2014年3月31日

部下育成のために「具体化ストレス」を克服する【オープンエンドクエスチョン】

● 今回のテクニック:【オープンエンドクエスチョン(25)】

オープンエンドクエスチョンとは、イエス・バット法と同様にコミュニケーシ
ョンテクニックとしては代表的な手法。「4W2H」もしくは「5W1H」等
の疑問詞を駆使し、質問していくことで相手の心の中に潜む問題点や潜在的ニ
ーズを探り当てること。

「イエス/ノー」で答えられる質問は極力避けることが重要である。クローズ
ドクエスチョンとは反意語。

オープンクエスチョンはヒアリングの基本であるが、ペーシングなどの技術を
活用しながら質問を続けないと「尋問」のようになってしまいがちであり、注
意したい。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「いよいよ3月31日だ。明日から4月がスタートする。4月からはとにか
く気を引き締めてやっていこう。いいな」


部下 :
「わかりました。ただ……今までも、気を引き締めてやってきたつもりで
す」


マネジャー :
「え?」


部下 :
「ですから、今までも気を引き締めてやってきましたよ」


マネジャー :
「そうは言っても、今期の成果は物足りないものだった」


部下 :
「確かにそうです。ただ、気を引き締めてやってきたことは事実なんです」


マネジャー :
「じゃあ、4月からはもっと気を引き締めてくれ」


部下 :
「え? もっと気を引き締める? 具体的に言うと、どういうことでしょう
か」


マネジャー :
「具体的に? そんなこと言わないとわからないのか」


部下 :
「はい。わかりません」


マネジャー :
「そこまで言わないとわからないのか、最近の若い子は? 君はいくつだ」


部下 :
「今年で24歳になります」


マネジャー :
「私の娘とだいたい同じ歳だな。はっきりと言わなくても理解できるように
なりなさい」


部下 :
「はい……」


マネジャー :
「ゴールデンウィーク明けに、大きな展示会がある。ここに来場したお客様
にキッチリと対応していこう。まずはこの準備をしっかりとやるように」


部下 :
「わかりました。まず、来場客の目標集客数は何人でしょうか」


マネジャー :
「え」


部下 :
「来場客の目標集客数です」


マネジャー :
「んんん……。去年の水準ぐらいかな……」


部下 :
「去年の水準ですね。調べたところ、展示会の来場者が3000人。そして
我が社のブースへ来てアンケートを記入してくださった方が98人。つまり
100人を目標とする、ということでいいですね?」


マネジャー :
「あ、うん……」


部下 :
「いっぽうで本部長からは、展示会に来場したお客様から1000万円は作
れと言われています」


マネジャー :
「確かに、本部長はそう言っていた」


部下 :
「当社商品の平均単価を50万円と考えますと、20社から注文をいただか
ないといけません。ということは100人程度の来場を目標にしていては、
とても本部長の期待にはこたえられません」


マネジャー :
「うーん……」


部下 :
「そこで、今回のイベントに出品する商品のグレードを上げたらいかがかと
思うのです。平均単価が100万円まで引き上げることができたら、10社
から注文をもらえばいいということになります」


マネジャー :
「まァ、確かに」


部下 :
「さらに来場者も200人を増やせば、現実味を帯びてきます」


マネジャー :
「じゃあ、製品開発部との調整をしっかりやってくれ」


部下 :
「いつ、誰とやればよいでしょうか?」


マネジャー :
「え……」


部下 :
「さらに、どのように昨年の2倍の集客を実現させるかを、誰といつまでに
調整したほうがいいか、教えてください」


マネジャー :
「ええっと」


部下 :
「4月からさらに気を引き締めていきますので、具体的に指示してもらえな
いでしょうか?」



……「徹底する」「キッチリする」「積極的にやる」といった、「ぼかし表
現」では正しく部下育成できません。

精神論や心掛けは「スパイス」のようなもので「食材」ではないのです。「具
体化ストレス」を抱えたマネジャーに関してコラムを書きました。


● 部下育成できない上司は「具体化ストレス」を抱えている
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20140330-00034047/

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【編集後記】

以前から私は「大規模公開オンライン講座——MOOC(Massive open onlin
e course)」に興味を持っていて、

MOOCに関する記事も書きました。

●人材教育の世界も一極集中の波が襲う? 「MOOC」が切り開く未来
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20140329-00034024/

