2014年12月29日

今年の一番の「気付き」を書きます。【時間的フレーミング】

● 今回のテクニック:【時間的フレーミング(15)】

時間的フレーミング(テンポラルフレーミング)とは、時間の単位を変えて表
現することにより、敢えて物事の捉え方を変えさせることをいう。

大きな期間で表現するよりも、小さな時間の単位で伝えたほうが、より具体的
で身近に感じられるため説得効果が高まる。

会議の終了間際にコミットメントをとる場合に使うと、非常に有効である。誰
でも簡単に使えるテクニックであり、セルフコーチングにも役立つ。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「あれ? 今日はもう冬休みだろう。オフィスに何か忘れ物でもしたのか」


部下 :
「いえ、そうではなくて、課長とゆっくり話がしたかったのです」


マネジャー :
「え、俺と?」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「どうした」


部下 :
「こういうときでないと、なかなか話が進まない気がするんです」


マネジャー :
「確かに、そうだな」


部下 :
「……」


マネジャー :
「どうした?」


部下 :
「……今年は、例年になく、課長と、よくぶつかった年でした」


マネジャー :
「そうだなァ。けっこうやり合ったな」


部下 :
「何度も飲みにいったり、週末も家族同士で交流したりしているのに、なん
か意見が対立しますよね?」


マネジャー :
「うん……。私が早とちりだから、かもしれません」


部下 :
「そうだと思います」


マネジャー :
「ハッキリ言うね、君も……」


部下 :
「いや、本当にそうですよ。いつも話半分に聞いて、ダメだしするじゃない
ですか。誤解が多すぎますよ」


マネジャー :
「うーん、そういうつもりはないんだが」


部下 :
「この週末いろいろ考えて、課長とどうして話が噛み合わないのか、わかっ
た気がします」


マネジャー :
「え? なんでだ」


部下 :
「いつも雑談するように、話すからダメなんじゃないでしょうか」


マネジャー :
「はァ?」


部下 :
「私と課長って、同じ部署になってもう7年ですよ。腹を割って話すことが
できるのはいいことですが、無駄な話も多すぎますよね」


マネジャー :
「うーん……」


部下 :
「正直、会議中とかも、無駄な話が多すぎませんか?」


マネジャー :
「それは、言えてる」


部下 :
「ちょっとしたミーティングでも、表面的な話が多すぎますよ。きっと」


マネジャー :
「うーん、言えてるかも」


部下 :
「毎日、喫煙ルームでけっこう喋ってますよね? 営業同行しているときも、
道中で喋ってますよね」


マネジャー :
「そうだな」


部下 :
「週に3回は一緒に飲みに行きますよね?」


マネジャー :
「行く行く」


部下 :
「にもかかわらず、私は冬休みに入っても、こうして課長のところへ来て話
をしたくなるんです」


マネジャー :
「うーん、なんでだ? 俺のことが好きなのか? ん?」


部下 :
「出た」


マネジャー :
「あ?」


部下 :
「そういう話のフリがダメなんです。今日は乗っかりませんよ」


マネジャー :
「マジメな話が苦手なんだよ、俺は」


部下 :
「マジメな話も必要ですよ。1割から2割ぐらいはマジメに話さないと」


マネジャー :
「じゃあ、どうすればいいんだ」


部下 :
「もっと具体的に数字を使って話しませんか。そのほうが効率がいい会話に
なると思います」


マネジャー :
「数字を使って話をすると言っても、俺って文系だっただろ? 前も言った
とおり、高校時代の数学の先生が苦手でさ。名前が変わってて……くくくく
っ、なんていう名前だか知ってる?」


部下 :
「もういいです、もういいです。今日は脱線させませんよ。冬休みにオフィ
スまで来てるんですから」


マネジャー :
「あ、そうなの……」


部下 :
「今年最後の会議で、来年は新商品を絶対に売り切る! って課長は宣言し
ていましたが、具体的にどうするんですか?」


マネジャー :
「どうするも、こうするも……。とにかく結果を出さないといけないだろう。
今回の新商品に対する社長の並々ならぬ思いを知ってるか? あの社長自ら
が商品開発に携わってだな――」


部下 :
「わかりました、わかりました。話を脱線させないでください。新商品を売
り切るためにどうするんですか、と質問しているのに、『とにかく結果を出
さないといけない』という返事では、話が前に進みません」


マネジャー :
「じゃあ、どう言えばいいんだよ」


部下 :
「ですから、数字を使って言うんですって」


マネジャー :
「新商品で1億は作る。今回の設備が1台100万円と計算すると100台
売ればいいことになる。1年で100台売ればいいんだ」


部下 :
「1台売るのに、どれぐらいの商談リードタイムがかかるでしょうか」


マネジャー :
「そうだなァ、そんな簡単に売れるものじゃないから、最初の接点から2ヶ
月ぐらいと考えたらいいんじゃないか。すぐに売れる場合もあれば、4、5
ヶ月かかるときもある」


部下 :
「今回の新商品を紹介して売れる確率は、何社に1社ぐらいだと思います
か?」


マネジャー :
「……10社に1社?」


部下 :
「10%ですか」


マネジャー :
「うん……。現実的に、それぐらいだろう。顧客を絞り込んでも、それぐら
いの確率だと思う」


部下 :
「当社の設備は、1社に3台も5台も売れませんから、100台売るために
は、最低でも1000社にアプローチしないといけませんね」


マネジャー :
「そうだな。しかも来年中に100台を100社に買ってもらわないといけ
ない、ということになる。ということは……」


部下 :
「最低でも、9月か10月までには最初のアプローチを終わらせておかない
といけません」


マネジャー :
「12月に契約をもらうことは、過去ほとんどない。ということは9月だ。
9月までに1000社に対して最低限のアプローチを終わらせておかなくて
はいけない。しかも、まだ扱ったことのない新商品だから、はやめはやめに
実行しないと、全営業に売り方を徹底させることは無理だ」


部下 :
「じゃあ、8月までに1000社まわる、ということにしませんか」


マネジャー :
「すると、8ヶ月で1000社か。1ヶ月で125社。営業が5人だから1
ヶ月で1人25社をまわらないといけない。既存顧客もあるし、新規アプ
ローチ先で商談化すれば負担は増える。ということは……」


部下 :
「もっともっと前倒しで動いたほうがいいですよ。1月から1人30社ぐら
いは行かないと。最初は新商品の商談は少ないでしょうから」


マネジャー :
「そうだな」


部下 :
「……」


マネジャー :
「なんか、焦ってきた」


部下 :
「新年明けたら、すぐにリストアップしましょう。1000社のリストアッ
プ……」


マネジャー :
「え? リストアップって、どこにそんな顧客リストがあるんだ?」


部下 :
「それを調査するのに、何週間か、かかりますよ」


マネジャー :
「おいおいおいおい、こんな悠長なこと、やってられん。どうしてだ。来年
は新商品を絶対に売らなくてはならないと、今年の8月から言われて、ずっ
と会議で議論してきたのに……」


部下 :
「定例会議を1週間に1回やってきましたよ。年末までに、合計13回もや
ってます」


マネジャー :
「……なんて、非効率的な議論をしてきたんだ。こんなこともわからなかっ
たなんて」



……この約1ヶ月以上、「話を噛み合わせる」というネタで、10以上のコラ
ムを私は書いてきています。

その総決算的な内容が「会話効率」をアップさせる、という記事です。

「作業効率」と比較して「会話効率」が悪いと、精神的なダメージにも影響し
ますので気を付けたいですね。

私にとって、今年一番の気付きが、この「会話効率」です。


■「会話効率」をアップして、時短と目標達成を両立するテクニック
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141226-00041809/


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 【31点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

ほん…………とに、心の底から思いますが、コミュニケーションというのは、
リアルタイムに、双方向で、やらないとダメだなと思います。

会ったこともない人と、ネット上で、しかも時間差のあるコミュニケーション
媒体で会話しても、話が噛み合わないことが多いのです。

書籍を書いたり、コラムを書いたり、メルマガを出し続けてきて、痛感します。

よくもまァ、こんな風に誤解・曲解できるものだな、と感心することが。

コラムにも書きましたが、ひとつの「キャッチワード」から空想を広げ、相手
の話の前提条件を書き換えてレスポンスるするのが、一番「話がこじれる」パ
ターン。

ネット上の、知らない者同士の会話なら、片方がスルーすればいいのですが、

組織内で問題を解決したい、目標を達成させたいときに、このような「会話の
ゆがみ」があると、全然話が前に進みません。

話が前に進まないだけでなく、話がこじれると、お互い感情的になってしまう
ことも多く、人間関係を悪くすることにもつながります。

私たちコンサルタントは、どのように双方の話を「噛み合わせるか」、もっと
もっと意識しないといけない、と考えます。

あたりまえのことかもしれませんが、私にとって一番の「気付き」です。

本年度に発刊した「空気シリーズ」2冊にも書いているとおり、面と向かって
話すことが一番大切ですね。

2014年12月25日

今年のラストメッセージ「達成主義者」をめざせ!【刺激馴化】

● 今回のテクニック:【刺激馴化(10)】

刺激馴化とは、刺激にさらされつづけるとその刺激に順応してしまい、徐々に
特定の反応を示さなくなる現象をいう。

どんなに嫌な刺激も、馴れることで回避されていく傾向にある。

たとえば、最初は気が進まない事柄であったりしても、無理やりにでもスター
トして回数を重ねてしまえば、自然と体が慣れてしまって嫌な気分にならなく
なったり。(たとえば早起き。ジョギングなど)

たとえば、最初は怖い人だなと思い込み、できれば会わないままにしておきた
いと考えていた人とも、面談回数を重ねていくことによって、それほど気にな
らなくなったりすることがある。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「課長は、どんな手帳を使っているんですか」


マネジャー :
「は?」


部下 :
「今年1年を振り返っての自分の反省点は『計画性のなさ』です。来年こそ
は、もっと計画的にやっていきたいのです」


マネジャー :
「それで?」


部下 :
「そのために手帳を変えようかと思ったんです。先日、本屋へ行ったら手帳
がずらりと並んでいたので、このタイミングで手帳を買おうかと」


マネジャー :
「ふーん」


部下 :
「課長はマネジャーをしながらも、圧倒的な結果を残しているじゃないです
か。まさに当社の『リアルトップセールス』です。課長が使ってる小物も真
似したいんです」


マネジャー :
「手帳は、俺も毎年買うんだけど、1月中しか使わない。すぐに使わなくな
ってしまうんだ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「だって、手帳って面倒だろう?」


部下 :
「面倒って……」


マネジャー :
「手帳をキッチリつけている人を見ると憧れるよ。でも、どうしても真似で
きない」


部下 :
「え? え? え? え? た、確か、先日、フランクリン何とかっていう
手帳を持ってたじゃないですか」


マネジャー :
「フランクリン・プランナーだよ。『7つの習慣』で有名な」


部下 :
「そうでしょう? アレですよ、あの手帳。やっぱり、アレはいいです
か?」


マネジャー :
「もちろん、いいだろう。ものすごく緻密に管理できる。君にお勧めできる
よ」


部下 :
「課長は、やはりフランクリン・プランナーでしたか。さすが、できる人は
使ってる手帳が違いますね」


マネジャー :
「だ、だからァ……。手帳は毎年変えてるって言ったじゃないか。長続きし
ないんだよ」


部下 :
「え、だって、さっき」


マネジャー :
「お客様の前に出るとき、手帳の一つもないとカッコ悪いから、昔使ってた
手帳を引っ張り出しただけだ」


部下 :
「じゃあ、フランクリン・プランナーはイマイチなんですか?」


マネジャー :
「イマイチどころか、素晴らしい手帳だよ。他にもたくさん、いい手帳はあ
るけど、何を使っても長続きしなかった。これは手帳のせいじゃない」


部下 :
「じゃあ、スマホとかを手帳の代わりにしているんですか?」


マネジャー :
「スマホはほとんど使わない。知ってるじゃないか」


部下 :
「そうですよね、課長は電話とショートメッセージしか使わないですよね」


マネジャー :
「スケジュールは会社のソフトで管理している。メモは小さなメモ帳を持ち
歩いているだけ」


部下 :
「タスク管理とかは、どうしてるんですか」


マネジャー :
「ソコだよなァ……。そこをキッチリしたい。私は全然、タスク管理ができ
てないから」


部下 :
「課長が……?」


マネジャー :
「そうだよ。まァ、管理するタスクもそんなにないけど」


部下 :
「でも課長って、めちゃくちゃ結果を出している割には、残業とかほとんど
しないですよね? 夜はフットサルをやってると聞いたし、週末も家族で過
ごされていますよね」


マネジャー :
「最近の週末は、だいたいスノーボードに行ってるかな。家族でよく出かけ
るよ」


部下 :
「それじゃあ、相当、緻密に自己管理をしているんじゃないんですか?」


マネジャー :
「だから、してないって」


部下 :
「してない?」


マネジャー :
「面倒なんだよ。とにかく面倒なのは嫌い」


部下 :
「でも、圧倒的な結果を出してるじゃないですか」


マネジャー :
「面倒くさいからだよ」


部下 :
「はァ?」


マネジャー :
「結果を出してないと、社長や部長から、打合せに呼ばれるし、分析資料だ
の作れと言われる」


部下 :
「圧倒的に結果を出してると、そういうことを言われなくなりますか?」


マネジャー :
「何も言われないね。ほとんど放置されてる。『君には……言うことがない
な』って」


部下 :
「『言うことなし』と上司に言われるなんて、サイコーですね。超・憧れま
す」


マネジャー :
「テキトーにやって、めちゃくちゃ結果出してりゃ、それでいいんじゃない
の」


部下 :
「すげー……。言ってみたい……」


マネジャー :
「記憶装置を3つに分解している。短期記憶と長期記憶と外部記憶の3つだ。
短期記憶は『ワーキングメモリ』のこと。私はワーキングメモリだけに入る
ことをやってるだけ」


部下 :
「ワーキングメモリに……?」


マネジャー :
「ところで君は、今年の目標達成のために何をやろうとしてたの?」


部下 :
「ええっと……。確か、目標管理シートに記載したはずなので、それを見れ
ばわかります。ちょっと見てきていいですか?」


マネジャー :
「ダメだよ」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「シートを見ないとわからないだなんて、外部記憶に頼ってる証拠だ」


部下 :
「……!」


マネジャー :
「私はすぐに言える。今期は10社の新規顧客の開拓。そのための新規アプ
ローチ社数は500。毎日電話50本。5件の新規訪問がアベレージ。『見
込み客』を50社保有し、下回らないように既存顧客への電話は週50本を
継続」


部下 :
「……」


マネジャー :
「常に自分のワーキングメモリに入ってる。それを、ただ繰り返しているだ
け」


部下 :
「課長が毎日50本の電話と、5件の訪問……。既存顧客も膨大に持ってる
はずなのに」


マネジャー :
「繰り返していると刺激に慣れていって体が覚えていく。体が慣れてしまっ
たことは意識しなくてもできるから、手帳などで自己管理しなくてもよくな
る」


部下 :
「ワーキングメモリに格納できるだけのことに焦点を合わせて、とにかく繰
り返すってことですか」


マネジャー :
「タスク管理もスケジュール管理も、あんまりやってる暇がない。重要な行
動指標を、ただ大量にやってるだけだ。非効率的かもしれないけど、結果的
に残業もしてないから、いいんじゃないか」


部下 :
「部下のマネジメントもキッチリされてますよね?」


マネジャー :
「移動中に電話で確認かな。部下と会議もしないし、資料も作らせない。部
下がすべき行動指標も全部、脳のワーキングメモリの中に入ってる。そこに
蓄えられないような細かい情報を知っても管理できないだろう?」


部下 :
「……」


マネジャー :
「コツを教えようか?」


部下 :
「はい! ぜひ!」


マネジャー :
「100とか、500とか、1000とか、覚えやすい、大胆な数字を目標
に掲げることだ。覚えやすいからこそ、ワーキングメモリに蓄積しやすくな
る。私はだいたい5とか、50とか、500とか、の数字を意識する」


部下 :
「な、る、ほど。緻密に計算して仮説を立てると覚えづらいので、資料を確
認しないとわからなくなるんですね」


マネジャー :
「そう。緻密に計算する姿勢に憧れるけどね……。どうも面倒くさがりだか
ら……」


部下 :
「なんか、カッコいいですね、課長」


マネジャー :
「何度も言うように、本当は、手帳とかスマホのガジェットとかを有効活用
して、もっと緻密に、精巧に仕事をしたいんだよ」


部下 :
「課長に計画性がなかったとは……」


マネジャー :
「どうしても緻密に計画を立てられない、大ざっぱな性格なら、私みたいに
大胆になることだ。『大胆不敵』と言うだろ? 精神的にもラクだ」



……今年は150以上のコラム記事を書いてきました。

その中で、最も、私自身が腹に落ちたコラムを紹介します。「達成主義者」の
生態を、これからも研究し、明らかにしていきたいと思っています。


■ 大ざっぱな「達成主義者」と、緻密な「完璧主義者」、ストイックな「記
録主義者」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141217-00041571/


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 【34点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

あんまり書きたくないのですが、実のところ、私も手帳を持っていません……。

先日、取材を受けているときに、「横山さんが使っている、こだわりの文具と
か、手帳とかを紹介してもらえませんか?」と言われたとき、非常に困りまし
た。

実際は、レイメイ藤井の「ダ・ヴィンチシステム手帳」を愛用していたので、
今もこれを持ち歩いているのですが、ほとんどの場合「飾り」です。

(ダ・ヴィンチのシステム手帳は、色や革が異なる6種類を持っています)

私の部下でも、私が手帳に何かを書き込んでいる姿を目撃したことはないはず
です。

手ぶらだとカッコがつかないので「飾り」で持ち歩いているだけだからです。

年の瀬となり、毎年のように手帳をどうしようかと悩むのですが、何を買って
も結局、長続きしません。

このズボラな性格をどうにかしなきゃ、と日々悩んでいるのですが、

こちらのコラムを書いてからスッキリしました。

■ 大ざっぱな「達成主義者」と、緻密な「完璧主義者」、ストイックな「記
録主義者」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141217-00041571/

