2013年6月30日

人材教育2つのポイント【ホールパート法】

● 今回のテクニック:【ホールパート法(6)】

ホールパート法とは、最初に話の全体像、ポイントを(WHOLE)を相手に
伝え、それから話の枝葉、部分(PART)を説明する話し方。

相手の「頭」を整理させるうえで、とても簡単で効果的な技術。

「ポイントは2つある」
「ここで私が言いたいのは1点だけだ」

このように伝えてから、それぞれのタイトルを話す。

「効率化と、情報共有」
「お客様の声だ」

その後、タイトルに沿った話を展開させていく。報道番組でキャスター、コメ
ンテーターなどがよく活用しているので注意深く聞いてほしい。

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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「セミナーを受講したい?」


部下 :
「はい。先月からお伝えしています。ぜひお願いできませんか?」


マネージャー :
「何のセミナーだっけ?」


部下 :
「言ったじゃないですか、リーダーシップ研修です。4月に主任になり、部
下を2人持つことになりました。ですからリーダーシップを身に着けたい
と」


マネージャー :
「いつの話?」


部下 :
「8月です。はやめに申し込まないと満員になってしまいます」


マネージャー :
「そう言われてもなァ……。費用はいくらなんだ?」


部下 :
「2日で8万5000円だったと思います」


マネージャー :
「高いな! 高いじゃないか」


部下 :
「先月、お話したときもそう言ってましたよ。少し高いけど、君が参加した
いなら本部長に確認しておくと言ってくれたじゃないですか」


マネージャー :
「うーん、そう言われてもなァ」


部下 :
「本部長に確認してくださったんですか?」


マネージャー :
「待て待て、そういうことじゃなくて、こういう研修を会社の費用を使って
まで学ぶ必要があるのか、ということ」


部下 :
「え」


マネージャー :
「だってそうだろ? こんなセミナー受けなくたって、リーダーシップの本
を読んだら理解できることばかりじゃないか」


部下 :
「……」


マネージャー :
「それに、どれぐらい効果があるのかよくわからない。セミナー費用の投資
対効果をしっかりと示してくれよ。そうじゃないと本部長に言えと言われて
も言えないだろう」


部下 :
「なるほど」


マネジャー :
「そういうことだ」


部下 :
「私の知人で、書籍も出されている人事コンサルタントの方がいます。その
人が言う、人材教育のポリシーがあるそうです」


マネジャー :
「人材教育のポリシー?」


部下 :
「ポイントは2つあって、1つ目はギブ&ギブ。2つ目は習慣」


マネジャー :
「ギブ、ギブ?」


部下 :
「1つ目のギブ&ギブというのは、つまりギブ&テイクではない、というこ
とだそうです。会社がスタッフを教育するのは当たり前のことであり、やた
らと見返りを求めるものではない、と」


マネジャー :
「……」


部下 :
「2つ目の習慣とは、教育を受けることが習慣化していない人は、習慣化す
るまで十分な成果が出ない、ということです」


マネジャー :
「え?」


部下 :
「つまり、いきなりセミナーや研修へ行っても、受講する習慣がないと、ど
うやって受講すればいいか、まずわからない、ということです」


マネジャー :
「……?」


部下 :
「課長は1年に何回ぐらい研修を受けますか?」


マネジャー :
「うーん……、俺にはそんな暇、ないからなァ。君たちと違って」


部下 :
「暇とか、そういうことではないですよ。最近、セミナーとか行ったのはい
つですか?」


マネジャー :
「……んん。3年前ぐらいに1度、なんか半日の研修は受けたが、全然、参
考にならなかった」


部下 :
「課長はビジネス書を、月に何冊ぐらい読むんですか?」


マネジャー :
「んん……だから、そういう余裕がないんだって、俺は……。それに、今ど
き読みたくなるようなビジネス書なんてないだろう」


部下 :
「本を読まない人ほど、そう言います」


マネジャー :
「う……」


部下 :
「成果を手に入れたいときだけ研修を受けたり、本を読んだりしても身につ
かないものです。ポイントは2つ。ギブ&ギブ。そして習慣です」


マネジャー :
「ギブ&ギブ。習慣か……」



……私は現在、年間150回以上のペースで講演やセミナーの講師をさせてい
ただいております。

そして私のセミナーに参加してくださるほとんどの方が経営者か管理者の皆さ
んです。

しかし管理者になって、はじめてセミナーや研修に参加される方も多く、

セミナーの受け方、それ自体がわからない人も少なくありません。

教育を受ける機会を従業員の皆さんに与えるのは、会社の義務だと私は思って
います。

成果を出してもらいたいときだけ研修を受けさせても、すぐに成果は出ないで
すよね。何事も「習慣」です。


◆ 私はすでに年内(2013年)のセミナー、講演依頼をすべてお断りして
いますので、以下のオープンセミナーをよろしくお願いします。

http://www.attax.co.jp/seminar/archive/genre/article.tag%2E0011.html


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【編集後記】

週末、2日間、私は缶詰で研修を受けていました。

6月は過去最高の16回のセミナーをこなしました。さらに、2日間、研修の
受講。

7月1日からも講演、セミナー、研修、コンサルティングセッションの連続。

けっこう、ハードです……。

しかも今回の研修は、経営コンサルタントたちが受講する研修ですから、生半
可ではありません。

さて研修の中身はおいといて、

私が感心したのは、アタックスのコンサルタントたちの意識の高さです。

私と違って高学歴で、税理士や公認会計士といった難関なライセンスフォル
ダーである彼らは、

どんなに忙しくとも、常に自己投資を怠りません。

それが習慣になっているからでしょう。

私は今回、休む間もなく泊りがけの研修を受講しましたが、私の意識が高いの
ではなく。

そういうスタッフに囲まれていると、私みたいな怠け者も感化されてくるので
す。

組織の風土、空気が、ひとりひとりの意識を高めていくのだと思います。

2013年6月24日

なぜ食事を「おごって」も、信頼関係を築けないのか?【刺激馴化】

● 今回のテクニック:【刺激馴化(7)】

刺激馴化とは、刺激にさらされつづけるとその刺激に順応してしまい、徐々に
特定の反応を示さなくなる現象をいう。

どんなに嫌な刺激も、馴れることで回避されていく傾向にある。

たとえば、最初は気が進まない事柄であったりしても、無理やりにでもスター
トして回数を重ねてしまえば、自然と体が慣れてしまって嫌な気分にならなく
なったり。(たとえば早起き。ジョギングなど)