研修やセミナー講師も、一極集中の時代が来るかもしれません。

話題性だけでなく、本当の意味でパワーコンテンツを持つ講師のみが生き残っ
ていけるのかもしれないと、私は考えています。

2014年3月20日

「営業本」の名著中の名著とは?【フリンチ!】

● 今回のテクニック:【フリンチ!(11)】

フリンチ!とは、相手からの無茶な指示や要求を飲まないために、冗談ぽく驚
いてみせること。

相手の言葉をはじめから「本気ではない/ジョークだ」と決め付け、大袈裟に
驚いたり笑ったりすることで、相手も本気だと言えなくなるという強引なコミ
ュニケーション技術。

言われた瞬間、間髪入れずに笑い飛ばすぐらいの覚悟が必要。例えばお客様か
ら「もう少し安くできない?」と言われたとき「ええええええ! 価格交渉な
んてあるはずないでしょう。いやだなァ〜、部長ときたらすぐにそんな冗談を
言うんだから〜。前も言ったじゃないですか、価格交渉はないって。もしいま
値引いたら僕が嘘つきになっちゃいます〜。ワハハハハ!」という感じで返す。

もちろん相手との強力な信頼関係(ラポール)が前提であり、それがないのに
実践すれば、大変な目に遭うことは間違いない。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「先日、本を読めと言われて、毎月10冊ペースで読書を始めました」


マネジャー :
「おう、そうか」


部下 :
「売れてるビジネス書を5冊ぐらい読みましたが、大半知っていることばか
りでした。しかしほとんどが『知っていてもできていないこと』ばっかりで
……」


マネジャー :
「そうだなァ。その気付きが本当に重要なんだよ。知らないことを知るより、
『知っているけれどもできていない』という気付きが尊いんだ」


部下 :
「そうですね。本ぐらいは読まないといけませんね」


マネジャー :
「何でもいいから読め、と言うと、『何でも読めばいいってもんじゃないで
すよね?』と屁理屈言う奴がいるが、片っ端から読もうと思っても、無意識
のうちに取捨選択しているものだ」


部下 :
「そうですよね。ビジネス書なら『何でもいい』とはいえ、無意識のうちに
選びますよね」


マネジャー :
「そうそう。本を読まない奴ほど、屁理屈を言う」


部下 :
「ところで、営業に関する本でお勧めの本はありますか? あまり読んだこ
とがないので、まずは営業なら誰もが読むような名著がいいんですが」


マネジャー :
「ああ。営業の本だったら、フランク・ベドガーだろ」


部下 :
「え? ふらんく、べど……がぁ?」


マネジャー :
「『私はどうして販売外交に成功したか』だよ」


部下 :
「……え? わたしは、どうして……。ちょ、ちょっと待ってください。メ
モをとります」


マネジャー :
「おいおいおい! ちょっと待て。知ってるだろう? というか、読んだこ
とがないのか?」


部下 :
「……? 読んだことですか? ありませんが……」


マネジャー :
「ええええええええええええええええええええええ!」


部下 :
「!」


マネジャー :
「おいおいおい! ウソだろ。そんなことあり得ない。もう一度言うよ、フ
ランク・ベドガーの『私はどうして販売外交に成功したか』だって」


部下 :
「……」


マネジャー :
「知ってるだろ?」


部下 :
「……は、はい。そりゃあ、もちろん……。すぐ、に、思い出せなかったも
のですか、ら……」


マネジャー :
「おいおいおい。営業じゃなくても知ってるだろうよ、この本は。あのデー
ル・カーネギーが1000キロ歩いてでも、この一冊を手に入れるためなら
喜んで歩くと言わしめた名著中の名著だ」


部下 :
「そ、そうですよね……。あの『人を動かす』のデール・カーネギーですよ
ね……」


マネジャー :
「そうだよ。たとえ著者を知らなくても、この名著を知らないはずがない」



……営業本の名著中の名著といえば、ダイヤモンド社「私はどうして販売外交
に成功したか」です。

説明不要でしょう。

私の処女作「絶対達成する部下の育て方」の巻末にも、この書の宣伝ページが
あり、その事実だけで、とても名誉なことだと受け止めています。

一言、「必読」です。


■「私はどうして販売外交に成功したか」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478540098/mysterycon0c-22/ref=nosim

