2013年7月30日

部下と口をきかなくなる上司の心理【好意の返報性】

● 今回のテクニック:【好意の返報性(9)】

好意の返報性とは、人は好意を受けられると、それを返したくなるという習性
のことで、ミラーリング効果ともいう。

相手とコミュニケーションをする際も、好意をもって接するのと、そうでない
のとでは相手の反応も異なる。特に信頼関係(ラポール)が崩れてきたときに
は、「きっと……に違いない」と思い込み、決め付けたような悪意ある物言い
をしてしまうものである。

ニューロロジカルレベルの概念を意識し、どんな相手であろうと、その「アイ
デンティティ」や「価値観」には好意を持ち(承認し)、相手のとった「行
動」にこそフィードバックしたいものだ。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「君は最近、K君と口をきいてないらしいじゃないか」


部下 :
「あ」


マネージャー :
「みんなが心配してる」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「もう1ヶ月ぐらい、話をしてないそうだな」


部下 :
「まァ、はい」


マネージャー :
「どんな理由であれ、ダメだ」


部下 :
「私の話を聞いてもらえませんか」


マネージャー :
「聞かない」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「え? じゃないよ。聞かない」


部下 :
「ちょっと待ってください。上司として部下の話には耳を傾けたほうがいい
んじゃないですか?」


マネージャー :
「わかった。じゃあ、聞こう」


部下 :
「は? ……そうなんですか? じゃ、じゃあ、言いますけど、私がK君と
口をきかなくなったのは、彼があまりに仕事の期限を守らないものですから」


マネージャー :
「よそう」


部下 :
「は?」


マネージャー :
「やはり聞かない」


部下 :
「ど、どうしてですか」


マネージャー :
「君はK君そのものに嫌悪している」


部下 :
「……」


マネージャー :
「K君のアイデンティティに意識をフォーカスしてはならない」


部下 :
「それじゃ」


マネージャー :
「K君の行動にフィードバックしたまえ。相手のアイデンティティを否定し
てはダメだ。K君の価値観や能力、そして行動すべてが気に入らなくなる。
それこそK君が何をしてもすべてが気に食わなくなる」


部下 :
「確かに……」


マネージャー :
「K君そのものには好意をもって接しろ。相手自身を嫌えば、自分も嫌われ
る。返報性の法則だ」


部下 :
「それじゃあ、私にK君を好きになれと言いたいのですか?」


マネージャー :
「君が憎むべきはK君のとった行動であり、K君そのものじゃない」


部下 :
「しかし、K君の行動は、K君そのものがさせているとも考えられません
か?」


マネージャー :
「考えられない」


部下 :
「ええっ!」


マネージャー :
「脳のプログラムは、過去の偶発的な体験のインパクトと回数によってでき
ている。本人の意図した体験は少ない」


部下 :
「……」


マネージャー :
「その思考プログラムを変えるためには、未来における意図した体験のイン
パクトと回数だ。その体験をさせてやるのが君の務めだ」


部下 :
「うーん……」


マネージャー :
「私たちは産まれた後、いろいろな偶発的な体験で思考プログラムができて
いる。それを変えるのは周囲の人間だ」


部下 :
「しつけ、って奴ですか」


マネージャー :
「そう。この前の東アジアカップで大活躍した柿谷選手も、いろいろな記事
を読むと、昔は素行が悪かったそうじゃないか」


部下 :
「ええ。小さな頃から『天才』と呼ばれていても、挫折を味わっているんで
すね」


マネージャー :
「柿谷選手の周りに、彼のことが気に食わないからといって、口をきかない
大人ばかりだったら、彼はどうなっていたと思う?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「部下が気に食わないからといって、口をきかなくなるだなんて言語道断だ。
もっとぶつかっていけよ。それが相手に対する優しさじゃないか」



……人間の5階層の意識レベルを表現した体系を「ニューロロジカルレベル」
と呼び、

「アイデンティティ」「価値観」「能力」「行動」「環境」の5階層がどのよ
うに相互連携しているかわかりやすく説明しています。

「ニューロロジカルレベル」のことは「絶対達成する決断力のつけ方」に書か
れています。

「アイデンティティ」は肯定しても否定してもインパクトが強くなり、「決
断」にもおおいに関わってきます。


■「絶対達成する決断力のつけ方」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478023980/attaxsales-22/ref=nosim


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【編集後記】

先日のメルマガに書いたコラム、

仕事を「先送り」せず、すぐやる習慣を身に着ける考え方

は、とても反響がありました。

ただ、本メルマガの読者にはよくても、ツイッターやフェイスブックで拡散さ
れると、さまざまな反応が出てくるようです。

「絶対達成マインドのつくり方」の編集者が私に言ったとおり、やはりちょっ
と「厳しい」内容なのかもしれません。

私は決して厳しいとは思わないのですが、それが世間一般の受け止め方である
と知ることは重要なことだと思います。

● 仕事を「先送り」せず、すぐやる習慣を身に着ける考え方
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20130725-00026735

