2014年12月29日

今年の一番の「気付き」を書きます。【時間的フレーミング】

● 今回のテクニック:【時間的フレーミング(15)】

時間的フレーミング(テンポラルフレーミング)とは、時間の単位を変えて表
現することにより、敢えて物事の捉え方を変えさせることをいう。

大きな期間で表現するよりも、小さな時間の単位で伝えたほうが、より具体的
で身近に感じられるため説得効果が高まる。

会議の終了間際にコミットメントをとる場合に使うと、非常に有効である。誰
でも簡単に使えるテクニックであり、セルフコーチングにも役立つ。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「あれ? 今日はもう冬休みだろう。オフィスに何か忘れ物でもしたのか」


部下 :
「いえ、そうではなくて、課長とゆっくり話がしたかったのです」


マネジャー :
「え、俺と?」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「どうした」


部下 :
「こういうときでないと、なかなか話が進まない気がするんです」


マネジャー :
「確かに、そうだな」


部下 :
「……」


マネジャー :
「どうした?」


部下 :
「……今年は、例年になく、課長と、よくぶつかった年でした」


マネジャー :
「そうだなァ。けっこうやり合ったな」


部下 :
「何度も飲みにいったり、週末も家族同士で交流したりしているのに、なん
か意見が対立しますよね?」


マネジャー :
「うん……。私が早とちりだから、かもしれません」


部下 :
「そうだと思います」


マネジャー :
「ハッキリ言うね、君も……」


部下 :
「いや、本当にそうですよ。いつも話半分に聞いて、ダメだしするじゃない
ですか。誤解が多すぎますよ」


マネジャー :
「うーん、そういうつもりはないんだが」


部下 :
「この週末いろいろ考えて、課長とどうして話が噛み合わないのか、わかっ
た気がします」


マネジャー :
「え? なんでだ」


部下 :
「いつも雑談するように、話すからダメなんじゃないでしょうか」


マネジャー :
「はァ?」


部下 :
「私と課長って、同じ部署になってもう7年ですよ。腹を割って話すことが
できるのはいいことですが、無駄な話も多すぎますよね」


マネジャー :
「うーん……」


部下 :
「正直、会議中とかも、無駄な話が多すぎませんか?」


マネジャー :
「それは、言えてる」


部下 :
「ちょっとしたミーティングでも、表面的な話が多すぎますよ。きっと」


マネジャー :
「うーん、言えてるかも」


部下 :
「毎日、喫煙ルームでけっこう喋ってますよね? 営業同行しているときも、
道中で喋ってますよね」


マネジャー :
「そうだな」


部下 :
「週に3回は一緒に飲みに行きますよね?」


マネジャー :
「行く行く」


部下 :
「にもかかわらず、私は冬休みに入っても、こうして課長のところへ来て話
をしたくなるんです」


マネジャー :
「うーん、なんでだ? 俺のことが好きなのか? ん?」


部下 :
「出た」


マネジャー :
「あ?」


部下 :
「そういう話のフリがダメなんです。今日は乗っかりませんよ」


マネジャー :
「マジメな話が苦手なんだよ、俺は」


部下 :
「マジメな話も必要ですよ。1割から2割ぐらいはマジメに話さないと」


マネジャー :
「じゃあ、どうすればいいんだ」


部下 :
「もっと具体的に数字を使って話しませんか。そのほうが効率がいい会話に
なると思います」


マネジャー :
「数字を使って話をすると言っても、俺って文系だっただろ? 前も言った
とおり、高校時代の数学の先生が苦手でさ。名前が変わってて……くくくく
っ、なんていう名前だか知ってる?」


部下 :
「もういいです、もういいです。今日は脱線させませんよ。冬休みにオフィ
スまで来てるんですから」


マネジャー :
「あ、そうなの……」


部下 :
「今年最後の会議で、来年は新商品を絶対に売り切る! って課長は宣言し
ていましたが、具体的にどうするんですか?」


マネジャー :
「どうするも、こうするも……。とにかく結果を出さないといけないだろう。
今回の新商品に対する社長の並々ならぬ思いを知ってるか? あの社長自ら
が商品開発に携わってだな――」


部下 :
「わかりました、わかりました。話を脱線させないでください。新商品を売
り切るためにどうするんですか、と質問しているのに、『とにかく結果を出
さないといけない』という返事では、話が前に進みません」


マネジャー :
「じゃあ、どう言えばいいんだよ」


部下 :
「ですから、数字を使って言うんですって」


マネジャー :
「新商品で1億は作る。今回の設備が1台100万円と計算すると100台
売ればいいことになる。1年で100台売ればいいんだ」


部下 :
「1台売るのに、どれぐらいの商談リードタイムがかかるでしょうか」


マネジャー :
「そうだなァ、そんな簡単に売れるものじゃないから、最初の接点から2ヶ
月ぐらいと考えたらいいんじゃないか。すぐに売れる場合もあれば、4、5
ヶ月かかるときもある」


部下 :
「今回の新商品を紹介して売れる確率は、何社に1社ぐらいだと思います
か?」


マネジャー :
「……10社に1社?」


部下 :
「10%ですか」


マネジャー :
「うん……。現実的に、それぐらいだろう。顧客を絞り込んでも、それぐら
いの確率だと思う」


部下 :
「当社の設備は、1社に3台も5台も売れませんから、100台売るために
は、最低でも1000社にアプローチしないといけませんね」


マネジャー :
「そうだな。しかも来年中に100台を100社に買ってもらわないといけ
ない、ということになる。ということは……」


部下 :
「最低でも、9月か10月までには最初のアプローチを終わらせておかない
といけません」


マネジャー :
「12月に契約をもらうことは、過去ほとんどない。ということは9月だ。
9月までに1000社に対して最低限のアプローチを終わらせておかなくて
はいけない。しかも、まだ扱ったことのない新商品だから、はやめはやめに
実行しないと、全営業に売り方を徹底させることは無理だ」


部下 :
「じゃあ、8月までに1000社まわる、ということにしませんか」


マネジャー :
「すると、8ヶ月で1000社か。1ヶ月で125社。営業が5人だから1
ヶ月で1人25社をまわらないといけない。既存顧客もあるし、新規アプ
ローチ先で商談化すれば負担は増える。ということは……」


部下 :
「もっともっと前倒しで動いたほうがいいですよ。1月から1人30社ぐら
いは行かないと。最初は新商品の商談は少ないでしょうから」


マネジャー :
「そうだな」


部下 :
「……」


マネジャー :
「なんか、焦ってきた」


部下 :
「新年明けたら、すぐにリストアップしましょう。1000社のリストアッ
プ……」


マネジャー :
「え? リストアップって、どこにそんな顧客リストがあるんだ?」


部下 :
「それを調査するのに、何週間か、かかりますよ」


マネジャー :
「おいおいおいおい、こんな悠長なこと、やってられん。どうしてだ。来年
は新商品を絶対に売らなくてはならないと、今年の8月から言われて、ずっ
と会議で議論してきたのに……」


部下 :
「定例会議を1週間に1回やってきましたよ。年末までに、合計13回もや
ってます」


マネジャー :
「……なんて、非効率的な議論をしてきたんだ。こんなこともわからなかっ
たなんて」



……この約1ヶ月以上、「話を噛み合わせる」というネタで、10以上のコラ
ムを私は書いてきています。

その総決算的な内容が「会話効率」をアップさせる、という記事です。

「作業効率」と比較して「会話効率」が悪いと、精神的なダメージにも影響し
ますので気を付けたいですね。

私にとって、今年一番の気付きが、この「会話効率」です。


■「会話効率」をアップして、時短と目標達成を両立するテクニック
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141226-00041809/


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 【31点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

ほん…………とに、心の底から思いますが、コミュニケーションというのは、
リアルタイムに、双方向で、やらないとダメだなと思います。

会ったこともない人と、ネット上で、しかも時間差のあるコミュニケーション
媒体で会話しても、話が噛み合わないことが多いのです。

書籍を書いたり、コラムを書いたり、メルマガを出し続けてきて、痛感します。

よくもまァ、こんな風に誤解・曲解できるものだな、と感心することが。

コラムにも書きましたが、ひとつの「キャッチワード」から空想を広げ、相手
の話の前提条件を書き換えてレスポンスるするのが、一番「話がこじれる」パ
ターン。

ネット上の、知らない者同士の会話なら、片方がスルーすればいいのですが、

組織内で問題を解決したい、目標を達成させたいときに、このような「会話の
ゆがみ」があると、全然話が前に進みません。

話が前に進まないだけでなく、話がこじれると、お互い感情的になってしまう
ことも多く、人間関係を悪くすることにもつながります。

私たちコンサルタントは、どのように双方の話を「噛み合わせるか」、もっと
もっと意識しないといけない、と考えます。

あたりまえのことかもしれませんが、私にとって一番の「気付き」です。

本年度に発刊した「空気シリーズ」2冊にも書いているとおり、面と向かって
話すことが一番大切ですね。

2014年12月25日

今年のラストメッセージ「達成主義者」をめざせ!【刺激馴化】

● 今回のテクニック:【刺激馴化(10)】

刺激馴化とは、刺激にさらされつづけるとその刺激に順応してしまい、徐々に
特定の反応を示さなくなる現象をいう。

どんなに嫌な刺激も、馴れることで回避されていく傾向にある。

たとえば、最初は気が進まない事柄であったりしても、無理やりにでもスター
トして回数を重ねてしまえば、自然と体が慣れてしまって嫌な気分にならなく
なったり。(たとえば早起き。ジョギングなど)