「別にいいか、目標ははるかに達成してるんだし。タスク管理ができていない
ので、部下には迷惑かけるけど……」

と思えるようになったからです。

昨日も、保険会社の取材を受けていて「横山さんの、こだわりの小物を見せて
ください」と言われ、

ロディアNo.11のブロックメモ帳を取り出しました。

それしか持っていない、と言うと、取材に来られていた3名の方々全員が驚か
れていました。

そんな人、取材したことがない、ということなのでしょう。

もちろん自慢にならないので、キチンと手帳ぐらい使いたいとは思っています。

来年のチャレンジ項目ですね……。

2014年12月22日

「ワーキングメモリ営業」を最大限に活用する【ドア・イン・ザ・フェイス】

● 今回のテクニック:【ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(16)】

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは、はじめに本当に頼みたい事柄よ
りもかなり負担の大きな依頼をし、一度断られてから本当に頼みたいことを伝
えるテクニック。

最初に提示した情報が頭に残り、その後の判断に影響を与えるアンカリング効
果の一部と考えてもよい。

依頼者が一端譲歩すると、ついつい相手も譲歩してしまうことを「譲歩の返報
性」と言うが、これを利用ししている。

※ 「フット・イン・ザ・ドアテクニック」の反意語。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「この年末にオフィスの中にいる営業って、いったいどうなっているんだ。
私には到底、理解できない」


部下 :
「部長、それは仕方がないですよ。当社は工場の設備を売っている会社なの
です。部長が去年までいた保険会社とは違いますから」


マネジャー :
「保険会社と違う、だって? 君は保険会社の営業をやったことがあるの
か」


部下 :
「い、いや……やったことはないですけど」


マネジャー :
「知らないからこそ、平然と『やらない理由』に利用できるんだ」


部下 :
「あ、いや……」


マネジャー :
「この前だって、『当社は値上げするのは難しい。吉野家と違うんだから』
と言っていたが、吉野家のような飲食事業の経営に携わったことがあるの
か?」


部下 :
「それは、ありませんが……」


マネジャー :
「詳しく知らないくせに『うちは●●と違いますから』と言うなよ。恥ずか
しい。『厚顔無恥』とは、まさに君のためにあるような言葉だ」


部下 :
「そんな……。今日はやけに突っかかりますね、部長」


マネジャー :
「さっきも言ったように、年末なのにオフィスにいる営業が多いからだ。ど
うなってるんだ」


部下 :
「掃除とか、デスク周りの整理整頓をしてるんだと思いますが……」


マネジャー :
「そうだよ! まさにその通りだ! お客様も、それをやってるよ。だから
絶好のチャンスなんじゃないか。今、行けば、ほぼ確実に会えるだろう!」


部下 :
「し、しかし、この年末にお客様とお会いしても、商談などできませんし、
意味のある訪問なんてできないと思いますが」


マネジャー :
「違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違
う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!」


部下 :
「え、え、え、え、え……」


マネジャー :
「なぜ商談をしなくちゃいけないんだ。以前も言っただろう? 『単純接触
効果』を狙えって」


部下 :
「単純接触って……」


マネジャー :
「君はいまだにピンと来てないんだろう? 『2ミニッツ営業』のことを」


部下 :
「ええ、まァ……実際は……」


マネジャー :
「君は先日、印刷会社の営業とロビーで話をしていたな?」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「あの人の名前はなんだ?」


部下 :
「ああ、あの人は橋本さんです」


マネジャー :
「じゃあ、いつもオフィス文具を配達しに来る男性がいるだろう。朝10時
に」


部下 :
「ええ、いますいます。なんでしたっけ? ものすごく大きな声で挨拶する、
あの男性ですよね」


マネジャー :
「そう」


部下 :
「何でしたっけ……」


マネジャー :
「長谷川さんだよ」


部下 :
「ああ、そうか! 長谷川さんでしたね!」


マネジャー :
「どうして橋本さんの名前は憶えていて、長谷川さんの名前は思い出せなか
った?」


部下 :
「ええええ」


マネジャー :
「ちなみに橋本さんはどんな仕事をしているか知ってるか?」


部下 :
「知ってますよ。印刷会社の営業です。あの人、印刷物だけでなく、WEB
製作にも詳しいので、今度、当社のホームページを無償で分析してもらうこ
とになったんです」


マネジャー :
「長谷川さんの仕事は?」


部下 :
「長谷川さんの仕事は……文具の、配達……?」


マネジャー :
「長谷川さんは経理の人だよ」


部下 :
「あ……!」


マネジャー :
「思い出したか? 今年の夏に一度、私と一緒に君と長谷川さんとで立ち話
をしたじゃないか。オフィス用品を扱っている商社に勤めているが、人が辞
めていって配達する人もいないので経理の自分が兼任しているって」


部下 :
「そういえば、そうでした」


マネジャー :
「なぜ、思い出せない?」


部下 :
「えっ……。なぜ、って」


マネジャー :
「私から言われたら思い出せるが、言われなければ思い出せない。なぜだか、
わかるか?」


部下 :
「……」


マネジャー :
「脳の長期記憶の中に入っているか、それとも短期記憶の中に入っているの
か、の違いだ」


部下 :
「長期と、短期記憶……」


マネジャー :
「短期記憶はワーキングメモリとも言う。パソコンでも言うだろう」


部下 :
「はい。『作業記憶』のことですよね」


マネジャー :
「効率的に作業するため、しょっちゅう使う情報は脳の短期記憶、つまり
ワーキングメモリに入れておくんだ。しかし、頻度が多くないと、長期記憶
の中に格納される」


部下 :
「そうか――!」


マネジャー :
「全営業を呼べ。そしてカレンダーを持たせろ。お客様の脳のワーキングメ
モリに自分の顔と名前を常駐させるんだ。保険業界だからとか建設業界だか
らとか、まったく関係がない」


部下 :
「お客様の脳のワーキングメモリに常駐するから、何かがあったときに選ん
でくれるんですね」


マネジャー :
「要するに『脳内SEO』対策というわけだ。要件がないのにもかかわらず
顔を見せるのは、お客様の脳の検索エンジンに引っかかりやすくするためだ
よ」


部下 :
「なるほど。しょっちゅう見てもらえるカレンダーを渡せば、お客様の脳の
ワーキングメモリに我々は常駐できますね」


マネジャー :
「すべての営業に、今週ですべてのお客様のところへ回れ。1日50社まわ
れば大丈夫だろう」


部下 :
「1日50社って……! ですから、うちは保険会社じゃないんですよ」


マネジャー :
「何?」


部下 :
「いやいやいや。とにかく1日50社は無理ですが、すべての営業にカレン
ダーを持たせ、まわらせます。お客様のそれぞれの工場までの移動距離もあ
りますから、1日20社で勘弁してください」



……脳の長期記憶の中に入っていると「言われればわかる」。

短期記憶の中に入っていると「言われなくてもわかる」という状態です。

お客様が、当社の誰が営業で、その営業が何を売りたいと考えていて、それが
どんなメリットをもたらすのか……「言われなくてもわかる」という状態にな
ってはじめて仕事が来るのです。

「単純接触効果」を理解するうえで、脳の「ワーキングメモリ」の知識は不可
欠です。

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 【53点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

24日の号外メルマガで、今年私が読んだ中で、最も参考になった書籍を紹介
します。

冬休みの読書のための、ご参考にしてください。

2014年12月19日

わざと話を「そらす」技術とは?【スリリングジョーク】

● 今回のテクニック:【スリリングジョーク(10)】

スリリングジョークとは、相手に対して、「もし●●しなければ、■■になる
ぞ」という脅しをしたあとに、すぐに「それは冗談だ」と撤回するコミュニケ
ーション技術。

相手の心象を悪くする可能性が高く、極めてリスキー。相手と強烈なラポール
が構築できていない限り、活用するのはやめたほうがよい。3年に1度ぐらい
使ってもいい、インパクトのあるリーディング技術である。

もちろん、乱用すればご自身の信用は著しく低下する。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「課長、社長のメールを見ましたか? 来年の年間目標は今年の10%アッ
プだそうです。あれだけ根拠のない目標を掲げるのはやめてくれと言ってき
たのに、私たちの声は全然届いていません」


マネジャー :
「……」


部下 :
「どういう神経をしているんでしょうか。今年の目標だって90%も達成し
ていないんですよ? にもかかわらず、目標をさらに10%上積みするなん
てメチャクチャです。こうなったらクーデターを起こすしかありません」


マネジャー :
「クーデターって、物騒だなァ」


部下 :
「物騒な発想にもなりますよ。みんなだって同じ考えなんですから、絶対に
やってられません」


マネジャー :
「そういえば『物騒』で思い出したんだけど、『フューリー』って映画、あ
るだろ? あの映画はある意味、物騒だった」


部下 :
「は? フュ……?」


マネジャー :
「『フューリー』だよ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「知らないか? この前、主演のブラッドピットが宣伝のために来日してい
たじゃないか」


部下 :
「ああ、なんかニュースで観た気がします」


マネジャー :
「ブラッドピットってもう51歳なんだよな。俺と同じ歳だよ。君はブラッ
ドピットの映画って観たこあるか?」


部下 :
「ええと……。『ファイトクラブ』とか」


マネジャー :
「ああ、『ファイトクラブ』といったら、エドワード・ノートンだ」


部下 :
「……?」


マネジャー :
「エドワード・ノートンが最高なのは『真実の行方』だよな。あの演技は凄
かった。デビュー作で、あれだけの演技ができるなんて」


部下 :
「私は、観てないんで……」


マネジャー :
「演技力といえば、君もなかなかのもんだろう?」


部下 :
「私が、ですか?」


マネジャー :
「商談中に、けっこうお客様に対して演技をするじゃないか。思ってもない
ようなこと言ったりして」


部下 :
「まァ、たまには演技も必要だと思っています。相手に話を合わせるには」


マネジャー :
「この前、B商事の課長とも打ち解けていたじゃないか」


部下 :
「ああ、あのB商事の……。そりゃあ、今回の案件は何としても欲しかった
ですから」


マネジャー :
「その気持ちがとても大事だよな」


部下 :
「……」


マネジャー :
「しかしB商事の案件は、あと一歩のところで流れてしまった」


部下 :
「そうなんです。残念でした。まったく……。苦労が水の泡です」


マネジャー :
「水の泡なんかじゃないさ」


部下 :
「そうでしょうか」


マネジャー :
「まだB商事には通ってるんだろう?」


部下 :
「もちろんです」


マネジャー :
「これまでは商談を逃したら放りっぱなしで、何もフォローをしてこなかっ
た。しかし、去年からこのフォロー活動を徹底し、組織にも根付いてきた」


部下 :
「すぐに結果は出ないですけれど」


マネジャー :
「いや、それでも確実に将来のための『資産』は増えつつある」


部下 :
「……」


マネジャー :
「どんなにうまくいっていないことがあっても、『うまくいきつつある』と
現在進行形で考えろ」


部下 :
「……はい」


マネジャー :
「ブラッドピットだって、アンジェリーナジョリーが病気のとき、悲嘆に暮
れることはなかった」


部下 :
「……」


マネジャー :
「表面的な結果だけを見て感情的になっていると、誰も愛せなくなる。誰か
らも愛されなくなる。君の演技力だって、まったく輝きを失う」


部下 :
「……?」


マネジャー :
「来年の目標は今年の10%アップだ。私が社長に進言した」


部下 :
「えっ!」


マネジャー :
「社長は『無理だ』と私に言ったが、私は『できる』と答えた。私は君たち
営業が地道なフォロー活動を続け、顧客との関係資産を築きつつあることを
知っているからだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「来年は絶対達成だ。さもないと、君は営業から外れてもらう」


部下 :
「え」


マネジャー :
「私も営業部を離れる。昨夜、遅くまで営業部長と話し合った」


部下 :
「そういえば、昨夜遅くまで部長と話し合ってましたよね……。まさか、そ
んな」


マネジャー :
「あえて退路を断つ。そして高い目標を掲げる。こうしないことには、ドラ
マの主人公になれない。君もミチズレだ」


部下 :
「来年は10%アップで、しかも絶対達成……」


マネジャー :
「冗談だよ」


部下 :
「ええっ!?」


マネジャー :
「なかなかの演技力だっただろ?」


部下 :
「……?」



……感情的になっている人をいったん落ち着かせるために、話を「あさっての
方向」へ飛ばすテクニックを本日のコラムに書きました。

話の論点である「幹」や「枝」「葉」でもないひとつのワードを抽出して
「軸」を捻じることによって、話をそらすことができます。


■ イライラする相手を「黙らす」話し方
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141215-00041508/

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 【46点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

ブラッドピットの名言は有名ですね。今日はそれを転記しようと思います。

「俺の妻は病気になった。仕事での問題、私生活、子供達との問題や失敗など
に絶えず神経質になっていた。13.6キロも痩せ、35歳だというのに体重
は40キロ程に。凄く痩せ、絶えず泣いていた。幸せな女性とはいえなかった。
絶え間ない頭痛、胸の痛み、ぎゅう詰めで神経過敏な背中と肋骨に苦しんでい
た。ゆっくり眠ることも出来ず、朝になってやっと眠りに着き、日中は直ぐに
疲れてしまった。僕達の関係も崩壊寸前だった。

彼女の美しさは彼女を置いてどこかに行ってしまったようで、目の下にはクマ
ができ、頭をこづいたりし、彼女は自分のことを大切にしなくなった。映画の
撮影、全ての役を断るようになった。僕は希望を失い、すぐに別れることにな
るだろうと思った。しかし、そのとき僕は何とかすると決意した。だって、世
界で一番美しい女性を僕は得たんだ。彼女は世界の半分以上の男性と女性のア
イドルで、そして彼女の横で眠りに着いたり、彼女の肩を抱き寄せたり出来る
ことが許されているのは僕なんだと。

僕は花やキスや褒め言葉を送りはじめた。ことあるごとに彼女を驚かせ喜ばせ
た。僕は彼女に多くのギフトを送り、彼女のためだけに生きた。人前では彼女
のことだけを話した。全ての主題を彼女のほうに向けた。彼女の友達の前では
彼女のことを褒めた。信じられないかもしれないけど、彼女は輝き始め、以前
よりも更に良くなった。体重も増え、神経質になることも無くなり、以前より
も増して僕のことを愛するようなった。彼女がこんなに愛せるとは僕は知らな
かった。

そして僕は一つ理解した。『女は愛する男の姿鏡』なのだと」

……この『女は愛する男の姿鏡』という名言は、この苦境を乗り越えたブラッ
ドにしか口にできないものですね。

私も自分の妻のためだけに生きたいと思います。

2014年12月15日

年末までの「心構え」について【アンダードッグ効果】

● 今回のテクニック:【アンダードッグ効果(10)】

アンダードッグ効果とは、弱い立場にある人や不利な状況に追い込まれている
人を見ると、人間誰しも応援したくなるものである。もしその方々の一所懸命
に努力する姿を目の当たりにする機会があれば、その思いはいっそう高ぶるも
の。そんな心理効果をアンダードッグ効果といい、「負け犬効果」ということ
もある。

選挙予測報道で不利とされた候補者に同情票が集まるなどの効果も、このアン
ダードッグ効果のひとつ。

部下とのコミュニケーションに活用するためには、上司自身がプライドを捨て
なければならなかったり、多少の演技も要求される。このことなどから、現実
的にはなかなかに難しい。多用もできないだろう。

それよりも、部下にアンダードッグ効果を使われないよう気をつけておく必要
があるかもしれない。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「今年1年を振り返って、どうだった?」


部下 :
「どうもこうも、さんざんな一年でした」


マネジャー :
「そうなのか……」


部下 :
「目標達成率が91%。去年の94%よりも、さらに3%も落ちました。目
標の設定に問題があるんですよ」


マネジャー :
「原因はどこにあると思ってるんだ」


部下 :
「商品でしょう。商品がダメだから売れないんです」


マネジャー :
「商品がダメって……」


部下 :
「あの商品にあの値段じゃ売れません。増税の影響もあります」


マネジャー :
「そういえば、今年の漢字が『税』に選ばれたようだな」


部下 :
「外部環境の変化についていってないんです。わが社は」


マネジャー :
「そうはいっても、他の営業は横ばいか、逆に数字を上げている者もいる
が」


部下 :
「私は他の営業と違って、既存のお客様が少ないですから、しょうがないで
しょう」


マネジャー :
「新規開拓はどうなってる?」


部下 :
「新規、新規って言わないでくださいよ。やってますよ。言われなくたっ
て」


マネジャー :
「やり方に問題があるんじゃないか」


部下 :
「じゃあ、いい方法を教えてくださいよ」


マネジャー :
「この前、紹介した本は読んだか?」


部下 :
「本ですか? 3000円くれたら買いますよ」


マネジャー :
「3000円? あの本は1500円だったよ」


部下 :
「私の家の近くに書店がないので、ガソリン使って車を走らせないといけな
いんです。私の時給も考えたら、3000円ぐらいはくれないと読めません
よ」


マネジャー :
「……」


部下 :
「努力したって意味がないんです。無理なときは無理だし、悪あがきしても
しょうがないんです」


マネジャー :
「……」


部下 :
「一所懸命やってるヤツって、カッコ悪いじゃないですか。そんなに頑張っ
て、どれぐらい給料が増えるのって言いたいです。アホらしい」


マネジャー :
「……」


部下 :
「課長も、カッコ悪いことはやめて、もっと気楽にやりましょうよ。どうせ
ダメなときはダメです。どうにもならなくなったら、誰かが何とかしてくれ
ますって」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……あ、あの」


マネジャー :
「……」


部下 :
「ここは……黙るところ、じゃないと思いますが」


マネジャー :
「え?」


部下 :
「ですから、ホラ、そろそろ叱ってくれない、と……」


マネジャー :
「え……」


部下 :
「課長、本気で落ち込まないでくださいよ。部下を叱る練習してるんじゃな
いですか。『いい加減にしたまえっ!!!!』と私に言ってくれないと」


マネジャー :
「あ、そうだった」


部下 :
「私が言うこと、本気にしないでくださいよ」


マネジャー :
「どうやって、3000円を工面しようかと思ってた……」


部下 :
「ちょっとちょっと課長、弱すぎますよ。『本ぐらい自腹で買いたまえ!』
って言わなきゃ」


マネジャー :
「うーん……」


部下 :
「今年の漢字は『税』だったなァ、なんて言ってる場合じゃないですよ」


マネジャー :
「まァ、そうなんだが」


部下 :
「課長の口から、年末に向けて、最後まで引き締めていけ! って課員に言
ってほしいんです」


マネジャー :
「……うーん。苦手だなァ」


部下 :
「私が、言いましょうか?」


マネジャー :
「悪いな」


部下 :
「いつもそうじゃないですか」


マネジャー :
「頼むよ。これが俺のキャラだから」


部下 :
「課長に言われると、どうしても断れないんですよね」


マネジャー :
「みんなにビシッと言ってやってくれ。私は背中を見せるだけにしておく」


部下 :
「課長は何も言わず、最後の最後までコツコツやってるからでしょうね。ど
うしても、そう言われると断れないです」


マネジャー :
「人にはそれぞれ、得手不得手ってあるんだよ」



……年末が近づいてきています。

最後まで「緩んだ空気」にならないよう、気を引き締めていきましょう。


■「悪あがき」が必要な時と、必要でない時とは?
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141215-00041508/

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 【19点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

先週12日より、私の記事が土台となったビジネス小説の連載がスタートしま
した!