2013年7月26日

仕事を「先送り」せず、すぐやる習慣を身に着ける考え方

おはようございます、「メルマガ草創花伝」の横山信弘です。


「絶対達成マインドのつくり方」を執筆中に、編集者から、「このネタは厳し
すぎます」と言われ、お蔵入りしたネタがあります。


それが今回ご紹介する「すぐやる習慣を身に着ける考え方」。


「コラム草創花伝」に掲載しました。


とても短いコラムですが、後半、横山節が炸裂します。確かに横山を知らずに
読むと「ギョッ」とするかもしれません。


● 仕事を「先送り」せず、すぐやる習慣を身に着ける考え方
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20130725-00026735


どうぞよろしくお願いいたします。




以上

2013年7月25日

これまでのメルマガで1、2を争うほどインパクトある内容【アンカリング効果】

● 今回のテクニック:【アンカリング効果(11)】

アンカリング効果とは、最初に示された情報が頭に残り、その後の判断に影響
を与えることを言う。

このアンカリング効果を利用し、相手の発言を誘導させるテクニックを使う。
逆に影響を与えさせないようにするためには、他者の意見に左右されないよう、
いっせいに紙に書かせるなどのテクニックが有効だ。

※ しっかりアンカーさせるためには、冒頭に有無を言わせないような態度と
裏づけのある事実をもって説明するとさらに効果的である。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「このメルマガ『草創花伝』って、いつもマネジャーと部下の会話形式で書
かれてますよね?」


マネージャー :
「ああ、確かに」


部下 :
「課長も読んでますか?」


マネージャー :
「読んでるよ、たまに」


部下 :
「それで、いつもダメな部下が出てくるじゃないですか」


マネージャー :
「そうか?」


部下 :
「そうですよ」


マネージャー :
「年に1、2回は、ダメなマネジャーも出てくるぞ」


部下 :
「え、そうなんですか?」


マネージャー :
「読者から『たまにはダメなマネジャーも登場させてください』というリク
エストがあって、横山氏がそれに応えたんだ」


部下 :
「そのメルマガ、読み飛ばしました。ダメなマネジャーが出てくるときもあ
るんですか」


マネージャー :
「ある。珍しいが」


部下 :
「もっとダメなマネジャーを登場させたほうがいいと思いますよ。いまや2
万1千人も読者がいるわけですから、部下の方々もたくさん読んでいるでし
ょう」


マネージャー :
「そうかな」


部下 :
「え」


マネージャー :
「曖昧な表現はやめたほうがいい。このメルマガの読者の属性を調べれば仮
説を立てることができる」


部下 :
「属性?」


マネージャー :
「わかってることは、読者の年代と性別だ。一番多いのが40代。読者の4
0%を占める」


部下 :
「ええ! このメルマガ読者の40%は40代の人なんですか?」


マネージャー :
「そう。ちょうど横山氏と同世代ということだ。30代が30%で、50代
が15%」


部下 :
「そうなんですか」


マネージャー :
「60歳以上の読者も含めると、40歳以上が60%になるから、『部下』
の立場の人がメルマガの読者である可能性はけっこう低い」


部下 :
「30代が30%ってことは、20代の人はほとんどこのメルマガを読んで
いないってことなんですね?」


マネージャー :
「そう。10%程度だ」


部下 :
「なるほど……」


マネージャー :
「横山氏は若い部下に向けたメッセージも書きたいだろうが、現状の読者層
を考えると、書いてもほとんど反響はないだろう」


部下 :
「へえ」


マネージャー :
「ちなみにもっと残念なデータがある」


部下 :
「ひょっとして性別?」


マネージャー :
「そう。このメルマガ読者の84%が男性だ。つまり、一般的な企業の男性
管理職にフォーカスしたメルマガになっている」


部下 :
「それは意図的にやってきたんですかね」


マネージャー :
「『男性読者が圧倒的に多いんですよ』と、横山氏は寂しそうに言っていた
ので、おそらく戦略ではないのだと思う」


部下 :
「ほう」


マネージャー :
「ちなみに横山氏は、意外と何も考えていないよ」


部下 :
「え! そうなんですか?」


マネージャー :
「5年以上も前にメルマガを書きはじめたとき、最初に本人が決めたことは、
とにかく『続ける』ということ。そして『続ける』ためには、自分が書いて
いて楽しいと思えるスタイルで書くこと、だったらしい」


部下 :
「それで、会話形式のメルマガにしたってことですか」


マネージャー :
「まァ、そうじゃないの」


部下 :
「ところで、昔から疑問に思っていたんですけど、このメルマガって本当に
横山さんが書いてるんですか?」


マネージャー :
「え」


部下 :
「だって、よくこんなにネタが続くな、と思って……」


マネージャー :
「というか、横山氏以外で、誰が書けるんだ、こんなメルマガ……。いや、
このようなメルマガを」



……今回のメルマガは、これまで出してきたメルマガの中でも、1、2を争う
ほどインパクトがあると思います。

それはなぜか?

