2014年5月29日

意識とは「表現の選択」である【無言クロージング】

● 今回のテクニック:【無言クロージング(9)】

クロージングを最も強力にしたい場合は、「無言」を貫くことである。

相手の要望・ニーズに沿った解決策/提案をしても、なかなか相手が決められ
ないときがある。理屈ではなく、踏ん切りがつかないケース。

ダブルバインドを活用して二者択一を迫ってもいいが、敢えて言葉を発せずに
待つという手もある。

人間は普通、「間」を嫌う。しかしその「間」を恐れずに無言を貫く相手から
は強烈なプレッシャーを感じるものである。無言が最強クロージング技術。し
かし難易度はかなり高い。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「先日の会議で、どんなことが決まった?」


部下 :
「はい。今後のマーケティングについて深い議論ができたと思っています」


マネジャー :
「誰が参加したんだ」


部下 :
「営業企画部の部長と課長2人、社長室の室長と主任、商品開発部の部長と
課長、営業部の部課長4人、そしてマーケティング部の私たち2人です」


マネジャー :
「それぞれ主要メンバーが集まった、ということか」


部下 :
「はい。けっこう有意義な会議となりました」


マネジャー :
「もう少し具体的に聞かせてくれ」


部下 :
「はい。昨年市場に投入した新製品に関する今後の販促活動に関することが、
メインの議題でした。ネット広告、そしてイベント、そこに関わる投資につ
いてです」


マネジャー :
「それで」


部下 :
「はい。特に7月のイベントは大がかりなものですから、営業部との連携を
しっかりとっていこうという話になりました」


マネジャー :
「それで?」


部下 :
「はい。去年の反省があります。イベントの来場者は多かったものの、ホー
ムページやネット広告との連動が悪かったのです。タイミングがずれたせい
で、来場者たちをホームページに正しく誘導できませんでした」


マネジャー :
「それで?」


部下 :
「はい。イベントが終わってからネット広告をした、という事実もありまし
たので、このあたりも修正していきます」


マネジャー :
「それで?」


部下 :
「はい。特に営業部との連携が不十分だったのが一番の問題です。営業部が
イベントに参加していなかったため、その後の対応がかなり遅れてしまいま
した。今回はコミュニケーションをしっかりととって連携していこうという
話になったのです」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「……それで?」


部下 :
「……はい。ええと、そういうわけで、なかなか集まらない主要メンバーが
集まり、会議はとても有意義だったと報告させていただきたく……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「何を言ってんの?」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「そんなの、去年の年末に私が開いた会議で出てきた反省点ばかりだ」


部下 :
「え」


マネジャー :
「君は意識と無意識の違いがわかるか?」


部下 :
「……」


マネジャー :
「意識は、表現の選択ができる。しかし無意識は、表現の選択ができない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「結局、何をするんだ? 君たちは」


部下 :
「え……と」


マネジャー :
「コミュニケーションをしっかりとっていくとか、連携を深めるとか、同じ
ことばっかり言って何も前に進んでいない。行動レベルにまで落として意思
決定したまえ。何が有意義な会議だった、だ」


部下 :
「も、申し訳ございません」


マネジャー :
「行動を繰り返すことで無意識的有能になっていく。つまり、無意識のうち
に体が動くようになる。だから……『表現の選択』ができなくなる」


部下 :
「あ」


マネジャー :
「自分の意志で表現の選択ができなくなるまで、無意識のうちに体が動くよ
うになりたまえ。そうでないと成長などない」


部下 :
「は、はい」


マネジャー :
「いつまでに、誰が、何を、どのぐらいの数、どのような方法で実行するん
だ?」


部下 :
「ええ……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「あ、あの」


マネジャー :
「……」


部下 :
「もう一度、今週中に、主要メンバーを会議で集めます……」


マネジャー :
「君は会議をすることしか思いつかないのか」


部下 :
「……も、申し訳ありません。今すぐ、個々に連絡をとります」



……意識と無意識との違いは、「表現の選択」ができるかどうかです。

「表現の選択」をしようとしているうちは、新しい「習慣」が身についたとは
言えないレベルだと覚えましょう。


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【編集後記】

昨日、Yahoo!トピックスに私のコラムが掲載されました。

こちらのコラムです。

■「映画館のポップコーン」はなぜ高くても売れるのか?
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20140528-00035754/

Yahoo!トピックスに載ると、とんでもないアクセスを記録します。この
コラムも昨日だけで80万以上のPV数がありました。

この余波で、メルマガ読者も、フェイスブックのフォロワーも急増し、新刊
「空気で人を動かす」のランキングも急上昇。

全国各地の書店でも、軒並み新刊の売り上げが伸びたと、出版社から連絡が入
りました。

これだけのお祭り騒ぎになると、必要以上の注目度を浴びてしまいます。そう
なのです。まさに「必要以上」の注目度なのです。

こういうとき、必ず私自身に言い聞かせる言葉があります。それを今日は紹介
します。参考になる方もいらっしゃるかもしれません。

『高次元の批判は成果を高め、低次元の批判は忍耐力を高めてくれる』

これは、孫正義さんの名言です。

私の守備範囲は広くありませんので、本業を淡々とやっていきます。

ちなみに、新刊「空気で人を動かす」はおかげさまで、各地の書店でランキン
グに入ってきているようです。

一部をご紹介します。

三省堂書店名古屋高島屋店(ビジネス書)1位 ※5/19~25
紀伊國屋書店新宿南店(社会)2位 ※5/19~25
紀伊國屋書店新宿南店(社会政治)1位 ※5/19~25
紀伊國屋書店新宿南店(単行本)5位 ※5/19~25
八重洲ブックセンター本店(経済・経営・ビジネス書)2位 ※5/18~24
紀伊國屋書店本町店(社会)5位 ※5/19~25
紀伊國屋書店本町店(社会政治)2位 ※5/19~25
ジュンク堂書店福岡店(ビジネス書)2位 ※5/18~24
三省堂書店神保町本店(ビジネス書)4位 ※5/19~25
有隣堂ヨドバシAKIBA店(ビジネス書)5位 ※5/18~24
文教堂書店浜松町店(ビジネス書)6位 ※5/18~24
三省堂書店有楽町店(経営・ビジネス)7位 ※5/19~25
丸善丸の内本店(ビジネス書)8位 ※5/15~21
紀伊國屋書店横浜店(社会政治)8位 ※5/19~25

これまでの経験上、著者や出版社の力だけで上位へランキングされることはな
いですので、とてもありがたい反応です。

2014年5月27日

『絶対達成2分間バトル』のご案内

私はリーダーになった以上、「照れ屋」「恥ずかしがり屋」では困ると思って
います。


というか、「照れ屋」でも「恥ずかしがり屋」でもいいですが、リーダーシッ
プを発揮するためには、照れてはいけないとき、恥ずかしがっていてはいけな
いときがあります。


メンバーを鼓舞するために「最後まであきらめずにやろう!」「いま苦しくて
も、必ず未来は開けるから」「一緒に目標を達成しようじゃないか」と、


照れずに言えますか?


メンバーを褒めるとき、「よくやった! 君のおかげで本当に助かった」「素
晴らしい活躍だ。嬉しくて泣けてきた」と、


照れずに言えますか?


書籍「空気で人を動かす」に書いたとおり、チームの「場」を作るために、
リーダーが照れていてはダメなのです。


これは、日経ビジネスオンラインで連載中のコラム『絶対達成2分間バトル』
の今日のテーマです。


■どうして「照れ屋」はリーダー失格なのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140524/265327/


毎週火曜日掲載の『絶対達成2分間バトル』をご存知ない方もいると思います
ので、バックナンバーを書き出してみます。


ぜひ、お時間があるときにお読みください。


■どうして「誤解されやすい人」はよく喋るのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140516/264767/


■どうして「目標が凄く高い」とストレスがかからないのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140512/264349/


■どうして「諦める」と目標は達成しやすくなるのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140430/263605/


■どうして営業に「見える化」は効かないのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140424/263431/


■どうして「マニュアル人間」は結果を出せないのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140421/263217/


■どうしてトップセールスは人の話を聞かないのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140414/262846/


■どうして「やらされ感」を覚える部下はダメなのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140407/262468/


■どうして部下とこんなにも「意思疎通」ができないのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140331/262010/


■どうして「自由すぎる営業」は考えないのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140324/261633/


■どうして「ブルーオーシャン戦略」は実現できないのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140317/261275/


■どうして目標予算は「社長のいいなり」でいいのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140227/260331/


■どうして目標達成に「モチベーション」は関係ないのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140227/260330/


■どうして「飲みニケーション」では結果が出ないのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140220/260038/


■どうして数字の記録が部下を明るくするのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140116/258316/


■どうして営業は「質よりも量」なのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140116/258315/


■どうして目標を「絶対達成」しないのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140116/258312/



私が現在持っている情報媒体は、この「メルマガ草創花伝」、Yahoo!で連載中
の「コラム草創花伝」、日経ビジネスオンラインの「絶対達成2分間バトル」、
そしてフォレスト出版主宰の「絶対達成チャンネル」の4つです。


これらの集大成が、書籍としてまとめられています。今後ともどうぞよろしく
お願いいたします。


どうぞよろしくお願いいたします!