たとえば、最初は怖い人だなと思い込み、できれば会わないままにしておきた
いと考えていた人とも、面談回数を重ねていくことによって、それほど気にな
らなくなったりすることがある。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「課長は、どんな手帳を使っているんですか」


マネジャー :
「は?」


部下 :
「今年1年を振り返っての自分の反省点は『計画性のなさ』です。来年こそ
は、もっと計画的にやっていきたいのです」


マネジャー :
「それで?」


部下 :
「そのために手帳を変えようかと思ったんです。先日、本屋へ行ったら手帳
がずらりと並んでいたので、このタイミングで手帳を買おうかと」


マネジャー :
「ふーん」


部下 :
「課長はマネジャーをしながらも、圧倒的な結果を残しているじゃないです
か。まさに当社の『リアルトップセールス』です。課長が使ってる小物も真
似したいんです」


マネジャー :
「手帳は、俺も毎年買うんだけど、1月中しか使わない。すぐに使わなくな
ってしまうんだ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「だって、手帳って面倒だろう?」


部下 :
「面倒って……」


マネジャー :
「手帳をキッチリつけている人を見ると憧れるよ。でも、どうしても真似で
きない」


部下 :
「え? え? え? え? た、確か、先日、フランクリン何とかっていう
手帳を持ってたじゃないですか」


マネジャー :
「フランクリン・プランナーだよ。『7つの習慣』で有名な」


部下 :
「そうでしょう? アレですよ、あの手帳。やっぱり、アレはいいです
か?」


マネジャー :
「もちろん、いいだろう。ものすごく緻密に管理できる。君にお勧めできる
よ」


部下 :
「課長は、やはりフランクリン・プランナーでしたか。さすが、できる人は
使ってる手帳が違いますね」


マネジャー :
「だ、だからァ……。手帳は毎年変えてるって言ったじゃないか。長続きし
ないんだよ」


部下 :
「え、だって、さっき」


マネジャー :
「お客様の前に出るとき、手帳の一つもないとカッコ悪いから、昔使ってた
手帳を引っ張り出しただけだ」


部下 :
「じゃあ、フランクリン・プランナーはイマイチなんですか?」


マネジャー :
「イマイチどころか、素晴らしい手帳だよ。他にもたくさん、いい手帳はあ
るけど、何を使っても長続きしなかった。これは手帳のせいじゃない」


部下 :
「じゃあ、スマホとかを手帳の代わりにしているんですか?」


マネジャー :
「スマホはほとんど使わない。知ってるじゃないか」


部下 :
「そうですよね、課長は電話とショートメッセージしか使わないですよね」


マネジャー :
「スケジュールは会社のソフトで管理している。メモは小さなメモ帳を持ち
歩いているだけ」


部下 :
「タスク管理とかは、どうしてるんですか」


マネジャー :
「ソコだよなァ……。そこをキッチリしたい。私は全然、タスク管理ができ
てないから」


部下 :
「課長が……?」


マネジャー :
「そうだよ。まァ、管理するタスクもそんなにないけど」


部下 :
「でも課長って、めちゃくちゃ結果を出している割には、残業とかほとんど
しないですよね? 夜はフットサルをやってると聞いたし、週末も家族で過
ごされていますよね」


マネジャー :
「最近の週末は、だいたいスノーボードに行ってるかな。家族でよく出かけ
るよ」


部下 :
「それじゃあ、相当、緻密に自己管理をしているんじゃないんですか?」


マネジャー :
「だから、してないって」


部下 :
「してない?」


マネジャー :
「面倒なんだよ。とにかく面倒なのは嫌い」


部下 :
「でも、圧倒的な結果を出してるじゃないですか」


マネジャー :
「面倒くさいからだよ」


部下 :
「はァ?」


マネジャー :
「結果を出してないと、社長や部長から、打合せに呼ばれるし、分析資料だ
の作れと言われる」


部下 :
「圧倒的に結果を出してると、そういうことを言われなくなりますか?」


マネジャー :
「何も言われないね。ほとんど放置されてる。『君には……言うことがない
な』って」


部下 :
「『言うことなし』と上司に言われるなんて、サイコーですね。超・憧れま
す」


マネジャー :
「テキトーにやって、めちゃくちゃ結果出してりゃ、それでいいんじゃない
の」


部下 :
「すげー……。言ってみたい……」


マネジャー :
「記憶装置を3つに分解している。短期記憶と長期記憶と外部記憶の3つだ。
短期記憶は『ワーキングメモリ』のこと。私はワーキングメモリだけに入る
ことをやってるだけ」


部下 :
「ワーキングメモリに……?」


マネジャー :
「ところで君は、今年の目標達成のために何をやろうとしてたの?」


部下 :
「ええっと……。確か、目標管理シートに記載したはずなので、それを見れ
ばわかります。ちょっと見てきていいですか?」


マネジャー :
「ダメだよ」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「シートを見ないとわからないだなんて、外部記憶に頼ってる証拠だ」


部下 :
「……!」


マネジャー :
「私はすぐに言える。今期は10社の新規顧客の開拓。そのための新規アプ
ローチ社数は500。毎日電話50本。5件の新規訪問がアベレージ。『見
込み客』を50社保有し、下回らないように既存顧客への電話は週50本を
継続」


部下 :
「……」


マネジャー :
「常に自分のワーキングメモリに入ってる。それを、ただ繰り返しているだ
け」


部下 :
「課長が毎日50本の電話と、5件の訪問……。既存顧客も膨大に持ってる
はずなのに」


マネジャー :
「繰り返していると刺激に慣れていって体が覚えていく。体が慣れてしまっ
たことは意識しなくてもできるから、手帳などで自己管理しなくてもよくな
る」


部下 :
「ワーキングメモリに格納できるだけのことに焦点を合わせて、とにかく繰
り返すってことですか」


マネジャー :
「タスク管理もスケジュール管理も、あんまりやってる暇がない。重要な行
動指標を、ただ大量にやってるだけだ。非効率的かもしれないけど、結果的
に残業もしてないから、いいんじゃないか」


部下 :
「部下のマネジメントもキッチリされてますよね?」


マネジャー :
「移動中に電話で確認かな。部下と会議もしないし、資料も作らせない。部
下がすべき行動指標も全部、脳のワーキングメモリの中に入ってる。そこに
蓄えられないような細かい情報を知っても管理できないだろう?」


部下 :
「……」


マネジャー :
「コツを教えようか?」


部下 :
「はい! ぜひ!」


マネジャー :
「100とか、500とか、1000とか、覚えやすい、大胆な数字を目標
に掲げることだ。覚えやすいからこそ、ワーキングメモリに蓄積しやすくな
る。私はだいたい5とか、50とか、500とか、の数字を意識する」


部下 :
「な、る、ほど。緻密に計算して仮説を立てると覚えづらいので、資料を確
認しないとわからなくなるんですね」


マネジャー :
「そう。緻密に計算する姿勢に憧れるけどね……。どうも面倒くさがりだか
ら……」


部下 :
「なんか、カッコいいですね、課長」


マネジャー :
「何度も言うように、本当は、手帳とかスマホのガジェットとかを有効活用
して、もっと緻密に、精巧に仕事をしたいんだよ」


部下 :
「課長に計画性がなかったとは……」


マネジャー :
「どうしても緻密に計画を立てられない、大ざっぱな性格なら、私みたいに
大胆になることだ。『大胆不敵』と言うだろ? 精神的にもラクだ」



……今年は150以上のコラム記事を書いてきました。

その中で、最も、私自身が腹に落ちたコラムを紹介します。「達成主義者」の
生態を、これからも研究し、明らかにしていきたいと思っています。


■ 大ざっぱな「達成主義者」と、緻密な「完璧主義者」、ストイックな「記
録主義者」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141217-00041571/


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 【34点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

あんまり書きたくないのですが、実のところ、私も手帳を持っていません……。

先日、取材を受けているときに、「横山さんが使っている、こだわりの文具と
か、手帳とかを紹介してもらえませんか?」と言われたとき、非常に困りまし
た。

実際は、レイメイ藤井の「ダ・ヴィンチシステム手帳」を愛用していたので、
今もこれを持ち歩いているのですが、ほとんどの場合「飾り」です。

(ダ・ヴィンチのシステム手帳は、色や革が異なる6種類を持っています)

私の部下でも、私が手帳に何かを書き込んでいる姿を目撃したことはないはず
です。

手ぶらだとカッコがつかないので「飾り」で持ち歩いているだけだからです。

年の瀬となり、毎年のように手帳をどうしようかと悩むのですが、何を買って
も結局、長続きしません。

このズボラな性格をどうにかしなきゃ、と日々悩んでいるのですが、

こちらのコラムを書いてからスッキリしました。

■ 大ざっぱな「達成主義者」と、緻密な「完璧主義者」、ストイックな「記
録主義者」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141217-00041571/