何気ない会話の中にトラップが仕込んであるからです。

本文を読むと、このメルマガの読者は、「一般企業の男性管理者が圧倒的多数
を占めている」というファクターがイヤでも頭に入ってきます。

すると、読んだ人の頭の中にアンカーが下ります。

つまり「アンカリング効果」が働き、このメルマガに対する「一般化」、要す
るに「レッテル」が貼られることになるのです。

今後、このメルマガに対する印象を変えてしまう人も多いことでしょう。

本文に書いた数字はトラップ。それが事実かどうかは伏せておきます。

しかし、このように、何らかの数字で物事を表現されると、その物事に対する
印象が大きく変わることがあります。

「アンカリング効果」は使いようによっては、強力なトラップになりうるので
す。

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【編集後記】

ヴァン・ヘイレンの来日コンサートに行って以来、学生時代によく聴いた曲と
再び触れてみたいと思うようになりました。

ごく最近、ランニング中に聴くようになったのが「デフ・レパード」。

ものすごく懐かしいです。

「ボン・ジョヴィ」も聴きはじめました。

「モトリークルー」や「ガンズ・アンド・ローゼズ」「ホワイトスネイク」
「スキッドロウ」など、

当時はかなりミーハーでしたので、こういうロックバンドの曲ばかり聴いてい
ました。

20年ぶりぐらいに耳にすると、懐かしくて涙が出てきます。

「ボン・ジョヴィ」の次は、「ブルーマーダー」をスマホに入れて持ち歩こう
かと考えています。

2013年7月22日

新奇性を重んじる人の心理【サンクコスト効果】

● 今回のテクニック:【サンクコスト効果(11)】

サンクコスト(埋没費用)とは、既に支出(投資)された費用のうち回収不能
なもののことである。

サンクコスト効果(塹壕効果)とは、せっかく支出(投資)したのだから無駄
だとわかっていても計画を続行してしまう心理的傾向を言う。

要するに「諦めきれない」心理のことである。「コンコルドの誤謬」はまさに
歴史上最も有名な「サンクコスト効果による誤謬」と言われている。

投資を継続することにより損失が増大することが目に見えているにもかかわら
ず、これまでに費やされた費用と労力を惜しむあまりにコンコルドの開発を中
断することができなかった。

このサンクコスト効果を活用したコミュニケーションテクニックを考える。

つまり「すでに費用と労力が十分に費やされている」ことを強調することで、
相手の行動改革を促す。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「ナイアシンって知ってますか?」


マネージャー :
「ナイアシン?」


部下 :
「夏バテ防止にいいそうです」


マネージャー :
「ナイアシンって何だ。食べ物か?」


部下 :
「エネルギー源である炭水化物を消化するには、ビタミンB1とB2が必要
だそうで、それを積極的に採ってたんですが、ナイアシンにもそのような働
きがあるそうです」


マネージャー :
「はァ?」


部下 :
「炭水化物をとっても、正しく消化しないと疲労物質になる脂肪や乳酸が増
えるだけだって」


マネージャー :
「……」


部下 :
「豚レバーとかけっこうナイアシンを含んでるそうです。レバーをもっと食
べないといけないんじゃないかなァと思うんですが。あとブリとかサバ」


マネージャー :
「またか」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「いろんな情報を仕入れては試そうとする」


部下 :
「ええ、まァ……。知的好奇心が旺盛ですから」


マネージャー :
「効果があるのか?」


部下 :
「うーん、なんかダルいです。なかなか夏バテは治りません」


マネージャー :
「しょうがないな」


部下 :
「そりゃ、そうですが」


マネージャー :
「君はそうやって知識を得て満足しているだけだ。物事を足してばかりいる
と、やった気にはさせてくれるが、効果を実感させてもらえない」


部下 :
「……」


マネージャー :
「やった気になるだけだ。くどいようだけど」


部下 :
「確かに……」


マネージャー :
「目新しい情報を手に入れて喜ぶのはよせ。新しい情報を手に入れたら試し
たくなる。そこに費やした労力を回収したくなるからだ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「サンクコスト効果だ。何か興味を持ち、調べる。今はインターネットの時
代だからすぐに調べられる」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「調べた時間はコストだ。そのコストをどうしても回収したくなるから、ま
たさらに時間を費やすことになる」


部下 :
「うーん」


マネージャー :
「夏バテ防止策なんて、だいたい誰もがわかってる。目新しい技術なんて要
らない」


部下 :
「どういう対策ですか。聞かせてください」


マネージャー :
「睡眠だ。それに汗をかくこと。適度に運動しろ。風呂に入れ。冷たいもの
を飲むな」


部下 :
「ああ……」


マネージャー :
「すでに知ってる内容ばかりだろう? 君みたいに新しいもの好きな人間に
は退屈なノウハウかもしれないが、人間の体は進化していない。昔から言わ
れていることはだいたい正しい」」


部下 :
「新しい情報を知ると嬉しくなっちゃって……」


マネージャー :
「ネットで検索ばかりしてるだろ。そうすると夜更かしする」


部下 :
「はい。課長が言うように、ネットで検索ばかりしていると睡眠不足になり
ます」


マネージャー :
「しかも毎日遅くまで残業してる。はやく帰って適度に運動し、30分ほど
ゆっくり風呂に入って、しっかり寝ろ」


部下 :
「足し算より、引き算ですね」


マネージャー :
「そうそう。足し算すると、何かやってる気がするけれど、本当に効果があ
るのは、だいたい引き算して導き出した解決策だ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「君のように知らず知らずのうちに新奇性を重んじる人は、消費社会に欠か
せない存在だが、ほどほどにしておいたほうがいい」