2014年5月26日

「空気」でお客様を動かすテクニックとは?【バンドワゴン効果】

● 今回のテクニック:【バンドワゴン効果(11)】

バンドワゴン効果とは、多数の支持を受ける物事のほうが受け入れやすくなる
こと。要するに「勝ち馬/時流に乗ろうとする」心理のことである。

「さくら」を使うのは、このバンドワゴン効果を狙ったテクニックの一つとい
える。

ちなみに「バンドワゴン」とは祭りや行列の楽団車のことであり、パレードで
楽団車が通るとみんなが集まってくる。この現象からきた言葉である。

反対語は「スノッブ効果」。

【注意点】 効果的に使いたいときだけ活用すること。決して「他社もやって
いるから自社も追随しよう」という発想をしてはならない。正しい経営判断の
ためには、正しいデータに基づいた判断が不可欠である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「今回の商談、ものすごくうまくいったな」


部下 :
「はい。驚きました。あのご主人が、あんなに素直に当社の提案を受け入れ
てくれるなんて……」


マネジャー :
「そうだな」


部下 :
「マネジャーのコミュニケーション技術には本当に驚きました。私ももっと
勉強しないといけません」


マネジャー :
「私のコミュニケーション技術なんて大したことないよ」


部下 :
「しかし、最初に『プリフレーム』を使いましたよね? あの使い方はとて
も効果的でした。相手に言い訳をさせないための布石の打ち方が絶妙で」


マネジャー :
「それは、君だっていつもやっているだろう」


部下 :
「そうなんですけれど、なんかマネジャーのようにはうまくいかないんで
す」


マネジャー :
「実のところ、私は『場の空気』を利用て売ったんだよ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「隣のテーブルでMさんが商談していただろう? あの商談はすでに決まっ
ていたものだ。あえてあの日のあの時間帯に、Mさんのお客様に来店いただ
くよう仕向けた」


部下 :
「えっ! 本当なんですか?」


マネジャー :
「そう。それと、私たちが商談している間、T君のお客様もいらっしゃった
だろう?」


部下 :
「ええ。当社をすごく評価してくださる、あの社長ですよね?」


マネジャー :
「そう。あのお客様も、わざとあの時間帯にお呼びするよう仕向けていた」


部下 :
「本当ですか?」


マネジャー :
「うん。君は気付いていなかったかもしれないが、私たちがあのご夫婦と商
談している間、このお店の『空気』はすごく良かったんだ。お客様が当店を
評価している『声』が、この店の中に充満していたからだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「当店は、壁という壁に、お客様の喜ぶスナップ写真をコメント付で張って
ある。トイレの中にもあるだろう?」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「さらに、受付スタッフの教育は徹底してある。来店するお客様に気持ちよ
く過ごしてもらうよう、挨拶、姿勢、身のこなしはものすごく重要だ」


部下 :
「……はい」


マネジャー :
「『場の空気』を良くし、お客様に気持ちよくなってもらうための仕掛け
だ」


部下 :
「なるほど」


マネジャー :
「君は常にアウェイで戦ってきた。お客様のお宅を訪問するのはいい。それ
は徹底してくれ。しかし、重要な局面を迎えたときは、ホームを利用してほ
しい」


部下 :
「ホーム、ですか……」


マネジャー :
「そうだ。お客様に気持ちよく意思決定してもらうためには、購買プロセス
における『空気』のコントロールが重要なんだ」


部下 :
「前のマネジャーは、営業のプロセスばかり管理していましたが」


マネジャー :
「営業プロセスは、こちらの都合の話だ。営業のプロセスだけ管理して売れ
るなら苦労しない。お客様は人間なんだ。製造工程の管理と似せるだけでは、
売れるものも売れない」


部下 :
「そうですよね」


マネジャー :
「世間の空気、周囲の空気を利用して、気持ちよくご購入してもらう。その
ための『場の設定』はものすごく重要だ。多くの人が支持するとわかれば、
動かなかった心が動くこともある」


部下 :
「勉強になります」


マネジャー :
「アウェイばかりではなく、ホームを利用しろ。当店の空気に感化してもら
うよう考えてくれ」



……新刊「空気で人を動かす」で紹介した「集団同調性バイアス」は、従業員
やスタッフのみならず、お客様を動かすうえでも、当然使えるテクニックです。

書籍でも紹介した、空気の下地の作り方や、『プリフレーム』『マイフレンド
ジョン』といったコミュニケーション技術、『言い訳データベース』も、その
ままお客様を動かすのに利用できます。

さらに、「密集」や「集団」を形成することで、その効果はさらに強力になっ
ていきます。

そのことを記したコラムを紹介します。ご参考にしてください。

■「空気」でお客様を動かすテクニック
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20140526-00035685/


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【編集後記】

5月25日(日)は、私と妻の12回目の結婚記念日でした。

久しぶりに家族でディナーをしようと名古屋まで出向き、せっかくですから、
名古屋ダントツ最大の書店である、「三省堂JR高島屋店」へ行ってみまし
た。

すると、

新刊「空気で人を動かす」がビジネス書ランキング1位となっているじゃあり
ませんか。

処女作の「絶対達成する部下の育て方」でさえ、ランキング2位までしか行き
ませんでしたから、けっこう感動しました。

その場に子どもたちもいたので、記念に見せることができて嬉しかったです。

おひざ元の名古屋のみならず、

東京の大型書店でも、ランキング上位に入ってきているようで、これも「絶対
達成する部下の育て方」のときでさえ見られなかった現象です。

本日のコラムに書いたとおり、

「個人の空気」「集団の空気」のみならず、「世間の空気」も人を動かします。

売れないものを売れるようにはできないかもしれませんが、

「空気」をうまく利用することで、

【売れているものを、もっと売れるようにする】ことはできます。

新刊が売れているという「空気」が「流れ」に変化すればいいのですが。

2014年5月22日

満員電車にいる「嫌な人」の話【アズ・イフ・フレーム】

● 今回のテクニック:【アズ・イフ・フレーム(17)】

アズ・イフ・フレームとは、「もし……だったとしたら、どのように……する
か」「もし……実現したら、どのような気持ちとなるか」等と質問をすること
により、相手がかけている色眼鏡(フレーム)をはずさせるテクニック。
(アウトフレーム)

相手の先入観/固定概念を打破するために有効な、魔法の言葉。

通常は、実現したい目標がかなっている「未来」までイメージの中で空間移動
し、そのシーンを十分に味わってもらってから、それまでの実現プロセスを語
ってもらう。そのことにより「ドツボ」にはまっているフレームから抜けやす
くなる。

ただ、言葉だけを使ってもうまくはいかない。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「横山信弘の新刊、『空気で人を動かす』を読んだか?」


部下 :
「え? 読んでませんが」


マネジャー :
「読んでない? 読んだほうがいいぞ。とてもタメになる」


部下 :
「うーーん、ていうか、こういう会話、続けますか? このメルマガでこん
な会話したら、読者の方々もドン引きすると思いますが」


マネジャー :
「書籍販売日の翌日のメルマガはいつもコレだろう。今にはじまったことじ
ゃない」


部下 :
「ま……確かに」


マネジャー :
「それで、本は買ったのか?」


部下 :
「買ってもいないです」


マネジャー :
「え、買ってない?」


部下 :
「みんなが買おうとしているときに、私は買わないんです。もう少し落ち着
いてから、と思って」


マネジャー :
「へええ……」


部下 :
「何ですか?」


マネジャー :
「アノ本に書いてあった『集団同調性バイアス』が低い人間だな、君は」


部下 :
「え……集団……バイアス?」


マネジャー :
「ま、読んでないのなら、話は通じないだろうが」


部下 :
「ど、どういうことですか?」


マネジャー :
「君はどちらかというと、流行の逆をいくタイプか?」


部下 :
「まァ、そうですね。どちらかというとミーハーではないですね。自分の個
性を大切にしたいですから」


マネジャー :
「ぷぷぷーーーーーっ!!!」


部下 :
「な、なんで笑うんですかっ!」


マネジャー :
「自分の個性って君ィ……」


部下 :
「一過性の流行に惑わされたくはない、と言っているだけです」


マネジャー :
「そりゃ、わかるけど」


部下 :
「このメルマガ読者の多くは、『空気で人を動かす』を買うかもしれません
が、私はもう少し様子を見ますね」


マネジャー :
「意地っぱりだなァ……」


部下 :
「だいたい、『空気』が『流れ』に変われば、あとは『流れ』に身を任せる
だけ、というフレーズがよくわからないです」


マネジャー :
「どうして?」


部下 :
「どうしてって、マネジャーはわかるんですか?」


マネジャー :
「じゃあ、想像してみなよ」


部下 :
「え」


マネジャー :
「もしも、君が満員電車に乗っていたとする」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「そして、電車のドアの近くに立っていたとする。イメージできるか?」


部下 :
「ええ」


マネジャー :
「そして、電車は大きな駅に到着した。君はその次の駅で降りたいので、そ
の大きな駅では降車しない。しかし、電車に乗っていた多くの人がその駅で
降りようとする」