「別にいいか、目標ははるかに達成してるんだし。タスク管理ができていない
ので、部下には迷惑かけるけど……」

と思えるようになったからです。

昨日も、保険会社の取材を受けていて「横山さんの、こだわりの小物を見せて
ください」と言われ、

ロディアNo.11のブロックメモ帳を取り出しました。

それしか持っていない、と言うと、取材に来られていた3名の方々全員が驚か
れていました。

そんな人、取材したことがない、ということなのでしょう。

もちろん自慢にならないので、キチンと手帳ぐらい使いたいとは思っています。

来年のチャレンジ項目ですね……。

2014年12月22日

「ワーキングメモリ営業」を最大限に活用する【ドア・イン・ザ・フェイス】

● 今回のテクニック:【ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(16)】

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは、はじめに本当に頼みたい事柄よ
りもかなり負担の大きな依頼をし、一度断られてから本当に頼みたいことを伝
えるテクニック。

最初に提示した情報が頭に残り、その後の判断に影響を与えるアンカリング効
果の一部と考えてもよい。

依頼者が一端譲歩すると、ついつい相手も譲歩してしまうことを「譲歩の返報
性」と言うが、これを利用ししている。

※ 「フット・イン・ザ・ドアテクニック」の反意語。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「この年末にオフィスの中にいる営業って、いったいどうなっているんだ。
私には到底、理解できない」


部下 :
「部長、それは仕方がないですよ。当社は工場の設備を売っている会社なの
です。部長が去年までいた保険会社とは違いますから」


マネジャー :
「保険会社と違う、だって? 君は保険会社の営業をやったことがあるの
か」


部下 :
「い、いや……やったことはないですけど」


マネジャー :
「知らないからこそ、平然と『やらない理由』に利用できるんだ」


部下 :
「あ、いや……」


マネジャー :
「この前だって、『当社は値上げするのは難しい。吉野家と違うんだから』
と言っていたが、吉野家のような飲食事業の経営に携わったことがあるの
か?」


部下 :
「それは、ありませんが……」


マネジャー :
「詳しく知らないくせに『うちは●●と違いますから』と言うなよ。恥ずか
しい。『厚顔無恥』とは、まさに君のためにあるような言葉だ」


部下 :
「そんな……。今日はやけに突っかかりますね、部長」


マネジャー :
「さっきも言ったように、年末なのにオフィスにいる営業が多いからだ。ど
うなってるんだ」


部下 :
「掃除とか、デスク周りの整理整頓をしてるんだと思いますが……」


マネジャー :
「そうだよ! まさにその通りだ! お客様も、それをやってるよ。だから
絶好のチャンスなんじゃないか。今、行けば、ほぼ確実に会えるだろう!」


部下 :
「し、しかし、この年末にお客様とお会いしても、商談などできませんし、
意味のある訪問なんてできないと思いますが」


マネジャー :
「違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違
う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!」


部下 :
「え、え、え、え、え……」


マネジャー :
「なぜ商談をしなくちゃいけないんだ。以前も言っただろう? 『単純接触
効果』を狙えって」


部下 :
「単純接触って……」


マネジャー :
「君はいまだにピンと来てないんだろう? 『2ミニッツ営業』のことを」


部下 :
「ええ、まァ……実際は……」


マネジャー :
「君は先日、印刷会社の営業とロビーで話をしていたな?」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「あの人の名前はなんだ?」


部下 :
「ああ、あの人は橋本さんです」


マネジャー :
「じゃあ、いつもオフィス文具を配達しに来る男性がいるだろう。朝10時
に」


部下 :
「ええ、いますいます。なんでしたっけ? ものすごく大きな声で挨拶する、
あの男性ですよね」


マネジャー :
「そう」


部下 :
「何でしたっけ……」


マネジャー :
「長谷川さんだよ」


部下 :
「ああ、そうか! 長谷川さんでしたね!」


マネジャー :
「どうして橋本さんの名前は憶えていて、長谷川さんの名前は思い出せなか
った?」


部下 :
「ええええ」


マネジャー :
「ちなみに橋本さんはどんな仕事をしているか知ってるか?」


部下 :
「知ってますよ。印刷会社の営業です。あの人、印刷物だけでなく、WEB
製作にも詳しいので、今度、当社のホームページを無償で分析してもらうこ
とになったんです」


マネジャー :
「長谷川さんの仕事は?」


部下 :
「長谷川さんの仕事は……文具の、配達……?」


マネジャー :
「長谷川さんは経理の人だよ」


部下 :
「あ……!」


マネジャー :
「思い出したか? 今年の夏に一度、私と一緒に君と長谷川さんとで立ち話
をしたじゃないか。オフィス用品を扱っている商社に勤めているが、人が辞
めていって配達する人もいないので経理の自分が兼任しているって」


部下 :
「そういえば、そうでした」


マネジャー :
「なぜ、思い出せない?」


部下 :
「えっ……。なぜ、って」


マネジャー :
「私から言われたら思い出せるが、言われなければ思い出せない。なぜだか、
わかるか?」


部下 :
「……」


マネジャー :
「脳の長期記憶の中に入っているか、それとも短期記憶の中に入っているの
か、の違いだ」


部下 :
「長期と、短期記憶……」


マネジャー :
「短期記憶はワーキングメモリとも言う。パソコンでも言うだろう」


部下 :
「はい。『作業記憶』のことですよね」


マネジャー :
「効率的に作業するため、しょっちゅう使う情報は脳の短期記憶、つまり
ワーキングメモリに入れておくんだ。しかし、頻度が多くないと、長期記憶
の中に格納される」


部下 :
「そうか――!」


マネジャー :
「全営業を呼べ。そしてカレンダーを持たせろ。お客様の脳のワーキングメ
モリに自分の顔と名前を常駐させるんだ。保険業界だからとか建設業界だか
らとか、まったく関係がない」


部下 :
「お客様の脳のワーキングメモリに常駐するから、何かがあったときに選ん
でくれるんですね」


マネジャー :
「要するに『脳内SEO』対策というわけだ。要件がないのにもかかわらず
顔を見せるのは、お客様の脳の検索エンジンに引っかかりやすくするためだ
よ」


部下 :
「なるほど。しょっちゅう見てもらえるカレンダーを渡せば、お客様の脳の
ワーキングメモリに我々は常駐できますね」


マネジャー :
「すべての営業に、今週ですべてのお客様のところへ回れ。1日50社まわ
れば大丈夫だろう」


部下 :
「1日50社って……! ですから、うちは保険会社じゃないんですよ」


マネジャー :
「何?」


部下 :
「いやいやいや。とにかく1日50社は無理ですが、すべての営業にカレン
ダーを持たせ、まわらせます。お客様のそれぞれの工場までの移動距離もあ
りますから、1日20社で勘弁してください」



……脳の長期記憶の中に入っていると「言われればわかる」。

短期記憶の中に入っていると「言われなくてもわかる」という状態です。

お客様が、当社の誰が営業で、その営業が何を売りたいと考えていて、それが
どんなメリットをもたらすのか……「言われなくてもわかる」という状態にな
ってはじめて仕事が来るのです。

「単純接触効果」を理解するうえで、脳の「ワーキングメモリ」の知識は不可
欠です。

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 【53点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

24日の号外メルマガで、今年私が読んだ中で、最も参考になった書籍を紹介
します。

冬休みの読書のための、ご参考にしてください。

2014年12月19日

わざと話を「そらす」技術とは?【スリリングジョーク】

● 今回のテクニック:【スリリングジョーク(10)】

スリリングジョークとは、相手に対して、「もし●●しなければ、■■になる
ぞ」という脅しをしたあとに、すぐに「それは冗談だ」と撤回するコミュニケ
ーション技術。

相手の心象を悪くする可能性が高く、極めてリスキー。相手と強烈なラポール
が構築できていない限り、活用するのはやめたほうがよい。3年に1度ぐらい
使ってもいい、インパクトのあるリーディング技術である。

もちろん、乱用すればご自身の信用は著しく低下する。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「課長、社長のメールを見ましたか? 来年の年間目標は今年の10%アッ
プだそうです。あれだけ根拠のない目標を掲げるのはやめてくれと言ってき
たのに、私たちの声は全然届いていません」


マネジャー :
「……」


部下 :
「どういう神経をしているんでしょうか。今年の目標だって90%も達成し
ていないんですよ? にもかかわらず、目標をさらに10%上積みするなん
てメチャクチャです。こうなったらクーデターを起こすしかありません」


マネジャー :
「クーデターって、物騒だなァ」


部下 :
「物騒な発想にもなりますよ。みんなだって同じ考えなんですから、絶対に
やってられません」


マネジャー :
「そういえば『物騒』で思い出したんだけど、『フューリー』って映画、あ
るだろ? あの映画はある意味、物騒だった」


部下 :
「は? フュ……?」


マネジャー :
「『フューリー』だよ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「知らないか? この前、主演のブラッドピットが宣伝のために来日してい
たじゃないか」