……精神的にも不安材料があると、夏バテは解消されませんね。

私にとって、最も効果のある精神安定剤は「目標達成」です。

「今期も目標が達成する」とわかっていると心に平穏が訪れます。

「来期も間違いなく目標は達成する」とすでに把握していると、さらに気持ち
は晴れやかになります。

目標の「絶対達成」が心に余裕をもたらし、体調も整えてくれますね


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【編集後記】

私は今年になってから、心境の変化がありました。

それは服装に関することです。

最近、ランニングが習慣になり、たまにマラソン大会にも出るようになったせ
いか、

スポーツウェアを着用することがとても多くなりました。

週末、外へ出かけるときはだいたい「トゥモローランド」というブランドの服
を着ることが多く、

ちょっと「小ぎれい」に見えるよう心がけていました。(私はセンスがないの
で、100%妻のコーディネートです)

ところが最近は、もっぱらスポーツウェアです。

特に「アディダス」のウェアで上から下までコーディネートしています。

昨日(7月21日)日曜日は、20年以上続けている知的障がい者のボランテ
ィア活動がありました。ここへもアディダスのランニングシャツとウィンドパ
ンツというスタイル。

とても動きやすいし、心もアクティブになります。

以前は「ジャージ」のようなルックで外出するのはいかがなものか。ちょっと
だらしくないか、という先入観があったのですが、

最近のスポーツウェアはファッション性が高いせいか、抵抗がなくなってきま
した。

家にいるときも、だいたいスポーツウェアを着ています。

ミーハーなので、新作のウェアが出ると買ってしまいます。気持ちがアクティ
ブになり、動きたくなります。汗をかきたくなります。

「元をとりたくなる」からですね。

これはサンクコスト効果がポジティブに働いた好例だともいえます。

2013年7月19日

本当の「優しさ」とは?【マイ・フレンド・ジョン】

● 今回のテクニック:【マイ・フレンド・ジョン(9)】

マイ・フレンド・ジョンとは、「話し手」の知人や知人を介して聞いた話、も
しくは「一般論」の中に、相手をイメージ誘導させたい内容を意図的に含ませ
る方法。

他人の体験も、自分の体験のように聞こえてしまい、「話し手」が直接的にリ
ーディングせずとも相手を誘導できる、説得技術。

「お客様の声」というのは、まさに「マイ・フレンド・ジョン」の典型例。

相手との深い信頼関係(ラポール)が必要であることが前提である。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「6月に新しく赴任した支店長、かなりアグレッシブのようです」


マネージャー :
「ほう……」


部下 :
「好き放題、仕事をしていたスタッフの業務をすべて棚卸しし、役割分担を
徹底させたようです」


マネージャー :
「そりゃ、頼もしい」


部下 :
「そうしたら、17人いる支店スタッフのうち、3人は余剰人員だとわかっ
たそうです」


マネージャー :
「3人も? 面白い結果だな」


部下 :
「残業も休日出勤も基本的にゼロに押さえ、それでも業績をこれまでの20
%アップを目標にしているようです」


マネージャー :
「アグレッシブだな」


部下 :
「とはいえ、現場からは、かなり反発があるようです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「新しい支店長はまだ36歳。その点、スタッフの半分以上が40から50
代ですし、荒療治はすべきじゃないと思いますが、いかがでしょう?」


マネージャー :
「半分以上が、40から50代、か」


部下 :
「ええ。これまでのやり方を突然、変えようとしても、ついてこられない人
もいると思います」


マネージャー :
「ああ、そういえば」


部下 :
「はい?」


マネージャー :
「A商事のS副社長のお見舞い、行ったか?」


部下 :
「い、いえ。どうかされたんですか?」


マネージャー :
「膝が半月版損傷で、入院されている」


部下 :
「そう、ですか。知りませんでした……。今度の土曜日にでも顔を出してお
きます」


マネージャー :
「ずいぶんと回復しているようだけど」


部下 :
「リハビリが大変でしょうね」


マネージャー :
「手術した当日からリハビリだったらしい。副社長が言っていた、リハビリ
の先生が鬼に見えたって」


部下 :
「うわー……」


マネージャー :
「術後、数日間は、気が狂うほど痛みがあったそうだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「それでもリハビリの先生はまるで意に介さず、淡々と指導を続けたらし
い」


部下 :
「どういう神経してるんでしょうねェ。他人が痛がっているのを見るのが楽
しいんでしょうか」


マネージャー :
「手術してすぐにでも動かさないと、もう二度と以前のように歩けなくなる
可能性があるからだ」


部下 :
「!」


マネージャー :
「副社長はもうかなり歩けるようになった。今じゃあ、その先生が仏様に見
えると仰っていた」


部下 :
「……」


マネージャー :
「本当の優しさって、なんだ?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「目の前の相手にいい顔してもらうことなのか? それとも、未来の相手に
素晴らしい笑顔をしてもらうことなのか? 本当の優しさって何だ?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「あの支店は、もう閉じようと思っていた支店だ。今のスタッフが、あの支
店をまったくダメにした。そんなスタッフから反感があるからといって、動
じることはない」