部下 :
「はい……」


マネジャー :
「イメージできるか?」


部下 :
「ええ、もちろん。そういうことってありますよ」


マネジャー :
「そして、そのとき君は、その大きな駅で降りる乗客のために、道を開ける
だろう」


部下 :
「そりゃあ、そうですね。いったん駅のホームに降りないと、迷惑ですから
ね」


マネジャー :
「そうだよね?」


部下 :
「はい。常識でしょう。たまに、ドア付近にいるにもかかわらず、ホームに
降りない人っているじゃないですか。メチャクチャ迷惑ですよね、ああいう
人」


マネジャー :
「そう、それが『流れ』だ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「よほど空気が読めないか、よほど常識を知らないか、よほど意地悪な人で
ない限り、満員電車から降りる人を優先して、ドア付近にいる人はホームに
降りるだろう。人が降りる『流れ』に逆らい、その場所に立ち続けようとす
るのは困難だ。だから『流れ』さえできてしまえば、人は自然と動くように
なる」


部下 :
「……な、る、ほど」


マネジャー :
「しかし、それでも、たまーに、いるよな。満員電車の中の迷惑な人……」


部下 :
「いますいます。ホント、常識を知らないというか、空気を読めないという
か……。ああいう人がいたら注意したいですよ」


マネジャー :
「じゃあ、君のデスクの上を片付けてくれたまえ」


部下 :
「ええ! どうしたんですか、突然……」


マネジャー :
「突然じゃないよ。今年に入ってからずっと言い続けてきたことだ」


部下 :
「今年からずっと、言い続けてきた……?」


マネジャー :
「そうだ。しかし君は正しく私の言葉を『認知』してこなかっただろう?
都合の悪いことは認知しない脳の働きがあるからだ。これを『選択的認知』
と言う」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「私は朝礼でも、メールでも、『整理整頓をしっかりやれ。特にデスク周り
はきれいにしろ』と発信してきた」


部下 :
「そういえば、そう……」


マネジャー :
「思い出せるか?」


部下 :
「それは、その……。私はデスクの上に、いろいろな書類を載せていたほう
が、効率的に仕事ができるので……」


マネジャー :
「そんなものは『作話』だ。後付けで意味をつけるのはやめたまえ。Aさん
も、Bさんも、整理整頓が苦手だったけれど、4月ぐらいからはデスクの周
りを毎日きれいにするようになった。整理整頓をキッチリするのは当たり前、
という空気は、すでに、わがチームに定着したんだよ」


部下 :
「え……! いつの間に……」


マネジャー :
「『空気で人を動かす』に書いてあるテクニックを使った。新しい空気を浸
透させるための『下地』を作ってから、特殊なコミュニケーション技術を使
いながら『可燃人』を味方につけていった」


部下 :
「可燃人……?」


マネジャー :
「君の知らないところで、多数派工作をしていたんだ。知らなかっただろ
う?」


部下 :
「気付きませんでした……」


マネジャー :
「君は同調性バイアスが低いからだ」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「感度が低いってことだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「これは一過性の流行じゃない。もう『空気』は『流れ』に変わってしまっ
ている。誰もが、君のデスクの上を見て違和感を抱くようになった。つまり
……」


部下 :
「つまり、私は満員電車の迷惑な人と同じになっている、と?」


マネジャー :
「その通り。『空気で人を動かす』は買わなくてもいいが、デスクの上は片
付けたまえ」


部下 :
「わ、わかりました……。申し訳ありません」


……「集団同調性バイアス」が低すぎると、「自燃人」「可燃人」「不燃人」
のうちの「不燃人」だと思われてしまうかもしれません。

「空気」が読めない、「感度」が低い、ということは、認知能力に問題がある
かもしれないからです。

お客様のニーズも、世間の動向も正しく認知できなくなります。

「場の空気」について解説した以下の動画は、いつの間にか4000回以上に
及ぶ再生回数を記録しました。

ご参考にしてください。


■ チームの成績に強く影響する「場の空気」とは?
http://youtu.be/9v1M3ncUIVk


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【編集後記】

今週は新刊「空気で人を動かす」の発売ウィークでしたから、メルマガも、新
刊のネタ一色となりました。

驚いたことに、私のセミナーで書籍を先行販売したところ、この「空気本」が
圧倒的に売れるのです。

今週、帝国データバンクでセミナーを開催したとき、ネタが「予材管理5つ道
具」だったのに、

60名の参加者のうち28名の方が「空気本」を買ってくださいました。他の
書籍に比べ、長蛇の行列ができたほどです。

(これは大げさな話ではありません)

私としては「予材管理」に関わる書籍を手に取ってもらえるよう、セミナー内
でも促したのですが、多くの人は、

「目標を達成するのが当たり前という空気がないのに、方法論やツールを勉強
しても仕方がない」

と思われたようです。

先週から今週にかけて、他所で開催したセミナーでも、圧倒的に「空気本」が
売れました。

新刊だから、という理由だけではなさそうですね。

多くの人が組織の「空気」に対する問題意識をお持ちだということが本当によ
くわかりました。

また、

先週から全国の大型書店で先行販売されていましたが、リアルな書店での反応
がきわめて良いようです。各地の書店で大々的に取り上げていただいているか
らでしょう。

(フェイスブックで連日、全国各地の書店の棚写真を公開しています)

新刊、どうぞよろしくお願いいたします。

2014年5月20日

なぜ「アナと雪の女王」はこれほどヒットしたのか?

現在、大ヒット中のディズニー映画「アナと雪の女王」を皆さん観ましたか?


公開10週目を迎えても、週末の興行成績ランキングで1位を獲得。現在、日
本における興行収入は185億円を突破しました。


日本の興行成績ランキング歴代1位は「千と千尋の神隠し」で304億円。2
位は「タイタニック」で262億円。3位が「ハリー・ポッターと賢者の石」
で203億円です。


このままいくと、歴代3位のハリー・ポッターを抜く勢いですね。


世界でも、アニメ映画史上最高の大ヒットとなっていて、誰もが「なぜここま
でヒットしたのか?」知りたくなります。


新聞や雑誌、ネットでは、いろいろな考察が書かれています。「大ヒットの裏
には巧妙な戦略あり」だの「世界各国での緻密なマーケティング戦略が奏功し
た」だの、いろいろと書かれはじめました。


こういう大ヒット作が登場したとき、世間の動き、マスコミの報道の仕方に注
目すると「マーケティング」の勉強になります。


昨年の「半沢直樹」「あまちゃん」のヒットと同じように、ヒット作の解説は
必ず「後付け」となります。


そして注目すべきは、


「理由」は必ず、後からついてくる。


という事実です。


「アナと雪の女王」の公開当初、それほど報道は加熱していませんでしたが、
興行成績が100億円を突破することが確実になったときから、


「流れ」


が変わります。


大ヒット間違いなしと確信してから、一斉に「後付けの評論」がスタートする
のです。


マスコミが煽れば煽るほど、この「流れ」はいっそう加速します。


我が家では、娘が2回、妻と息子が1回ずつ観にいきました。普通のディズ
ニー映画なら、せいぜい娘の1回だけなのですが、娘は2回も見て、さらにデ
ィズニー映画に興味のない息子まで観にいっています。


私の周囲でも、観ないと話についていけないという「空気」が出来上がってし
まっているせいか、先週末も、多くの娘、息子の友達が映画館へ連れていかれ
ました。


大ヒットを記録し、ブームになりつつある現在、その「流れ」に感化されて、
この映画を観る人は観るでしょう。しかし観ない人は観ない。


新刊「空気で人を動かす」でも記してある【集団同調性バイアス】の高低は、
人によって異なるからです。


昨秋から今春にかけて、増税前の駆け込み需要がピークを迎えました。まさに
これも「集団同調性バイアス」が影響しています。「同調性バイアス」が高い
人ほど、その「空気」に動かされたと言えるでしょう。


「商品開発」でも「集団同調性バイアス」はとても重要な概念です。有名な
「イノベーター理論」からすると、商品の導入期から衰退期までの中心的購入
者は以下のように変遷します。


1)導入期:イノベーター(革新者)約2.5%
2)成長期1:アーリーアダプター(初期採用者)約13.5%
3)成長期2:アーリーマジョリティ(前期追随者)約34.0%
4)成熟期:レイトマジョリティ(後期追随者)約34.0%
5)衰退期:ラガード(遅滞者)約16.0%


商品を市場に導入したとき、「イノベーター」や「アーリーアダプター」だけ
を味方につけても、多くの場合、潤沢な利益を生み出すことはできません。


いかに「アーリーマジョリティ」を味方につけるか。市場を動かし、売れる
「空気」を「流れ」に変えれば、「レイトマジョリティ」まで飲み込むことが
できます。


市場に受け入れられる「製品」を開発すれば必ず売れる。効果的な「プロモー
ション」を実施すれば必ず売れる。というものではありません。


いかに「空気」を「流れ」に変えるか、です。


「頭でっかち」の人は、どうしても評論家、コメンテータータイプになり、
「空気」が読めません。


その時代や、その場の空気など関係なく、なぜ売れたのか、なぜ売れなかった
のか。なぜ人は動いたのか、なぜ人は動かなかったのか。


――「理屈」で説明しようとします。


人間の脳にある「ミラーニューロン」によって、人は人に影響されてしまうの
です。


私たちは「感化」される生き物なのです。


目に見えない、そしてこの得体のしれない「空気」の存在を知りましょう。そ
して「空気」を操る術を身に着けるのです。


大きな市場をコントロールすることは難しくとも、10~100名ほどの、小
さな単位の組織、チームの「空気」を変え、掌握することはできます。


いよいよ新刊『空気で人を動かす』が明日から全国でいっせいに販売スター
ト!