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【編集後記】

左足のくるぶし辺りに鈍痛があり、今月の「名古屋シティマラソン」の出場を
回避した私です。

今でも、左足が痛く、いまだウォーキングさえできていません。筋トレのみ、
毎日少しずつ励んでいます。

セミナーなどでずっと数時間立ちっぱなしでいると、かなり状態が悪くなりま
す。

病院へ行く時間を作りたいですね……。

2014年3月17日

「聞く耳」を持つ条件【ウェブレン効果】

● 今回のテクニック:【ウェブレン効果(5)】

ウェブレン効果とは、アメリカの経済学者、ソースティン・ヴェブレンの著作
「有閑階級の理論」で紹介された理論。

有閑階級の消費特徴は「顕示的消費」、つまりお金持ちの買い物は「見せびら
かし」であると断じたことからきている。

実際の機能よりも「価格が高い」というだけで、あたかもその消費の「価値が
高い」と思い込む心理作用のことを指しており、プライス戦略をするうえで参
考になる。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「課長、今日の朝礼での常務の話、どう思いました?」


マネジャー :
「どうって?」


部下 :
「コスト意識をもて、コスト意識をもてって話、もう耳にタコができるぐら
い聞きました。同じことばかり言ってますよね」


マネジャー :
「だから?」


部下 :
「いや、だからって言われても……」


マネジャー :
「コスト意識を持つことは重要だ」


部下 :
「そうですが、常務から同じことを言われ続けても、あんまり価値がないと
思うんです。先日、有名な経営者の講演を聴きにいきましたが、素晴らしい
ものでした」


マネジャー :
「ああ、それなら私も行ったよ」


部下 :
「え、課長もですか?」


マネジャー :
「うん。確かに良かった。素晴らしい講演だったよ」


部下 :
「とても参考になりました」


マネジャー :
「実はあの経営者を、今年の創業記念イベントに呼ぼうと考えているんだ。
基調講演にね」


部下 :
「え! そうなんですか?」


マネジャー :
「1時間半で100万円以上、かかるけど」


部下 :
「ひゃ、100万円……。でも、従業員が90名もいますから、悪くはない
ですね」


マネジャー :
「そうか」


部下 :
「100万円ですか……。高いですね。1時間半、話すだけで100万円だ
なんて。でも、だからこそ価値が高いんでしょうけれど」


マネジャー :
「ところで、あの経営者が話していたこと、当社の社長、専務、常務、管理
本部長がいつも話していることを合算したような内容だった」


部下 :
「……」


マネジャー :
「同じ内容でも、聞く耳を持つかどうか、だな。その人が話すと、みんなが
聞く耳を持つというのなら、100万円は安いのかもしれん」



……同じことを言っても、言う人が変わったり、お金を出して聞くのだと、そ
の意味合いが変わってくることがあります。

営業も同じですね。

話す内容ではなく、そのシチュエーションや、空気感、関係性、経済的視点な
どによって変化することが、

コミュニケーションの、とても不可思議で、興味深いところであります。


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【編集後記】

24年目に入った、知的障がい者のボランティア活動。

3月16日(日)に、今年度の閉講式があり、3年連続「皆勤賞」でした。

今年度はボランティアグループの中で、私ひとり。

毎年、この時期の編集後記に書いていますが、私にとって最も誇りにしている
ことです。

家族と、自分の健康に感謝です。

2014年3月13日

書籍やセミナーから得られる「気付き」とは?【譲歩の返報性】

● 今回のテクニック:【譲歩の返報性(5)】

譲歩の返報性とは、「返報性の原理」のひとつ。

相手に譲歩することで、相手もこちら側に譲ってくれる可能性が高まる。

相手とペースを合わせる「ペーシング」の基本。

コミュニケーション相手の言い分をまず受け止めることは、こちらの主張をい
ったん飲み込んで譲歩することと似ている。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「最近、どんな本を読んでるんですか」