……先日、ある金融機関の経営者から聞いた話をアレンジして本文を書いてみ
ました。

半月板損傷の手術を受け、その当日からリハビリをしたそうですが、しばらく
は地獄の日々だったそうです。

ただし、すぐにリハビリをしなければ、今は歩くこともできなかっただろうと
思うと、

当時リハビリに付き添ってくださった看護士さんには。たとえようもないほど
の感謝の気持ちでいっぱいだ、と仰っていました。

その方もコンサルタントです。

私たちコンサルタントはクライアントから煙たがれたり、憎まれ口をたたかれ
たりることもありますが、

職業柄、そこは避けて通れないのだと認識しています。

「絶対達成マインド」を鍛えませんか? 厳しいですが、年間を通じて、最も
人気のあるセミナーがこちらです。


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【編集後記】

昨今、つくづく「量」だなと思います。

「量」をこなしていない人の話を聞くと、いかに「上っ面」で話しているか、
すぐわかります。

やはり気が合うのは、「コンサルタント」と呼ばれる人たちです。

しかもクライアントの財務を見ている人たちとは、意気投合します。

当社のコンサルタントたちもそうですが、膨大な「量」のクライアントを支援
してきた人が発する言葉は違いますね。

どうすればうまくいくか、どうすればうまくいかないか。

セミナーや講演など、講師業だけをやっている人たちとは、まったく違います。

私も現場でのコンサルティング経験をもっともっと大事にしたいと考えていま
す。

2013年7月16日

顧客の「新陳代謝」について【ノーセット】

● 今回のテクニック:【ノーセット(19)】

ノーセットとは、相手(部下)が必ず「ノー」と答える質問を繰り返し、「反
意」を促す手法。イエスセットとは正反対の手法だが、目的は同じ。コミュニ
ケーションをコントロールすることである。

打合せをはじめる冒頭に3、4回(2回程度では少ない)必ず相手が「ノー」
と答える質問を繰り返し、そのまま本題に入ると効果的と言われている。

こちらの意思とは正反対のことを言い、相手に否定してもらわなければ成功し
ないため、場数を踏んで経験を積み重ねることが非常に難しい。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「それにしても今年は涼しいな。冷夏だと聞いたけど、本当か?」


部下 :
「何を言ってるんですか。めちゃくちゃ暑いでしょう。信じられないこと言
わないでください」


マネージャー :
「梅雨も長かったしなー。異常気象なんだろうか」


部下 :
「全然、梅雨は長くなかったです」


マネージャー :
「夏は暑いほうがいいだろう。スカッと爽やかな気分になるし」


部下 :
「爽やかな気分にはならないと思いますよ」


マネージャー :
「ところで君、君は既存のお客さまを150社ぐらい持ってるだろう?」


部下 :
「150社……? とんでもないです。取引がある会社は30社程度ですよ。
しかもそのうち半分は、小額の取引ですし」


マネージャー :
「そうか。30社でもかなり多いだろう?」


部下 :
「いえいえ、とんでもない! 30社だけではとても目標の数字をクリアで
きそうにありません」


マネージャー :
「目標なんて、あくまでも目標だろう? そんなに無理することなんてない
さ」


部下 :
「何を言ってるんですか。信じられません。目標は達成させるためにあるん
ですよ」


マネージャー :
「ほう。目標は達成させるためにあるのか」


部下 :
「当たり前です。30社では足りないので、もっと自分のお客様を増やす努
力をします」


マネージャー :
「そうか。頼もしいねェ」



……私たちの給料がずっと現状維持するかどうかわからないのと同じように、

既存の取引先との関係が、ずっとそのまま未来永劫続くとは限りません。

リスクを回避するために、どのような事業もお客様の新陳代謝を考えるべきだ
と考えます。

既存のお客様を大切にしつつも、新しいお客様を開拓し続けるべきです。

双方の活動はトレードオフの関係にないので、経営を安定化させるために、し
っかり両立させたいですね。

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【編集後記】

最近、とても気になることがあります。

私どもがお伝えしているメッセージを間違って理解している方が多い気がする
からです。

そのメッセージとは「超・行動」「大量行動」のことです。

目標の「絶対達成」などと聞くと、皆さん、気合や根性を入れた話のように受
け取りがちですが、

実際に私たちのメソッドを使い、安定的に結果を出せるようになったチームは、
肩の力を抜いて営業活動をしています。

管理もほどほど。

会議や資料作りにおわれることも、ほとんどありません。

力を抜くときは抜き、力を入れるときは入れる。

そのときに必要な考え方は、やはり「2ミニッツ営業」です。

「大量行動」して「単純接触効果」を狙えと聞くと、無理やりお客様のところ
へ用事を作って訪問しはじめる人がいます。

それはやめましょう。

疲れるからです。

誰が?