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どうぞよろしくお願いいたします!

2014年5月19日

超集中状態「ゾーンに入る」方法とは?

今日は、行動を「ロック」したり、目標を「絶対達成」させようとした場合、


必ず何度も味わうであろう「ゾーンに入る」状態について、解説します。


極端に追い込まれたり、プレッシャーを感じるとき、人間はフロー状態になり
ます。心理学者のチクセントミハイによって名付けられ、これを俗に「ゾーン
に入る」と呼びます。

さて「ゾーンに入る」とは、どういう状態のことでしょうか?


●きわめて高い集中力を発揮している「研ぎ澄まされている感覚」を味わう
●時間が止まったかのような「時間感覚」の歪みを覚える
●陶酔状態に陥り、恍惚感、多幸感を抱く
●痛みや苦しみ、ストレスから解放され、感情のコントロールができる
●きわめて短い時間の中で適切な判断ができる


それではなぜ、このような心理現象を味わうのでしょうか?


●神経伝達物質「エンドルフィン」が分泌し、ストレスの鎮痛作用が働く
●脳の「回転数」が極限までアップすることで、「心理的時間」が異常に長く
なる


自分に強烈なプレッシャーをかけることで脳のブースターが働き、極限まで集
中することができます。


「あと1時間で5枚の見積り資料を作成しなければならない」「あと8分で駅
に着かないと、電車に間に合わない」「午前中に6社に電話をしなければなら
ない」「あと2日で24件、新規のお客様をまわらないといけない」……など
等。


スポーツの世界だけでなく、ビジネスの現場においても、追い込まれることで
「ゾーンに入る」ことができます。


まさに「明鏡止水」。邪念がなく、澄み渡って落ち着いた心の状態になります
から、強い幸福感さえ覚えます。


しかし、「ゾーンに入る」ためには、どうしても不可欠な要素があります。


それは「空気」です。


『やってもやらなくても同じ』『やらなくても誰にも何も指摘されない』とい
う空気がチーム内に蔓延しているのであれば「ゾーンに入る」ことはできませ
ん。


人間はたまに「ゾーンに入る」ことで、ストレス耐性をアップさせ、状況判断
能力を鍛えることができます。


まずは組織、チーム内の「空気」を変えましょう。


いよいよ『空気で人を動かす』発売!
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すでに予約が多数入っているせいか、アマゾンでは週末から販売スタートして
います。(他のネット書店では、まだのようです)


新刊のコンテンツをザッと書き出すと……


■ 組織の空気が変わる3つの原因「社会的手抜き」「外来価値観」「作話ス
モッグ」

■ 空気を悪くする「にわかコーチング」「意識調査」「過剰承認」「金銭的
報酬」

■ 空気を入れ替えるときの「地ならし」の方法……空気に向かって上方発信
する手順

■ 多数派工作は「可燃人」からスタートする。

■ 部下に強くリーディングできない人のための、間接的でかつ言い訳できな
くなるコミュニケーション技術とは? ……など等。


書籍を購入された方、全員に【ストレスワクチンでストレスに強くなる方法】
という動画ファイルがプレゼントされます。


この動画では、冒頭「この話は、ぜひとも多くの人に聞いてもらいたい!」と
私が力説しています。


動画を収録したときは、それぐらい気合が入っていたのだろうと思います。実
際、動画にもかかわらず、かなり情熱的なプレゼンテーションでした。


ストレスをかけることで脳の神経細胞を傷つけ、回復させることによって太く
なり、ストレス耐性がアップする、という内容の動画です。


今回の書籍はプレゼント、特典がてんこ盛り。


どうぞよろしくお願いいたします!



以上

2014年5月15日

空気が「流れ」に変わると、一体どうなるのか?【ピア・プレッシャー】

● 今回のテクニック:【ピア・プレッシャー(11)】

ピア・プレッシャーとは、人間は通常、同じ組織内の仲間に認められたい、疎
外感を味わいたくないと考え、仲間のあいだで自分がどのように見られている
かを気にする傾向がある。

そのせいで、仲間や社会と同じ考えでなければならないという圧力(プレッシ
ャー)を常日頃から感じているものだ。

これをピア・プレッシャーと言う。

特に「和」を尊ぶ日本人に対しては、このピア・プレッシャーは強力と言えよ
う。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


営業マンA :
「課長! 聞いてください。X社から670万円の引き合いが来ています。ぜ
ひ、すぐにでもクロージングかけたいですので、いいですか?」


マネージャー :
「なっ! ……わ、わかった。同行しよう。いつだ?」


営業マンA :
「明日の11時半はいかがでしょうか?」


マネージャー :
「あ、明日の11時ィ!? そんなに急かっ!」


営業マンA :
「はい! 何としても受注したいんです。スピーディに対応させてください」


マネージャー :
「うーん……」


営業マンA :
「何か用事があるんですか?」


マネージャー :
「今日これから福岡まで飛んで、Gさんの案件を対応しなくちゃいけない」


営業マンA :
「Gさんの? Gさんの福岡案件って、流れたはずじゃ……」


マネージャー :
「いや、彼女の驚異的な粘りで復活させた。機内で提案書を見直し、向こうで
製本して今日の夜9時からの社長プレゼンで決める」


営業マンA :
「確か、1000万円の案件でしたよね」


マネージャー :
「いや、それが1300万円まで膨らんだ。何としてもとる。これがとれたら
今期は目標達成だ」


営業マンA :
「おおお……」


マネージャー :
「しかし、X社の案件も何とかしたい」


営業マンA :
「はい! とりたいです。いや……とらせてください!」


マネージャー :
「わかった……。朝イチで福岡から戻ってくるフライトを探しておく」


営業マンA :
「ぜひ、お願いします」


営業マンB :
「課長!」


マネージャー :
「おゥ、どうした?」


営業マンB :
「Y社の案件、いけそうです! ぜひご一緒願えませんか?」


マネージャー :
「え、いつだ?」


営業マンB :
「今からすぐです」


マネージャー :
「い、今からだって……!」


営業マンB :
「Y社の社長は今夜のフライトでミャンマーへ発つと、来月までは戻ってこな
いそうです。今日の5時にアポをねじ込みました。今から一緒に行ってくださ
い」


マネージャー :
「いくらの案件だ?」


営業マンB :
「72万円です」


マネージャー :
「72万」


営業マンA :
「72万、か……」


営業マンB :
「課長、お願いします。年初からずっと追いかけてきた案件です。何としても
受注したいんです」


マネジャー :
「そうは言っても……。72万円だろ。それぐらいの案件なら自分で何とかで
きないか。私は今から福岡へ……」


営業マンB :
「先方の社長が指名してきたんです。課長が来るなら会うって」


マネジャー :
「え、私が……」


営業マンB :
「課長、お願いします。私はこれまでずっとみんなの足を引っ張ってきました。
小さな案件かもしれませんが、これを浮上のきっかけにしたいんです」


マネジャー :
「しかし」


営業マンA :
「課長、私からもお願いします。行ってください」


マネージャー :
「しかし、私は福岡に……」


営業マンC :
「課長、ちょっといいですか。専務から内線がありました」


マネージャー :
「専務から?」


営業マンC :
「はい。経営会議に今から出てくれと」


マネージャー :
「今から? いったいなぜ……」


営業マンC :
「おそらく今期の予算計画についてだと思われます。計画を全体的に下方修正
するので、意見を聞きたいと」


マネージャー :
「全体を下方修正? それなら、うちの営業課は今のままでも目標達成するじ
ゃないか」


営業マンC :
「そうだと思います」


マネージャー :
「そうか……。なんだ、こんな形で目標達成するなんて……。なんか、拍子抜
けだな」


営業マンA :
「課長、経営会議には行かないでください」


マネージャー :
「何?」


営業マンB :
「経営会議よりも、私の案件に付き合ってください。Y社の社長がお待ちで
す」


マネジャー :
「しかし72万円の案件じゃ。しかも、すでに今期は目標達成して……」


営業マンC :
「課長、他の2人の課長が専務に泣きついたようです。このままでは今期の目
標が達成できそうにないから、落としてくれって」


マネジャー :
「他の2人の課長が、か」


営業マンC :
「はい。しかし、それでいいんでしょうか?」


マネジャー :
「え」


営業マンC :
「下方修正した目標を達成して、それでいいんでしょうか? 期首に立てた目
標が達成するかもしれないのに、今ここで、あきらめていいんでしょうか?」


営業マンA :
「その通りです」


営業マンB :
「課長、経営会議には行かないでください」


マネジャー :
「お前ら……」


営業マンA :
「少額の案件でもとりましょう。今、私たちができることをすべてやりましょ
う」


マネジャー :
「どうして、そんなに……」


営業マンA :
「もう、戻りたくないんです!」


マネジャー :
「え」


営業マンA :
「私はもう、あのころには戻りたくない」


営業マンB :
「私もです!」


営業マンC :
「私も、同じ気持ちです。課長」


マネジャー :
「あの頃って……」


営業マンA :
「課長が来るまで、私たちは、何もかも、なあなあでした。やってもやらなく
ても同じ。目標達成しても達成しなくても同じ。昨日の続きは今日で、今日の
続きは明日……。あんな堕落した日々には戻りたくないんです」