「キラキラOL浅井美沙 わたし今日からキラキラをやめてギラギラしま
す!」
https://cakes.mu/posts/7765

小説の原稿すべて読みましたが、後半の盛り上がりはとても面白いです。ぜひ
応援よろしくお願いいたします。

(プロの小説家ではなく、普通のOLの方が書いているので、読んでいると作
者と主人公とがシンクロしていきます)


"仕事なんて、生活のため、寿退社までの腰かけに過ぎないと思っていた――。
そこに突如まいこんだ『希望退職者募集のお知らせ』。 やる気ゼロの崖っぷ
ちOLが会社の魂を揺り動かすようになるまでの奇跡の成長を描く。 Yahoo!ト
ピックス「キラキラワードに騙されるな!」で話題となった横山信弘氏のメソ
ッドを 等身大OLの美沙が仕事で実践していく!"

2014年12月12日

ドロかっこいい「達成主義者」になれ!

本日は、久しぶりにメッセージ色の強いコラムを書いたので、お知らせいたし
ます。


■ドロかっこいい「達成主義者」になれ!……スマートさを求める時代にドロ
ップキック
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141212-00041435/


――「スマートさ」を捨て、時代のトレンドに逆行して泥臭く生きよう、目標
を絶対達成しよう、とする人たちを、私は『ドロかっこいい』と形容したい。


ひたむきに行動し続ける。無理だ、困難だ、と思うことにも果敢にチャレンジ
し、自分の殻を破るためにワガママになったりする。


汗をかいて、恥をかいて、人に迷惑をかけながらも、それでも執念で目標を達
成させる――そんな達成主義者たちは、達成するたびに高い目標を立てます。


そして無理を聞いてくれた人たちに感謝しつつ、「成長した自分を見せるこ
と」で恩返しをします。


「汗」や「涙」や「葛藤」や「試練」は、時代にアンマッチした泥臭いキー
ワード。洗練されたイメージはないですが、だからこそ人間味があります。


「ドロかっこいい」人は、マイノリティであり、今後もメジャーな存在にはな
りにくいでしょう。しかし「スマートさ」を捨て、あえて「泥臭さ」を選ぶ人
たちは、こんな時代だからこそカッコよく映るのでは、と私は思います――。

2014年12月11日

「幻の羊羹」をどのように売るか?【ピア・プレッシャー】

● 今回のテクニック:【ピア・プレッシャー(12)】

ピア・プレッシャーとは、人間は通常、同じ組織内の仲間に認められたい、疎
外感を味わいたくないと考え、仲間のあいだで自分がどのように見られている
かを気にする傾向がある。

そのせいで、仲間や社会と同じ考えでなければならないという圧力(プレッシ
ャー)を常日頃から感じているものだ。

これをピア・プレッシャーと言う。

特に「和」を尊ぶ日本人に対しては、このピア・プレッシャーは強力と言えよ
う。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


営業マンA :
「部長、羊羹を買ってきました。ひとついかがですか?」


マネージャー :
「ありがとう。羊羹か……。久しぶりだな」


営業マンA :
「羊羹、あんまり食べないですか?」


マネージャー :
「そうだなァ。3切れもあるけど、そんなに食べられるかな。ところで君は2
5歳だっけ……? 羊羹なんて食べるのか」


営業マンA :
「ええ。この羊羹なら、食べます。どう、美味しいですか?」


マネージャー :
「うん……」


営業マンB :
「A君、小ざさの羊羹、食べたよ。さい、こ、う……だっ……た……」


営業マンA :
「やっぱり最高の味でしたか」


営業マンB :
「こんな羊羹、た、べ、た、ことが、ない……」


マネージャー :
「……?」


営業マンA :
「『幻の羊羹』って言われるだけあるでしょう?」


営業マンB :
「さすがに40年以上も行列が途切れないお店が作っているだけあるな。これ
まで想像していた『羊羹』とは、根本的に違う何かを感じたよ」


営業マンA :
「さすがBさん、わかってくれますか」


マネージャー :
「おざさ……?」


営業マンA :
「吉祥寺にある、たった一坪のお店で羊羹ともなかを売っているお店です。
『小ざさ』って言うんですよ。『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者で
ある坂本先生も紹介して、話題になりました」


営業マンB :
「テレビでも取り上げられてるよね」


マネージャー :
「日本でいちばん大切にしたい会社、か……」


営業マンC :
「A君、『小ざさ』の羊羹、ありがとう。めっちゃくちゃ美味しかった! や
はり美味しいな」


営業マンA :
「Cさんも羊羹がお好きなんですか?」


営業マンC :
「いや、普通は食べないけど、この羊羹なら食べられる。というか、行列に並
んでも食べたいと思うよ」


マネージャー :
「今朝、何時から行列に並んだんだ?」


営業マンA :
「えーっと、4時半です」


マネージャー :
「……はァ?」


営業マンB :
「4時半か、やっぱり、それぐらい早くないと1番はとれないのか?」


営業マンA :
「いえいえ。4時半でも、5番目でしたよ」


マネージャー :
「えええ」


営業マンC :
「4時半で5番目……?」


営業マンA :
「1番前に並んでいた人は、三重から来たって言ってました。3時まで飲んで、
タクシーでやってきたと」


マネージャー :
「……」


営業マンB :
「やっぱり始発電車に頼ってたんじゃ、行列に並べないよな」


営業マンA :
「6時過ぎたときには、もう50人は並んでいましたよ」


マネージャー :
「朝の4時半から並び、6時過ぎになってようやく羊羹が買えるのか?」


営業マンA :
「いえ、10時です。ですから今日、午前年休をとったんです」


マネージャー :
「ええっ! 10時……」


営業マンB :
「すげー根性」


営業マンA :
「今日のために、先週末、出勤して仕事をしてましたから」


マネージャー :
「そこまで、この羊羹に……」


営業マンA :
「季節によって、温度や湿度だけでなく、炭の具合や、小豆の状態の微妙な変
化で味が変わるらしいんです。火加減やら、小豆の洗い方とか」


マネージャー :
「炭の具合、火加減、小豆の洗い方……?」


営業マンA :
「店主の稲垣さんは、羊羹を練り続け、究極の羊羹を作り上げたそうなんです。
書籍『一坪の奇跡』に書いてありました」


マネジャー :
「究極の羊羹……」


営業マンA :
「本の受け売りですが、『小ざさ』の羊羹は、ポクポクの芋羊羹、ネチネチの
普通の羊羹、プリプリの錦玉かん、口のなかでスーッと溶ける水羊羹の、四つ
の種類の羊羹の、ちょうど交点にある羊羹なんだそうです」


マネジャー :
「4つの種類の交点……」


営業マンB :
「俺も本を読んだよ。『対角線の中心を探せ』とお父さんに教え込まれたっ
て」


マネジャー :
「『対角線の中心』って……」


営業マンA :
「この羊羹は1人3本まで。店舗でしか買えません。それを買ってきました。
ぜひ、味わって食べてください。部長」


マネージャー :
「な、なんでそんなスゴイ羊羹を、俺に? しかも3切れも?」


営業マンA :
「いつもお世話になっているから、です」


マネージャー :
「……」


営業マンA :
「部長に喜んでもらいたいんです。絶対に美味しいって、言ってくれるはずで
す。たかが羊羹なんですが、ものすごく手間暇かけて作られた味に衝撃を受け
るはずです」


営業マンB :
「部長、せっかくですから、食べてください」


営業マンA :
「現代に生きる私たちが忘れかけた何かを、この羊羹は思い出させてくれるん
です。私たち日本人が忘れちゃいけない、何かが、この羊羹には詰まっている
んです。だからどんなに寒い朝でも行列が途切れないんです」


営業マンC :
「部長、まずは1切れ、食べてください」


マネージャー :
「……うん。そこまで、言うなら……」


営業マンA :
「どうですか?」


営業マンB :
「どうですか?」


営業マンC :
「どうですか?」


マネージャー :
「うん。うまい……。確かに、うまい」


営業マンA :
「やっぱりそうですかっ! 美味しいですか」


マネージャー :
「うん……。社交辞令でなくて、本当に美味しい。ま、そうでなきゃ、40年
以上も早朝から行列が途切れない、なんてあり得ないものな」


営業マンC :
「そうですよねェ。確かに。いやァ、やっぱりそうでしたか」


マネージャー :
「それにしても、だ」


営業マンA :
「はい?」


マネージャー :
「君の、この羊羹に対する愛情はどうだ? そしてウンチクも凄かった。同じ
ような熱情を、当社の商品にも注いでくれないか」


営業マンA :
「え……」


マネージャー :
「この羊羹を私に勧めるぐらいに当社の商品をお客様に紹介できたら、君の営
業成績はかなりアップすると思うよ」


営業マンA :
「それは、その……」



……新刊「空気でお客様を動かす」に書いたノウハウを、ふんだんに使ってメ
ルマガを書いてみました。

「社会的証明の原理」「限定の原理」「世間の空気」「集団の空気」「個人の
空気」「第一の知識」「第二の知識」「ミクロ情報」「マクロ情報」「ティー
チング」「マイフレンドジョン」「プリフレーム」「好意の返報性」「サンク
コスト効果」……など等。

おかげさまで「空気でお客様を動かす」は発売2日で【重版】がかかりました。
ありがとうございます!

お客様に「せっかくだから」「そこまで言うなら」と言ってもらえる「空気」
を作るテクニックを覚えてください。ぜひ!


■「空気でお客様を動かす」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894516454/mysterycon0c-22/ref=nosim

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 【61点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

自分自身にもそうだし、他人を見つめるときにも、

たまに、

「この人は今、ベストを尽くしているだろうか?」

と思うときがあります。

「ベストを尽くしているか」

は、『キング・オブ・ザ・精神論』という感じで、どう解釈していいのかわか
りづらいですが、

何となくの感覚でもいいのです。

いつも「ベストを尽くしている」必要はないでしょうが、不平や不満、愚痴や
ジレンマを覚えたとき、

自分は今、「ベストを尽くしているか」

と、問いかけたくなります。

「他人はベストを尽くしていないのに、自分だけがどうしてベストを尽くさな
くちゃいけないんだ」

という思考ノイズが頭をよぎったら、紛れもなくベストを尽くしていない証拠
です。そういうときは反省します。

また、「スマートにベストを尽くすことは不可能」とも思っています。

ベストを尽くそうとするとカッコ悪くなって当たり前です。なので、

カッコつけようと思った瞬間に、自分の限界の手前で足を止めたのだと私は判
断するようにしています。

2014年12月8日

「話が噛み合わない人」の思考プログラム【無言クロージング】

● 今回のテクニック:【無言クロージング(10)】

クロージングを最も強力にしたい場合は、「無言」を貫くことである。

相手の要望・ニーズに沿った解決策/提案をしても、なかなか相手が決められ
ないときがある。理屈ではなく、踏ん切りがつかないケース。

ダブルバインドを活用して二者択一を迫ってもいいが、敢えて言葉を発せずに
待つという手もある。

人間は普通、「間」を嫌う。しかしその「間」を恐れずに無言を貫く相手から
は強烈なプレッシャーを感じるものである。無言が最強クロージング技術。し
かし難易度はかなり高い。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「A社の案件はどうなっている?」


部下 :
「はい。キーパーソンであるS部長とは、単純接触を繰り返しているのです
が、『現時点で当社には必要ない』の一点張りです」


マネジャー :
「なるほど。いつも商談には、S部長と、誰が参加するんだ?」


部下 :
「S部長と、B課長です」


マネジャー :
「S部長は『不燃客』で、B課長は『可燃客』だろう?」


部下 :
「え? ふねん、きゃく……って」


マネジャー :
「君、『空気でお客様を動かす』を読んでないのか? 自燃客、可燃客、不
燃客の用語解説があっただろう。キーパーソンが『不燃客』だと、単純接触
し続けても意味がないって」


部下 :
「『空気でお客様を動かす』って、横山氏の最新刊ですよね」


マネジャー :
「そうだ」


部下 :
「……えっと、このように、メルマガ本文であからさまに宣伝していいんで
しょうか?」


マネジャー :
「いいんだ。いつも横山氏は、最新刊が出た直後にこのようなメルマガを書
いている」


部下 :
「いやらしい感じがしますね」


マネジャー :
「私もちょっとそう思うが、本を売るのに必死なんだろう。毎回のことだか
ら、もう何とも思わなくなってきた」


部下 :
「わかりました。メルマガ用の会話を続けます」


マネジャー :
「さっきも言ったように、『空気でお客様を動かす』に『不燃客』は経済合
理性に基づいて物事を判断する傾向にあると書いてあった。だから、君の常
とう手段である、"泣き落とし"はS部長に通じない」


部下 :
「そうでしょうねェ。ところで、『空気でお客様を動かす』で書いてあった
『リアクション』についてはどう思いました?」


マネジャー :
「は……」


部下 :
「いや、けっこうアレは参考になった話でした。私がよく通っている美容院
の美容師さんが、やたらリアクションが大きいんです。私はどちらかという
と『自燃客』なので、美容師の腕よりも、なんかそっちのほうが気に入って
るのかなと思って」


マネジャー :
「へえ」


部下 :
「課長もそういうことありませんか?」


マネジャー :
「確かに、あの本を読んでから他人の表情をつぶさに観察するようになった。
リアクションもだ」


部下 :
「そうですよね。我が家に出入りしているリフォーム会社の社長もそうなん
です。うちの妻と仲がいいんですが、すっごくリアクションが大きいんです
よ。あれって重要な要素だったんですね」


マネジャー :
「『自燃客』にはそうだ。しかし『不燃客』には効力が乏しい」


部下 :
「『不燃客』といえば、私の姉がそうです。この前家族で中華料理を食べに
行って、家族全員がその店の看板メニューである麻婆豆腐を頼んでいるのに、
ひとりだけチャーハンを頼むんです。私はチャーハンが食べたいからって…
…。『空気読めよ』って言いたくなりました」


マネジャー :
「私の妻もマイホームに関しては『不燃客』だ。家は住めればそれでいい。
ローン返済が大変だからといって、アパート住まいに不満はないらしい」


部下 :
「私の父はスマホに対して『不燃客』でしたね。なぜかっていうと……」


マネジャー :
「もういい、もういい!」


部下 :
「え」


マネジャー :
「A社の案件に関して私は話をしているんだ。S部長が『不燃客』だから、
論理的に攻める必要がある。今度から技術企画部のH君を同行させてくれ」


部下 :
「技術企画部、ですか……。そういえば来年から技術企画部が解散するって
話は本当ですか」


マネジャー :
「は?」


部下 :
「いや、忘年会で専務から話を聞いたんですよ。技術企画部を解散するかも
って」


マネジャー :
「もういい、もういい。いつも君は、そうやって話を脱線させる」


部下 :
「だって課長も興味があるでしょう? 技術企画部のこと」


マネジャー :
「私はA社の案件のほうが興味ある」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「こ……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「これは、『無言クロージング』……?」


マネジャー :
「は?」


部下 :
「いや、『空気でお客様を動かす』にも、このテクニックが載っていたなと
思って」


マネジャー :
「……」



……話が噛み合わない理由は、話し相手が「論点」を正しくつかんでいないか
らです。

どんな話にも、必ず論点となる「幹」があります。そして「幹」から「枝」が
出ており、「枝」から「葉」が出ています。

「幹」ではなく「枝」や「葉」をつかんで、話を展開させたり、「ワード」だ
けに焦点を合わせて捻じ曲げたりすると、

話が「あさっての方向」へと突き進んでいってしまいます。

先週私が執筆したコラムは、ツイッターで爆発的に拡散され、現在14万PV
以上を記録しています。

どうして人と話が噛み合わないのか? それを論理的に解説しました。


■「雑談」でさえ、話が噛み合わない人の思考メカニズム
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141128-00041044/

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 【4点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

先日、「感動のあまり大粒の涙を流す」という夢を見ました。どんな夢か忘れ
ましたが、夢の中でむせび泣いていたのです。

夜中に目を覚まし、ぼーっとしていると、リアルに号泣した出来事を過去に遡
って思い出そうとしました。

真っ先に思い浮かんだのが、青年海外協力隊でグアテマラに赴任し、3年の任
期を終えて帰国するときの日のことです。

空港に集まった、同僚の隊員たちや、グアテマラでお世話になった人たちに、
ひとりひとり挨拶している間に涙が止まらなくなり、

そのとき着用していた、協力隊の制服がぐしょぐしょになるぐらいに泣いたの
です。ネクタイの上半分が濡れそぼってしまうほどでした。

全員に胴上げされ、ゲートをくぐって小さな国際空港の待合室に入ったときは、
あまりに泣いたせいで脱水症状になっているのではないか、

と思うほどフラフラでした。

頭が朦朧とするぐらいに泣いたのです。後にも先にも、あれほど泣き続けたの
は、あの28歳のときだけでしょうね。

そんなことを思い出していたら、

それほど涙を流すぐらい、何かに打ち込んだことがあるだろうか。泣かなくて
もいいけれど、それぐらいに情熱をぶつけているものは今あるだろうか、と自
分に問いかけたくなりました。

2ヶ月に1度ぐらい襲ってくるのですが、また私は熱く燃え始めました。

たまには、いいですよね。

2014年12月6日

新刊『空気でお客様を動かす』心理用語の一覧

新刊「空気でお客様を動かす」が本日より日本全国の書店において販売スター
トいたします。


テーマは、「もともとニーズがなかったはずなのに、どのような心理バイアス
がかかるとお客様は気持ちよく商品を買うようになるのか?」ですから、


本書には、数々の心理効果・行動経済学の用語が掲載されています。そこで本
日は、これらの心理用語をご紹介しようと思います。


■「空気でお客様を動かす」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894516454/mysterycon0c-22/ref=nosim


