、当たり前だけれど、入社してみたら新入社員の要望通りにはい
かない。それに強い不満を覚えた人たちが辞めていった。こういうわけだ」


部下 :
「『こんなはずじゃなかった』という言い分ですね」


マネジャー :
「そうそう」


部下 :
「要するに、聞かなきゃよかった、という話ですか」


マネジャー :
「その通り。そもそも新入社員には、会社に入ってから何が実現できるのか、
知識そのものがない。社会に出てから自分がどんなポテンシャルを発揮でき
るのかさえ、まだ未知数だ。彼ら・彼女らは、まだイノセントなんだよ」


部下 :
「ある意味、残酷ですね」


マネジャー :
「人は質問されると、『質問事項』をトリガーにして脳の長期記憶にアクセ
スしにいく。しかし、その長期記憶に答えがなければ不安になるんだ」


部下 :
「何がやりたいのか? と質問されて、何がやりたいのか、という答えが見
つからない人って不安になりますものね」


マネジャー :
「そうだ」


部下 :
「まずは新入社員の脳の長期記憶の中に、正しい情報を蓄積させていくこと
が重要と思います」


マネジャー :
「そう。体験による学習が不可欠だ。『やるべきこと』『やれること』『や
りたいこと』の順番に、学習していくことだ」


部下 :
「『やるべきこと』『やれること』『やりたいこと』の順ですか」


マネジャー :
「まずは『やるべきこと』をやる。それを続けることで、自分の『やれるこ
と』が増えてくる。そうしてはじめて『やりたいこと』が見つかるんだ」


部下 :
「うまいこと言いますね」


マネジャー :
「どっかの本に書いてあった。本の受け売りだよ」


部下 :
「とても参考になります」


マネジャー :
「会社から与えられたミッションをひたすらこなすんだ。そうすることで自
分のポテンシャルが広がっていく。いろいろな人との出会いがあり、仕事の
ノウハウや社会の仕組みを吸収していくことで、自分のやりたいことが徐々
に見つかっていく――この手順を忘れてはならない、と私は思う」


部下 :
「今月末に、当社の新入社員に向けた説明会があるので、その話をしていた
だけませんか?」



……人は「節目」のときに「ストレス耐性」がアップします。

学生から社会人になるとき、自分の「アイデンティティ」が変わるタイミング
ですから、きわめて「ストレス耐性」の高い時期です。

このタイミングに合わせて正しいティーチングをしましょう。はじめが肝心で
す。

「アイデンティティ」が変化するタイミングで、新たな意思決定をすべきであ
ると、人間の5段階の意識レベル「ニューロロジカルレベル」を使って解説し
たのが、拙作「絶対達成する決断力のつけ方」です。ご参考まで。


■「絶対達成する決断力のつけ方」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478023980/attaxsales-22/ref=nosim


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 【23点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

今週から始まる「絶対達成LIVE2015」は、おかげさまで1週間ほど前
に、東名阪すべて満員御礼となりました。

すべての会場、過去最高の申込みがあり、総勢500名を超えました。本当に
ありがとうございます。

先週名古屋で実施された「絶対達成ウーマン養成講座」も2年目に入り、4月
からは東京進出も決定。

経営者を対象とした「絶対達成社長の会」は今年の1月から東京でスタート。

今週金曜日の朝会には、メディア関係の方も、著名なビジネス書作家の方々も
いらっしゃいます。

若い経営者の方々には、人脈を広げる絶好のチャンスでしょう。

4月には名古屋でも「絶対達成社長の会」をスタートさせ、年内に大阪まで広
げたいと考えています。

以前からメルマガにも書いているとおり、

目標は「絶対達成」する、というマインドの人が私の周囲に集まってきます。

講演の依頼、研修の依頼……も、ドンドン来ます。

反対に、目標なんて達成しても達成しなくても同じ、という人はドンドン私か
ら離れていきます。

年齢も性別も関係ありません。

要はマインドです。

「絶対達成マインド」がない人は、このメルマガもすぐに解約したくなること
でしょう。

そんな私の「メルマガ草創花伝」の読者も、もうすぐ3万人に達しようとして
います。

3月中に達するでしょうか。

達成意欲の高い知人に、このメルマガをご紹介いただけると嬉しいです。

3月になりました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。