マネジャー :
「マネジメントの本だ。コレだよ」


部下 :
「コレですか……。参考になりますか?」


マネジャー :
「そうだな」


部下 :
「ふーーーん……。この本、何が新しいんですか?」


マネジャー :
「新しい?」


部下 :
「はい。マネジメントの本なんて、いくらでもあるじゃないですか。他の本
と何が違うのかなと思いまして」


マネジャー :
「具体的に違うものなんて、あんまりない。マネジメントについて基本的な
ことが書いてある」


部下 :
「マネジメントの基本だったら、部長はもう熟知してるじゃないですか。確
か、月に10冊以上は本を読みますよね」


マネジャー :
「ここにさ、この本を読んで記したメモがある」


部下 :
「へェ。いつも本を読むときはメモをするんですか……」


マネジャー :
「気になったキーワードは27個。そのうち22個は、以前から知っている
ことだった」


部下 :
「じゃあ、5個の新しい気付きがあったって、ことなんですね?」


マネジャー :
「……」


部下 :
「そうですよね?」


マネジャー :
「違う」


部下 :
「え」


マネジャー :
「君は、全然本を読んだことがないだろう」


部下 :
「あ……」


マネジャー :
「毎月、どれぐらい本を読んでる?」


部下 :
「1冊とか、2冊だと……」


マネジャー :
「去年、どれぐらい読んだ?」


部下 :
「えーっと……5、6冊じゃないでしょうか。いや、4冊だったかな……」


マネジャー :
「じゃあ、毎月1、2冊じゃないだろ」


部下 :
「申し訳ありません……」


マネジャー :
「本に新しい情報がないと、気付きがないのか?」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「私が書いたメモすべて、つまり27個の気付きがあった」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「27個のメモのうち、22個の内容はすでに知っていたけれど、『知って
いたにもかかわらず、自分はまだ十分にできていない』という気付きがあっ
た」


部下 :
「な、る、ほ、ど……」


マネジャー :
「私はメディアの人間じゃない。一般企業の部長だ。新しい方法論を探して
も意味がない。マネジャーとして、まだまだスキルが足りないから本を読む
んだよ。そしてそのたびに気付きを得る」


部下 :
「……」


マネジャー :
「重要なことは、どんな著者でも書くような基本的なことを自分ができてい
るか、だ。それを毎回確認したい」


部下 :
「……」


マネジャー :
「君は完璧な人間か?」


部下 :
「い、いえ……程遠いと思います」


マネジャー :
「なら月に30冊ぐらい本を読んだらどうだ?」


部下 :
「さ、30冊ですか?」


マネジャー :
「君は32歳だろう。私は49歳だ。私は20歳のときからずっと毎月10
冊は本を読んでいる。私と同じ毎月10冊でいいはずがない。もう32歳な
のだから」


部下 :
「あ、え……いや、しかし、その……私は読むのが遅いので……」


マネジャー :
「日ごろから読まないから遅いんだよ。そんなこと、言い訳になるか」


部下 :
「た、確かに」


マネジャー :
「4月に新入社員が入ってくるのに、32歳の先輩が本も全然読まないなん
て、示しがつかない。いい本があるから読むんじゃない。空気を吸うように
本を読め」


部下 :
「く、空気を吸うように?」


マネジャー :
「難しいか」


部下 :
「そ、そうですね。いきなり月30って……」


マネジャー :
「じゃあ、いいよ。いつも忙しそうだしな」


部下 :
「え? いい?」


マネジャー :
「ああ」


部下 :
「いや、あの」


マネジャー :
「君が忙しいのはわかってる。時間があるときに読んだらいいよ」


部下 :
「ええっと……」


マネジャー :
「なんだ」


部下 :
「空気を吸うようには読めませんが、本は読みます。月10冊、でいきま
す」



……私のセミナーに何度か足を運んでくださった方の中で、アンケートに

「以前セミナーで聞いた話と、だいたい同じだった」

と書く人がいます。

そうなんです。私は毎回、同じような話をしているのです。

ただ、10回以上、私のセミナーに通う人たちが「毎回、必ず気付きがある」
と言ってくださることもまた事実なのです。

セミナーの「ハードリピーター」は、何を気付いてくださるのでしょうか。

4月からまた、東名阪で定番セミナーがスタートします。


■ 第12回リーダーシップ研修「絶対達成するマインドのつくり方」
【名古屋 4/10】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01967.html
【大阪 4/17】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01968.html
【東京 4/21】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01969.html