●「文脈効果」……「○○」へ行くと「△△」したくなる心理効果

●「同調性バイアス」……他人の意見・主張などを鵜呑みにして先入観を持つ
心理効果

●「集団同調性バイアス」……自分以外の大勢の人に合わせようとする心理効


●「一貫性の法則」……自身のとった言動は一貫して正当化したくなる心理効


●「サンクコスト効果」……既に支払ってしまって取り戻せない費用・労力・
時間(埋没費用)を回収したくなる心理効果

●「好意の返報性(ミラーリング効果)」……好意を受けると、同様に好感を
抱く心理効果

●「行動感染」……「脳のミラーニューロン」により、近くにいる人の言動・
思考をモデリングする心理効果

●「選択的認知」……目や耳など五感が受け止めた多くの情報の中から、自分
の関心のあるものだけを選び、脳の中に取り込む認知プロセスの現象

●「刺激馴化」……刺激を受け続けることで次第に慣れ、刺激を刺激として認
知できなくなる心理効果

●「ヴェブレン効果」……「価格が高い」というだけで、同様にその「価値も
高い」と思い込む心理効果

●「単純接触効果」……繰り返し接触することで、「安心・安全の欲求」が高
まる心理効果

●「社会的証明の原理」……多くの人が支持・評価しているものを、同様に支
持・評価しようとする心理効果

●「ピグマリオン効果」……、周囲から期待されれば期待されるほど、成果を
出す傾向が強くなる心理効果

●「ユニフォーム効果」……「服装」によって「安心・安全の欲求」が満たさ
れる心理効果

●「権威の原理」……「権威のある人(ありそうな人)」には説得されやすい
心理効果

●「限定性(希少性)の原理」……その物が希少であればあるほど価値が高く
なっていく心理効果


次回は、これらの心理用語を使って造られた「空気でお客様を動かす」オリジ
ナルの用語を紹介いたします。


どうぞよろしくお願いいたします。

2014年12月4日

「人間として」絶対に、忘れてはならないもの【好意の返報性】

● 今回のテクニック:【好意の返報性(13)】

好意の返報性とは、人は好意を受けられると、それを返したくなるという習性
のことで、ミラーリング効果ともいう。

相手とコミュニケーションをする際も、好意をもって接するのと、そうでない
のとでは相手の反応も異なる。特に信頼関係(ラポール)が崩れてきたときに
は、「きっと……に違いない」と思い込み、決め付けたような悪意ある物言い
をしてしまうものである。

ニューロロジカルレベルの概念を意識し、どんな相手であろうと、その「アイ
デンティティ」や「価値観」には好意を持ち(承認し)、相手のとった「行
動」にこそフィードバックしたいものだ。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「配送担当のKさんの話を聞いたか」


部下 :
「はい。聞きました」


マネジャー :
「そうか」


部下 :
「……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「Kさん、10歳のときにお父さんを亡くされた、と聞きました」


マネジャー :
「うん」


部下 :
「そのショックでお母さんが聴覚を失い、親族の支援を受けながらも、中学
を出たけれど、その後は高校にも行かなかった」


マネジャー :
「正確には、半年ぐらいは通った、と聞いた」


部下 :
「はい。でも、執拗なイジメを受けて、中退したって言っていました」


マネジャー :
「うん」


部下 :
「Kさん、当時は16歳の女の子、ですよね。行くところは……そこしかな
かったんでしょうか。悪い奴と一緒につるんで体を売り、耳の不自由なお母
さんのところには滅多に戻らなかったとか」


マネジャー :
「Kさん、あっけらかんと、そのことを言うだろ?」


部下 :
「そうですね……。30年以上も前のことだからでしょうか。でも、当時は
どんな心境だったか」


マネジャー :
「中等少年院を出てからだろ、凄まじい人生が始まるのは」


部下 :
「そうです。そこまでも大変なのに、そこからは、もっと大変……」


マネジャー :
「17歳で50歳の不動産会社の社長と結婚し、19歳で風俗店3店舗の経
営に乗り出す。20歳で違法サービスや暴力事件の関与などを疑われて逮捕
され、2年間……いわゆる『クサイ飯』を食ってる」


部下 :
「Kさん、刑務所のご飯は意外とクサくはない、なんて言ってました」


マネジャー :
「Kさん、らしいな」


部下 :
「出所し、24歳で再婚したチンピラから暴行を受けるようになり、左耳が
聞こえなくなって、それから精神の病を患い、覚せい剤、そして再び売春…
…」


マネジャー :
「……」


部下 :
「薬物依存更生施設に入ったのは、29歳から、でしたっけ」


マネジャー :
「28歳だ」


部下 :
「28歳、ですか……。今の私と、同じ歳です」


マネジャー :
「施設にいる間に、左耳の聴覚もほぼ失った。31歳のときに更生施設を出、
聴覚障がい者向けのサークルに入り、手話を習った」


部下 :
「そのときの手話の、先生が」


マネジャー :
「そうだ」


部下 :
「Kさんの、お母さんだった――」


マネジャー :
「……」


部下 :
「ど、どんな、気持ちだったんでしょうね」


マネジャー :
「Kさんが、か?」


部下 :
「いや、私は、Kさんのお母さんの気持ちを、まず、考えました」


マネジャー :
「……」


部下 :
「まさに、変わり果てた……娘の姿を、目の当たりにしたわけでしょう?」


マネジャー :
「……」


部下 :
「Kさんは細々と働き、生計を立て、お母さんと暮らしはじめ、2人で手話
サークルを徐々に大きくしていった」


マネジャー :
「そうだ。今は、その手話サークルの会員が、全国に7000人いる」


部下 :
「……」


マネジャー :
「お母さんと再会し、その後10年で、日本全国28ヶ所に支部がある手話
サークルを創り上げた。これまでにテレビや雑誌で取材された回数は100
回を超える」


部下 :
「はい……」


マネジャー :
「そのKさんが、わが社にいる」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「Kさんがしている仕事は、工場で作ったお菓子を段ボールに詰めて配送す
る仕事だ。Kさんの給料は知っているか?」


部下 :
「はい。……時給790円です」


マネジャー :
「その時給は、この5年、1度も上がっていない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「Kさんは当社に入社して8年、ただの1度も休んでいない。全国に支部が
あるサークルの副代表をしながら、だ」


部下 :
「も、申し訳ありません!」


マネジャー :
「君は、どうして先週、3日間、休んだ?」


部下 :
「僕は、僕は……Kさんの何倍も、給料をもらってるっていうのに……」


マネジャー :
「Kさんは笑いながら、過去の話をしてくれただろう?」


部下 :
「あああ」


マネジャー :
「……」


部下 :
「ぼ、僕は、営業活動をするのが嫌になって、ずる休みをしました。新規の
お客様訪問をするのがイヤで、だから3日間休んだんです。本当にごめんな
さい……。お腹が痛いと言ったのは、嘘です……!」


マネジャー :
「……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「私はKさん他、障がいを持つ人たちを多数、雇用している当社の社長を、
私は心の底から尊敬している。人間として、絶対に忘れてはならないものを、
社長は持っているからだ」


部下 :
「……はい」


マネジャー :
「うちの会社を、好きになってくれ」


部下 :
「はい……」


マネジャー :
「黙々と、工場で作られたお菓子を段ボールに詰めている人たちの、それぞ
れの人生を考えて、うちの会社を好きになってくれないか」


部下 :
「はい……!」


マネジャー :
「うちの商品を好きになれなくてもいい。興味を持てなくてもいい。でも、
この会社のことは好きになってくれ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「その気持ちは……絶対に、絶対に、お客様に、伝わるから」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「その気持ちは……絶対に、伝わるから」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「新規のお客様訪問で、ツラくなりそうになったら、Kさんはじめ、社員の
顔を思い出してくれ」


部下 :
「僕は……」


マネジャー :
「……」


部下 :
「僕は、ずっと、ずっと……。『売らなければならない』という気持ちで、
営業してきました。ずっと『売らなければならない』という気持ちを持ち続
けてきました。だから、ツラかったんだと思います」


マネジャー :
「うん……」


部下 :
「でも、今日からは、違います」


マネジャー :
「そうか……」


部下 :
「『売りたい』です。『売りたい』、に変わりました。当社と取引してくれ
る会社と、心底出会いたいです。わが社が好きだから……」


マネジャー :
「うん」


部下 :
「うちの会社が好きだから……!」



…… 何事も「逆算思考」です。「楽しいから笑える」という現象も、「笑っ
ていると、楽しくなる」という現象も表裏一体。

「好きだから、もっと知りたいと思う」という現象も、「仔細に調べていくこ
とで、好きになっていく」という現象も同じです。

人の人生、商品開発、製造工程……すべてにおいて「ストーリー」があります。

そして「ストーリー」は必ず【葛藤】と【衝突】とで形成されているものです。

どのようにして、会社を好きになるのか? 商品を好きになるのか? お客様
を好きになるのか?

そして、どのように人間が、「売れる空気」を作っていくのか?

いよいよ全国で新刊が販売スタートします!


■「空気でお客様を動かす」
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 【71点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

今回の新刊「空気でお客様を動かす」は、これまでの書籍の中で、最も多くの
原稿を書きました。

300ページ以上になったものを、削ぎ落として、それでも――250ページ
ほどの、ズッシリとした書籍となっています。

ここまで詰め込んだ書籍は、「絶対達成する部下の育て方」以来でしょう。

私はこの書籍が好きで、編集・販売に関わってくださったすべての人が好きで、
そしてすべての読者が大好きです。

出版社に感謝と敬意を表するために、著者が売らなくて誰が売る!

行くときは、行く!

ぜひ、新刊を、どうぞよろしくお願いいたしますっ!

2014年12月1日

「値引き」すると、なぜよけいに売れなくなるのか?【アンダーマイニング効果】

● 今回のテクニック:【アンダーマイニング効果(5)】

内的動機づけ(モチベーション)に対して、報酬を与えるなど外的動機づけ
(インセンティブ)を行うことによって、反対に意欲が低くなる現象。

「過正当化効果」とも呼ぶ。

意欲的な活動をしている人物を評価し、金銭的報酬を与えると、かえって逆効
果になりやすい、などの例がある。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「上半期の数字が芳しくない。現時点で、君の実績は目標に対して89%の
達成率だ」


部下 :
「はい。昨年と比較すると95%の達成ですが」


マネジャー :
「業界は昨年対比で107%と伸びている。それを見込んで今期の目標を設
定した」


部下 :
「わかってます」


マネジャー :
「わかってます、じゃないだろう。君はどう分析しているんだ?」


部下 :
「ううーん……。やはり価格じゃないかと思うんです」


マネジャー :
「価格?」


部下 :
「はい。以前からお話しているとおり、見積りの段階で他社と負けるケース
がほとんどなのです。私としては、もっと価格優位性を打ち出さないと」


マネジャー :
「確かに、今年に入ってから見積りプロセス後に破談となっているケースが
32件中15件と、ほぼ半分だ。これは非常に大きな要因だと言っていい」


部下 :
「そうなんです。実際にお客様にもヒアリングしたところ、当社を選んでく
れない理由は『見積』に魅力を感じないと言われておりまして」


マネジャー :
「なるほど。ところで、別の数字を見ていこう。君以外の営業4人は、現時
点で全員目標を達成している。平均で109%。市場の伸長率とほぼ同じ
だ」


部下 :
「あ、そうなんですか」


マネジャー :
「そして、見積りのプロセスで破談になったケースはだいたい15%ぐらい
だ。つまり君のケースは突出して多い」


部下 :
「はァ……」


マネジャー :
「同じ商材を扱っているにもかかわらず、だ」


部下 :
「商材は同じかもしれませんが、お客様は違いますからね。それに、お客様
自身が言っていることです。『もっと安くしてくれないと困る』って」


マネジャー :
「それも事実だろう」


部下 :
「でしょ? 私の営業力の問題ではありませんよ」


マネジャー :
「君の営業力の問題だ」


部下 :
「えっ?」


マネジャー :
「この問題は今にはじまったことじゃない。もう何年も前から、君は売れな
かった理由を『価格』だと言い続けてきた。商材が変わっても、いつもそう
だ」


部下 :
「そ、そうでしょうか……」


マネジャー :
「君は商談をするとき、当社の商材がいかにお客様の問題を解決するのか、
その魅力を十分に伝える前から、すぐに金額の話をする」


部下 :
「う、うーん」


マネジャー :
「お客様が決断する理由は『しっくり』くるかどうかだ。すべて人間は経済
合理性に基づいて判断しているわけではない。何となく『しっくり』くるか
どうかだ」


部下 :
「しっくり……」


マネジャー :
「確か、君はファッションにこだわりがあっただろう?」


部下 :
「どちらかというと、そうですね。服や靴などはこだわっています」


マネジャー :
「たとえば通常価格2万円のバッグがあり、君はそのバッグを気に入って何
とか手に入れようとお店へ行ったとき、店員から『いまキャンペーン価格で
1万7000円になります』と言われたら、どう思う?」


部下 :
「そりゃあ、嬉しいですね。即決で買います」


マネジャー :
「ところが何かの事情でその時は買わず、1週間後にそのお店へ行ったらキ
ャンペーンは終わっていた。再び価格は通常の2万円になっていたら、どう
する?」


部下 :
「……再び、2万円ですか。うーん、悩ましいですね」


マネジャー :
「交渉したら、1000円相当のアクセサリーをつけて、さらに500円
も値引きしてくれると言ってくれたら、どう思う?」


部下 :
「それでも、キャンペーン価格だった1万7000円には届かないですよね。
もう少し何とかならないかな、と思います」


マネジャー :
「結局、納得がいかず、君はそのバッグを買わないことに決めた。そして帰
宅した後、そのお店の店員から電話がかかってきて、『1万8000円まで
下げますからお願いします』と言われたらどうする?」


部下 :
「……うーん。1000円分のアクセサリーなんて要らないですから、その
分さらに1000円ひいてもらって、1万7000円にならないかな。もう
ひと押し、価格交渉するかもしれません」


マネジャー :
「本当に、君は価格交渉をするか?」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「もう一度聞く。本当に、君はそのお店にまた連絡して、その定員を呼び出
し、値段を下げてくれと価格交渉をするか?」


部下 :
「その店に連絡して、定員を呼び出し……」


マネジャー :
「しないだろう?」


部下 :
「そう、ですね……。しないでしょうね」


マネジャー :
「なぜだと思う?」


部下 :
「……どうして、でしょうか。面倒、だからかな」


マネジャー :
「『しっくり』こないからだよ、その店員の対応に」


部下 :
「……!!」


マネジャー :
「君が欲しがっていたバッグは最初、2万円の価値があった。しかしキャン
ペーン価格を目にした途端、1万7000円の価値にまで下がってしまった。
しかも何度も、何度も、条件を下げてくる店員の態度を見て、君は……」


部下 :
「……」


マネジャー :
「そのバッグ自体の価値や魅力を感じられなくなってきた」


部下 :
「そ、そうかも」


マネジャー :
「店員の態度が、お客様の焦点を、商品そのものにではなく『価格』に向け
てしまったからだ」


部下 :
「じゃあ、私も……」


マネジャー :
「そうだ。お客様の焦点を『価格』に向けているのは、営業である君自身だ。
だから君の場合、見積りプロセスでうまくいかないときが多い」


部下 :
「私が、お客様に、『もっと安くしてくれ』と言わせているんですね……」


マネジャー :
「そうだ。君でうまくいかなかった会社に、他の営業が提案へ行くと、もっ
と高い見積りでも成功する。つまり価格じゃないんだ」


部下 :
「そうだったのか……」


マネジャー :
「値引きも『金銭的報酬』だ。値引きを魅力の一つにすると、かえって購買
の意欲を落とすお客様はいるんだ」


部下 :
「ようやく、理解できました」


マネジャー :
「『安くしないと売れない』と思い込んでいると、本当に、安くしないと売
れなくなる。君自身がお客様の感情を引き寄せているんだ」


部下 :
「かしこまりました。すごく理解できました。しかし、本当に見積りだけで
判断されるお客様もいますよね」


マネジャー :
「それが『不燃客』と呼ばれるお客様だ。常に経済合理性に基づいて意思決
定をする。お客様の属性を見極めて対応してほしい」


部下 :
「誰でも価格を下げれば喜んでくれると思い込んでいました」



……今日のメルマガ本文は、8月に掲載された日経ビジネスオンラインのコラ
ムを大幅にアレンジしたものです。

この時のコラムはフェイスブックで2100以上の「いいね!」がつくなど、
SNSを介してかなり拡散していきました。

それほど多くの方に共感された内容だったのでしょう。

誰もが「値引き」によって購買欲を上げるわけではありません。人に感化され
る度合……「同調性バイアス」のレベルによって変わります。

「不燃客」ならともかく、「自燃客」「可燃客」には、安易な値引きは「売れ
ない空気」を作るだけです。

新刊で「自燃客」「可燃客」「不燃客」をどう見分けるか、ぜひチェックくだ
さい。


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 【54点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

新刊「空気でお客様を動かす」は。5月に発売した「空気で人を動かす」の続
編のように思われるでしょうが、

タイトルが似ていても「続編」ではありません。

「空気で人を動かす」はリーダーシップやチームビルディングがテーマ。

目標を絶対達成させるためにどうすればよいか、「絶対達成シリーズ」や「脱
会議」と共通で、「組織力」をアップさせるための施策が書かれています。

しかし新刊「空気でお客様を動かす」はマーケティングがテーマ。

「空気で人を動かす」と同様、「脳のミラーニューロン」の影響で、どのよう
に「人」が「人」を感化させるかを扱っています。

しかし、舞台は組織の中ではなく、外。

買うつもりがなかったものを、どのように感化されて、その気になってしまう
のか。

その空気を、どのように意図的に作ることができるか。顧客心理にどうバイア
スをかけるのか?