部下 :
「ああ、なんかニュースで観た気がします」


マネジャー :
「ブラッドピットってもう51歳なんだよな。俺と同じ歳だよ。君はブラッ
ドピットの映画って観たこあるか?」


部下 :
「ええと……。『ファイトクラブ』とか」


マネジャー :
「ああ、『ファイトクラブ』といったら、エドワード・ノートンだ」


部下 :
「……?」


マネジャー :
「エドワード・ノートンが最高なのは『真実の行方』だよな。あの演技は凄
かった。デビュー作で、あれだけの演技ができるなんて」


部下 :
「私は、観てないんで……」


マネジャー :
「演技力といえば、君もなかなかのもんだろう?」


部下 :
「私が、ですか?」


マネジャー :
「商談中に、けっこうお客様に対して演技をするじゃないか。思ってもない
ようなこと言ったりして」


部下 :
「まァ、たまには演技も必要だと思っています。相手に話を合わせるには」


マネジャー :
「この前、B商事の課長とも打ち解けていたじゃないか」


部下 :
「ああ、あのB商事の……。そりゃあ、今回の案件は何としても欲しかった
ですから」


マネジャー :
「その気持ちがとても大事だよな」


部下 :
「……」


マネジャー :
「しかしB商事の案件は、あと一歩のところで流れてしまった」


部下 :
「そうなんです。残念でした。まったく……。苦労が水の泡です」


マネジャー :
「水の泡なんかじゃないさ」


部下 :
「そうでしょうか」


マネジャー :
「まだB商事には通ってるんだろう?」


部下 :
「もちろんです」


マネジャー :
「これまでは商談を逃したら放りっぱなしで、何もフォローをしてこなかっ
た。しかし、去年からこのフォロー活動を徹底し、組織にも根付いてきた」


部下 :
「すぐに結果は出ないですけれど」


マネジャー :
「いや、それでも確実に将来のための『資産』は増えつつある」


部下 :
「……」


マネジャー :
「どんなにうまくいっていないことがあっても、『うまくいきつつある』と
現在進行形で考えろ」


部下 :
「……はい」


マネジャー :
「ブラッドピットだって、アンジェリーナジョリーが病気のとき、悲嘆に暮
れることはなかった」


部下 :
「……」


マネジャー :
「表面的な結果だけを見て感情的になっていると、誰も愛せなくなる。誰か
らも愛されなくなる。君の演技力だって、まったく輝きを失う」


部下 :
「……?」


マネジャー :
「来年の目標は今年の10%アップだ。私が社長に進言した」


部下 :
「えっ!」


マネジャー :
「社長は『無理だ』と私に言ったが、私は『できる』と答えた。私は君たち
営業が地道なフォロー活動を続け、顧客との関係資産を築きつつあることを
知っているからだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「来年は絶対達成だ。さもないと、君は営業から外れてもらう」


部下 :
「え」


マネジャー :
「私も営業部を離れる。昨夜、遅くまで営業部長と話し合った」


部下 :
「そういえば、昨夜遅くまで部長と話し合ってましたよね……。まさか、そ
んな」


マネジャー :
「あえて退路を断つ。そして高い目標を掲げる。こうしないことには、ドラ
マの主人公になれない。君もミチズレだ」


部下 :
「来年は10%アップで、しかも絶対達成……」


マネジャー :
「冗談だよ」


部下 :
「ええっ!?」


マネジャー :
「なかなかの演技力だっただろ?」


部下 :
「……?」



……感情的になっている人をいったん落ち着かせるために、話を「あさっての
方向」へ飛ばすテクニックを本日のコラムに書きました。

話の論点である「幹」や「枝」「葉」でもないひとつのワードを抽出して
「軸」を捻じることによって、話をそらすことができます。


■ イライラする相手を「黙らす」話し方
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141215-00041508/

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 【46点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

ブラッドピットの名言は有名ですね。今日はそれを転記しようと思います。

「俺の妻は病気になった。仕事での問題、私生活、子供達との問題や失敗など
に絶えず神経質になっていた。13.6キロも痩せ、35歳だというのに体重
は40キロ程に。凄く痩せ、絶えず泣いていた。幸せな女性とはいえなかった。
絶え間ない頭痛、胸の痛み、ぎゅう詰めで神経過敏な背中と肋骨に苦しんでい
た。ゆっくり眠ることも出来ず、朝になってやっと眠りに着き、日中は直ぐに
疲れてしまった。僕達の関係も崩壊寸前だった。

彼女の美しさは彼女を置いてどこかに行ってしまったようで、目の下にはクマ
ができ、頭をこづいたりし、彼女は自分のことを大切にしなくなった。映画の
撮影、全ての役を断るようになった。僕は希望を失い、すぐに別れることにな
るだろうと思った。しかし、そのとき僕は何とかすると決意した。だって、世
界で一番美しい女性を僕は得たんだ。彼女は世界の半分以上の男性と女性のア
イドルで、そして彼女の横で眠りに着いたり、彼女の肩を抱き寄せたり出来る
ことが許されているのは僕なんだと。

僕は花やキスや褒め言葉を送りはじめた。ことあるごとに彼女を驚かせ喜ばせ
た。僕は彼女に多くのギフトを送り、彼女のためだけに生きた。人前では彼女
のことだけを話した。全ての主題を彼女のほうに向けた。彼女の友達の前では
彼女のことを褒めた。信じられないかもしれないけど、彼女は輝き始め、以前
よりも更に良くなった。体重も増え、神経質になることも無くなり、以前より
も増して僕のことを愛するようなった。彼女がこんなに愛せるとは僕は知らな
かった。

そして僕は一つ理解した。『女は愛する男の姿鏡』なのだと」

……この『女は愛する男の姿鏡』という名言は、この苦境を乗り越えたブラッ
ドにしか口にできないものですね。

私も自分の妻のためだけに生きたいと思います。

2014年12月15日

年末までの「心構え」について【アンダードッグ効果】

● 今回のテクニック:【アンダードッグ効果(10)】

アンダードッグ効果とは、弱い立場にある人や不利な状況に追い込まれている
人を見ると、人間誰しも応援したくなるものである。もしその方々の一所懸命
に努力する姿を目の当たりにする機会があれば、その思いはいっそう高ぶるも
の。そんな心理効果をアンダードッグ効果といい、「負け犬効果」ということ
もある。

選挙予測報道で不利とされた候補者に同情票が集まるなどの効果も、このアン
ダードッグ効果のひとつ。

部下とのコミュニケーションに活用するためには、上司自身がプライドを捨て
なければならなかったり、多少の演技も要求される。このことなどから、現実
的にはなかなかに難しい。多用もできないだろう。

それよりも、部下にアンダードッグ効果を使われないよう気をつけておく必要
があるかもしれない。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「今年1年を振り返って、どうだった?」


部下 :
「どうもこうも、さんざんな一年でした」


マネジャー :
「そうなのか……」


部下 :
「目標達成率が91%。去年の94%よりも、さらに3%も落ちました。目
標の設定に問題があるんですよ」


マネジャー :
「原因はどこにあると思ってるんだ」


部下 :
「商品でしょう。商品がダメだから売れないんです」


マネジャー :
「商品がダメって……」


部下 :
「あの商品にあの値段じゃ売れません。増税の影響もあります」


マネジャー :
「そういえば、今年の漢字が『税』に選ばれたようだな」


部下 :
「外部環境の変化についていってないんです。わが社は」


マネジャー :
「そうはいっても、他の営業は横ばいか、逆に数字を上げている者もいる
が」


部下 :
「私は他の営業と違って、既存のお客様が少ないですから、しょうがないで
しょう」


マネジャー :
「新規開拓はどうなってる?」


部下 :
「新規、新規って言わないでくださいよ。やってますよ。言われなくたっ
て」


マネジャー :
「やり方に問題があるんじゃないか」


部下 :
「じゃあ、いい方法を教えてくださいよ」


マネジャー :
「この前、紹介した本は読んだか?」


部下 :
「本ですか? 3000円くれたら買いますよ」


マネジャー :
「3000円? あの本は1500円だったよ」


部下 :
「私の家の近くに書店がないので、ガソリン使って車を走らせないといけな
いんです。私の時給も考えたら、3000円ぐらいはくれないと読めません
よ」


マネジャー :
「……」


部下 :
「努力したって意味がないんです。無理なときは無理だし、悪あがきしても
しょうがないんです」


マネジャー :
「……」


部下 :
「一所懸命やってるヤツって、カッコ悪いじゃないですか。そんなに頑張っ
て、どれぐらい給料が増えるのって言いたいです。アホらしい」


マネジャー :
「……」


部下 :
「課長も、カッコ悪いことはやめて、もっと気楽にやりましょうよ。どうせ
ダメなときはダメです。どうにもならなくなったら、誰かが何とかしてくれ
ますって」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……あ、あの」


マネジャー :
「……」


部下 :
「ここは……黙るところ、じゃないと思いますが」


マネジャー :
「え?」


部下 :
「ですから、ホラ、そろそろ叱ってくれない、と……」


マネジャー :
「え……」


部下 :
「課長、本気で落ち込まないでくださいよ。部下を叱る練習してるんじゃな
いですか。『いい加減にしたまえっ!!!!』と私に言ってくれないと」


マネジャー :
「あ、そうだった」


部下 :
「私が言うこと、本気にしないでくださいよ」


マネジャー :
「どうやって、3000円を工面しようかと思ってた……」


部下 :
「ちょっとちょっと課長、弱すぎますよ。『本ぐらい自腹で買いたまえ!』
って言わなきゃ」


マネジャー :
「うーん……」


部下 :
「今年の漢字は『税』だったなァ、なんて言ってる場合じゃないですよ」


マネジャー :
「まァ、そうなんだが」


部下 :
「課長の口から、年末に向けて、最後まで引き締めていけ! って課員に言
ってほしいんです」


マネジャー :
「……うーん。苦手だなァ」


部下 :
「私が、言いましょうか?」


マネジャー :
「悪いな」


部下 :
「いつもそうじゃないですか」


マネジャー :
「頼むよ。これが俺のキャラだから」


部下 :
「課長に言われると、どうしても断れないんですよね」


マネジャー :
「みんなにビシッと言ってやってくれ。私は背中を見せるだけにしておく」


部下 :
「課長は何も言わず、最後の最後までコツコツやってるからでしょうね。ど
うしても、そう言われると断れないです」


マネジャー :
「人にはそれぞれ、得手不得手ってあるんだよ」



……年末が近づいてきています。

最後まで「緩んだ空気」にならないよう、気を引き締めていきましょう。


■「悪あがき」が必要な時と、必要でない時とは?
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141215-00041508/

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 【19点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

先週12日より、私の記事が土台となったビジネス小説の連載がスタートしま
した!