※ すでに残席が少なくなっています。

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【編集後記】

私は、今年も12月まで、年10回コースのセミナーを受講します。

時間さえあれば、もっともっとセミナー受講をしたいと思っています。

今年はもう11月ぐらいまでスケジュールの空きがないですから、来年こそは
2つぐらいの大型セミナーを受講したいですね。

講師から知識を得ることも目的の一つですが、その場にいて、いろいろな刺激
を受けることで、必ず自分の中に「気付き」が生まれると知っています。

最初は面倒でも、自分への投資を続けていると、

「自己投資」自体が楽しくなってきます。

自分への投資が楽しくなったら、もう、こっちのものですね。

2014年3月10日

「自信過剰バイアス」とは?【アンダードッグ効果】

● 今回のテクニック:【アンダードッグ効果(8)】

アンダードッグ効果とは、弱い立場にある人や不利な状況に追い込まれている
人を見ると、人間誰しも応援したくなるものである。もしその方々の一所懸命
に努力する姿を目の当たりにする機会があれば、その思いはいっそう高ぶるも
の。そんな心理効果をアンダードッグ効果といい、「負け犬効果」ということ
もある。

選挙予測報道で不利とされた候補者に同情票が集まるなどの効果も、このアン
ダードッグ効果のひとつ。

部下とのコミュニケーションに活用するためには、上司自身がプライドを捨て
なければならなかったり、多少の演技も要求される。このことなどから、現実
的にはなかなかに難しい。多用もできないだろう。

それよりも、部下にアンダードッグ効果を使われないよう気をつけておく必要
があるかもしれない。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「どうしたんですか、課長?」


マネジャー :
「……」


部下 :
「課長……! どうしたんですか?」


マネジャー :
「え」


部下 :
「気分でも悪いんですか。かなり長い間、ぼーっとしていますよ」


マネジャー :
「……」


部下 :
「課長!」


マネジャー :
「ああ」


部下 :
「大丈夫ですか……」


マネジャー :
「うーん」


部下 :
「何があったんですか。差支えなければ、教えてください」


マネジャー :
「いや」


部下 :
「……」


マネジャー :
「参った」


部下 :
「……どうしたんですか」


マネジャー :
「まさか……B商事の案件を落とすとは思わなかった」


部下 :
「え」


マネジャー :
「今日は3月10日。期末の時期に、4000万円が飛んだ。……もう、ウ
チの課の目標達成はなくなった」


部下 :
「……」


マネジャー :
「信じれない」


部下 :
「あ、あの……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「課長は、B商事の案件……アテ、にして、た、ん、で、す、か……?」


マネジャー :
「は……?」


部下 :
「い、いえ……。な、何でもありません」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「目標、未達成、か……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「目標未達成……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「まさか、目標未達成で終わるとは……。この一年、何やってたんだ……」


部下 :
「そ、そんな。私たちだって頑張ったじゃないですか」


マネジャー :
「リスク分散ができていなかった。B商事は間違いなく来ると思って、部長
の言われたように予材を仕込まなかった。このツケが、ここにきてまわって
くるなんて……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「信じられない。この一年、全部、無駄だった……」


部下 :
「無駄、じゃない、と思いますよ」


マネジャー :
「本当に情けない。本当に、情けない……。そんなに予材なんてなくても、
目標は達成できる。そう思い込んでた」


部下 :
「課長、そんなに自分を責めないでください。来年度は、絶対達成しましょ
うよ」


マネジャー :
「……」


部下 :
「私も予材の積上げを怠っていました。課長の責任だけじゃないですよ。み
んなだって、そうです。そんなに責めないでください」



……「そこまでしなくてもいいだろう」「自分に限っては大丈夫」という慢心
は「自信過剰バイアス」です。

常に目標達成している人は、どんな思考をしているのか? なぜ、目標未達成
がわかると愕然とし、悔しがり、自分を責めはじめるのか?