営業はバイアスをはずし、お客様にはバイアスをかける――。

自分が、お客様の立場として読んでも参考になる書籍です。

私としては、お客様がどのような場所で、どのような空気によって感化される
のかがわかれば、どのような商売が、一番「ラク」に儲かるかがわかると思っ
ています。

2014年11月28日

どこまで「製品知識」があれば売れるか?【バンドワゴン効果】

● 今回のテクニック:【バンドワゴン効果(12)】

バンドワゴン効果とは、多数の支持を受ける物事のほうが受け入れやすくなる
こと。要するに「勝ち馬/時流に乗ろうとする」心理のことである。

「さくら」を使うのは、このバンドワゴン効果を狙ったテクニックの一つとい
える。

ちなみに「バンドワゴン」とは祭りや行列の楽団車のことであり、パレードで
楽団車が通るとみんなが集まってくる。この現象からきた言葉である。

反対語は「スノッブ効果」。

【注意点】 効果的に使いたいときだけ活用すること。決して「他社もやって
いるから自社も追随しよう」という発想をしてはならない。正しい経営判断の
ためには、正しいデータに基づいた判断が不可欠である。


───────────────────────────────────


● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「100社のお客様に対してアンケートを実施したところ、86%のお客様
が、当社の商材を正しく認知していなかった。これは大きな問題だと受け止
めている」


部下 :
「そうですよね……。86%か」


マネジャー :
「たとえば君は、当社の商材をどう説明しているんだ」


部下 :
「当社の商材……ですか? 当社はステンレスやアルミ素材を、お客様の
ニーズに合わせて加工し販売するメーカーです。……こんな感じですか」


マネジャー :
「は?」


部下 :
「え」


マネジャー :
「ふざけてるのか」


部下 :
「えっ」


マネジャー :
「キチンと話せよ。そんな言い方じゃあ、20分前に入社したスタッフでも
話せるだろう。君はこの会社で何年営業をやってるんだ」


部下 :
「4年です……」


マネジャー :
「年間250日、働いているとすると、4年間で1000日だぞ。1000
日間も働いているのに、『当社はステンレスやアルミ素材を、お客様のニー
ズに合わせて加工し販売するメーカーです』としか言えんのか?」


部下 :
「もちろん、いろいろと話すことはできますが、それは相手に合わせてアレ
ンジしていますから」


マネジャー :
「普遍的な営業トークを言ってみろ」


部下 :
「普遍的って、言われても……」


マネジャー :
「レーザー加工の話はしているのか?」


部下 :
「ああ、レーザー加工の話ですか。もちろんしています」


マネジャー :
「じゃあ、なぜ私に指摘される前に言えなかった?」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「常に意識していないからだろう? 私たちにとってレーザー加工は当たり
前すぎることで、あえて営業トークに盛り込む必要がないと考えていない
か」


部下 :
「そりゃあ……そうかもしれません。お客様から質問されたら、いくらでも
答えられますが」


マネジャー :
「その姿勢が大問題だ。私たちには当たり前でも、お客様が当たり前だと感
じていないことは多々ある。顧客アンケートの結果、当社がレーザー加工を
用いていることを知ってるお客様は38%。そしてレーザー加工の特徴を正
しく知っているお客様は12%しかなかった」


部下 :
「えっ……!」


マネジャー :
「大きな問題だろう」


部下 :
「……」


マネジャー :
「私たちにとっては常識的すぎることなんだよ。しかしお客様はそんな常識
的なことなど認知していない」


部下 :
「ホームページとかパンフレットには、細かく記載していますよね」


マネジャー :
「冗談じゃない。お客様がイチイチそういうものをチェックして、自ら把握
しようとするか? どういう神経して営業してきたんだ」


部下 :
「確かに……」


マネジャー :
「レーザーの特徴は、切断幅が小さく、金属に対しての熱影響が少ないので、
ヒズミやユガミが少なくなる。素材を自由な形状に加工できることと、滑ら
かな切断面が得られる」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「はい、じゃないよ。お客様も共通認識してもらわないと、売れるものも売
れない。加工速度が速いこと、多品種少量生産にも適していることなどの論
拠を、正確に伝えられているか、ということだ」


部下 :
「言ってるつもりだったんですが……」


マネジャー :
「さらに、このレーザー加工によって、どのような実績があるか。そして当
社の加工技術が専門機関にどれほど評価されているのか、伝えているか」


部下 :
「それも、伝えているつもりですが……。アンケートでは、全然だったとい
うことですか」


マネジャー :
「その通り。お客様には、まったく伝わっていない」


部下 :
「当社の加工技術って、競合他社もやっていることです。正直なところ、差
別化できるようなことでもないので、それをアピールしても意味がないと思
ってしまうんですよね」


マネジャー :
「そういう先入観が、売れない空気を作っている」


部下 :
「売れない空気……」


マネジャー :
「他社と比べて差別化できているかどうかなんて、お客様が気にすると思っ
ているのか? 本当にそう思っているか?」


部下 :
「いや、その」


マネジャー :
「基幹システムを入れ替えたが、そのシステム開発をしてくれたのは、6人
しかいない小さな会社だ」


部下 :
「6人の会社ですか」


マネジャー :
「その6人しかいない小さな会社が、差別化されたシステムを構築してくれ
るかというと、そうではないし、別段、システム構築費用が安かったわけで
もない。でもそこに任せたいと、管理部長が言ったんだ。それがナゼかわか
るか?」


部下 :
「それがナゼか……って……。わかりません……」


マネジャー :
「管理部長がそこに任せたいという気持ちになった、ただ、それだけだ」


部下 :
「え……????」


マネジャー :
「管理部長が、ただ『その気』になっただけ、なんだよ」


部下 :
「『その気』……?」


マネジャー :
「お客様を『その気』にさせることが営業の仕事だろう? そうじゃないの
か」


部下 :
「……」


マネジャー :
「我々にとって当たり前だと思っていることでも、お客様には当たり前のよ
うには思われていないというのであれば、それを正しく仔細に伝えることが
重要だ。差別化されているかどうかなんて関係がない。他社との比較など関
係がない。そうだだろう? お客様と、当社との話だ。違うのか?」


部下 :
「……」


マネジャー :
「なぜこの商材がお客様のためになるのか。その情報をすべて相手に伝えた
まえ。漏れることなく、持っている知識をすべて伝えるんだ。何度も何度も
言うんだ。他社の商材なんて関係がない。少しばかり競合より見劣りした提
案であろうが、それらと比較するかどうかはお客様次第だ」


部下 :
「そ、そうですよね」


マネジャー :
「レーザー加工は、レーザーの持つ光エネルギーを活用し、一点に集束、直
接照射させることで切断幅が小さくなり、比較的自由に加工できること。加
工速度がスピーディになること等、詳しく話せ。不必要な裏事情まで、すべ
て伝えろ。そうすることで、お客様は君はプロだと認めてくれる」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「他社より少なくとも、当社の実績を熱く語れ。これは『社会的証明の原
理』という心理現象を生み出す。統計データもホームページに載っているの
だから、これも活用しろ。お客様の業界にとって、なぜ当社の商材サービス
がシェアを伸ばしているかを数字で示せ。たとえ相手が知っていても、繰り
返して伝えるんだ。そうすることで、お客様は君をプロだと認めてくれる」


部下 :
「わ、わかりました」


マネジャー :
「君は4年も働いてるんだぞ。1000日間も働いているんだ。プロだろ
う? プロの営業だから給料をもらってるんだ。お客様をその気にさせるぐ
らいの知識を持て。わかったか」


部下 :
「は、はい」


マネジャー :
「期待してるんだ」


部下 :
「ものすごく、熱いですね。今日は、なんか……」


マネジャー :
「君を『その気』にさせるためだ」



……現場に入って営業コンサルティングをしていると、営業や販売員が、驚く
ほど「商材」を詳しく話せないことがわかります。

残念なほど、話すことができません。

質問すると「それぐらいは知っています」と答えるのですが、それならお客様
には伝えているか、というと、そうでもない。

「製品知識」を「第1の知識」「第2の知識」に分解し、

「第1の知識」では、「ミクロ情報」と「マクロ情報」を正確に覚える必要が
あります。「第2の知識」は、体験による3つの理解をキチンと伝える必要が
あります。

これらの知識で「売れる空気」を作っていきます。

売れない理由を「商品」のせいにするのは、もうやめましょう!

いよいよ来週、新刊「空気でお客様を動かす」が発売されます。ご期待くださ
い。

■「空気でお客様を動かす」
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 【51点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

最近、自分のメルマガに点数をつけているのですが、これはあくまでも自分の
「お気に入り度」であり、「完成度」ではありません。

目安は、

・70点……半年に1回あるかどうか
・80点……1年に1回あるかどうか
・90点……5年に1回あるかどうか
・100点……このメルマガを出し続けて1回あるかどうか

です。

なので、50~60点でも、意外と気に入っている内容です。

伝えたいメッセージを伝えるだけのメルマガだと「0点」ですね。遊び心がな
いので。

2014年11月25日

「ぐだぐだ雑談」ができることが信頼のバロメーター【ホールパート法】

● 今回のテクニック:【ホールパート法(11)】

ホールパート法とは、最初に話の全体像、ポイントを(WHOLE)を相手に
伝え、それから話の枝葉、部分(PART)を説明する話し方。

相手の「頭」を整理させるうえで、とても簡単で効果的な技術。

「ポイントは2つある」
「ここで私が言いたいのは1点だけだ」

このように伝えてから、それぞれのタイトルを話す。

「効率化と、情報共有」
「お客様の声だ」

その後、タイトルに沿った話を展開させていく。報道番組でキャスター、コメ
ンテーターなどがよく活用しているので注意深く聞いてほしい。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「君、ちょっと尋ねたいことがある」


部下 :
「はい。課長、何でしょうか」


マネジャー :
「君はプロ野球をけっこう観るだろう?」


部下 :
「はい。シーズン中は、録画してでも観戦しますね」


マネジャー :
「選手がバッターボックスに入る時、登場曲ってあるじゃないか」


部下 :
「ああ、選手のテーマソングですね。たとえばジャイアンツの阿部選手は
アース・ウィンド・アンド・ファイアーの『september』で入場してきます。
かつて清原選手が長淵剛の『とんぼ』で登場してくるのが有名でした」


マネジャー :
「そうそう。それで、もし君がプロ野球選手だったら、どの曲をテーマソン
グに選ぶ?」


部下 :
「えっ!」


マネジャー :
「雑談だよ、単なる雑談。テキトーに答えてくれればいい」


部下 :
「テキトーでも、悩みますね……。これから『打つぞっ!』という気持ちが
入る曲がいいですよね」


マネジャー :
「そうだな、やっぱり」


部下 :
「私はけっこうB'zを聴くので、『ZERO』でしょうか」


マネジャー :
「『ZERO』かァ。なるほど、あのイントロのギターリフで、君は登場し
てくるわけだ」


部下 :
「ま、まァ……そうですね。正直、あのイントロで登場して、三振したらめ
っちゃカッコ悪そうですが」


マネジャー :
「確かに、めちゃくちゃカッコ悪い。はははは」


部下 :
「課長だったら何にしますか?」


マネジャー :
「そうだなァ。私は昔、よく聴いたガンズ・アンド・ローゼズがいいな」


部下 :
「ガンズですか! ガンズときましたか……。やっぱり『welcome to the ju
ngle』ですか?」


マネジャー :
「いや、『Sweet Child O' Mine』だな」


部下 :
「えええええ。『スウィート・チャイルド・オブ・マイン』? あのイント
ロで入ってくるんですか? あの曲で入場してキャッチャーフライとか打ち
上げたら、最低ですね」


マネジャー :
「ははは。確かにそうだな」


部下 :
「いやァ、ホント、最低ですよ。はははは」


マネジャー :
「ところで」


部下 :
「はい?」


マネジャー :
「これぐらい意味のない、グダグダな雑談ができるお客様って、君には何人
いる?」


部下 :
「え。どうしたんですか、突然?」


マネジャー :
「今の会話、グダグダだろ? まるで意味がない」


部下 :
「確かに……。就業時間内でしていいのか、と思えるほどグダグダな雑談で
した」


マネジャー :
「これぐらいの雑談ができるお客様は何人いる?」


部下 :
「うーーん……」


マネジャー :
「グダグダの雑談ができるためには、ポイントが3つある。1つ目は相手と
深い信頼関係がすでに構築されていること。2つ目は相手の趣味とか好みと
かを良く知っていること。3つ目は相手と雑談できる心と時間の余裕がある
ことだ」


部下 :
「そ、そうですよね……。3人、いや……2人でしょうか。意外と少ないで
すね」


マネジャー :
「私は13人いる」


部下 :
「13人!」


マネジャー :
「さっき数えてみたよ」


部下 :
「それだけ課長に心を許せるお客様がいるってことですね」


マネジャー :
「お客様だけでなく、社内にもグダグダな雑談できる仲間を増やしてくれ」


部下 :
「わかりました」



……本当にどうでもいい雑談ができるお客様を、どれぐらい持つか、によって
営業成績は変わります。

「私はそういうキャラじゃない」と言っていると、見えない壁を作ってしまう
ことになるので、

くだらない話を積極的に繰り出す習慣を身につけたいですね。

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 【42点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

5年ぶりぐらいでしょうか。

先週木曜日から、かなりヒドイ風邪をひいてしまい、この連休中、ほとんど家
の外に出ませんでした。

21日が社内旅行、23日が母の誕生日。24日が娘の誕生日……と、いろい
ろイベントがありましたが、すべてキャンセル。

8歳になる娘が、ケーキでなくてドーナッツが食べたいというので、かろうじ
て手作りのドーナッツは作りました。

薄力粉とベーキングパウダー、キビ砂糖、卵などを使い……。

ずっと家で臥せっていたので、コラムを立て続けにアップしました。ご参考ま
で。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/

2014年11月17日

ホームページやメルマガの効果がドンドン落ちる原因【社会的手抜き】

● 今回のテクニック:【社会的手抜き(3)】

社会的手抜きとは、集団心理のひとつ。集団の構成員が増えれば増えるほど、
無意識のうちに「手抜き」をしてしまうこと。

「社会的怠惰」「傍観者効果」とも呼ばれる。

会議や商談など、人が増えれば増えるほど意見やアイデアが出づらくなるのは、
「社会手抜き」という集団心理が影響していると覚えておこう。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「今回、ホームページのリニューアルにかかる費用は、こちらになります」


マネジャー :
「850万円?」


部下 :
「はい。サイトリニューアルのみならず、SEO対策などを継続的に支援し
てもらうと、それぐらいのコストになるようです。3社、見積もりをとって
一番信頼性の高いところを選びました」


マネジャー :
「……」


部下 :
「そのWEB製作会社の会社案内はこちらで……」


マネジャー :
「いいよ、そんなことは」


部下 :
「え」


マネジャー :
「本当にホームページをリニューアルする必要があるのか?」


部下 :
「部長、これは営業部からずっと催促されてきたことです。企画室としても、
いろいろと調査し、この時期にリニューアルすることが妥当だと判断しまし
た」


マネジャー :
「この時期が妥当? 時期が関係あるのか?」


部下 :
「当社のホームページは5年前に全面刷新しています。もうずいぶん古くな
ってるんです」


マネジャー :
「社用車じゃないんだ。古いからといって、ホームページを刷新する論拠と
なるのか? ロジカルシンキングの勉強をしたまえ」


部下 :
「もちろん古いからだけで刷新するわけではありません」


マネジャー :
「ホームページの資料請求の件数が落ちている。これが論拠だろう?」


部下 :
「はい。3年前の資料請求の件数が138件、2年前が89件、今年が43
件と、急激に落ちています。ホームページの内容は企画室で随時メンテナン
スをしていますが、それだけでは限界なのです」


マネジャー :
「メルマガもやっていたな?」


部下 :
「はい。月に2通、企画室からメルマガを発行しています。登録件数が40
00名からずっと横ばいで、その効果も落ちてきています」


マネジャー :
「そのせいで先日のイベントの集客も激減した、と言っていた」


部下 :
「そうなんです。3年前は盛況だったのに、とりわけメルマガの力は落ちて
きています」


マネジャー :
「さっきの資料請求の件だが、資料請求をしてきたお客様への一次フォロー
スピードと件数、そのフォロー継続状況を把握しているか?」


部下 :
「え。……一次フォロースピードに件数?」


マネジャー :
「ホームページを見て資料請求をしてきたお客様へ、どれぐらいのスピード
で初動フォローしているか、だ。そしてフォローの件数だよ」


部下 :
「ええと。それは営業部がやることで、企画室は把握していませんが……」


マネジャー :
「一次フォローは企画室で受けて、その後、営業部へまわすオペレーション
になっている。1年半前からこのルールで運用しているはずだ」


部下 :
「そうでしたか……。一度確認しておきます」


マネジャー :
「一度確認しておきます、か。君は企画室の室長なのに、まるで評論家のよ
うな言い分だな」


部下 :
「申し訳ありません。私は半年前に室長になったばかりで、まだ十分に引き
継ぎができていないんでしょう。私の力不足です」


マネジャー :
「イベントの集客が減っている、という話だったが、イベントの集客のため
の活動のうち、ホームページやメルマガがどれぐらい集客に寄与していたん
だ」


部下 :
「え……。そりゃあ、ほとんどホームページやメルマガによって集客される
のではないのですか?」


マネジャー :
「……」


部下 :
「違うのでしょうか。申し訳ありません。営業部の課長にもヒアリングした
のですが、全員そのように言っていたものですから……」


マネジャー :
「企画室の今期の目標を言えるか?」


部下 :
「今期の目標ですか? ええと、すぐには出てきませんが、ある程度は把握
しています」


マネジャー :
「……」


部下 :
「申し訳ありません。半年前に室長になったばかりで、いろいろとわからな
いことばかりで」


マネジャー :
「私が管理部の部長になったのも、半年前だよ」


部下 :
「あ、そういえば、そうでしたね……ハハ」


マネジャー :
「笑いごとではない。自分の組織の目標さえ言えないから、『感度』が鈍く
なっていくんだ。君は営業部の課長と話をしていても話は噛み合うだろう」


部下 :
「そ、そうですね。私も以前、営業部の課長をしていましたから」


マネジャー :
「違う。お互い『感度』が低いからだ」


部下 :
「え……!」


マネジャー :
「営業部の部長とはウマが合わない。違うか?」


部下 :
「それは、課長時代から、そうでして……」


マネジャー :
「営業部の部長は『感度』が高いからだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「ホームページで資料請求があったとき、以前は営業部がすぐに対応してい
たが、2年前に企画室ができてからその作業が移管された。最初のうちは初
動スピードが速かったが、だんだん遅くなり、最近は全然やっていない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「イベントの集客もそうだ。昔は営業部が率先して電話がけをしたものだが、
今はホームページやメルマガに頼り切っている。受け身になり『感度』が低
くなったからだ」


部下 :
「そう、いえば……」


マネジャー :
「『社会的手抜き』という現象だ。人が増えたり、部署が新設されると、無
意識のうちに手を抜いてしまう。よほど意識をしないと、組織の空気は緩ん
でくるぞ」


部下 :
「も、申し訳ありません」


マネジャー :
「来年1月から企画室を営業部と統合する。ホームページのリニューアルは
全員の『感度』がアップしてからだ」



……広告やチラシ、ホームページやメルマガといった「言語データ」に頼って
いると、どうしても「受け身」になります。

「受け身」の姿勢だと「感度」が鈍くなり、「感度」が鈍くなると「認知力」
が落ちます。そして人の話を正しく「認知」できなくなります。

「言語データ」に依存していても、効果は落ちていくばかりです。その理由を
コラムで解説しました。


■ キャッチコピーは、なぜ効果がなくなってくるのか? 3つのポイント
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20141116-00040749/