もちろん営業、ご本人が、です。

何らかの見返りを期待してお客様のところへ足を向けると逆効果。「単純接触
効果」を狙うことができません。

確かに、2分間の「顔出し」をし続けていると、仕事をした気分にはならない
でしょう。

会社で資料を作ったり、無駄でも会議に明け暮れているほうが、仕事をした気
分になります。

しかし、「仕事をした気になる」ことと「効果がある」こととは違うのです。

相手とラポールが構築されてもいないのに、いろいろなネタを持ち込んで一所
懸命に話しても、相手は聞いてくれませんし、うっとうしいという表情をされ
るだけ。

長続きできない活動は、体力を奪っていきます。

抜くときは抜く。気張るときは気張る。

このメリハリが、安定的に結果を出すために必要なことですね。

単純接触効果を狙う「2ミニッツ営業」は、習慣化さえすれば、力を抜ける唯
一の営業活動です。

そのために、もっと「2ミニッツ営業」を理解して欲しい。

「2ミニッツ営業」は、日経BP社のムックにのみ掲載されています。

【参考図書】営業目標を絶対達成する 「超・行動」実践ガイド
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822274136/mysterycon0c-22/ref=nosim

ジャスト1000円。全ページカラーのムックですから読みやすいです。

ご参考まで。

2013年7月8日

営業に向いている血液型? ブラッドタイプハラスメント【時間的フレーミング】

● 今回のテクニック:【時間的フレーミング(12)】

時間的フレーミング(テンポラルフレーミング)とは、時間の単位を変えて表
現することにより、敢えて物事の捉え方を変えさせることをいう。

大きな期間で表現するよりも、小さな時間の単位で伝えたほうが、より具体的
で身近に感じられるため説得効果が高まる。

会議の終了間際にコミットメントをとる場合に使うと、非常に有効である。誰
でも簡単に使えるテクニックであり、セルフコーチングにも役立つ。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「単純なことを複雑に考える奴はバカで、複雑なことを単純に考える奴が賢
い——。この前。稲盛和夫さんの名言を紹介した」


部下 :
「はい。私ももっとシンプルに考えよう、難しく考えすぎるなと、部下に言
い続けています」


マネージャー :
「そう」


部下 :
「ところで部長の血液型は何ですか」


マネージャー :
「は?」


部下 :
「興味があるんです」


マネージャー :
「何の話だ」


部下 :
「同僚の間で、営業に向いている血液型は何だろうという話で盛り上がって
るんです。昨年、営業成績がよかった人たちの血液型を調べ、分析している
ところです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「参考までに、部長の血液型をお聞きしたいと」


マネージャー :
「えーっと……。その話はいいとして、今度の経営会議で社長に伝えなけれ
ばならないことがある。代理店との同行を積極的に取り組もうという話があ
った」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「年内に、どの状態にまで持っていくつもりだ」


部下 :
「代理店との良好な関係を築くつもりです」


マネージャー :
「そういう曖昧な表現はやめろと言ってるだろう。代理店と良好な関係を構
築するのは、エンドユーザーへの直接アプローチができるようになるため
だ」


部下 :
「え、あ……はい」


マネジャー :
「エンドユーザーへの直接アプローチの件数で表現したまえ」


部下 :
「それはちょっとハードルが高いのでは」


マネジャー :
「何を言ってるんだ。年初から社長が何度も言っていたことだろう。代理店
の与信問題もある。わが社が代理店を経由しなくともエンドユーザーへアプ
ローチできるようにならないと、お客様の声を間近に聞くことができない」