反対に、目標未達成でも平然とし、それほど残念がらない人がいるのはどうし
てなのか? 私が最も重要視している「損失回避性」のコラムをこの時期に読
んでもらいたいと思っています。


■ いつも「目標達成できる人」の謎
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20131123-00030035/

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【編集後記】

昨日、3月9日は名古屋シティマラソンの日でした。
(世間では、名古屋ウィメンズマラソンのほうが断然、注目度が高かったでし
ょうが)

昨年から「クォーター」の部にエントリーしていたのですが、数日前から左足
首に違和感があり、当日の朝、5時に500メートルぐらい走ったところ、

とてもマラソンに出られる状態ではないと判断し、欠場しました。

当日、私が主宰する「日本セールスマッスル協会」のメンバーが東京や神戸か
ら集結。

シティマラソンに出場する人、ウィメンズマラソンに出場する人がいる中で、
私は子どもたちを連れて応援に行きました。

そのときの喪失感って、言葉で表現できないですね。

正直なところ、あたりまえのことがあたりまえにできないという損失を回避で
きなかった自分に、かなり腹立たしいものを感じていました。

妻はウィメンズマラソンで自己最高記録。それ以外にも記録を出した人、途中
で棄権された人。ゴールした後、気分が悪くなった人……いろいろいらっしゃ
いましたが、

スタートラインさえ立たなかった自分は、と思うと、やり場のない感情に襲わ
れました。

日ごろのランニング前後に、正しいストレッチ等、体のケアを怠ってきた「ツ
ケ」が回ってきたとしか言いようがありません。

「そこまでしなくていいだろう」という自信過剰バイアスがかかっていたので
すね。痛い目にあいました。

事象が発生してからでは手が打てません。

つまり「痛みをこらえて出場するわけにはいかないから、しょうがないんじゃ
ない?」というもの。

確かにその通りなのですが、そのような事情が起こらないようにリスクマネジ
メントしていたか、というと私はしてなかったわけですので、おおいに反省し
なければなりません。

(他メンバーはキチンと準備し、日ごろから体のケアをしていた)

このやり切れない気持ちをどこかにぶつけようと、いま私はすごく燃えていま
す。

最近「遮二無二」が足りない。現状に甘んじていてはいけません。

2014年3月5日

同僚を「ライバル視」する営業のままでいいのか?【スリリングジョーク】

● 今回のテクニック:【スリリングジョーク(8)】

スリリングジョークとは、相手に対して、「もし●●しなければ、■■になる
ぞ」という脅しをしたあとに、すぐに「それは冗談だ」と撤回するコミュニケ
ーション技術。

相手の心象を悪くする可能性が高く、極めてリスキー。相手と強烈なラポール
が構築できていない限り、活用するのはやめたほうがよい。3年に1度ぐらい
使ってもいい、インパクトのあるリーディング技術である。

もちろん、乱用すればご自身の信用は著しく低下する。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「どうも、君は隠したがるなァ」


部下 :
「隠したがるとは、どういうことですか」


マネジャー :
「君は、いろいろな情報を共有しようとしない」


部下 :
「情報、共有、ですか? 私が情報共有したら、どうだと言うんですか?」


マネジャー :
「営業部はひとつのチームだ。君だけ結果を出せばいい、というものじゃな
い。確かに君は目標を達成しているが、ノウハウやお客様の情報をもっと開
示してほしい」


部下 :
「しかし、同僚とはいえライバルでもあるじゃないですか。有益な情報は自
分で収集するものです」


マネジャー :
「私たちはチームで仕事をしているんだ。ひとりよがりのプレイは困る」


部下 :
「営業にサッカーのような連携プレイが必要なんですか? パス回しなんて
必要ないですよ」


マネジャー :
「そういう自己中心的な態度が、空気を悪くするんだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「君が第2営業部からウチへやってきたとき、当時の部長に相当鍛えられた
はずだ」


部下 :
「でも、もういませんよ」


マネジャー :
「確かに、突然の退職はショックだった」


部下 :
「あのとき、部長だけでしたから。私を見てくれたのは。他の人たちは、私
を相手にしなかった」


マネジャー :
「だから?」


部下 :
「……」


マネジャー :
「だから、自分がトップセールスになると、同じように相手にしないのか」


部下 :
「相手にするだのしないだの関係ないじゃないですか。最初から私なんて、
ずっとチームの一員と見られていないですから」


マネジャー :
「それでも、チームの空気を変えてほしい」


部下 :
「……」


マネジャー :
「それでも君に空気を変えてほしいんだ。君じゃないとダメだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「もし、どうしても無理なら、第2営業部に戻ってもらう」