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 【48点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

最近、本当に、つくづく思います。

「言語データ」だけで勝負していると、徐々に効果がなくなっていく、という
ことを。

広告代理店も焦っています。

どんな大きな企業でも、広告やDM、メルマガ、ホームページの力が落ちてい
るのです。コラムにも書いた『刺激馴化』です。

「情報過多」の時代となり、多くの人が刺激に鈍感となってきました。

12月6日に発売される新刊「空気でお客様を動かす」で、キャッチコピーや
セールストークという「言語データ」に依存せず、

どのように「空気」を作ってお客様を行動伝染させるか、を書きました。

私の書籍の中で、唯一、あまり「耳の痛い」ことが書いていない内容となりま
した。

2014年11月13日

最後は「ベラの法則」を信じるしかない【ピア・プレッシャー】

● 今回のテクニック:【ピア・プレッシャー(12)】

ピア・プレッシャーとは、人間は通常、同じ組織内の仲間に認められたい、疎
外感を味わいたくないと考え、仲間のあいだで自分がどのように見られている
かを気にする傾向がある。

そのせいで、仲間や社会と同じ考えでなければならないという圧力(プレッシ
ャー)を常日頃から感じているものだ。

これをピア・プレッシャーと言う。

特に「和」を尊ぶ日本人に対しては、このピア・プレッシャーは強力と言えよ
う。


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● 今回のコミュニケーション例


営業マンA :
「部長、1月のイベントの予算はどうですか」


マネジャー :
「ああ、300万円は確保した」


営業マンA :
「300万円? ……1000万を確保してくださいとお伝えしたじゃないで
すか」


マネジャー :
「わかってる。君の言い分はわかってるが、なかなか難しいんだよ」


営業マンA :
「今度のイベントは、新規のお客様を開拓するうえで絶好のチャンスなんです。
そのために、夏からずっと営業4人で電話フォローを続けてきました。代理店
にだって説明会をしていますし、中途半端にやるわけにはいきませんよ」


マネジャー :
「300万円内でやれ、という話だ」


営業マンA :
「これまでに何度もご説明しています。本来、2000万円かかるところを、
業者を説得して1000万円まで切り詰めたんです。300万円では、ほとん
ど何もできません。ほぼすべての代理店に、ブースを出すスペースも与えられ
ません」


マネジャー :
「そこを何とかしてくれ、と社長は言っているんだ」


営業マンA :
「2ヶ月も前から企画書を渡して説明してきたじゃないですか。そこを何とか
してくれって……」


マネジャー :
「社長の性格を知ってるだろう? あの人が無理と言ったら、無理なんだよ。
300万円が限界だ」


営業マンA :
「300万円だなんて……。何もできません」


マネジャー :
「何もできないって、お前」


営業マンB :
「私も無理だと思います、部長」


マネジャー :
「おいおい、お前ら」


営業マンC :
「300万円ではイベントそのものができません。ローリングストーンズのコ
ンサートを、首都郊外の小規模ホールでやれと言われているようなものです」


営業マンA :
「今さらですが、イベントをなくすことを代理店に告知したほうがいいと思い
ます」


営業マンB :
「確かに」


マネジャー :
「おいおい、意固地になるな」


営業マンB :
「部長、意固地になってるわけではありません」


マネジャー :
「金があればいいってもんじゃないだろう。頭を使ってやれる方法を考えろ…
…。これが社長の答えなんだ」


営業マンC :
「そういう社長だとわかっていたから、あれだけの企画書を作ったんです」


マネジャー :
「発想の転換をして、イベントをせずに新規開拓をする方法を考えるか?」


営業マンA :
「いや……」


マネジャー :
「じゃあ、どうするんだ。明日の経営会議で確定するんだから、今からジタバ
タしてもしょうがないだろう」


営業マンA :
「発想の転換をするのは、明日の経営会議の後でもできます」


マネジャー :
「ああ?」


営業マンA :
「あきらめきれません」


営業マンB :
「そうです。これだけ各所に根回しし、いろいろな代理店に協力してもらい、
お客様とともに準備してきたのに、今さら引くことはできません」


マネジャー :
「しかし」


営業マンC :
「社長のスケジュールをチェックすると、今日までシンガポールで、明朝、成
田に到着すると聞いています」


マネジャー :
「お前……」


営業マンC :
「私、出迎えます」


マネジャー :
「はあ?」


営業マンA :
「出迎えか……」


営業マンC :
「最後まであきらめません」


マネジャー :
「ちょっと、お前」


営業マンB :
「俺も行くよ」


マネジャー :
「ええええ」


営業マンA :
「よし、俺も行く。課長にも連絡してみよう。朝4時に日暮里に集合するん
だ」


マネジャー :
「おいおい」


営業マンC :
「早朝に4人も出迎えがあったら社長も喜ぶでしょう。そこに賭けます」


マネジャー :
「まったく」


営業マンC :
「最後まで、やってみないことにはわからないですよ」


マネジャー :
「It ain't over till it's over. ……だろ」


営業マンC :
「え?」


マネジャー :
「ベラの法則だよ。有名なメジャーリーグの監督が言った言葉だ。すべて終わ
るまで結果はわからないって」


営業マンC :
「へええ」


営業マンA :
「ベラの法則、ですか」


マネジャー :
「日本でも、『下駄を履くまではわからない』という言葉がある」


営業マンA :
「はい」


マネジャー :
「俺は会社の前のスターバックスに陣取っているよ。社長は帰国すると、出社
する前に必ずスタバに寄るんだ。朝の7時から」


営業マンA :
「部長……」


マネジャー :
「試合が終わるまであきらめちゃダメだな。俺も本音では悔しいんだ。お前ら
がどれだけ準備してきたのか、知ってるから」



……「ベラの法則」とは、ニューヨーク・メッツ時代のヨギ・ベラ監督が、

シーズン半ばまで首位と9.5ゲーム離されていたとき、ある記者から「今
シーズンの優勝はあきらめたのですか?」と質問されて、返事したのが、

 It ain't over till it's over.

……の一言。

実際、その年はメッツが最終的に盛り返して地区優勝をするのです。

何事も、すべて終わるまでは、わからないですよね。私もいろいろな商談に関
わっていますが、あきらめたらそこで試合終了です。(スラムダンクの名言)


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 【31点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

12月頭に、フォレスト出版から新刊が出ます。

タイトルは、「空気でお客様を動かす」です。

「営業」という立場でも「お客様」という立場でも読める内容となっています。

同調性レベルによって、お客様を「自燃客」「可燃客」「不燃客」と分解し、

 ①自燃(じねん)客……空気に触れるとすぐ「その気」になるお客様。
 ②可燃(かねん)客……空気に触れ続けたり、空気を組み合わせることで、
 「その気」になるお客様。
 ③不燃(ふねん)客……空気に影響されづらく、経済合理性に基づいて意思
 決定するお客様。

お客様を動かす空気を「世間の空気」「集団の空気」「個人の空気」と分解し、

営業のスタイルを「能動販売」「受動販売」と分解し、

ニーズの更新パターンを「ニーズの発生」「ニーズの消滅」と分解し、

お客様にティーチングすべき知識を「第一の知識」「第二の知識」と分解し、

「第一の知識」はディテールの「ミクロ情報」、統計学の「マクロ情報」と分
解し、

「第二の知識」は「1.スタートする前の葛藤」「2.スタートした後に現れ
た想定外の問題/それを乗り越えた工夫」「3.終わった後の(何かを達成し
た後の)幸福感」と分解し、

それらを、お客様の属性に合わせて、どのタイミングで、どのような空気を作
るのかを本書でレクチャーしています。

特に組織営業の方は、キーパーソンが「不燃客」だったとき、どのような手順
で「外堀」を埋めていくか、参考にしてもらいたいと思います。

お客様を動かす「空気」とは、「同調圧力によって断れなくする空気」とは異
なり、

本来ニーズがなかったにもかかわらず、ある空気に感化されて、お客様が気持
ちよく購入の意思決定をしてしまう――その空気を扱っています。

誰にでもある現象を科学的に実証し、「売る側」にとってどのように再現させ
るかを解説しました。

また具体的な販売時期などは、ご連絡します。12月頭に、発売予定です。

2014年11月10日

「柔軟性がある」とは、どういうことか?【好意の返報性】

● 今回のテクニック:【好意の返報性(12)】

好意の返報性とは、人は好意を受けられると、それを返したくなるという習性
のことで、ミラーリング効果ともいう。

相手とコミュニケーションをする際も、好意をもって接するのと、そうでない
のとでは相手の反応も異なる。特に信頼関係(ラポール)が崩れてきたときに
は、「きっと……に違いない」と思い込み、決め付けたような悪意ある物言い
をしてしまうものである。

ニューロロジカルレベルの概念を意識し、どんな相手であろうと、その「アイ
デンティティ」や「価値観」には好意を持ち(承認し)、相手のとった「行
動」にこそフィードバックしたいものだ。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「千葉の工場長から連絡があり、工場の稼働状況を踏まえたうえで商品の発
注タイミングを指示しろと言ってきました」


マネジャー :
「何?」


部下 :
「年末が近づき、お客様からの引き合いが増えているのですが、今年は例年
以上に盛況です。工場の稼働状況に合わせるのではなく、営業の声を聞いて
もらいたいと思います」


マネジャー :
「生産が追い付かないと言いたいのか?」


部下 :
「そのようです」


マネジャー :
「うーん……」


部下 :
「先ほどお話したとおり、私としては状況が好転している今、一気にライバ
ル会社に差をつけるべきです。工場に無理を言いましょう」


マネジャー :
「君が言うとおり、年末商戦でライバル会社に負けるわけにはいかない。行
くときは行かなければならない。君のそういう気持ちの強いところを、私は
とても気に入っている」


部下 :
「ありがとうございます。なら、千葉の工場長に言ってもらえませんか」


マネジャー :
「千葉の工場長か、彼は本当に融通がきかないからな」


部下 :
「これまで、いっつも工場の言い分に営業が合わせてきたんですよ。こうい
うときこそ、工場に頑張ってもらわないと」


マネジャー :
「君のその強い気持ちはとてもいい。他の営業に見習わせたいよ」


部下 :
「あ、ありがとうございます」


マネジャー :
「しかし、冷静にならないと、論理思考が衰える。君はちょっと感情的にな
って柔軟性をなくしている気がする」


部下 :
「どういうことですか?」


マネジャー :
「気持ちが強いのはいい。本当に私は君のそういうところが好きだ。しかし、
こういうときこそロジカルに考える習慣を身につけてくれ」


部下 :
「私だってロジカルに考えてるつもりですよ」


マネジャー :
「年末商戦に勝つべきだ。だからこそ工場に無理を言って生産してもらう必
要がある。この論拠と結論は、筋が通っている。しかし、抜けや漏れがない
か?」


部下 :
「抜け?」


マネジャー :
「工場は千葉だけじゃない。新潟と山梨、愛知にもある。稼働状況を考え、
私は愛知の工場長と話し合いをもちたいと思ってる」


部下 :
「ちょっと待ってください。私はそれこそ筋が通らないと思いますよ。いつ
も無理を言って聞いてくれるのが愛知の工場長じゃないですか」


マネジャー :
「稼働状況を見ると、年末にかけて工場のラインに余裕があるのは愛知の工
場なんだ。冷静にならないと、論理的に物事を考えられなくなる」


部下 :
「……」


マネジャー :
「気持ちが強いことはとても良いことだ。私は君のそういうところが好き
だ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「もっと冷静に、そして論理的に考えてくれ。論理性が担保できてはじめて、
柔軟性が生まれるんだから」


部下 :
「わかりました」


マネジャー :
「しかし来年2月から愛知の工場はリフォームもあって、稼働率が一気に悪
くなる。そのときこそ千葉にフル回転してもらおう。それまでは柔軟に対応
したい」



……「柔軟性がある」ということは、

1)論理的に正しい結論は他にある場合でも、
2)状況に応じて別の結論を選択できる度量がある

ということだと思います。

しかし、そのためには、論理的に正しい結論を導き出すスキルが必要です。

論理的に正しい、ということは、「論拠」と「結論」が一貫して繋がっている、
筋が通っているということ。

やはり基本スキルとしての「ロジカルシンキング」は不可欠ですね。この基本
スキルがないと、感情に振り回されてしまうからです。


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 【18点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

ロジカルシンキングを学ぶうえで外せないのが、照屋華子氏、岡田恵子氏共著
の『ロジカル・シンキング』ですが、

それよりも、さらに実践的で、応用度が高いと思われるのが、

高田貴久氏の『ロジカル・プレゼンテーション』です。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901234439/mysterycon0c-22/ref=nosim

「プレゼンテーション」とタイトルに書かれていますが、完全に「論理思考」
を身につけるうえでの、重要な「縦横の論理」を、これでもか、というぐらい
に深く解説してあり、とても参考になります。

当社アタックスグループにおいても、全社員の必読の書となっています。

もう10年以上も前の書籍で、多くの人がすでにお持ちかもしれませんが、
「再現性」のある結果を出すために、これは絶対に押さえておきたいです。

私は、何度でも読み返します。

2014年11月6日

「動かぬ証拠」という最大の武器【スノッブ効果】

● 今回のテクニック:【スノッブ効果(12)】

スノッブ効果とは、他者と同調したくないという心理作用が働き、敢えて他人
が所有しないものを欲しがったり、他人とは別の行動をしたりすること。

もともとは、誰もが簡単に入手できるようになると需要が減る消費現象のこと
を指している。

反対語はバンドワゴン効果。

部下とのコミュニケーションに応用するのであれば、プライドが高く、協調性
の低い相手に使うと効果が望める。ノーセットなどと組み合わせてもよい。

(協調性の高い相手にはバンドワゴン効果を使うことをお勧めする)


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「全国の15支店の調査が終わった。調査結果はご覧のとおり」


部下 :
「北関東支店、横浜支店、静岡支店、広島支店の4つが低いポイントです
ね」


マネジャー :
「そうだ。売上や利益といった業績のレベル、行動レベル、意識レベル……
いろいろな角度で組織診断してみたが、やっぱりこれら4つの支店が低かっ
た」


部下 :
「予想した通りだったんですか」


マネジャー :
「そうだよ。本部長もそう言っていた。2ヶ月もかけて調査したが、さほど
新しい発見はない」


部下 :
「へえ」


マネジャー :
「調査なんかする前からわかっていたんだ。苦労して実施した割に、この組
織診断が意味あったとは言えない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「誰もが言ってる。無駄なコストをかけてしまったと」


部下 :
「本当に、そうでしょうか?」


マネジャー :
「どういうことだ?」


部下 :
「それなりに意味があったんじゃないですか。私には、まるで無駄だったと
言い切ることはできません」


マネジャー :
「そうか……。確かに、さっき言った4支店は、以前から目をつけられてい
たが、結局、改善されないまま今にいたっている」


部下 :
「その通りです。本部長だって、及び腰だったじゃないですか。わかってい
たはずなのに」


マネジャー :
「あるコンサルタントが言っていた。仮説を立て、検証してみると、80%
以上が予想通りになる、と。しかし、その予想通りの検証結果にこそ意味が
ある」


部下 :
「どういうことですか?」


マネジャー :
「『動かぬ証拠』を手に入れた、と考えるべきだ、と」


部下 :
「その通り! そうですよ」


マネジャー :
「君もそう思うか」


部下 :
「コンサルタントなんてロクな奴がいないと思っていましたが、意外といい
こと言う人もいるじゃないですか」


マネジャー :
「口を慎め。相変わらず、だな」


部下 :
「今回の組織診断でハッキリしたわけです。その通り、『動かぬ証拠』です
よ。この4支店はしっかりと組織改革してもらわないといけません」


マネジャー :
「君はそう思うか。うちの幹部は、診断結果なんて意味がなかったと言って
ばかりいるが」


部下 :
「だからダメなんです、うちの会社は。手段を目的化している証拠です。
『動かぬ証拠』を得た以上は、改革を断行しないと」


マネジャー :
「そうかもしれん」


部下 :
「そうですよ。あの4支店には抜本的な革新が必要です」


マネジャー :
「わかった。実は社長命令で、組織改革プロジェクトを立ち上げることにな
った。プロジェクトリーダーは君が適任だ。ぜひやってくれたまえ」


部下 :
「え」


マネジャー :
「抜本的な改革を頼むぞ」


部下 :
「……私が?」


マネジャー :
「『動かぬ証拠』があるんだ。遠慮なくやってくれ」


部下 :
「……」



……仮説を立てて調査、検証をする場合、80%以上が「想定内」の結果とな
ります。

その結果に物足りないと思うのではなく、

「動かぬ証拠」を手に入れたと、受け止めてもらいたいと思います。

スタッフが謙虚に、問題意識を持つためには、正しい現状把握が重要です。

「あるべき姿」と「現状」とのギャップが「問題」ですから、「問題」を正し
く捉えることで「問題意識」の醸成がはかられます。

「問題意識を持て」と呼びかけても、意識は変わりませんし、危機感も持ちま
せん。

当アタックス・セールス・アソシエイツは、

グループ会社で歴史の長い、人事労務コンサルティング会社の「アタックス・
ヒューマン・コンサルティング」と連携し、

組織内の「空気」を正しくとらえる「組織風土診断」サービスを実施していま
す。

ご興味のある方はいつでもお問合せください。


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 【22点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

最近、またメラメラと燃えてきました。

業績はすこぶるよく、現状に甘んじてもいいのですが、現状に納得できない自
分もいます。

リスクを冒してチャレンジしたい。

そう思っていると、出会いがありますね。

そして、

リスクを冒せず、チャレンジできない人は、私には近づきたいと思わないでし
ょう。

常に新陳代謝です。

来年初頭から、経営者のみを集めたコミュニティを定期開催する予定です。

理屈ではなく、抑えきれない「衝動」を抱えている経営者たちが集まってくれ
たら、と思っています。

会社の規模は大きくても小さくてもかまいません。一人で事業を経営している
方でもかまいません。

「自燃人」経営者のみが集まる「場」を提供していきたいと考えています。

2014年11月4日

どうして会議資料に「グラフ」が不可欠なのか?【オープンエンドクエスチョン】

● 今回のテクニック:【オープンエンドクエスチョン(26)】

オープンエンドクエスチョンとは、イエス・バット法と同様にコミュニケーシ
ョンテクニックとしては代表的な手法。「4W2H」もしくは「5W1H」等
の疑問詞を駆使し、質問していくことで相手の心の中に潜む問題点や潜在的ニ
ーズを探り当てること。