営業マンC :
「課長がうちのチームを変えてくれました。本当に粘り強く、淀んだ空気を変
えてくれました」


営業マンA :
「理由なんてないんです。とにかく、もう前のようには戻りたくない。それだ
けです。いま、このチームはいい空気に満たされています。この『流れ』を変
えたくないんです」


マネジャー :
「……」


営業マンB :
「課長! お願いします!」


営業マンC :
「課長、私が経営会議に出てもいいです。針のむしろになるでしょうが、かま
いません。行ってください」


マネジャー :
「……」


営業マンC :
「受注しましょう。せっかく引き合いが来ているわけですから。A君が言った
とおり、ここで『流れ』を変えてはいけないと思います」


営業マンD :
「――ただいま戻りました。課長、Z社の案件、明日の昼から決済者プレゼン
が決まりました。2170万円の大型案件です。プレゼンの内容について、集
中的に討議したいのですが、よいでしょうか?」


マネジャー :
「えええ、2170万円って……!」


営業マンA :
「すげ」


営業マンB :
「マジか」


営業マンC :
「……課長」


マネジャー :
「わか、った……」


営業マンA :
「……」


営業マンB :
「課長、私とY社へは、行ってくださらないんですか?」


マネジャー :
「私がY社へ行ったら、Gさんの福岡案件はどうなる?」


営業マンB :
「う……」


営業マンC :
「課長」


マネジャー :
「そこをどけ。経営会議に出る」


営業マンC :
「……」


マネジャー :
「専務に、予算計画の下方修正をさせないよう説得してくる。そしてすぐにB
君とY社へ出かける」


営業マンB :
「本当ですかっ! あ、ありがとうございます」


マネジャー :
「それからD君と、ひと晩かけてZ社のプレゼン内容を討議する。A君とは明
日の朝からX社への対応について話し合おう。X社のクロージングが終わって
から、その足でZ社へ向かう。D君とは現地で待ち合わせだ」


営業マンD :
「はい」


営業マンC :
「それじゃあ、Gさんの福岡案件は……?」


マネジャー :
「専務に行ってもらう。福岡案件は私を指名しているわけではない。Gさんの
上司が行けば問題はないだろう。専務ならば文句はないはずだ。提案書の製本
も、専務にやってもらう」


営業マンC :
「課長、専務を説得できますか?」


マネジャー :
「説得する。他の課の目標分も、うちの課が稼げばいいんだ」


営業マンC :
「……」


マネジャー :
「俺も同じ気持ちだ。せっかくの『流れ』を止めるわけにはいかない。今きて
いるすべての仕事を、全力でとる」



……「やってもやらなくても同じ」「目標はあくまでも目標」「努力している
姿を見せるのはかっこ悪い」といった悪い空気を変えて、

空気が「流れ」に変わったら、あとは「流れ」に身を任せるだけです。

「エア」 → 「ムード」 → 「ブーム」

の手順で、空気を「流れ」に変えていきます。

その手順とは……?

「同調性バイアス」を利用した「多数派工作」を中心に、空気で人を動かすテ
クニックを、新刊ではあますことなく披露しています。

【新刊】「空気」で人を動かす
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【編集後記】

私たちが企業にコンサルティングに入る場合、とにかく「場を作る」ことに力
を注ぎます。

コンサルティングセッションの遅刻は厳禁。資料の提出期限も細かくチェック
します。

組織風土そのものを変えるつもりで臨みます。組織の「空気」が悪いのに、ど
んなテクニックをお伝えしても、どんなマーケティングの手法をお話ししても、
結局はやらないからです。

ほとんどの問題は3つに集約されます。「やらない」「やるのが遅い」「やり
続けられない」

それだけです。

スキルが足りないわけでもないし、もちろんセンスや才能がないわけでもあり
ません。

誰もができることを「やらない」。……それは、「空気」のせいです。

私たちが他のコンサルティング会社と圧倒的に異なるのは、組織の「空気」を
変えるからです。

それに賛同できない経営者とは、コンサルティング契約をしません。

「空気」を変え、それを「流れ」に変えることができたら、後はその「流れ」
に身を任せるだけです。

2014年5月12日

目標達成よりも大切なルール【刺激馴化】

● 今回のテクニック:【刺激馴化(9)】

刺激馴化とは、刺激にさらされつづけるとその刺激に順応してしまい、徐々に
特定の反応を示さなくなる現象をいう。

どんなに嫌な刺激も、馴れることで回避されていく傾向にある。

たとえば、最初は気が進まない事柄であったりしても、無理やりにでもスター
トして回数を重ねてしまえば、自然と体が慣れてしまって嫌な気分にならなく
なったり。(たとえば早起き。ジョギングなど)

たとえば、最初は怖い人だなと思い込み、できれば会わないままにしておきた
いと考えていた人とも、面談回数を重ねていくことによって、それほど気にな
らなくなったりすることがある。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「先日、依頼をした今期の予材管理表は書いたのか?」


部下 :
「あ、いえ。まだです」


マネジャー :
「4月中に提出するはずだったじゃないか。はやく出してくれ」


部下 :
「ええっと……。ところで、J社の案件、決まりました」


マネジャー :
「お、そうか……! それは凄い。決まらないと思っていたのに。受注額は
いくらだ?」


部下 :
「1870万円です」


マネジャー :
「え、見積りは1200万円ぐらいだったろう?」


部下 :
「他部署のキーパーソンも押さえて、提案内容を膨らませたんです。他社に
流れているものも、こちらでやらせてもらえるよう交渉しました。先方の部
長も喜んでいます」


マネジャー :
「そうか、そうか。凄いな」


部下 :
「ありがとうございます」


マネジャー :
「相変わらずだなァ」


部下 :
「今期も目標の150%は超えるようにします」


マネジャー :
「凄い! 本当に君は頼りになる」


部下 :
「ありがとうございます。それじゃあ、これからH社に出かけます」


マネジャー :
「こんな時間からか?」


部下 :
「相手の課長と飲んでこようと思うんです。H社には、7000万円規模の
予材が埋蔵されていると見込んでいますから」


マネジャー :
「そうかそうか。それは知らなかった。さっき言った予材管理表にも、その
H社のことを記しておいてくれ」


部下 :
「あ、はァ……」


マネジャー :
「今夜、飲んでもいいが、明日の朝にはさっき言った予材管理表は提出して
くれよ」


部下 :
「明日の朝、ですか?」


マネジャー :
「当たり前だ。さっきも言った通り、4月中に出せと言ったじゃないか」


部下 :
「……」


マネジャー :
「なんだ?」


部下 :
「はっきり言わせていただきますが、私には必要ないと思います」


マネジャー :
「は?」


部下 :
「あの管理表は、目標を100%達成させるために管理するシートです。よ
くできたシートだとは思いますが、私には不要でしょう。なくても目標を大
きく超えるほど達成しているからです」


マネジャー :
「何を言ってるんだ、君は」


部下 :
「先ほども言ったとおり、今期も150%以上は達成しそうなんです。あの
シートを書くと、もっと私の売上が伸びるんですか?」


マネジャー :
「は?」


部下 :
「それとも、私が将来、管理者になるために必要だから、このスキルを身に
着けさせようとしているんですか? それなら不要です。私なりのやり方が
ありますし、そのやり方も整理できつつありますから」


マネジャー :
「さっきから何を言ってるんだ」


部下 :
「え」


マネジャー :
「ごちゃごちゃ言ってないで、予材管理表を出せよ。明日の朝までに」


部下 :
「いや、ですから、私には必要ないでしょうと、申し上げてるんです」


マネジャー :
「いいから出せって」


部下 :
「『いいから出せ』って、そんな言い方がありますか……。課長のくせに、
部下とそういうコミュニケーションの取り方しかできないんですか?」


マネジャー :
「何をごちゃごちゃ言ってるんだ?」


部下 :
「何をって……」


マネジャー :
「先月、4月中に出せと言ったとき、君は『はい、出します』と言ったんだ
ぞ。ゴールデンウィークが明けたその日にも指摘しただろう? そうしたら
君は『すみません、すぐにやります』と言ったんだ」


部下 :
「そ、それはそうですが……」


マネジャー :
「勝手に先送りしつづけたあげく、『やっぱり私には必要ない』だなんて理
屈が通るわけないだろう」


部下 :
「う……」


マネジャー :
「君がダントツのトップセールスだったため、昨年度までの課長は何も言わ
なかっただろうが、私は違う。私がもっとも重要視するのは『場の空気』だ
からだ」


部下 :
「空気……」


マネジャー :
「そう。『場』を悪くするのは、決まって『作話(さくわ)』だ。『やらな
い理由』『できない理由』を後から意味づけをする」


部下 :
「……」


マネジャー :
「ルールはルールだ。スポーツもビジネスの世界でも同じ。どんなに能力が
高くても、スバ抜けた成績を出している人でもルールは守ってもらう。規律
には従ってもらう」


部下 :
「し、しかしですね」


マネジャー :
「繰り返すが、ルールはルールだ。どんな小さなルールでも、一度ルールを
破ったら癖になる。『ルールを破るという刺激』に慣れていくんだ。それは
させない」


部下 :
「んん」


マネジャー :
「明日の朝までだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「君の目標達成率が150%から100%までダウンしようが、関係ない」


部下 :
「……はい」


マネジャー :
「私はメチャクチャなことを言ってるわけじゃない。だからやってもらう。
それだけだ」



……組織の空気を悪くするのは、何と言っても「作話(さくわ)」です。

「作話」とは何か? なぜ「作話」は引き起こされるのか?