「キラキラOL浅井美沙 わたし今日からキラキラをやめてギラギラしま
す!」
https://cakes.mu/posts/7765

小説の原稿すべて読みましたが、後半の盛り上がりはとても面白いです。ぜひ
応援よろしくお願いいたします。

(プロの小説家ではなく、普通のOLの方が書いているので、読んでいると作
者と主人公とがシンクロしていきます)


"仕事なんて、生活のため、寿退社までの腰かけに過ぎないと思っていた――。
そこに突如まいこんだ『希望退職者募集のお知らせ』。 やる気ゼロの崖っぷ
ちOLが会社の魂を揺り動かすようになるまでの奇跡の成長を描く。 Yahoo!ト
ピックス「キラキラワードに騙されるな!」で話題となった横山信弘氏のメソ
ッドを 等身大OLの美沙が仕事で実践していく!"

2014年12月12日

ドロかっこいい「達成主義者」になれ!

本日は、久しぶりにメッセージ色の強いコラムを書いたので、お知らせいたし
ます。


■ドロかっこいい「達成主義者」になれ!……スマートさを求める時代にドロ
ップキック
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141212-00041435/


――「スマートさ」を捨て、時代のトレンドに逆行して泥臭く生きよう、目標
を絶対達成しよう、とする人たちを、私は『ドロかっこいい』と形容したい。


ひたむきに行動し続ける。無理だ、困難だ、と思うことにも果敢にチャレンジ
し、自分の殻を破るためにワガママになったりする。


汗をかいて、恥をかいて、人に迷惑をかけながらも、それでも執念で目標を達
成させる――そんな達成主義者たちは、達成するたびに高い目標を立てます。


そして無理を聞いてくれた人たちに感謝しつつ、「成長した自分を見せるこ
と」で恩返しをします。


「汗」や「涙」や「葛藤」や「試練」は、時代にアンマッチした泥臭いキー
ワード。洗練されたイメージはないですが、だからこそ人間味があります。


「ドロかっこいい」人は、マイノリティであり、今後もメジャーな存在にはな
りにくいでしょう。しかし「スマートさ」を捨て、あえて「泥臭さ」を選ぶ人
たちは、こんな時代だからこそカッコよく映るのでは、と私は思います――。

2014年12月11日

「幻の羊羹」をどのように売るか?【ピア・プレッシャー】

● 今回のテクニック:【ピア・プレッシャー(12)】

ピア・プレッシャーとは、人間は通常、同じ組織内の仲間に認められたい、疎
外感を味わいたくないと考え、仲間のあいだで自分がどのように見られている
かを気にする傾向がある。

そのせいで、仲間や社会と同じ考えでなければならないという圧力(プレッシ
ャー)を常日頃から感じているものだ。

これをピア・プレッシャーと言う。

特に「和」を尊ぶ日本人に対しては、このピア・プレッシャーは強力と言えよ
う。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


営業マンA :
「部長、羊羹を買ってきました。ひとついかがですか?」


マネージャー :
「ありがとう。羊羹か……。久しぶりだな」


営業マンA :
「羊羹、あんまり食べないですか?」


マネージャー :
「そうだなァ。3切れもあるけど、そんなに食べられるかな。ところで君は2
5歳だっけ……? 羊羹なんて食べるのか」


営業マンA :
「ええ。この羊羹なら、食べます。どう、美味しいですか?」


マネージャー :
「うん……」


営業マンB :
「A君、小ざさの羊羹、食べたよ。さい、こ、う……だっ……た……」


営業マンA :
「やっぱり最高の味でしたか」


営業マンB :
「こんな羊羹、た、べ、た、ことが、ない……」


マネージャー :
「……?」


営業マンA :
「『幻の羊羹』って言われるだけあるでしょう?」


営業マンB :
「さすがに40年以上も行列が途切れないお店が作っているだけあるな。これ
まで想像していた『羊羹』とは、根本的に違う何かを感じたよ」


営業マンA :
「さすがBさん、わかってくれますか」


マネージャー :
「おざさ……?」


営業マンA :
「吉祥寺にある、たった一坪のお店で羊羹ともなかを売っているお店です。
『小ざさ』って言うんですよ。『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者で
ある坂本先生も紹介して、話題になりました」


営業マンB :
「テレビでも取り上げられてるよね」


マネージャー :
「日本でいちばん大切にしたい会社、か……」


営業マンC :
「A君、『小ざさ』の羊羹、ありがとう。めっちゃくちゃ美味しかった! や
はり美味しいな」


営業マンA :
「Cさんも羊羹がお好きなんですか?」


営業マンC :
「いや、普通は食べないけど、この羊羹なら食べられる。というか、行列に並
んでも食べたいと思うよ」


マネージャー :
「今朝、何時から行列に並んだんだ?」


営業マンA :
「えーっと、4時半です」


マネージャー :
「……はァ?」


営業マンB :
「4時半か、やっぱり、それぐらい早くないと1番はとれないのか?」


営業マンA :
「いえいえ。4時半でも、5番目でしたよ」


マネージャー :
「えええ」


営業マンC :
「4時半で5番目……?」


営業マンA :
「1番前に並んでいた人は、三重から来たって言ってました。3時まで飲んで、
タクシーでやってきたと」


マネージャー :
「……」


営業マンB :
「やっぱり始発電車に頼ってたんじゃ、行列に並べないよな」


営業マンA :
「6時過ぎたときには、もう50人は並んでいましたよ」


マネージャー :
「朝の4時半から並び、6時過ぎになってようやく羊羹が買えるのか?」


営業マンA :
「いえ、10時です。ですから今日、午前年休をとったんです」


マネージャー :
「ええっ! 10時……」


営業マンB :
「すげー根性」


営業マンA :
「今日のために、先週末、出勤して仕事をしてましたから」


マネージャー :
「そこまで、この羊羹に……」


営業マンA :
「季節によって、温度や湿度だけでなく、炭の具合や、小豆の状態の微妙な変
化で味が変わるらしいんです。火加減やら、小豆の洗い方とか」


マネージャー :
「炭の具合、火加減、小豆の洗い方……?」


営業マンA :
「店主の稲垣さんは、羊羹を練り続け、究極の羊羹を作り上げたそうなんです。
書籍『一坪の奇跡』に書いてありました」


マネジャー :
「究極の羊羹……」


営業マンA :
「本の受け売りですが、『小ざさ』の羊羹は、ポクポクの芋羊羹、ネチネチの
普通の羊羹、プリプリの錦玉かん、口のなかでスーッと溶ける水羊羹の、四つ
の種類の羊羹の、ちょうど交点にある羊羹なんだそうです」


マネジャー :
「4つの種類の交点……」


営業マンB :
「俺も本を読んだよ。『対角線の中心を探せ』とお父さんに教え込まれたっ
て」


マネジャー :
「『対角線の中心』って……」


営業マンA :
「この羊羹は1人3本まで。店舗でしか買えません。それを買ってきました。
ぜひ、味わって食べてください。部長」


マネージャー :
「な、なんでそんなスゴイ羊羹を、俺に? しかも3切れも?」


営業マンA :
「いつもお世話になっているから、です」


マネージャー :
「……」


営業マンA :
「部長に喜んでもらいたいんです。絶対に美味しいって、言ってくれるはずで
す。たかが羊羹なんですが、ものすごく手間暇かけて作られた味に衝撃を受け
るはずです」


営業マンB :
「部長、せっかくですから、食べてください」


営業マンA :
「現代に生きる私たちが忘れかけた何かを、この羊羹は思い出させてくれるん
です。私たち日本人が忘れちゃいけない、何かが、この羊羹には詰まっている
んです。だからどんなに寒い朝でも行列が途切れないんです」


営業マンC :
「部長、まずは1切れ、食べてください」


マネージャー :
「……うん。そこまで、言うなら……」


営業マンA :
「どうですか?」


営業マンB :
「どうですか?」


営業マンC :
「どうですか?」


マネージャー :
「うん。うまい……。確かに、うまい」


営業マンA :
「やっぱりそうですかっ! 美味しいですか」


マネージャー :
「うん……。社交辞令でなくて、本当に美味しい。ま、そうでなきゃ、40年
以上も早朝から行列が途切れない、なんてあり得ないものな」


営業マンC :
「そうですよねェ。確かに。いやァ、やっぱりそうでしたか」


マネージャー :
「それにしても、だ」


営業マンA :
「はい?」


マネージャー :
「君の、この羊羹に対する愛情はどうだ? そしてウンチクも凄かった。同じ
ような熱情を、当社の商品にも注いでくれないか」


営業マンA :
「え……」


マネージャー :
「この羊羹を私に勧めるぐらいに当社の商品をお客様に紹介できたら、君の営
業成績はかなりアップすると思うよ」


営業マンA :
「それは、その……」



……新刊「空気でお客様を動かす」に書いたノウハウを、ふんだんに使ってメ
ルマガを書いてみました。

「社会的証明の原理」「限定の原理」「世間の空気」「集団の空気」「個人の
空気」「第一の知識」「第二の知識」「ミクロ情報」「マクロ情報」「ティー
チング」「マイフレンドジョン」「プリフレーム」「好意の返報性」「サンク
コスト効果」……など等。

おかげさまで「空気でお客様を動かす」は発売2日で【重版】がかかりました。
ありがとうございます!