部下 :
「え」


マネジャー :
「……」


部下 :
「冗談でしょ」


マネジャー :
「なぜ、うろたえる」


部下 :
「だって」


マネジャー :
「うちのチームの一員じゃない、と思ってるんだろ。だったらいいじゃない
か」


部下 :
「……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「冗談、だよ」


部下 :
「……え」


マネジャー :
「お前の表情、見たら、わかった」


部下 :
「……」


マネジャー :
「もういい」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「3ヶ月たったら、また面談しよう」


部下 :
「3ヶ月、ですか」


マネジャー :
「もういい。帰っていいよ」


部下 :
「あの」


マネジャー :
「なんだ?」


部下 :
「第2営業部へ戻るっていうのは……」


マネジャー :
「だから、冗談だって」


部下 :
「本当ですか」


マネジャー :
「本当だよ」


部下 :
「よかった……」



……チームプレイに徹しないといけません。

私の同僚・水田のセミナーを紹介いたします。

3月だからか? 「予材管理」の定番セミナーだからか? とにかく人気セミ
ナーに育ってきました。凄く集まっています。

横山のセミナーパフォーマンスは「アク」が強すぎる、と感じている方は、ぜ
ひ水田のセミナーをお願いします。

アンケートの結果は、いつも横山より水田のほうが上ですから。


■ リアルトップセールス育成プログラム
 最低でも目標を達成させるための自己管理技術『予材管理』
【東京 3/13】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01946.html
【大阪 3/17】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01948.html
【名古屋 3/24】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01947.html

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【編集後記】

私のブログ「組織営業力アップBLOG」、そしてユーチューブで公開されていた
動画集「組織営業力アップCHANNEL」を閉鎖します。

特にブログは、とても長い期間、公開されていましたが閉鎖。私の動画もすべ
て削除します。

アタックス・セールス・アソシエイツの公式HPで、今後は問合せ対応をいた
します。
http://attax-sales.jp/

2014年3月4日

「予材管理5つ道具」ダウンロードサイトに関して

先週2月26日に、「横山信弘の5枚のシートで営業目標を絶対達成」が発売
されました。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822274411/mysterycon0c-22/ref=nosim


出だしは好調で、前作の「超・行動 実践ガイド」より、初動は1.5倍以上
の売れ行きがあるようです。


(超・行動ガイドは2.5万部)


表紙の「営業」という大きな文字がインパクトあったのかもしれません。書店
での売れ行きは絶好調のようです。


さて、売れ行きはいいのですが、気になることがあります。


それは、5枚のシート「予材管理5つ道具」をどこからダウンロードしたらい
いのか、という質問が相次いできていることです。


前作と異なり、今回はわかりづらかったかもしれません……。


目次のページにダウンロードサイトのURLが記載されています。目次をご確
認ください。


(書籍の特典ですので、直接お問合せいただいても、お教えすることができま
せん。申し訳ございません)


さて、3月決算の企業は、そろそろ来期の予算編成時期ではないでしょうか。


「予材ポテンシャル分析」が最適化してくれば、「市場」「人員リソース」の
ポテンシャルを加味して、目標予算の妥当性も発見できるようになります。


(予材管理表だけでは、予算の妥当性はわかりませんので)


どうぞよろしくお願いいたします。


■「横山信弘の5枚のシートで営業目標を絶対達成」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822274411/mysterycon0c-22/ref=nosim


また皆様にお会いできることを、楽しみにしています。

2014年3月3日

4つに分けられる組織の「場」の設計について【スリーパー効果】

● 今回のテクニック:【スリーパー効果(2)】

スリーパー効果とは、たとえ説得力のない人からの情報であったとしても、時
間の経過とともに「信頼性のマイナス度合い」が風化し、

本来の情報自体の信頼性による説得効果が働きはじめること。

まだ若く、そして経験が少なく、世間からまだ若輩者と呼ばれる人であろうと、
正しい情報を伝え続ければ、いずれ報われる、とも言える。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「それにしても、凄い」