「イエス/ノー」で答えられる質問は極力避けることが重要である。クローズ
ドクエスチョンとは反意語。

オープンクエスチョンはヒアリングの基本であるが、ペーシングなどの技術を
活用しながら質問を続けないと「尋問」のようになってしまいがちであり、注
意したい。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「君が作る会議資料を全面的に変えたい。1ヶ月の実績と、トピック、そし
て1ヶ月の反省が文章で書いてあるが、これではマネジメントサイクルを回
すことができない」


部下 :
「どうしたらいいかわからないんですよね」


マネジャー :
「そもそも、目標を達成させるために、いつまでに、何を、どのお客様に対
して、どのくらいの回数、どんな方法で行動をしていくのか、何も書かれて
いない」


部下 :
「まァ、そうですね……」


マネジャー :
「たとえばこのKさんが書いた資料を見ると」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「今月の実績は745万円。来月は812万円。トピックは特になし」


部下 :
「ええ」


マネジャー :
「一か月の反省は、『6月からスタートした新規開拓の取組みは今月も不十
分だった。業務効率が悪く残業が減らない。役割分担を見直したい。11月
から心機一転リスタートしたいが下半期の目標達成は難しい。やはり課せら
れた目標が業務の負荷と合っていないと思う』」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「すごい『反省』だな。自分の行動への反省ではなく、後半は愚痴になって
しまっている」


部下 :
「Kさんは会議でいつも愚痴ばかりこぼしてます」


マネジャー :
「この反省の文章は、今年の4月からほとんど変わっていない。コピー&
ペーストしてから微妙に表現を変えているだけだ」


部下 :
「まったくその通りです」


マネジャー :
「このKさんの新規開拓先は何社あり、1ヶ月で何件アプローチする予定な
んだ? 『今月も不十分だった』という表現では、目標と実績がどうなって
いるかがわからない」


部下 :
「そうですね……。Kさんには言ってるんですが、なかなか私の言っている
意図を理解してもらえないのです」


マネジャー :
「会議資料には必ずグラフを搭載しろ」


部下 :
「え! 唐突に、どうしたんですか」


マネジャー :
「視覚的に理解できるようにしてくれ、と言ってるんだ」


部下 :
「どのようにグラフを搭載したらよいでしょうか」


マネジャー :
「まず新規開拓先のポテンシャルを円グラフで表現してくれ。そして新規開
拓先へのアプロ―チ目標と実績を推移がわかるように、1年単位で棒グラフ
に」


部下 :
「円グラフと棒グラフ……」


マネジャー :
「年間目標と実績は折れ線グラフで表現してくれ。グラフが多すぎても、よ
くわからなくなる。いずれにしてもパッと見てわかるような資料にしてほし
い」


部下 :
「数字の羅列ではダメですか」


マネジャー :
「君は腕時計をしないのか?」


部下 :
「腕時計? 最近は携帯電話で時刻をチェックするようになったので……」


マネジャー :
「腕時計をしているビジネスパーソンほど、時間感覚が備わる。つまりテキ
パキと仕事ができるようになる、と聞いたことはないか?」


部下 :
「確かに、聞いたことはあります」


マネジャー :
「それも、デジタルではなく、アナログ時計でなければダメだ。コンビニに
行ってみたまえ。必ず長針と短針で表示するアナログ時計が壁にかかってあ
る」


部下 :
「……そういえば」


マネジャー :
「品出しで忙しいコンビニの店員が、ひと目で『時間量』を把握できるよう
にした工夫なんだよ。アナログ時計は」


部下 :
「その工夫のおかげで、コンビニの店員はテキパキ仕事ができるんですね」


マネジャー :
「数字の羅列だけを眺めていても、時間の差分を視覚的にとらえることがで
きない。つまり『時間量』を正しく受け止めることができない。だからグラ
フが必要なんだ」


部下 :
「Kさんの行動が、毎月毎月変わらないのもうなずけます」



……グラフをうまく活用することで、

いつまでに、何を、どのぐらいの回数、実行しているのか、すぐにわかるよう
になります。

感覚的にとらえられるようなマネジメント資料や情報システムを活用すること
が重要ですね。

12月の絶対達成セミナーのテーマは「営業マネジメントツール」です。

社内で使用している会議資料や業績管理資料を持参いただければ、個別でレク
チャーします。

ご興味のある方、ぜひお越しください。


■ 絶対達成する営業管理ツールの設計&予材管理概説
【東京 12/8】http://attax-sales.jp/seminar/1780.html
【大阪 12/12】http://attax-sales.jp/seminar/1782.html
【名古屋 12/18】http://attax-sales.jp/seminar/1784.html


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 【17点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

7月から年間1000キロ、ラン&ウォークすることを、私は目標として掲げ
ています。

7月は諸事情があり、100キロの目標をいきなり60キロと、大幅未達でし
たが、

8月は120キロ目標を120キロ。

9月は100キロ目標を100キロ。

10月は90キロ目標を90キロ。

……と、ギリギリではありますが、一応、年間1000キロに向けて、何とか
やっていけている感じです。

私はスマホの「Run Keeper」というアプリを利用して走っていますが、このア
プリがとても秀逸です。

週にどれぐらい走ったのか? 距離や回数、そして目標まであと何キロ走らな
ければならないか、

円グラフや棒グラフで表示してくれます。

今週はサボったので、来週は巻き返さないといけない。出張のときにランニン
グの準備をしなければいけない。週末のボランティア活動の前に、最低でも8
キロはいかない……などと、行動計画の助けをしてくれます。

数字だけを見ていても、どのようにPDCAサイクルをまわしたらいいかわか
りづらいですから、

営業管理も、会議資料やSFAを、効果的に使うことが重要ですね。

ちなみに今月(11月)は、90キロを目標に頑張ります。絶対達成で!

2014年10月31日

「そこまでするか?」と上司に言わせる快感【ミステイク・オン・パーパス】

● 今回のテクニック:【ミステイク・オン・パーパス(9)】

ミステイク・オン・パーパスとは、わざと事実と異なることを言って相手に修
正させ、リーディングする技術。

相手に確認したくても確認しづらい場合などに使うと効果的である。

たとえば、相手に依頼したことでまだ着手さえもされていないとわかっている
場合に、「どうもありがとう、けっこうはやく終わったみたいだね」とわざと
言ってみる。

すると相手は「あ、まだやっていませんが」と素直に答えるだろう。「依頼し
たことをやったのか、どうなのか」と質問するよりも「カド」は立たない。

押しの弱いマネージャにお勧めしたいテクニック。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「11月から私が新しく君の上司となる。よろしく頼むよ」


部下 :
「支店長、よろしくお願いします」


マネジャー :
「私は何事に対しても先入観を持たないようにしている。人にレッテルを張
るのはよくない」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「他人の噂話など、気にしない。自分の目で確認しなければ、わからないこ
とが多々ある」


部下 :
「私もそう思います」


マネジャー :
「前の支店長が言うには、君はなかなかお客様のところへ行かないそうじゃ
ないか。本当にそうなのだろうかと思い、朝からずっと君のことを見てきた
が、出社してからパソコンの画面ばかり見ている。もう11時半だ。いつに
なったらお客先へ出かけるんだ」


部下 :
「13時にアポイントがありますので、その時間に間に合うよう、事務所を
出ます」


マネジャー :
「それで午前中は事務所の中なのか?」


部下 :
「そうですね」


マネジャー :
「前の支店長の言っていたとおりだな。どうも君はお客先へ行きたがらない
性格のようだ。いいか、私が支店長になった以上、行きやすい先ばかりには
行かせないぞ。覚悟しておくんだな」


部下 :
「かしこまりました」


マネジャー :
「返事だけはいいな。最初のうちは厳しく、君も苦労するかもしれないが、
大丈夫だ。半年ぐらいすれば私のやり方にも慣れてくるから」


部下 :
「ところで、決済していただきたいことがあるのですが、新しい支店長にい
えばいいのでしょうか?」


マネジャー :
「おう。私でかまわん。なんだ?」


部下 :
「午前中に、4種類の案件申請書を作りました。目を通していただき、問題
なければ部長に承認申請をお送りします」


マネジャー :
「案件申請書? 確か1000万円を超えなければ案件申請なんてしなくて
いいはずだが……。この支店には別の基準があるのか?」


部下 :
「いえ。同じです。1400万円の案件、1250万円の案件、3070万
円の案件、4700万円の案件の4つです」


マネジャー :
「え? え? え? え? 何それ?」


部下 :
「A社に1400万円の見積りを提示しています。B社には1250万円、
C社には3070万円の案件、D社には4700万円の案件の見積りを出し
ています」


マネジャー :
「な、な……何だって? 見積りを出すのは勝手だが、そんな大規模案件の
見積りをジャンジャン出してしまっていいのか?」


部下 :
「すべて受注できる見通しです」


マネジャー :
「ええっ!? ……確かこの支店の営業の目標は全員2億円だろう? そん
な案件がボンボン決まったら、すぐに達成していまうだろうが」


部下 :
「そうかもしれません。昨年度も目標2億のところ、8億2000万円の実
績でしたから」


マネジャー :
「……え」


部下 :
「明日までに、後2つ案件申請書を作りますので、そちらも目を通していた
だけませんか。2100万円の案件と、4900万円の案件です」


マネジャー :
「き、君のように、お客先に全然行かず、どうしてそんな大規模な仕事がと
れるんだ?」


部下 :
「私は1日に8件の既存顧客の訪問、100件の既存顧客の電話フォローを
しています。新規顧客へは1日22件の訪問です」


マネジャー :
「え……。だって、今日は朝からずっと事務所にいたじゃないか」


部下 :
「この3日間、ほとんど夜中まで客先で作業をしていました。今日も朝の2
時までD社にいました。その後、サウナへ行って仮眠し、そのあと出社した
のです。前の支店長から、案件申請書がたまっているから出しておけと言わ
れたので、先ほどまで資料作りをしておりました」


マネジャー :
「夜中まで客先にいる? しかも毎日?」


部下 :
「私のお客様の工場はだいたい24時間稼働しています。私は日中のほとん
どを営業活動に費やしていますので、お客様にワガママを言って、夜中に現
場の工場を拝見させていただいています」


マネジャー :
「……」


部下 :
「支店長のおっしゃるとおり、やはり現場にいるといろいろな案が浮かんで
きます。工場長などと夜中じゅうに話し込み、どんな提案なら仕事をいただ
けるか一緒に考えてもらっています」


マネジャー :
「家には帰っていないのか?」


部下 :
「1週間に2度ぐらいは帰ります。サウナで仮眠するのに慣れてるから大丈
夫ですよ。それにまだ24歳ですし。30歳までは修行です」


部下 :
「24歳? 24には見えないな……」


マネジャー :
「ああ……。髪をちょっと染めてるんです。少し白髪が混じったほうが、老
けて見えるでしょう? 24歳の若造だと思われると、お客様になめられる
ので」


マネジャー :
「ど、どうしてそこまでするんだ?」


部下 :
「どうしてそこまで……? じゃあ、お聞きしますが、どうしてそこまでし
ないんですか?」


マネジャー :
「え」


部下 :
「今回の支店長も、私と現場まで足を運んでくださるんですよね。ありがと
うございます。以前の支店長からそのようにお聞きしております」


マネジャー :
「え、私が?」


部下 :
「違うんですか?」


マネジャー :
「ええと……」


部下 :
「自分の目で確認しなければ、わからないことが多々ある、と先ほどもおっ
しゃられていました。夜遅くまでお付き合いいただくこともあるでしょうが、
どうぞよろしくお願いいたします」


マネジャー :
「あ、ああ……。ところで、全然お客先に出向かない営業がいると、聞いて
いたが……」


部下 :
「おそらく、それは、私のことではない、と想像しますが」



……圧倒的な結果を出し、

上司から「そこまでするか?」「そこまでやらなくてもいいよ」「どうしたら
そこまでできるんだ」と言われる快感を、

多くの人に味わってほしいと思います。

上司からのそれらの言葉が、「報酬系」と呼ばれる脳の神経系を刺激し、さら
に意欲的になるからです。

(もちろん、体力的に無理なことをする必要はありません)


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 【66点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

今週は、福岡、岡山、仙台……と大規模講演が続いています。

それぞれ「225名」「153名」「69名」の出席者があり、私が名刺交換
した方の総数は、244名(114+102+30)でした。

東京、名古屋、大阪、以外でも、かなりの方が足を運んでくださいます。

本当に嬉しいですね。

大勢の方々のエネルギーをもらい、私の脳の「報酬系」が刺激され、ますます
意欲がアップします。

(阪神タイガーズは残念ながら負けてしまいましたが……)

2014年10月27日

「融通」の利かない人の問題点【ディレイテクニック】

● 今回のテクニック:【ディレイテクニック(10)】

ディレイテクニックとは、怒りを感じたとき、感情に任せて言葉を発しないよ
う、心のなかで別の事柄を思い浮かべて落ち着きを取り戻す方法。

イエスバット法を心掛けようと思っても、自分の感情をコントロールできない
と相手の言葉を「受け止め」にくい。

このためディレイテクニックなどを使って、自分自身を落ち着かせてから反論
する


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「本部長から、やはり来週の会議に出てほしいとのことだ。予定をしておい
てくれ」


部下 :
「え?」


マネジャー :
「ほら、来週の会議だよ」


部下 :
「何を言ってるんですか。本部長自身が出なくていいと私に言ってきたんで
す」


マネジャー :
「そうだけど……。お前に出てほしいんだろ」


部下 :
「出ませんよ」


マネジャー :
「え?」


部下 :
「新しい事業のために、食品業界に絞り込んで新規開拓をしてくれと本部長
は言いました。だから私は昨年の10月から6ヶ月間、毎月60社を定期的
に訪問活動してきました」


マネジャー :
「そう、そうだ。何度も聞いたよ」


部下 :
「ところが、なかなか結果が出ないとわかると、いつまで食品業界にこだわ
ってるんだ、他の業界にも目を向けろと本部長は言ってきました。ですから
今年の4月から他の5業界にも目を向けて、毎月90社、訪問活動を続けて
きました」


マネジャー :
「そう、そうだな」


部下 :
「ところが、なかなか結果が出ないとわかると、本部長は既存顧客をまわっ
ていない私に雷を落としたんです。それが先月末の会議です」


マネジャー :
「そうだ」


部下 :
「お前なんて2度と営業本部の会議に顔を出すな、部長や課長が全員いる中
で言われたんですよ。絶対に、その会議には行きません」


マネジャー :
「君の気持ちはわからないでもないが、わかるだろう。本部長はああいう性
格なんだから」


部下 :
「冗談じゃありませんよ。本部長は言ってることがコロコロ変わるので、私
は言いつけられたこと、すべて文書にして本部長に渡しています」


マネジャー :
「確かに、その……」


部下 :
「本部長と話をしていても会話が噛み合わないんですよ。昔自分が言ったこ
とを忘れて、いま自分が関心あることしか話さないじゃないですか」


(怒)マネジャー :(心の中で)
 カーッと怒りが湧き上がってくるのを抑えようとする。
(クライマックスシリーズ広島戦の阪神先発はメッセンジャー、それに能見
……)


マネジャー :
「そこまで言う必要はないだろう。既存顧客のフォローを一切していなかっ
たという事実は、本部長でなくとも、私だって驚いたよ」


部下 :
「何を言ってるんですか。新規開拓に注力するなら、既存顧客の対応がおろ
そかになるのは当たり前ですし、そのことも本部長に伝えてますよ」


(怒)マネジャー :(心の中で)
 カーッと怒りが湧き上がってくるのを抑えようとする。
(CSファイナルステージの阪神の先発は、藤波、岩田、メッセンジャー、
能見……)


マネジャー :
「君の仕事は目標予算の達成だ。目標がなかなか達成しないから、新事業で
新しい顧客を掴めと本部長が言ったんだ」


部下 :
「ですから、言われたとおりに新事業を一所懸命やってきたじゃないですか。
それは課長だってわかってるはずです」


マネジャー :
「わかってるよ」


部下 :
「新事業のための顧客開拓だけに専念していいんですね、と聞いたら、本部
長はそれでいいと言いましたよ」


(怒)マネジャー :(心の中で)
 カーッと怒りが湧き上がってくるのを抑えようとする。
(ソフトバンクとの日本シリーズの阪神先発は、メッセンジャー、能見…
…)


マネジャー :
「じょ、冗談じゃない。たとえ本部長がそう言ったからといって、君の既存
顧客は45社もあるんだ。そのケアを怠っていいだなんて、あり得ないだろ
う」


部下 :
「本部長に確認してもらいたいですが、本部長と話をしていても、いつも会
話が歪んできます。本部長の頭も歪んでいるんです。ですからもう話もした
くありません」


マネジャー :
「会話が歪んでいるのは君のほうだ」


部下 :
「ええっ!?」


マネジャー :
「思考が歪んでいるのも君のほうだ」


部下 :
「どうしてですか」


マネジャー :
「君は融通が利かなさすぎる。そして表面的な言葉しか捉えていない。本来
の目的を見失っているから、相手の言うことがコロコロ変わっているように
見えるんだ」


部下 :
「……ちょっと待ってくださいよ」


マネジャー :
「本部長の発言は確かにコロコロ変わる。しかしそれは枝葉だ。風が吹けば
枝葉が揺れるのは当然だ。しかし幹はまったくぶれていない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「もっと順応性を高めてくれないと困る。お客様に対する対応も、常に杓子
定規だ」


部下 :
「本部長が揺れるたびに、私も揺れたらいいんですか」


マネジャー :
「揺れるのは枝葉だけだ。違うか」


部下 :
「そう、ですね」


マネジャー :
「枝葉までガチガチに固まっていたら強い風をまともに受けて、根こそぎ倒
れてしまうぞ」



……融通が利かない人は、表面的な言葉のみをとらえ、柔軟性をなくしてしま
う可能性があります。

その言葉の奥にどんな意味があるのか、先を見通す力が失われていくのです。

方針転換を繰り返すマネジャーも問題ですが、それを杓子定規にとらえて批判
するばかりでは、組織の空気はいつまで経ってもよくなりませんね


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 【58点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