お客様に「せっかくだから」「そこまで言うなら」と言ってもらえる「空気」
を作るテクニックを覚えてください。ぜひ!


■「空気でお客様を動かす」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894516454/mysterycon0c-22/ref=nosim

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 【61点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

自分自身にもそうだし、他人を見つめるときにも、

たまに、

「この人は今、ベストを尽くしているだろうか?」

と思うときがあります。

「ベストを尽くしているか」

は、『キング・オブ・ザ・精神論』という感じで、どう解釈していいのかわか
りづらいですが、

何となくの感覚でもいいのです。

いつも「ベストを尽くしている」必要はないでしょうが、不平や不満、愚痴や
ジレンマを覚えたとき、

自分は今、「ベストを尽くしているか」

と、問いかけたくなります。

「他人はベストを尽くしていないのに、自分だけがどうしてベストを尽くさな
くちゃいけないんだ」

という思考ノイズが頭をよぎったら、紛れもなくベストを尽くしていない証拠
です。そういうときは反省します。

また、「スマートにベストを尽くすことは不可能」とも思っています。

ベストを尽くそうとするとカッコ悪くなって当たり前です。なので、

カッコつけようと思った瞬間に、自分の限界の手前で足を止めたのだと私は判
断するようにしています。

2014年12月8日

「話が噛み合わない人」の思考プログラム【無言クロージング】

● 今回のテクニック:【無言クロージング(10)】

クロージングを最も強力にしたい場合は、「無言」を貫くことである。

相手の要望・ニーズに沿った解決策/提案をしても、なかなか相手が決められ
ないときがある。理屈ではなく、踏ん切りがつかないケース。

ダブルバインドを活用して二者択一を迫ってもいいが、敢えて言葉を発せずに
待つという手もある。

人間は普通、「間」を嫌う。しかしその「間」を恐れずに無言を貫く相手から
は強烈なプレッシャーを感じるものである。無言が最強クロージング技術。し
かし難易度はかなり高い。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「A社の案件はどうなっている?」


部下 :
「はい。キーパーソンであるS部長とは、単純接触を繰り返しているのです
が、『現時点で当社には必要ない』の一点張りです」


マネジャー :
「なるほど。いつも商談には、S部長と、誰が参加するんだ?」


部下 :
「S部長と、B課長です」


マネジャー :
「S部長は『不燃客』で、B課長は『可燃客』だろう?」


部下 :
「え? ふねん、きゃく……って」


マネジャー :
「君、『空気でお客様を動かす』を読んでないのか? 自燃客、可燃客、不
燃客の用語解説があっただろう。キーパーソンが『不燃客』だと、単純接触
し続けても意味がないって」


部下 :
「『空気でお客様を動かす』って、横山氏の最新刊ですよね」


マネジャー :
「そうだ」


部下 :
「……えっと、このように、メルマガ本文であからさまに宣伝していいんで
しょうか?」


マネジャー :
「いいんだ。いつも横山氏は、最新刊が出た直後にこのようなメルマガを書
いている」


部下 :
「いやらしい感じがしますね」


マネジャー :
「私もちょっとそう思うが、本を売るのに必死なんだろう。毎回のことだか
ら、もう何とも思わなくなってきた」


部下 :
「わかりました。メルマガ用の会話を続けます」


マネジャー :
「さっきも言ったように、『空気でお客様を動かす』に『不燃客』は経済合
理性に基づいて物事を判断する傾向にあると書いてあった。だから、君の常
とう手段である、"泣き落とし"はS部長に通じない」


部下 :
「そうでしょうねェ。ところで、『空気でお客様を動かす』で書いてあった
『リアクション』についてはどう思いました?」


マネジャー :
「は……」


部下 :
「いや、けっこうアレは参考になった話でした。私がよく通っている美容院
の美容師さんが、やたらリアクションが大きいんです。私はどちらかという
と『自燃客』なので、美容師の腕よりも、なんかそっちのほうが気に入って
るのかなと思って」


マネジャー :
「へえ」


部下 :
「課長もそういうことありませんか?」


マネジャー :
「確かに、あの本を読んでから他人の表情をつぶさに観察するようになった。
リアクションもだ」


部下 :
「そうですよね。我が家に出入りしているリフォーム会社の社長もそうなん
です。うちの妻と仲がいいんですが、すっごくリアクションが大きいんです
よ。あれって重要な要素だったんですね」


マネジャー :
「『自燃客』にはそうだ。しかし『不燃客』には効力が乏しい」


部下 :
「『不燃客』といえば、私の姉がそうです。この前家族で中華料理を食べに
行って、家族全員がその店の看板メニューである麻婆豆腐を頼んでいるのに、
ひとりだけチャーハンを頼むんです。私はチャーハンが食べたいからって…
…。『空気読めよ』って言いたくなりました」


マネジャー :
「私の妻もマイホームに関しては『不燃客』だ。家は住めればそれでいい。
ローン返済が大変だからといって、アパート住まいに不満はないらしい」


部下 :
「私の父はスマホに対して『不燃客』でしたね。なぜかっていうと……」


マネジャー :
「もういい、もういい!」


部下 :
「え」


マネジャー :
「A社の案件に関して私は話をしているんだ。S部長が『不燃客』だから、
論理的に攻める必要がある。今度から技術企画部のH君を同行させてくれ」


部下 :
「技術企画部、ですか……。そういえば来年から技術企画部が解散するって
話は本当ですか」


マネジャー :
「は?」


部下 :
「いや、忘年会で専務から話を聞いたんですよ。技術企画部を解散するかも
って」


マネジャー :
「もういい、もういい。いつも君は、そうやって話を脱線させる」


部下 :
「だって課長も興味があるでしょう? 技術企画部のこと」


マネジャー :
「私はA社の案件のほうが興味ある」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「こ……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「これは、『無言クロージング』……?」


マネジャー :
「は?」


部下 :
「いや、『空気でお客様を動かす』にも、このテクニックが載っていたなと
思って」


マネジャー :
「……」



……話が噛み合わない理由は、話し相手が「論点」を正しくつかんでいないか
らです。

どんな話にも、必ず論点となる「幹」があります。そして「幹」から「枝」が
出ており、「枝」から「葉」が出ています。

「幹」ではなく「枝」や「葉」をつかんで、話を展開させたり、「ワード」だ
けに焦点を合わせて捻じ曲げたりすると、

話が「あさっての方向」へと突き進んでいってしまいます。

先週私が執筆したコラムは、ツイッターで爆発的に拡散され、現在14万PV
以上を記録しています。

どうして人と話が噛み合わないのか? それを論理的に解説しました。


■「雑談」でさえ、話が噛み合わない人の思考メカニズム
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141128-00041044/

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 【4点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

先日、「感動のあまり大粒の涙を流す」という夢を見ました。どんな夢か忘れ
ましたが、夢の中でむせび泣いていたのです。

夜中に目を覚まし、ぼーっとしていると、リアルに号泣した出来事を過去に遡
って思い出そうとしました。

真っ先に思い浮かんだのが、青年海外協力隊でグアテマラに赴任し、3年の任
期を終えて帰国するときの日のことです。

空港に集まった、同僚の隊員たちや、グアテマラでお世話になった人たちに、
ひとりひとり挨拶している間に涙が止まらなくなり、

そのとき着用していた、協力隊の制服がぐしょぐしょになるぐらいに泣いたの
です。ネクタイの上半分が濡れそぼってしまうほどでした。

全員に胴上げされ、ゲートをくぐって小さな国際空港の待合室に入ったときは、
あまりに泣いたせいで脱水症状になっているのではないか、

と思うほどフラフラでした。

頭が朦朧とするぐらいに泣いたのです。後にも先にも、あれほど泣き続けたの
は、あの28歳のときだけでしょうね。

そんなことを思い出していたら、

それほど涙を流すぐらい、何かに打ち込んだことがあるだろうか。泣かなくて
もいいけれど、それぐらいに情熱をぶつけているものは今あるだろうか、と自
分に問いかけたくなりました。

2ヶ月に1度ぐらい襲ってくるのですが、また私は熱く燃え始めました。

たまには、いいですよね。

2014年12月6日

新刊『空気でお客様を動かす』心理用語の一覧

新刊「空気でお客様を動かす」が本日より日本全国の書店において販売スター
トいたします。


テーマは、「もともとニーズがなかったはずなのに、どのような心理バイアス
がかかるとお客様は気持ちよく商品を買うようになるのか?」ですから、


本書には、数々の心理効果・行動経済学の用語が掲載されています。そこで本
日は、これらの心理用語をご紹介しようと思います。


■「空気でお客様を動かす」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894516454/mysterycon0c-22/ref=nosim