部下 :
「そ、そうですか」


マネジャー :
「本当に凄い。誰も真似できない気がする」


部下 :
「誰でも真似できると、思いますが……」


マネジャー :
「誰でも真似できることを、真似できないほどの数をこなした。大したもの
だ」


部下 :
「そう、でしょうか」


マネジャー :
「君のチームに入れたQさんは、本当に困った人だったんだ。本当に、本当
に、困ってた」


部下 :
「Qさん、すごくいい人じゃないですか」


マネジャー :
「いい人だよ。いい人だけど、会社の方針にまったく従わないじゃないか」


部下 :
「それだけですよね。それ以外はいい人です」


マネジャー :
「どんなにいい人でも、会社の方針にまったく従わない人は、もの凄く困る
んだよ」


部下 :
「まァ、確かに」


マネジャー :
「50歳を過ぎて頑固者になってしまうのは仕方がないけれど、あんなに融
通がきかないとは思わなかった」


部下 :
「Qさん、いつも飴玉をくれるんです」


マネジャー :
「飴?」


部下 :
「はい。『疲れてるときは飴玉がイチバンだ』って」


マネジャー :
「……あ、そう」


部下 :
「お客様のところへとにかく行ってほしい、行ってほしい、と何度も何度も
言い続けていると、そのたびに飴玉をくれるんです」


マネジャー :
「飴玉でごまかすのか」


部下 :
「そうです。『そう言わずに、飴玉でもなめろ』って」


マネジャー :
「はァ……」


部下 :
「頑固者って言うより、お茶目な感じの方ですよね」


マネジャー :
「君はそれで、どれぐらい言い続けた?」


部下 :
「1年ぐらいでしょうか。1年と2か月だと思います」


マネジャー :
「14か月も!」


部下 :
「でも、何もしないでいると、アッと言う間に時間は過ぎていきますから」


マネジャー :
「確かに、な……」


部下 :
「毎朝、2回。お昼の時も電話で話しました。夕方も帰る前に『明日はお客
様のところへ10軒、行きましょう』と」


マネジャー :
「毎日、4回ぐらいか」


部下 :
「なんだかんだで、5、6回は言いますね。1日10軒は訪問してください
って」


マネジャー :
「そのたびに飴玉でごまかされた?」


部下 :
「そのたび、ではありませんが」


マネジャー :
「よくやったよ、本当に……」


部下 :
「最初はまったく相手にしてくれませんでした」


マネジャー :
「そりゃそうだろう。君はまだ27歳。Qさんの半分ぐらいの年齢だから。
どれぐらいで話を聞いてくれるようになった?」


部下 :
「1年が経過したぐらいからです」


マネジャー :
「1年っ!」


部下 :
「はい。これだけ続けると、私みたいな若輩者の言うことも聞いてくれるよ
うになりました」


マネジャー :
「……」


部下 :
「やはり量なんですね。私は頭がよくないので、量を重ねるしかないんです。
他の先輩みたいに人徳もないですし、才能もスキルもないです。他の人なら
もっとスマートにできたと思うんですが」


マネジャー :
「あのQさんが毎日10軒、お客様を訪問してくれるおかげで、売上が急拡
大した。そもそもQさんの製品知識は当社随一だ。お客様に会ってくれれば、
仕事はとれる」


部下 :
「さすがですよね、Qさん」


マネジャー :
「君が凄いよ。誰よりも凄い。おかげで、組織の空気が引き締まった」



……なぜ人は動かないのか? 動かなくなったのか?

個人の問題、というより「場の空気」の問題が圧倒的に大きいと私は考えてい
ます。

現時点の「場の空気」がどのようになっているのか。そしてどう対策をとるの
か?

「場の空気」を4種類に分けて、それぞれ企業のライフサイクルと繋げて解説
してみました。


■ 組織・チームの「空気」を4種類に分けてみた
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20140224-00032937/

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【編集後記】

先週、名古屋にて女性限定の「絶対達成ウーマン養成講座」を開催しました。

定員20名。集まるのかな? と内心ドキドキしていたのですが、ふたを開け
てみたら約50名の女性が集まってくださいました。

(事務局、託児のボランティアの方々を含めても、男性は講師以外はゼロ)

東海地区のみならず、山梨から来てくださった方もいらっしゃいました。

当日はプロカメラマンも撮影にいらっしゃったので、綺麗な写真がネットにア
ップされています。

ご興味のある方は、ご覧ください。

<絶対達成ウーマン養成講座レポート>
http://ameblo.jp/sarisariharumu/entry-11783382928.html

今後、5月、8月……と続けていく予定です。「数」が重要。続けていくこと
が大切ですね。