ちょうど1ヶ月前に、大阪投資育成のマネジャー特訓コース(6ヵ月間)が終
了し、受講者とともに打ち上げがありました。

そのとき、私が阪神ファンということもあり、タイガースの話で盛り上がりま
した。

「横山先生、ペナントレースはあかんかったですけど、日本シリーズで優勝す
りゃあ、ええやないですか。それで阪神ファンはハッピーなんですわ」

と言い、「ワハハハハハ」と高らかに笑っていた部長さんがいらっしゃいまし
た。

私は「そうですよねェ」と言いながらも、心の中で「日本シリーズで優勝なん
て、1%の可能性もないでしょう」なんて、思っていました。

しかし……

ご存知のとおり、阪神タイガースは無敗で日本シリーズに勝ち進み、宿敵?
ホークスと戦っています。

幼いころから阪神ファンの私には、奇跡? だと思っています。いまだに信じ
られない気持ちでいっぱいです。

タイガースのすべての選手を応援していますが、特に岩田投手には頑張っても
らいたいです。

高校時代から1型糖尿病を患い、1日4回のインスリン注射が欠かせないと聞
いています。同じ病の人たちのためにも応援したいです。

2014年10月23日

あなたは「1秒」で答えられるか?【Iメッセージ】

● 今回のテクニック:【Iメッセージ(14)】

Iメッセージ(アイメッセージ)とは、「私」を主語にして相手の行動を促す
メッセージ。相手が行動することによって「私」がどう感じるのかを言葉で表
現することにより、相手が自主性を失わず承認に結びつく。コーチングの基本
テクニックであり、会話の中にさりげなく織り込むのがコツ。

反対にYOUメッセージ(ユーメッセージ)とは、「あなた」を主語にするメ
ッセージ。例えば「早くやりなさい」「報告・連絡・相談をしっかりしろ」
「きっちりやるように」などである。「私」と「あなた」との繋がりが断絶さ
れているので、相手に抵抗が生まれ、反発が生まれやすい。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「部長、こちらの資料、作っておきました」


マネジャー :
「おう、ありがとう」


部下 :
「うちの課のメンバーにも資料をメールで送っておきます」


マネジャー :
「頼んだよ」


部下 :
「それでは、これから顧客訪問がありますので、失礼します」


マネジャー :
「……ああ、あのさ」


部下 :
「え」


マネジャー :
「今期の君の目標って、いくらだ?」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「今期の君の目標だよ」


部下 :
「ええっと……。今期の目標と言われましても、いろいろあるので、どれを
言えばいいか……わかりませんが」


マネジャー :
「君は、自分の名前が言えるか?」


部下 :
「もちろんです」


マネジャー :
「すぐに言えるよな」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「1秒以内に、自分の名前を言えるはずだ」


部下 :
「そりゃあ、そうでしょう」


マネジャー :
「いわゆる即答ってヤツだ」


部下 :
「自分の名前を聞かれたら、即答できますよ。誰だって」


マネジャー :
「いろいろ名前があるから、どの名前のことを言ってるのかよくわからない、
という事態に陥ることはないよな」


部下 :
「そりゃあ」


マネジャー :
「もう一度尋ねるが、君の今期の目標は?」


部下 :
「ええと、ですから……」


マネジャー :
「君の今期の目標、いろいろない。一つしかない」


部下 :
「いや……。売上とか利益とか、在庫とか、工場の稼働率とか……」


マネジャー :
「時間稼ぎをするな」


部下 :
「時間稼ぎではありませんよ」


マネジャー :
「君の名前はなんだ? と質問されて、『名前と言われても、私の氏名なの
か、子どもの名前なのか、会社の名前なのか、取り扱っている商品の名前か、
わからないじゃないですか』なんて言うヤツはいない」


部下 :
「……」


マネジャー :
「なぜ、そんなに時間がかかる? 君が考える今期の目標を言ってみたま
え」


部下 :
「ええと……。確か10月の営業部会議で予算配分を決定すると言っていた
はずです」


マネジャー :
「その通りだ」


部下 :
「その会議の結果をまだ私は受け取っていません」


マネジャー :
「だから?」


部下 :
「だから……」


マネジャー :
「だから、君はまだ自分の名前を言えないわけだ。1秒以内に」


部下 :
「え……」


マネジャー :
「期の目標と、自分の名前は同じようなものだ。私は、君が連絡されていな
いから知らないと平気で言えることをとても悲しく思う」


部下 :
「……」


マネジャー :
「大切な君の目標だ。自分のほうから取りに来てもらえると、私は嬉しいん
だが」


部下 :
「あ……あの、今期の、私の目標は……」


マネジャー :
「売上目標、2億7000万円だ。前年度より2000万円アップ」


部下 :
「2億7000万円」


マネジャー :
「突然質問されても、1秒以内で答えられるようになってくれると、私はす
ごく嬉しい」



……「目標に焦点を合わせろ、と言われても、どのように焦点を合わせればい
いかわからない」

と、コンサルティング先の営業部長に言われたことをキッカケに思いついたの
が「目標を1秒以内で答えられるか?」という問いです。

にわかに信じがたいかもしれませんが、

自分の目標を「1秒以内」に答えられない営業は、非常に多いのです。

「先日、予算編成会議があったようですが、まだ知らされていません」「確か
予実績管理の資料に書いてあると思うので、確認しましょうか?」

等と、まるで他人事のように言う人がいます。

目標を達成するかどうか以前に、自分の年間目標ぐらい即答できるように習慣
化しておきたいですね。

この「目標に焦点を合わせる」ことの大切さを記した私の処女作『絶対達成す
る部下の育て方』の【第12刷】が、昨日、決まりました。累計4万2000
部です。

2011年12月に発売されてから増刷を重ね、第11刷が13年1月です。

それから実に1年9ヶ月経って、昨日、再び増刷がかかりました。長く売れて
いることが本当に嬉しいです。

私の処女作であり、「絶対達成」&「予材管理」の教科書。

台湾や韓国でも翻訳版が出版されています。今後ともどうぞよろしくお願いい
たします。


■「絶対達成する部下の育て方」
  ――稼ぐチームに一気に変わる新手法「予材管理」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478016828/attaxsales-22/ref=nosim


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 【29点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

「絶対達成する部下の育て方」は、3つのことが書かれています。

「目標に焦点を合わせる」「大量行動」「予材管理」の3つです。私のみなら
ず、アタックス・セールス・アソシエイツが開催するセミナーや研修、コンサ
ルティングの基本中の基本が書かれており、

当社全サービスの「土台」となる書籍です。

この書籍のおかげで、多くの企業で使われるようになった言葉が、

「現状維持バイアスをはずす」「インパクト×回数」「行動をロックする」の
3つ。

私が知っているだけでも、複数の大企業でも流行語になるほど、組織内の共通
語として使われているようです。

中でも、

「現状維持バイアス」という、普段聞き慣れないこの言葉は、本書のおかげで
相当、普及しました。

多くの企業で普通に使われるようになりました。

「絶対達成」とはまた違った意味で、横山の代名詞的な存在となったと思いま
す。

「目標の2倍の予材を積み上げて絶対達成する予材管理のためには、大量行動
が不可欠。圧倒的な数のKPIを設定して行動をロックする。インパクト×回
数で習慣化し、現状維持バイアスをはずす。そうしていると、目標に焦点が合
うようになる……」

これが「絶対達成する部下の育て方」の要旨です。「ツイスター型の営業チー
ム」にするための行動計画のあり方、タスク管理、会議のやり方、ツールの設
計方法等、

「組織営業力アップDVD」1~4までを網羅した内容となっています。

他の「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成する決断力のつけ方」「脱会
議」……等の書籍は、本書からスピンアウトした内容であり、

やはり今でもこの書籍が売れ続けているのは、絶対達成の基本が詰め込まれて
いるからだと思います。

2014年10月20日

「デメリット」を伝える価値とは?【PREP法】

● 今回のテクニック:【PREP法(7)】

PREP法(プレップ法)とは、自身の主張を相手に伝えやすくする話法、文
章術のこと。

以下のような流れで話をすることである。非常に簡単だ。

主張(Point)→ 理由(Reason)→ 具体例(Example)→ 主張(Point)。

はじめと終わりに「主張」または「結論」を持ってくることが秘訣である。

例としては、

「私はこの仕事が好きだ。なぜなら遣り甲斐があるからである。1ヶ月に1回
はお客様から感謝の手紙がもらえるし、先日などは私の手を握ってまで『あり
がとう』と言ってくれるお客様がいた。だから私はこの仕事が好きだ」

「インパクト×回数」が大事。主張はとにかく繰り返すことだ。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「私はすごく部長を尊敬しています。以前、課長だったころに、10年連続
で課の目標を達成させたと聞きました。どの課に異動になっても、すべて達
成。本当に凄いです」


マネジャー :
「ありがとう」


部下 :
「お客様の前で堂々とプレゼンする態度も、本当に見習いたいです」


マネジャー :
「ありがとう」


部下 :
「分け隔てなくフレンドリーに声をかける姿勢がいいんでしょうか、人脈も
多いですよね。酒の席でのお話も上手だし、部長のすべてを盗みたいです」


マネジャー :
「ありがとう。君はいつもそんな風に、人を褒めるそうだな」


部下 :
「決してゴマすりではありません。本心でそう思っているので、ついつい言
ってしまうのです」


マネジャー :
「そうそう。本当にいい奴だ。でも友達は少ない」


部下 :
「そうなんです」


マネジャー :
「営業成績もイマイチ」


部下 :
「そうなんです」


マネジャー :
「どうしてだか、わかるか?」


部下 :
「うーむ……。褒める達人になりたくて、人を見るたびに褒めて褒めて褒め
て褒めまくっているんですが、どうしてもうまくいきません。感情が入って
ないからでしょうか?」


マネジャー :
「じゅうぶん、感情が入っているよ。気持ち悪いぐらい、感情が入ってた」


部下 :
「なら、どうしてでしょうか?」


マネジャー :
「そりゃあ……ほれ、胡散くさいからだろ」


部下 :
「ウサン、クサイ……」


マネジャー :
「褒められて悪い気はしなかったけど、なんかシックリこないんだよな」


部下 :
「そうですか」


マネジャー :
「当社の商品をお客様に紹介するときも、商品をべた褒めするだろ?」


部下 :
「もちろんです! 私は当社の商品が大好きでありますから!」


マネジャー :
「愛社精神があってよろしい。でも、それとこれとは違うんだ」


部下 :
「ああああああ。どうしたらいいんでしょう。努力しているつもりなんです
が、うまくいきません。本音で話しているのに」


マネジャー :
「人と信頼関係を築くためには、お互い腹の探り合いをなくすことが重要だ。
なぜなら相手が何を考えているかわからなければ、人は安心・安全の欲求が
満たされないからだ」


部下 :
「へええ」


マネジャー :
「たとえば、ある企業から私どもの商品を無償で販売する、売れた代金はす
べて渡す、と言われたら怪しいと思うだろう。何か『裏』があると思ってし
まうからだ。しかし、その代わりに当社の顧客管理システムを導入してほし
いと言われたら合点がいくはずだ。だから、人と信頼関係を築くためには、
お互い腹の探り合いをなくすことが重要だ」


部下 :
「なるほど……」


マネジャー :
「うちの部のアシスタントもすごく私のことを褒めてくれる。素直に嬉しい
と感じるのは、『人を惹きつける話術は素敵なんだから、もっと身なりをキ
チンとすればいいのに』と、短所まで言ってくれるからだ」


部下 :
「へえ。短所ですか」


マネジャー :
「そうだ。当社の商品も、9割は長所を言いたまえ。しかし1割は短所を言
えばいい」


部下 :
「9:1の法則ですね」


マネジャー :
「そんな法則があるかどうかわからんが、メリットばかりではなくデメリッ
トも伝えたほうが信用される」


部下 :
「部長、実は前から言おうと思ってたんですが……」


マネジャー :
「なんだ」


部下 :
「口が臭いです」


マネジャー :
「……!」


部下 :
「本音で話しています!」


マネジャー :
「……な」


部下 :
「本当なんです。本当に臭いんです」


マネジャー :
「……お前とはもう2度喋らん」


部下 :
「ええええ。ちょ、ちょっと待ってください。1割の短所を言ったつもりで
すが……」


マネジャー :
「一番気にしていることだ! 私にとっては9割の短所だよっ!」



……相手と信頼関係(ラポール)を構築するためには、「安心・安全の欲求」
が満たされていないといけません。

「安心・安全の欲求」を満たすために、営業はお客様に顔や名前を憶えてもら
おうとすべきですし、

いいことばかりではなく、包み隠さず本音で話すときも必要ですね。


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 【38点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

いつもセミナーでは、「3つの資産」の話をします。「金融資産」「関係資
産」「自分資産」の3つです。

最近、年齢を重ねたせいか、それとは別の「青春資産」について、よく意識す
るようになりました。

先日、日経BP社主催の「180日間特訓コース」の1回目が八ヶ岳山麓でス
タートしました。

久しぶりの晴天に恵まれたせいか、色とりどりの紅葉を目にし、

結婚するまで36回も通い続けた清里のことを思い出しました。そしてここ数
年、感受したことのない強いノスタルジーを覚えました。

また、週末に24年前から続けている知的障がい者のボランティア活動に参加
したとき、10年近くお会いしていなかった保護者の方と再会しました。

以前は、お互い性格の不一致でぶつかり合った仲です。笑顔で再会。そのお母
さんから「私ももう80だがね。少しは変わったでよー」と言ってくださいま
した。

「膝の調子はいかがですか」と聞くと、「腰よりも膝だわ。膝はまあ、言うこ
ときかんでかんわ」と言った後、ガハハと豪快に笑っていらっしゃいました。

楽しいことよりも、ツラいことのほうが多かった時代に築いた資産は、今の自
分の確かなリソースになっています。

また、「青春資産」に投資したいという気持ちになってきました。

2014年10月17日

会議の「スパン・オブ・コントロール」【譲歩の返報性】

● 今回のテクニック:【譲歩の返報性(6)】

譲歩の返報性とは、「返報性の原理」のひとつ。

相手に譲歩することで、相手もこちら側に譲ってくれる可能性が高まる。

相手とペースを合わせる「ペーシング」の基本。

コミュニケーション相手の言い分をまず受け止めることは、こちらの主張をい
ったん飲み込んで譲歩することと似ている。


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● 今回のコミュニケーション例


マネジャー :
「10月から組織風土委員会の委員長になったそうだな」


部下 :
「そうです。どうして私なんかが委員長なのかわかりませんが、任せられた
からには、頑張ってやり遂げます」


マネジャー :
「気合が入っていていいんだが、委員会のメンバーから相談があった」


部下 :
「何ですか?」


マネジャー :
「会議が終わる時間が遅いらしいじゃないか」


部下 :
「ああ……。でも、仕方がないですよ。いろいろな部署から集まってもらっ
ているわけですから、どうしても開始時間が夜の7時を過ぎてしまうんで
す」


マネジャー :
「終わるのは10時過ぎらしいじゃないか」


部下 :
「それも仕方がありませんよ。いつも顔を合わせている同じ部署のメンバー
と違い、いろいろと調整しなければならないこともあるんですから」


マネジャー :
「それにしてもダンドリが悪いと聞いた」


部下 :
「そうでしょうか」


マネジャー :
「もう会議を4回やってはいるが、何も進んでないんだろう」


部下 :
「そりゃあ……個人個人の認識合わせからスタートするので、最初は多少の
時間がかかって当たり前だと思います」


マネジャー :
「毎回、来る人と来ない人の差が激しいらしいな」


部下 :
「そうなんです。メンバーが多いので、毎回、情報共有から始まって……」


マネジャー :
「委員会は何人だ」


部下 :
「14人です」


マネジャー :
「14人!? 多すぎるだろう!」


部下 :
「そうですか? 各部署から2名出してもらってますので、14人になりま
すよ」


マネジャー :
「スパン・オブ・コントロールを超えている」


部下 :
「スパン・オブ……?」


マネジャー :
「『統制範囲の原則』だ。統制できる人数には限界がある。5~6人にしな
いと、統制できないぞ」


部下 :
「5、6人ですか」


マネジャー :
「それだけの人数がいると、意見も出てこないだろう?」


部下 :
「まったく出てきません。たまに質問をしてくれる人もいますが、いつも決
まった人です」


マネジャー :
「それは『社会的手抜き』という現象だ。人が多くなると、どうしても無意
識のうちに手を抜いてしまう」


部下 :
「へええ。部長、いろいろなことをよく知っていますね」


マネジャー :
「前の会社で、徹底的に会議マネジメントを学んだ。会議は、会議中ではな
く、会議と会議の間が勝負だ」


部下 :
「会議と会議の間が勝負?」


マネジャー :
「そうだ。会議と会議の間で、メンバーにどう動いてもらうかですべて決ま
る。『会議マネジメント』と言っても、会議中のファシリテーションの話で
はない」


部下 :
「なるほど」


マネジャー :
「気合が入っているのはいいが、正しい知識を身につけてくれ。君に会議マ
ネジメントを学んでもらいたい」


部下 :
「え……。私が会議マネジメントを、ですか」


マネジャー :
「面倒でも、将来のために覚えておかなければダメだ。そんなに多くのメン
バーに夜遅くまで残業させるわけにはいかない」


部下 :
「ううう……ん」


マネジャー :
「私が会議マネジメントの手ほどきをする。会議の事前準備と、その後のフ
ォローについて年内はしっかりとサポートするから」


部下 :
「え、部長が?」


マネジャー :
「最初は慣れないだろうから、手取り足取りになるだろう」


部下 :
「そこまでしてくださるのなら、わかりました。ぜひ教えてください」


マネジャー :
「とにかく事前準備と、会議の冒頭の挨拶を気を付けてくれ。そして会議後
のフォローだ」


部下 :
「かしこまりました」



……たかが「会議」。されど「会議」です。

場当たり的な会議は、組織の空気を悪くしていきます。

会議の問題ベスト3は、「報告で終わっている」「目的がよくわからない」
「ネクストアクションが決まらない」です。

これらの問題をどう解決するのか、11月のセミナーで詳しく解説します!


■ 絶対達成する営業会議の進め方&予材管理概説
【大阪 11/6】http://attax-sales.jp/seminar/1775.html
【名古屋 11/13】http://attax-sales.jp/seminar/1771.html
【東京 11/20】http://attax-sales.jp/seminar/1763.html

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 【13点】……本日のメルマガ本文に対する横山の「お気に入り度」
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【編集後記】

もう45歳です。

そろそろ髪の毛のことが気になる年頃です。

先日、美容院へ行ってカットしてもらっているときに、私の髪の状態を聞いて
みました。(ちょっと勇気が要りますね)

そうしたら、

「正直言って、めちゃくちゃ髪の量がありますね。白髪もほぼゼロ。この年齢
では珍しいです」

と言われました。

ただ、ケアも必要だと言われましたので、その場でお勧めされるままに、スカ
ルプケア用のシャンプーとか、諸々の商品を買いました。

髪の量が多いので、いつも美容院へ行くと、髪を少なくするために梳(す)か
れます。

そんな私がスカルプケアが必要なのだろうか……。