そして、組織に蔓延する「作話スモッグ」とは? その「スモッグ」をどのよ
うに浄化していくのか? どのように空気の入れ替えをするのか?

「人を変えるな。空気を変えよ。~ Teaching to the Air ~ 」

を合言葉に、「空気を変えて人を動かす」書籍がもうすぐ発売!


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【編集後記】

今日(5月11日(日))、とても珍しい体験をしました。これまでに一度も
ない体験です。今後もおそらくないでしょう。

子どもたちの運動会に参加し、私は保護者を対象とした「綱引き」と「玉入
れ」の競技に出場しました。

その「綱引き」のときの出来事です。

私は左肩を痛めていて、1年以上もリハビリのため通院しています。ですから、
できれば「綱引き」は出たくなかったのですが、

そのようなことを言える「空気」ではありませんでした。

地域のほとんどの「お父さん」がゼッケンをつけて並んでいる姿を見たら、出
ないわけにはいきません。総勢50名ぐらいいたでしょうか。

他のお父さんたちと一緒にゼッケンをつけ、整列し、綱の横に並びました。

無理をして肩を悪くしてしまったら、これまで通院してきた意味がない。力を
抜いて「綱引き」しよう。

「綱引き」の結果が、「赤」「白」それぞれのチームの勝敗に直結するわけで
はなく、運動会のただの余興だったので、力を入れる必要などありません。

そのように私はクールにとらえようとしました。

しかし、

できませんね……。

皆さんも綱引きをしたことがあるでしょう。「真剣にやらない」のが難しい競
技です。

号砲とともに、目一杯、綱を引きました。

誰もが「余興」だとわかっていても、「絶対に勝つ!」「負けないぞ!」「子
供たちの前でいいカッコしたい!」という「空気」になってしまっているから
です。

「わっしょい、わっしょいっ!」「わっしょい、わっしょいっ!」「わっしょ
い、わっしょいっ!」「わっしょい、わっしょいっ!」「わっしょい、わっし
ょいっ!」「わっしょい、わっしょいっ!」「わっしょい、わっしょいっ!」

……と、大声を出しながら綱を引いてしまいました。アドレナリンが出まくっ
ていますから、肩が痛いとか、肩が外れそうだとか、まったく自覚がありませ
ん。

力いっぱい、綱を引いていたら――!

なんと……

突然、綱が引かれる「抵抗」がなくなったのです。まるで、綱がすっぽ抜けた
かのような感覚を味わいました。

まさか、肩がはずれた……!?

私は後ろにひっくり返り、後ろで一所懸命、綱を引いていた別のお父さんにぶ
つかり、そのお父さんもひっくり返って、将棋倒しのようになりました。

もうもうと立ち込める、ものすごい土煙の中、

「申し訳ありません! 大丈夫ですか?」

と、後ろの方に言ったところ、何となく状況がつかめてきました。他の大勢の
方も全員、転んでいるのです。

小学校、全校生徒がいる前ですから、たちまち騒然としました。テントの中に
いた父兄の皆さん、学校関係者、地域の皆さん、もちろん子どもたちも、それ
ぞれ大騒ぎです。

その場で尻餅をついたり、将棋倒しの状態になり、重なり合ってひっくり返っ
ているお父さんたちの姿が目の前に、おぼろげに映ります。

風が強い日だったこともあり、数十名の男たちがいっせいに転んだこともあり、
とにかく舞い上がった土煙が凄い量でした。

綱引きをしている途中で、「綱」が真ん中から切れてしまったことが原因です。

綱引きの「綱」って切れるんですね。信じられませんが、実際に起こった出来
事です。

結局、勝敗つかず。引き分け。

参加したお父さんたちは誰もが「こんなこと、あるんだ……」「まさか綱がブ
チ切れるとは……」と、不思議そうな感想を言っていました。

誰も怪我をしなかったからよかったですが。綱が古かったのでしょうか。ちょ
っと怖いですね。

2014年5月8日

チームが本当の意味で崩壊する理由とは?【社会的手抜き】

● 今回のテクニック:【社会的手抜き(2)】

社会的手抜きとは、集団心理のひとつ。集団の構成員が増えれば増えるほど、
無意識のうちに「手抜き」をしてしまうこと。

「社会的怠惰」「傍観者効果」とも呼ばれる。

会議や商談など、人が増えれば増えるほど意見やアイデアが出づらくなるのは、
「社会手抜き」という集団心理が影響していると覚えておこう。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「驚いた。管理部の主任が辞めるらしい」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「知ってたのか?」


部下 :
「Kさんは、私と同期入社ですから」


マネジャー :
「そうだったか。それにしても彼女が実家の跡取りだったなんて……。誰も
知らなかったよ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「君は知っていたのか」


部下 :
「いえ。いま、知りました」


マネジャー :
「え?」


部下 :
「私は彼女から『もう辞める』としか聞かなかったですから」


マネジャー :
「『聞かなかっただけですから』って……。退職の理由を聞かなかったの
か?」


部下 :
「ええ。聞いていません」


マネジャー :
「ふーん……。なんか冷めてるな。同期なんだろう?」


部下 :
「課長」


マネジャー :
「なんだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「おいおい。真剣な顔で俺を見るなよ。まさか『実は私も辞めるんです』な
んて言わないだろうな」


部下 :
「……」


マネジャー :
「おいおい」


部下 :
「……」


マネジャー :
「おい、マジか」


部下 :
「はい。6月15日で退職します。昨日、部長にも相談しました。ゴールデ
ンウィーク中、家族とも相談して決めました」


マネジャー :
「まさかお前も、以前からやりたいことがあった、とか……」


部下 :
「そんな退職理由……。言い訳に決まっています」


マネジャー :
「ちょ、ちょっと待て。考え直せ。Kさんだって、当社の有望株で、将来の
幹部候補と言われていたんだ。君だってそうだろ。うちの営業部ではナン
バー1で」


部下 :
「……」


マネジャー :
「いま、当社がどういう状態にあるかわかってるはずだ。まだ30代前半の
君たちが立て続けに辞められたら、どうなるか……」


部下 :
「私はずっと言い続けてきました」


マネジャー :
「う……」


部下 :
「Kさんとも、そして今年の1月に辞めた生産管理部のY課長とも、ずっと
進言してきました。もっと組織一丸となって改革していきましょうと」


マネジャー :
「……そ、それは」


部下 :
「もう2年ほど前から、組織改革は待ったなしの状態でした。社長もずっと
そう言っておられました。誰だってわかっていたはずなのに、一部の反対意
見を押し返すことができず、ずーっと先送りにしてきました」


マネジャー :
「いや、あのね……。わが社はこれからなんだよ。こういうことは、いろい
ろと根回しが必要で……」


部下 :
「去年も同じ話をされていました」


マネジャー :
「……」


部下 :
「Y課長が辞めるとき、私はもう待ったなしだ。会社のことを真面目に考え
ている人たちが次々と辞めてしまうかもしれない。だからすぐに手を打ちま
しょうと言いました」


マネジャー :
「……」


部下 :
「そのための改革案も提出しました」


マネジャー :
「いろいろと人が増えて、大変だったんだよ……」


部下 :
「コスト削減といって生産部門の人を減らし、管理部は逆に増えています。
それで意思決定スピードがどんどん遅くなったんです」


マネジャー :
「な、何を言ってる! 管理部門はそれなりに人手がいるんだ。知りもしな
いのによく言うよ!」


部下 :
「いま、管理部はKさんが辞めてパニックになっています。どうしてです
か? あれだけ人を増やしたのに、Kさんひとりがいなくなっただけで、通
常業務ができなくなってきています」


マネジャー :
「……」


部下 :
「真面目にやっている人がバカを見るような組織にはいられません。昨日、
部長には泣かれましたよ。でも、もう待ちきれません。自分もダメになって
いきそうで怖いです」