●「文脈効果」……「○○」へ行くと「△△」したくなる心理効果

●「同調性バイアス」……他人の意見・主張などを鵜呑みにして先入観を持つ
心理効果

●「集団同調性バイアス」……自分以外の大勢の人に合わせようとする心理効


●「一貫性の法則」……自身のとった言動は一貫して正当化したくなる心理効


●「サンクコスト効果」……既に支払ってしまって取り戻せない費用・労力・
時間(埋没費用)を回収したくなる心理効果

●「好意の返報性(ミラーリング効果)」……好意を受けると、同様に好感を
抱く心理効果

●「行動感染」……「脳のミラーニューロン」により、近くにいる人の言動・
思考をモデリングする心理効果

●「選択的認知」……目や耳など五感が受け止めた多くの情報の中から、自分
の関心のあるものだけを選び、脳の中に取り込む認知プロセスの現象

●「刺激馴化」……刺激を受け続けることで次第に慣れ、刺激を刺激として認
知できなくなる心理効果

●「ヴェブレン効果」……「価格が高い」というだけで、同様にその「価値も
高い」と思い込む心理効果

●「単純接触効果」……繰り返し接触することで、「安心・安全の欲求」が高
まる心理効果

●「社会的証明の原理」……多くの人が支持・評価しているものを、同様に支
持・評価しようとする心理効果

●「ピグマリオン効果」……、周囲から期待されれば期待されるほど、成果を
出す傾向が強くなる心理効果

●「ユニフォーム効果」……「服装」によって「安心・安全の欲求」が満たさ
れる心理効果

●「権威の原理」……「権威のある人(ありそうな人)」には説得されやすい
心理効果

●「限定性(希少性)の原理」……その物が希少であればあるほど価値が高く
なっていく心理効果


次回は、これらの心理用語を使って造られた「空気でお客様を動かす」オリジ
ナルの用語を紹介いたします。


どうぞよろしくお願いいたします。

2014年12月4日

「人間として」絶対に、忘れてはならないもの【好意の返報性】

● 今回のテクニック:【好意の返報性(13)】

好意の返報性とは、人は好意を受けられると、それを返したくなるという習性
のことで、ミラーリング効果ともいう。

相手とコミュニケーションをする際も、好意をもって接するのと、そうでない
のとでは相手の反応も異なる。特に信頼関係(ラポール)が崩れてきたときに
は、「きっと……に違いない」と思い込み、決め付けたような悪意ある物言い
をしてしまうものである。

ニューロロジカルレベルの概念を意識し、どんな相手であろうと、その「アイ
デンティティ」や「価値観」には好意を持ち(承認し)、相手のとった「行
動」にこそフィードバックしたいものだ。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「配送担当のKさんの話を聞いたか」


部下 :
「はい。聞きました」


マネジャー :
「そうか」


部下 :
「……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「Kさん、10歳のときにお父さんを亡くされた、と聞きました」


マネジャー :
「うん」


部下 :
「そのショックでお母さんが聴覚を失い、親族の支援を受けながらも、中学
を出たけれど、その後は高校にも行かなかった」


マネジャー :
「正確には、半年ぐらいは通った、と聞いた」


部下 :
「はい。でも、執拗なイジメを受けて、中退したって言っていました」


マネジャー :
「うん」


部下 :
「Kさん、当時は16歳の女の子、ですよね。行くところは……そこしかな
かったんでしょうか。悪い奴と一緒につるんで体を売り、耳の不自由なお母
さんのところには滅多に戻らなかったとか」


マネジャー :
「Kさん、あっけらかんと、そのことを言うだろ?」


部下 :
「そうですね……。30年以上も前のことだからでしょうか。でも、当時は
どんな心境だったか」


マネジャー :
「中等少年院を出てからだろ、凄まじい人生が始まるのは」


部下 :
「そうです。そこまでも大変なのに、そこからは、もっと大変……」


マネジャー :
「17歳で50歳の不動産会社の社長と結婚し、19歳で風俗店3店舗の経
営に乗り出す。20歳で違法サービスや暴力事件の関与などを疑われて逮捕
され、2年間……いわゆる『クサイ飯』を食ってる」


部下 :
「Kさん、刑務所のご飯は意外とクサくはない、なんて言ってました」


マネジャー :
「Kさん、らしいな」


部下 :
「出所し、24歳で再婚したチンピラから暴行を受けるようになり、左耳が
聞こえなくなって、それから精神の病を患い、覚せい剤、そして再び売春…
…」


マネジャー :
「……」


部下 :
「薬物依存更生施設に入ったのは、29歳から、でしたっけ」


マネジャー :
「28歳だ」


部下 :
「28歳、ですか……。今の私と、同じ歳です」


マネジャー :
「施設にいる間に、左耳の聴覚もほぼ失った。31歳のときに更生施設を出、
聴覚障がい者向けのサークルに入り、手話を習った」


部下 :
「そのときの手話の、先生が」


マネジャー :
「そうだ」


部下 :
「Kさんの、お母さんだった――」


マネジャー :
「……」


部下 :
「ど、どんな、気持ちだったんでしょうね」


マネジャー :
「Kさんが、か?」


部下 :
「いや、私は、Kさんのお母さんの気持ちを、まず、考えました」


マネジャー :
「……」


部下 :
「まさに、変わり果てた……娘の姿を、目の当たりにしたわけでしょう?」


マネジャー :
「……」


部下 :
「Kさんは細々と働き、生計を立て、お母さんと暮らしはじめ、2人で手話
サークルを徐々に大きくしていった」


マネジャー :
「そうだ。今は、その手話サークルの会員が、全国に7000人いる」


部下 :
「……」


マネジャー :
「お母さんと再会し、その後10年で、日本全国28ヶ所に支部がある手話
サークルを創り上げた。これまでにテレビや雑誌で取材された回数は100
回を超える」


部下 :
「はい……」


マネジャー :
「そのKさんが、わが社にいる」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「Kさんがしている仕事は、工場で作ったお菓子を段ボールに詰めて配送す
る仕事だ。Kさんの給料は知っているか?」


部下 :
「はい。……時給790円です」


マネジャー :
「その時給は、この5年、1度も上がっていない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「Kさんは当社に入社して8年、ただの1度も休んでいない。全国に支部が
あるサークルの副代表をしながら、だ」


部下 :
「も、申し訳ありません!」


マネジャー :
「君は、どうして先週、3日間、休んだ?」


部下 :
「僕は、僕は……Kさんの何倍も、給料をもらってるっていうのに……」


マネジャー :
「Kさんは笑いながら、過去の話をしてくれただろう?」


部下 :
「あああ」


マネジャー :
「……」


部下 :
「ぼ、僕は、営業活動をするのが嫌になって、ずる休みをしました。新規の
お客様訪問をするのがイヤで、だから3日間休んだんです。本当にごめんな
さい……。お腹が痛いと言ったのは、嘘です……!」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「私はKさん他、障がいを持つ人たちを多数、雇用している当社の社長を、
私は心の底から尊敬している。人間として、絶対に忘れてはならないものを、
社長は持っているからだ」


部下 :
「……はい」


マネジャー :
「うちの会社を、好きになってくれ」


部下 :
「はい……」


マネジャー :
「黙々と、工場で作られたお菓子を段ボールに詰めている人たちの、それぞ
れの人生を考えて、うちの会社を好きになってくれないか」


部下 :
「はい……!」


マネジャー :
「うちの商品を好きになれなくてもいい。興味を持てなくてもいい。でも、
この会社のことは好きになってくれ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「その気持ちは……絶対に、絶対に、お客様に、伝わるから」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「その気持ちは……絶対に、伝わるから」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「新規のお客様訪問で、ツラくなりそうになったら、Kさんはじめ、社員の
顔を思い出してくれ」


部下 :
「僕は……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「僕は、ずっと、ずっと……。『売らなければならない』という気持ちで、
営業してきました。ずっと『売らなければならない』という気持ちを持ち続
けてきました。だから、ツラかったんだと思います」


マネジャー :
「うん……」


部下 :
「でも、今日からは、違います」


マネジャー :
「そうか……」


部下 :
「『売りたい』です。『売りたい』、に変わりました。当社と取引してくれ
る会社と、心底出会いたいです。わが社が好きだから……」


マネジャー :
「うん」


部下 :
「うちの会社が好きだから……!」



…… 何事も「逆算思考」です。「楽しいから笑える」という現象も、「笑っ
ていると、楽しくなる」という現象も表裏一体。

「好きだから、もっと知りたいと思う」という現象も、「仔細に調べていくこ
とで、好きになっていく」という現象も同じです。

人の人生、商品開発、製造工程……すべてにおいて「ストーリー」があります。

そして「ストーリー」は必ず【葛藤】と【衝突】とで形成されているものです。

どのようにして、会社を好きになるのか? 商品を好きになるのか? お客様
を好きになるのか?

そして、どのように人間が、「売れる空気」を作っていくのか?

いよいよ全国で新刊が販売スタートします!