部下 :
「はい」


マネジャー :
「これは喫緊の課題なんだ」


部下 :
「それでは、代理店を経由せずにエンドユーザーへ訪問できる確率が現在の
ところ10%ですので、これを年内に30%まで引き上げます」


マネジャー :
「そのために、代理店の営業との同行をするんだろう。その件数は?」


部下 :
「月間、50件は何とかしたいと思います」


マネジャー :
「同行営業はあくまでも代理店との関係を構築するための行為だ。それじゃ
あ、通常の営業活動は月に何件やる?」


部下 :
「それも50件ぐらいは、したいと思います」


マネジャー :
「……」


部下 :
「あ、あの……」


マネジャー :
「もしかして思考停止してるか?」


部下 :
「そ、そうかもしれません」


マネジャー :
「本来の仕事である営業活動と、代理店と関係を構築するための同行営業が
同じ件数でいいはずがないだろう?」


部下 :
「それじゃあ、代理店との同行営業の数を減らします」


マネジャー :
「年内の目標はどうするんだ?」


部下 :
「それは変えられません。何とか、代理店を経由しなくともエンドユーザー
へ直接アプローチできる確率を30%ぐらいまでは、最低でも引き上げない
と」


マネジャー :
「だったら、通常の営業活動の件数をもっと膨大な量にしないと、数が合わ
なくなるだろう。これでは堂々巡りだ。頭の整理ができているか」


部下 :
「……申し訳ありません。頭の整理が、で、できていない気がします」


マネジャー :
「血液型の性格診断というのは、日本社会ではけっこう一般的だが、世界で
見たら、ほとんどの国で信じられていない」


部下 :
「ええっ! そうなんですか?」


マネジャー :
「まさか、はじめて知ったのか?」


部下 :
「世界の常識かと」


マネジャー :
「バカ言え。血液型で人の性格が決まってたまるか。あんまり血液型で人の
性格について言及していると、差別とか嫌がらせだと言われるぞ」


部下 :
「差別って」


マネジャー :
「ブラッドタイプ・ハラスメントだ。気をつけろ。外国へ行って、血液型と
か聞くんじゃないぞ」


部下 :
「知りませんでした」


マネジャー :
「とにかく、営業成績と血液型との因果関係なんて調査するな。そんなこと
より、君はもっと考えるべきことがある」



……「逆算思考」を手に入れるために、この「テンポラルフレーミング」は、
非常に役立つテクニックです。

期間の単位を変えることで、いま自分が何をすべきか、理解しやすくなります。


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【編集後記】

先週土曜日(7月6日)、名古屋の庄内緑地公園で小さなマラソン大会があり、

私も参加して10キロ走りました。

5月3日のマラソン大会のときから、どうも右足の「くるぶし」の辺りが痛む
ので、

今回は無理をせず、完走だけを目指しました。

とはいえ、スコールのような通り雨が降ってくるほど暑い日です。

うだるような暑熱のなか、結果として「完走」はできたのですが、けっこうキ
ツイ大会となりました。

夕方4時45分スタートだったのですが、夕刻とはいえまだ日差しが強く、気
温も30度オーバー。

体がこれだけの暑熱に慣れていないのが一番の問題です。走っている最中、何
度も頭が朦朧としました。

レースの途中、2、3人の方が倒れ、救急車が出動するシーンもあるなど、意
外と過酷な大会だったんでしょう。

閉会式がはじまっても、地べたに座り込んだまま立てないランナーばかりでし
た。

しかし、完走した後に感じる高揚感は、何ものにも変えられない感覚です。

翌日、さっそく宮城県の松島で行われる「松島ハーフマラソン」へエントリー
しました。10月です。

http://matsushima-half-marathon.jp/


ところで先日、6月28日に私は44歳となりました。

「絶対達成する決断力のつけ方」にも書きましたが、節目の日は「ストレス耐
性」が高いので、こういった節目の日に、思い切った決断がしやすい。

ですから

私は年間1000キロ「ウォーク&ラン」することを宣言しました。

「ウォーク」も含まれているため、一般的にはたいした距離ではないのですが、
私にとっては現状の2倍以上の距離。

かなり考え方を変えないと実現は難しいです。

私は現在、【1週間に20キロ】を目指して走る計画を立てています。

妻も月間100キロを目標に走っていますが、妻の場合は【3日で10キロ】
です。

テンポラルフレーミングの考え方からすると、やはり【1週間に20キロ】よ
りも【3日で10キロ】を目標にしたほうがいいですね。

細かい期間で刻んだほうが、自分にプレッシャーがかかる回数が増えるからで
す。

ほぼ毎日のように出張している私は、出張先でいかに走るか、が勝負の別れど
ころとなりそうです。

出張先で、7〜8キロぐらいは常に走っていたいです。(週末は意外と走れな
いので)

2013年7月5日

意味を成さない質問が多すぎる【エレン・ランガーの循環論法】

● 今回のテクニック:【エレン・ランガーの循環論法(6)】

「それらしき理由」がある場合、人は説得されやすくなる。これを証明したの
がエレン・ランガーであり、エレン・ランガーの循環論法とも言う。

循環論法とは、結論の真理が前提の真理に依存し、その前提の真理はそのまた
前提の真理に依存する……。というように、AだからBであり、BなのはCだ
からであり、CなのはAだからである……というように、論拠がぐるぐる循環
していること。

思い込みが思い込みを呼び、頭をどんなにひねっても、その思い込みの根拠が
別の思い込みによって証明される場合、解決しようがない。

ここで紹介するランガーの循環論法は、少し乱暴な説得技術のように聞こえる
が、人間は説得される「理由/証明」を探しているのかもしれない。

「コピーをとらせてもらえませんか?」

と聞くと60%の承諾率だが、

「コピーをとらないといけないので、コピーをとらせてもらえませんか?」

と質問すると承諾率は93%に跳ね上がる。「理由」になっていなくても、
「それらしき理由」があれば、人は説得されやすくなる。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「部長、今度の方針発表会のあと、質疑応答の時間をつくりたいと思います
が、どれぐらいがいいでしょう? 30分ぐらいですか」


マネージャー :
「質疑応答なんて必要ない」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「だいたい、質疑応答の時間をつくる理由はなんだ? その論拠は?」


部下 :
「はい。今回、部長が発表される部内方針は、けっこうハードルが高いもの
だと思います。ですから、みんなの腹に落とさせるには、質疑応答の時間が
あったほうがいいと思ったのです」


マネージャー :
「それでは、論拠になってない」


部下 :
「え」


マネージャー :
「だいたい、誰がハードルが高いと言った?」


部下 :
「ハードルは高いですよ。新規事業の営業利益を5億まで引き上げるという
方針じゃないですか。昨年まで2年連続で赤字の事業です。かなりハードル
が高いですよ」