……手を抜くつもりはなかった。しかし、人が多くなることで、なぜか無意識
のうちに手を抜いてしまう。これを「社会的手抜き」と言います。

いよいよ私の新刊『「空気」で人を動かす』が発売されます。

「社会手抜き」以外でも、いつの間にか組織の空気が汚れていく原因はありま
す。

知らず知らずのうちに、元に戻らないほど「場の空気」が悪くなるのです。だ
からこそ「空気」は恐ろしいと言えます。その要素を、新刊でご確認ください。


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【編集後記】

ゴールデンウィーク中の5月6日(火)、昔のクラスメートの結婚披露宴があ
りました。

これを機会に、ということで、昔のクラスメート12名が披露宴に集まりまし
た。

私も、結婚した友人も、クラスメートたちも同じ歳です。44歳。主役の新郎
をお祝いしたいという気持ちもありましたが、

それぞれクラスメートとも約25年ぶりに再会したわけですから、お互い「半
生」を振り返る機会にもなりました。

細かいことは書けませんが、お互いの仕事、家庭、子どものことなどを話し合
っていると「しんみり」とした気持にもなります。

クラスメートのうち、いろいろな事情で少なくとも2人はもうこの世にいなく
て、お祝いムード半分、人生の折り返し地点はもうとっくに過ぎたんだなとい
う気持ち半分を、分け合った形にもなりました。

そんな中、あるクラスメートとこんな会話をしました。17、18歳だったこ
ろは、そんなに仲良くしていた覚えがないのに、年齢を重ねるとお互い尖った
部分がなくなるものですね。

「横山ってさ、なんかスゲーらしいじゃん」
「すげーって……。別に俺のことはいいよ」
「青年海外協力隊に行った噂は聞いてたけど、その後、今の仕事に就いたの
か?」
「いや、まず日立製作所に8年ぐらい勤めて、それから今の会社に入った」
「へぇぇ。それで今はそんなに立派になったの?」
「立派って……。俺は、学校卒業してから地道にコツコツ仕事しているお前ら
のほうがよっぽど偉いと思ってるよ」
「俺はただの公務員だよ。ところで、なんでそんな畑違いなことやってるん
だ」
「いろいろあったんだ、俺も……。どん底を経験して、それで、今があるわけ。
話すと長くなる」
「どん底ってお前……。いつの話だよ」
「うーん、日立辞めるときかなァ……。35歳ぐらいのとき」
「そんなどん底のときがあったんだったら、なんで俺らに声をかけないんだ?
そういうときに俺ら仲間がいるわけだろ?」

その言葉を聞いて私は絶句し、しばらく何も言えませんでした。40歳も過ぎ
ると涙もろくなります。

「あ、あのさ……。本当のどん底のときってさ、どうすればいいかなんてわか
んないもんなんだ。お前らに相談しようだなんていうことも思い浮かばないわ
け。わかる?」

そう言うと、彼は、随分と時間を置いてから、

「わかる……」

と言ったのです。すごくしんみりと「わかる」とだけ。

「なんか、わかる。そうそう……。そんなもんだよな」

と遠い目をしながら言ったのです。友人の結婚披露宴だというのに、元クラス
メートがあちこちで、こんな会話をしていたのでした。

前述したとおり、44歳にもなると、涙もろくなります。友人の新郎が最後に
挨拶をしているとき、ものすごく「ジーン」ときました。

クラスメートの連中も、みんな鼻をすすったり、おしぼりを目頭にあてたりし
ていました。

12歳の年下の女性と結婚した友人は、これから新しい人生のスタートをする
んだなァ。「人生の折り返し地点を折り返してしばらく経過した」という気分
に浸っていた私ですが、まだまだこれからだ。

自分の家族だけでなく、自分の部下たちの家族もあるし、過去を振り返って
「しんみり」するには早すぎる、そう思いました。

2014年5月5日

この「一言」が組織が変わるサイン【好意の返報性】

● 今回のテクニック:【好意の返報性(11)】

好意の返報性とは、人は好意を受けられると、それを返したくなるという習性
のことで、ミラーリング効果ともいう。

相手とコミュニケーションをする際も、好意をもって接するのと、そうでない
のとでは相手の反応も異なる。特に信頼関係(ラポール)が崩れてきたときに
は、「きっと……に違いない」と思い込み、決め付けたような悪意ある物言い
をしてしまうものである。

ニューロロジカルレベルの概念を意識し、どんな相手であろうと、その「アイ
デンティティ」や「価値観」には好意を持ち(承認し)、相手のとった「行
動」にこそフィードバックしたいものだ。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「ゴールデンウィーク中に、これまで先延ばしにしてきたすべての仕事を片
付けよう」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「そしてゴールデンウィークが終わったら、もう二度と先延ばしはしない。
期限はキッチリ守る」


部下 :
「はい。そうですね」


マネジャー :
「新しい部長は厳しいな」


部下 :
「え、厳しいですか?」


マネジャー :
「厳しくないか?」


部下 :
「厳しくないですよ。当たり前のことだと思います」


マネジャー :
「当たり前、か」


部下 :
「はい。部長が4月に赴任してから組織がものすごくギクシャクしました。
でも、それは今までの私たちがたるんできたからだと思います」


マネジャー :
「まったく、そうだな」


部下 :
「『すべての仕事に期限とノルマがある。期限は絶対に守れ。守らなくてい
い期限などない』。4月1日に部長が言った言葉です」


マネジャー :
「ああ」


部下 :
「やっぱり、そうでないとダメ、と思いました」


マネジャー :
「うん……」


部下 :
「課長もそう思いますよね?」


マネジャー :
「実は、3年前、社内で『新製品開発プロジェクト』というのが発足して、
1年間限定のプロジェクトメンバーが全国から招集された」


部下 :
「へえ……。私が入社する前の話ですね」


マネジャー :
「そう。しかし最初の半年間、そのプロジェクトはまるで軌道に乗らなかっ
た。招集されたメンバーは所属部署の仕事を優先するため、みんな本気にな
らなかったんだよ。それに、当時のプロジェクトリーダーも途中から忙しさ
を理由にあまり参加しなくなった」


部下 :
「それじゃあ、ダメじゃないですか」


マネジャー :
「そう。だから途中でリーダーが交代した。新しいリーダーは、社長の承認
をとり、本プロジェクトのため、所属部署の仕事よりも優先して参加しろと
厳しく言った」


部下 :
「え……。所属部署の仕事よりも優先?」


マネジャー :
「そう。だからメチャクチャ反発されたよ。PJメンバーからもそうだが、
各部署の部長からも大ブーイングだ。しかし、新しいリーダーは絶対に譲ら
なかった」


部下 :
「……」


マネジャー :
「でも、私はそのとき思ったんだ。『やっぱり、そうでないとダメ』と。中
途半端にやるのなら、やらないほうがいい。できない理由を言い始めたらキ
リがないって」


部下 :
「そうですよね……」


マネジャー :
「他にも同じ思いのメンバーがいた。そいつも『やっぱり、そうでないとダ
メ』と言っていた」


部下 :
「なるほど」


マネジャー :
「『やっぱり、そうでないとダメ』が、組織が変わろうとしているときのサ
インだな。真面目にやろうとしている人が、そういう感想を持てる空気を作
っていかなくちゃダメだ」


部下 :
「そうですね。真面目にやっている人がバカを見るような組織って、よくな
いですよ」


マネジャー :
「そのときのPJリーダーが、今の部長だよ」


部下 :
「ええっ……!」


マネジャー :
「だから、部長が、『これまで先送りしてきた仕事をゴールデンウィーク中
に全部片付けろ。休みが明けたら、すべてをリセットしろ』と言ったとき、
部長らしいなと思った」


部下 :
「へええ……」


マネジャー :
「厳しいけど、ああいう部長を私は好きだ」


部下 :
「私は厳しいだなんて思ってません。当たり前のことですよ。私もああいう
人が好きです」


マネジャー :
「部長も、我々のことが好きなんだろうな」


部下 :
「そりゃあ、そうでしょう。好きだからこそ、やるべきことをやってないと
叱るんだと思います」


マネジャー :
「部下のことを好きじゃなければ……」


部下 :
「薄っぺらい優しさを見せるんじゃないでしょうか。『期限までにできなけ
れば仕方がないよな』『できないときだってあるからしょうがない』とか」


マネジャー :
「無関心であり、無責任、ということか」


部下 :
「『期限は絶対に守れ。守らなくていい期限などない』と言う上司を厳しい、
と思う世の中がおかしいですよ」


マネジャー :
「やっぱりそうだよな……。そうでないとダメだよ……」



……真面目にやっている人が報われない組織は、とても残念ですね。

正しいことを正しい、間違っていることを間違っている、と言える「空気」が
人を正しい行動へと導きます。

いよいよ21日に、新刊「空気で人を動かす」が発売されます。今回は、いつ、
どこで購入しても適用されるキャンペーンを用意しています。


【新刊】「空気」で人を動かす
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894516195/mysterycon0c-22/ref=nosim

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【編集後記】

ゴールデンウィーク中、これと言って、どこへも出かけていませんし、これと
言って特別なこともしていません。

ただ、この機会に家族の「空気」を良くするため、接する時間を増やしたいと
思っています。

独りよがりなことはやめ、なるべく自分のできる「当たり前」のことをしっか
りやろうと。

この編集後記を書いている最中、息子が宿題をやっています。その宿題を見て
あげないといけませんので、これでやめます。

あ……!