■「空気でお客様を動かす」
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 【71点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

今回の新刊「空気でお客様を動かす」は、これまでの書籍の中で、最も多くの
原稿を書きました。

300ページ以上になったものを、削ぎ落として、それでも――250ページ
ほどの、ズッシリとした書籍となっています。

ここまで詰め込んだ書籍は、「絶対達成する部下の育て方」以来でしょう。

私はこの書籍が好きで、編集・販売に関わってくださったすべての人が好きで、
そしてすべての読者が大好きです。

出版社に感謝と敬意を表するために、著者が売らなくて誰が売る!

行くときは、行く!

ぜひ、新刊を、どうぞよろしくお願いいたしますっ!

2014年12月1日

「値引き」すると、なぜよけいに売れなくなるのか?【アンダーマイニング効果】

● 今回のテクニック:【アンダーマイニング効果(5)】

内的動機づけ(モチベーション)に対して、報酬を与えるなど外的動機づけ
(インセンティブ)を行うことによって、反対に意欲が低くなる現象。

「過正当化効果」とも呼ぶ。

意欲的な活動をしている人物を評価し、金銭的報酬を与えると、かえって逆効
果になりやすい、などの例がある。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「上半期の数字が芳しくない。現時点で、君の実績は目標に対して89%の
達成率だ」


部下 :
「はい。昨年と比較すると95%の達成ですが」


マネジャー :
「業界は昨年対比で107%と伸びている。それを見込んで今期の目標を設
定した」


部下 :
「わかってます」


マネジャー :
「わかってます、じゃないだろう。君はどう分析しているんだ?」


部下 :
「ううーん……。やはり価格じゃないかと思うんです」


マネジャー :
「価格?」


部下 :
「はい。以前からお話しているとおり、見積りの段階で他社と負けるケース
がほとんどなのです。私としては、もっと価格優位性を打ち出さないと」


マネジャー :
「確かに、今年に入ってから見積りプロセス後に破談となっているケースが
32件中15件と、ほぼ半分だ。これは非常に大きな要因だと言っていい」


部下 :
「そうなんです。実際にお客様にもヒアリングしたところ、当社を選んでく
れない理由は『見積』に魅力を感じないと言われておりまして」


マネジャー :
「なるほど。ところで、別の数字を見ていこう。君以外の営業4人は、現時
点で全員目標を達成している。平均で109%。市場の伸長率とほぼ同じ
だ」


部下 :
「あ、そうなんですか」


マネジャー :
「そして、見積りのプロセスで破談になったケースはだいたい15%ぐらい
だ。つまり君のケースは突出して多い」


部下 :
「はァ……」


マネジャー :
「同じ商材を扱っているにもかかわらず、だ」


部下 :
「商材は同じかもしれませんが、お客様は違いますからね。それに、お客様
自身が言っていることです。『もっと安くしてくれないと困る』って」


マネジャー :
「それも事実だろう」


部下 :
「でしょ? 私の営業力の問題ではありませんよ」


マネジャー :
「君の営業力の問題だ」


部下 :
「えっ?」


マネジャー :
「この問題は今にはじまったことじゃない。もう何年も前から、君は売れな
かった理由を『価格』だと言い続けてきた。商材が変わっても、いつもそう
だ」


部下 :
「そ、そうでしょうか……」


マネジャー :
「君は商談をするとき、当社の商材がいかにお客様の問題を解決するのか、
その魅力を十分に伝える前から、すぐに金額の話をする」


部下 :
「う、うーん」


マネジャー :
「お客様が決断する理由は『しっくり』くるかどうかだ。すべて人間は経済
合理性に基づいて判断しているわけではない。何となく『しっくり』くるか
どうかだ」


部下 :
「しっくり……」


マネジャー :
「確か、君はファッションにこだわりがあっただろう?」


部下 :
「どちらかというと、そうですね。服や靴などはこだわっています」


マネジャー :
「たとえば通常価格2万円のバッグがあり、君はそのバッグを気に入って何
とか手に入れようとお店へ行ったとき、店員から『いまキャンペーン価格で
1万7000円になります』と言われたら、どう思う?」


部下 :
「そりゃあ、嬉しいですね。即決で買います」


マネジャー :
「ところが何かの事情でその時は買わず、1週間後にそのお店へ行ったらキ
ャンペーンは終わっていた。再び価格は通常の2万円になっていたら、どう
する?」


部下 :
「……再び、2万円ですか。うーん、悩ましいですね」


マネジャー :
「交渉したら、1000円相当のアクセサリーをつけて、さらに500円
も値引きしてくれると言ってくれたら、どう思う?」


部下 :
「それでも、キャンペーン価格だった1万7000円には届かないですよね。
もう少し何とかならないかな、と思います」


マネジャー :
「結局、納得がいかず、君はそのバッグを買わないことに決めた。そして帰
宅した後、そのお店の店員から電話がかかってきて、『1万8000円まで
下げますからお願いします』と言われたらどうする?」


部下 :
「……うーん。1000円分のアクセサリーなんて要らないですから、その
分さらに1000円ひいてもらって、1万7000円にならないかな。もう
ひと押し、価格交渉するかもしれません」


マネジャー :
「本当に、君は価格交渉をするか?」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「もう一度聞く。本当に、君はそのお店にまた連絡して、その定員を呼び出
し、値段を下げてくれと価格交渉をするか?」


部下 :
「その店に連絡して、定員を呼び出し……」


マネジャー :
「しないだろう?」


部下 :
「そう、ですね……。しないでしょうね」


マネジャー :
「なぜだと思う?」


部下 :
「……どうして、でしょうか。面倒、だからかな」


マネジャー :
「『しっくり』こないからだよ、その店員の対応に」


部下 :
「……!!」


マネジャー :
「君が欲しがっていたバッグは最初、2万円の価値があった。しかしキャン
ペーン価格を目にした途端、1万7000円の価値にまで下がってしまった。
しかも何度も、何度も、条件を下げてくる店員の態度を見て、君は……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「そのバッグ自体の価値や魅力を感じられなくなってきた」


部下 :
「そ、そうかも」


マネジャー :
「店員の態度が、お客様の焦点を、商品そのものにではなく『価格』に向け
てしまったからだ」


部下 :
「じゃあ、私も……」


マネジャー :
「そうだ。お客様の焦点を『価格』に向けているのは、営業である君自身だ。
だから君の場合、見積りプロセスでうまくいかないときが多い」


部下 :
「私が、お客様に、『もっと安くしてくれ』と言わせているんですね……」


マネジャー :
「そうだ。君でうまくいかなかった会社に、他の営業が提案へ行くと、もっ
と高い見積りでも成功する。つまり価格じゃないんだ」


部下 :
「そうだったのか……」


マネジャー :
「値引きも『金銭的報酬』だ。値引きを魅力の一つにすると、かえって購買
の意欲を落とすお客様はいるんだ」


部下 :
「ようやく、理解できました」


マネジャー :
「『安くしないと売れない』と思い込んでいると、本当に、安くしないと売
れなくなる。君自身がお客様の感情を引き寄せているんだ」


部下 :
「かしこまりました。すごく理解できました。しかし、本当に見積りだけで
判断されるお客様もいますよね」


マネジャー :
「それが『不燃客』と呼ばれるお客様だ。常に経済合理性に基づいて意思決
定をする。お客様の属性を見極めて対応してほしい」


部下 :
「誰でも価格を下げれば喜んでくれると思い込んでいました」



……今日のメルマガ本文は、8月に掲載された日経ビジネスオンラインのコラ
ムを大幅にアレンジしたものです。

この時のコラムはフェイスブックで2100以上の「いいね!」がつくなど、
SNSを介してかなり拡散していきました。

それほど多くの方に共感された内容だったのでしょう。

誰もが「値引き」によって購買欲を上げるわけではありません。人に感化され
る度合……「同調性バイアス」のレベルによって変わります。

「不燃客」ならともかく、「自燃客」「可燃客」には、安易な値引きは「売れ
ない空気」を作るだけです。

新刊で「自燃客」「可燃客」「不燃客」をどう見分けるか、ぜひチェックくだ
さい。


■「空気でお客様を動かす」
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※すでに大型書店では販売スタートしています。

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 【54点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

新刊「空気でお客様を動かす」は。5月に発売した「空気で人を動かす」の続
編のように思われるでしょうが、

タイトルが似ていても「続編」ではありません。

「空気で人を動かす」はリーダーシップやチームビルディングがテーマ。

目標を絶対達成させるためにどうすればよいか、「絶対達成シリーズ」や「脱
会議」と共通で、「組織力」をアップさせるための施策が書かれています。

しかし新刊「空気でお客様を動かす」はマーケティングがテーマ。

「空気で人を動かす」と同様、「脳のミラーニューロン」の影響で、どのよう
に「人」が「人」を感化させるかを扱っています。

しかし、舞台は組織の中ではなく、外。

買うつもりがなかったものを、どのように感化されて、その気になってしまう
のか。

その空気を、どのように意図的に作ることができるか。顧客心理にどうバイア
スをかけるのか?

営業はバイアスをはずし、お客様にはバイアスをかける――。

自分が、お客様の立場として読んでも参考になる書籍です。

私としては、お客様がどのような場所で、どのような空気によって感化される
のかがわかれば、どのような商売が、一番「ラク」に儲かるかがわかると思っ
ています。