マネージャー :
「前から言おうと思っていたけど、君はコミュニケーション力が低いな。私
の質問にまず答えろ」


部下 :
「えっと……」


マネージャー :
「私の質問を忘れたのか?」


部下 :
「ええ……。誰が、ハードルが高いと言った、でしたっけ?」


マネージャー :
「そう」


部下 :
「いや、その……。誰が、ということではなくてですね。誰だってそう思い
ますよ」


マネージャー :
「私の質問に答えられないなら、君の要望も聞かない」


部下 :
「ちょ、ちょっと待ってください。それでは、部員にアンケートをとってみ
ます。今回の方針はハードルが高いか、低いか、と……」


マネジャー :
「君はバカか? 自分が言ったことを証明したいがためにアンケートをとる
のか? ハードルが高いと聞かれたら『ハードルは高いです』と答えるだろ
う。なぜかわかるか?」


部下 :
「あ、いえ……」


マネジャー :
「ハードルが高いですか、と質問されたからだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「意味がわかるか? 相手にネガティブな言葉を出させることによって、思
考もネガティブになっていくし、逆もしかり」


部下 :
「じゃあ、ポジティブな言葉を出させればいいと……」


マネジャー :
「もちろんそうだが、そういう雰囲気でなければ、あえて何もしなくていい。
本当は必要のない言葉を出すことで、思考がねじれていく」


部下 :
「……」


マネジャー :
「君はね、難しく考えすぎだ」


部下 :
「そ、そうでしょうか?」


マネジャー :
「言うじゃないか。頭が悪い人は、シンプルなものを複雑にとらえ、頭が良
い人は、複雑なものをシンプルにとらえるって……」


部下 :
「うーーーん。私はどうしても、複雑に考えてしまいます……」


マネジャー :
「質疑応答の時間をとったって、誰からも質問は出ない。だから司会者の君
がいつも煽るじゃないか。『この際だから部長に質問してください』って」


部下 :
「ああ、確かにそうですね」


マネジャー :
「すると出てくる質問は適当なものばかりだ」


部下 :
「そうでしょうか?」


マネジャー :
「『それではあえて質問しますが、その5億円の根拠は何ですか?』『それ
ではあえて聞きますが、どうして営業利益にこだわるのでしょうか?』とか
だろ」


部下 :
「ええ、そうでしょうねェ」


マネジャー :
「すぐに想像できるわ! そういった質問のほとんどはすでに、こちらから
伝えてあるものばかり。私が『先ほども言ったとおり、なぜ営業利益5億円
かというと……』と、また私は同じ説明をすることになる」


部下 :
「……」


マネジャー :
「形式上の質疑応答なんて要らない。『あえて質問させていただくと……』
と、無理やり作った質問はろくなものがない」


部下 :
「しかし、質問も受け付けないのだと腹に落ちないんじゃないかと」


マネジャー :
「だから君は難しく考えすぎだって。なぜこれをやらなくてはならないの
か? その理由はどこにあるのか? それは行動してはじめてわかるもの
だ」


部下 :
「そ、そう言われると、そうかもしれませんが」


マネジャー :
「私たちが本当にバカな意思決定をしている、というのならともかく、そう
ではない。まずは動き出さないと、正しい質問も出てこないものなんだ。質
問を受け付けていると、相手をよけいに悩ませるだけ」



……人が意思決定する、決断するのに、「正しい理由」が必要なのではなくて、
「理由らしからぬ理由」でもいいのです。

そのことは「絶対達成する決断力のつけ方」に書きました。

ところで、

どうしても難しく考えてしまいがちな人は、難しく考えなくても決断できるよ
うになる研修プログラムがあります。

口コミで広がっているので、案内をしなくてもすぐに満員となる人気セミナー
です。


◆ 絶対達成スピード講座の動画(2分7秒)
http://www.youtube.com/watch?v=PTzLQt8K1AAtml

● 若手営業パーソン向け営業力アップ研修「絶対達成スピード講座」
【東京 7/19】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01656.html
【名古屋 7/26】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01657.html

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【編集後記】

バカな奴は単純なことを複雑に考える。普通の奴は複雑なことを複雑に考える。
賢い奴は複雑なことを単純に考える。

私は稲盛和夫さんのこの名言が大好きです。

シンプルなことなのに、難しく考える人が多すぎます。

本当は簡単なことなのに、難しく考えて、「……がないとわからない」「……
といった経験がないのでうまくいかない」「……さんだからできるのであって、
私なんかとてもとても」と、ついつい言ってしまいます。

たとえば私が、これから構造力学の勉強をしようとしたら「難しい」と思うで
しょう。

しかし葛藤はありません。誰がやっても、最初は難しいだろうということを知
っているし、難しいことをやるのだという覚悟も決まっていますから。

反対に、単純なことを難しく考えている人は葛藤があるはずです。本当は難し
くないことだと、心の片隅で理解しているからです。

何かあると、すぐ「難しいなぁ……」と口にする人がいます。

この口癖はやめたいですね。

何かをするのに「理由」は必要ですが、「クオリティの高い理由」は要らない
のです。

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