娘が後ろから抱きついてきました。もうやめないといけません。

家族の前でパソコンを開き、キーボードを叩き続けていると、「空気」が悪く
なるかもしれませんから……。

2014年5月1日

「睡眠」で悩むすべての人に紹介したい書籍【フット・イン・ザ・ドア】

● 今回のテクニック:【フット・イン・ザ・ドア・テクニック(13)】

フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは、はじめに小さな依頼を受け入れて
もらい、次に本当に頼みたいことを受け入れやすくするテクニックのこと。

最初の承諾が人間の心を拘束する心理術を応用している。ドアを開けた瞬間に
片足を捻じ込むセールスマンのテクニックからこの名が付けられた。ドア・イ
ン・ザ・フェイス・テクニックの反意語。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「ゴールデンウィーク中は家族でどこか旅行へ行くのか?」


部下 :
「あ、いえ。その予定はありません」


マネジャー :
「確か実家は北海道だっただろ?」


部下 :
「ええ。小樽です」


マネジャー :
「戻らなくてもいいのか?」


部下 :
「そうですねェ……。6月の新商品発表に向けて準備がありますし」


マネジャー :
「え? ゴールデンウィーク中の話をしてるんだぞ」


部下 :
「ええ。でも、やることはけっこう残ってますから」


マネジャー :
「まさか君、休み中に出社するつもりじゃないだろうね?」


部下 :
「そうは言われましても、いろいろと仕事の整理がつかないんです」


マネジャー :
「新製品発表の準備なんて、まだ先の話だ。わざわざ休みに出てくる必要な
どない。先週頼んだ見積書の標準化が終わってないのか?」


部下 :
「あああ、それは終わってません。そうですね、それもやらないといけませ
んね……」


マネジャー :
「え? じゃあ、ゴールデンウィーク中に何をしようとしているんだ」


部下 :
「ええと……。5月中旬に提案するA社についての下調べとか……」


マネジャー :
「A社の下調べ? あの提案は2課の主任に頼んでいて、君はスーパーサブ
的な存在だ。何の下調べが必要だ? しかもゴールデンウィーク中に」


部下 :
「他にもいろいろあるんです。交通費清算もできていませんし……。3ヶ月
ほど溜まってるんです」


マネジャー :
「そんな処理は、まとめてやることじゃない。日ごろからキチンとしていな
いからそうなるんだ」


部下 :
「そ、そうは言っても、毎日遅くまで仕事をしていて……」


マネジャー :
「その通り。君はとにかく時間外労働が多い。毎日いったいどうしてそんな
に遅くまで事務所にいるんだ? ところで睡眠時間はどれぐらいとって
る?」


部下 :
「睡眠時間ですか?」


マネジャー :
「平均、何時ごろに就寝してるんだ?」


部下 :
「だいたい、2時か、3時、でしょうか……。寝つきが悪いので」


マネジャー :
「遅いじゃないか。何時に起きるんだ」


部下 :
「6時ぐらいですね」


マネジャー :
「毎日、3~4時間睡眠か? 6時に起きてたら毎日満員電車だろう」


部下 :
「そうです。ものすごく疲れますね。ですから週末に、まとめて寝ることが
多いです」


マネジャー :
「それはまずいな。睡眠不足が脳のワーキングメモリーの機能を劣化させ
る」


部下 :
「ワーキングメモリー?」


マネジャー :
「脳のワーキングメモリーが正常に機能しなくなると、未来の大きな報酬よ
りも目の前の小さな報酬を優先してしまう。頭の整理ができなくなり、感情
のコントロールがしづらくなる」


部下 :
「ええええ……」


マネジャー :
「君はまず、正しい睡眠をとるよう心がけるべきだ」


部下 :
「実は、妻からもそう言われてるんですが……。帰宅するのが12時で、な
んだかんだやっていると、寝るのが2時ぐらいになってしまうんです」


マネジャー :
「きわめて悪い循環だ。睡眠時間が少ないから衝動マネジメントができない。
そのため自己管理がおろそかになって、ますます睡眠時間を確保できなくな
る」


部下 :
「悪循環……」


マネジャー :
「君の子供は7歳と4歳だったな。早く寝る習慣、あるか?」


部下 :
「いや……。妻も働いていて、遅い時間に帰ってくるので、それから夕食の
準備、入浴などしていると、どうしても11時前になってしまいます」


マネジャー :
「まずいな、まずい……」


部下 :
「まずい、ですか?」


マネジャー :
「日本人の働き方が、家族全体の睡眠時間に問題を与えているという調査結
果がある」


部下 :
「ワーキングメモリーのせいでしょうか? 妻はいつもヒステリックで、子
どもたちに怒ってばかりいて……」


マネジャー :
「わからん。しかし、今の状態でいいはずがない。不眠は『うつ』の入り口
だ」


部下 :
「どうすればいいんでしょう」


マネジャー :
「まずは、残業を減らしなさい。9時までには家に帰ること」


部下 :
「え? 9時、ですか……。なんとか、頑張ります」


マネジャー :
「帰宅したら、なるべくテレビを観ない。ネットサーフィンしない。とにか
く、発光するものに近づくな」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「あと、早く起きて満員電車に乗るのをやめなさい。満員電車に乗っている
と、朝の光を浴びることが難しくなる」


部下 :
「ええ……?」


マネジャー :
「できるか?」


部下 :
「な、何とか、がんばります」


マネジャー :
「さらに言うとだね……」



……不眠症は「眠らなければならない」という脅迫観念が引き起こしており、
眠れないのならばベッドから出る。寝室からも出る。

眠れなければ、ただ目を閉じているだけでもいい、というのは「ウソ」。体内
時計25時間、というのも「ウソ」など……。

目からウロコの連続で、睡眠で悩んでいた私をとてもラクにしてくれた一冊を
今日は紹介します。

日経BP社が企画し、睡眠研究の第一人者が最新のデータを基に綴った書籍で
す。睡眠不足で悩んでいるすべてのワーカーにお勧めです。


【参考書籍】8時間睡眠のウソ。 日本人の眠り、8つの新常識
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822274381/mysterycon0c-22/ref=nosim

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【編集後記】

近年、今年の4月ほど「はやく終わってくれないか」と思った月は、ないと思
います。

それぐらいキツい月でした。

何がキツかったか、というと「コラム執筆」です。ヤフーのコラム「草創花
伝」を、必ず「毎日書く」と決めて臨んだ月でした。

「ロックしてやり切る」

と決めて4月を迎えたのですが、大変でした……。

書けば書くほど「ネタ」は増えるし、やはり継続していくことでアクセスは増
えます。シェアされる率が高まり、

「やっぱり大量行動だなァ」

と、つくづく思い知ったのですが、とはいえ毎日執筆時間を確保するのは想像
以上にしんどいことでした。

夜中の3時に起きて執筆し、そのまま朝を迎えて新幹線で移動。移動中はメル
マガを書いたり、他の仕事をして、ほとんど眠りません。……こんな日々です。

ほぼ毎日、セミナーや研修、コンサルティングセッションの講師をする私は、
日中、執筆する時間を手に入れることはできません。

一応「社長」という肩書がありますので、マネジメントもします。

日中以外でそれをしなければなりませんし、当然、家にいれば家族サービスは
必須ですし、私の楽しみでもあります。

毎日、睡眠を削らない限り、執筆時間は手に入らない状態でした。

(日経ビジネスオンラインのコラム執筆もありますし、新刊の執筆、その他、
取材を受けたときの原稿手直しなども、いろいろとあります)

何といっても、一番犠牲になったのが「走る」時間です。

3月は、足を痛めたせいで目標100キロを大きく下回る「42キロ」しか走
破できず、計測をはじめた昨年6月以来、はじめての「未達」となりました。

そういう意味で、4月は何としても達成させなければならないと思ったのです
が、これがキツかった……。

4月の目標を「90キロ」にしたのですが、28日まで「66キロ」しかでき
ておらず、ほぼ諦めムード。

どうせ、未達でも誰からも怒られない。無理して走ることない……。と、何度
も思いました。

しかし「未達の癖」がつくことに恐怖を覚えた私は、

28日から30日の3日間で「33キロ」を稼ぎ、無理やり「駆け込み達成」
させました。

コラムも、30日まで毎日書いてアップし、月間のアクセス数も「200万P
V」を突破。(今日、5月1日も書きました)

ものすごく「やり切った感」を覚えています。小さな話かもしれませんが、ち
ょっと燃え尽きた感があります……。

走るのは「無意識的有能」になっています。走らないと気持ちが悪い、と思え
るからです。

しかしコラム執筆はまだ「意識的有能」ですね。

書かないと気持ちが悪い、という状態になっていません。まだまだです。

ちなみにメルマガは「無意識的有能」になっています。メルマガを書くのは、
まったく苦になりません。完全に習慣化しています。

新しい習慣を身につければ、自分の大切なリソースがまた増えます。そこまで
に感じるストレスとどう戦うか、ですね。

とりあえず、5月は睡眠時間を優先してやっていこうと思っています。

【横山信弘のコラム草創花伝】
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/