たとえば、最初は怖い人だなと思い込み、できれば会わないままにしておきた
いと考えていた人とも、面談回数を重ねていくことによって、それほど気にな
らなくなったりすることがある。

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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「部長、お客様との食事、よく行かれていますよね」


マネージャー :
「そう。かなり頻繁に行っている」


部下 :
「効果がありますか?」


マネージャー :
「『ランチョンテクニック』と言われるぐらいだ。美味しい食事を囲むと、
相手との関係が構築される可能性は高まる。積極的にすべきだ」


部下 :
「おかしいですね」


マネージャー :
「何が?」


部下 :
「私は部下とよく食事に出かけるのですが、部下との信頼関係はイマイチで
きあがってない気がするんで」


マネージャー :
「確かにおかしいな」


部下 :
「先日なんて、5人の部下を飲みに連れていって全額私が払ったんですよ。
にもかかわらず、あいつらそれが当然だと思っているみたいで、『ありがと
う』の一言も言わないんです」


マネージャー :
「は?」


部下 :
「おかしいでしょう?」


マネージャー :
「いや、おかしくないだろ」


部下 :
「え」


マネージャー :
「恩着せがましい奴だな、君は」


部下 :
「恩着せがましい?」


マネージャー :
「おごりたくて、おごったんだろう? 何を期待しているんだ」


部下 :
「別に期待してるわけじゃないですけど、おごられたほうは、感謝の言葉ぐ
らい出すものです」


マネージャー :
「ちっせーなァ、君は」


部下 :
「ど、どうしてですかっ!」


マネジャー :
「ガッカリだよ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「君のその考え方は、部下たちにも伝わってるだろう。俺ならそんな上司か
ら、おごられたくないね。自腹で、同僚と飲みにいったほうがよっぽど楽し
い」


部下 :
「……」


マネジャー :
「おごり続けると、最初のうちは感謝されても、だんだんと相手はそれが当
然のことのように思えてくる。『刺激馴化』と呼ばれる心理現象だ」


部下 :
「刺激馴化?」


マネジャー :
「刺激に馴れてくるのさ」


部下 :
「じゃあ、どうすれば……」


マネジャー :
「妙な期待を抱かずにおごれよ。部下たちとコミュニケーションをとる機会
が増えたと思って喜べ。押し付けがましい態度はNGだ」


部下 :
「うーん、そうかァ……」


マネジャー :
「俺はお客様とよく食事に出かけるが、『おごる』『おごられる』どちらも
関係がない。その機会があることに意味があるんだ」


……相手と信頼関係(ラポール)を構築するうえで重要なことは、単純接触効
果です。

接触を繰り返すことでラポールが築き上げられることはありますが「おごる」
こととは無関係です。

そのことをロジカルに書いてみました。


●食事を「おごる」心理効果 ……「おごる」とどんな期待を得られるか?
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20130623-00025915/

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【編集後記】

6月22日(土)、はじめて福島へ行きました。

私の講演に集まってくださった方々は120名を超え、本当に嬉しかったです。

勝手な先入観ですが、福島の方々は真面目ですね……。真面目で、とても素直
そうで、何だかとても心地よい気持ちになりました。

地元の方に、「アスパラガス」をいただいたのですが、

ものすごく美味しく、驚きました。

バターで普通に炒めただけなのですが、口に入れて何度か噛んだだけで素材の
瑞々しさを強く感ることができました。

父が宮城県の亘理町という小さな町の出身です。

東北での仕事がもっと増えればいいなァと思っています。

2013年6月19日

営業でなくとも「予材管理」で目標を絶対達成させた事例

勝間和代さんを一躍ベストセラー作家にし、神田昌典さん、山田真哉さん、久
保田カヨ子さんといった人気作家のベストセラーを手がけ、


営業関係では、佐藤昌弘さん、朝倉千恵子さんといったそうそうたるコンサル
タントの代表作を担当し、


出版業界では知らぬ者はいないと言われるカリスマ編集者。


……といえば、絶対達成シリーズの生みの親でもある「寺田庸二さん」です。


嬉しいのは、そのカリスマ寺田さんも「予材管理」を知ったことで、成績を爆
発的にアップさせたという事実です。


ただでさえ天才なのに、このようなインパクトのある方法論と出会うと、とん
でもない成果を出す、ということでしょうか。


さて、この寺田さんが「絶対達成シリーズ」の誕生秘話を書いてくださいまし
た。(ご自身の事例も書かれています)


「横山信弘さんの第一印象は、そんなによくなかった」


「正月から横山さんのDVDを観たが、最初はあまり期待していなかった」


……といった刺激的なフレーズからこのコラムは始まります。


さすが、カリスマ編集者です。


どのようにして読者に文章を読ませるのか?


言葉の選択、並べ方も素晴らしいのですが、読者の脳に空白を作りつつ、その
空白を埋めるような手順で、話を展開させます。


平易な語彙を使っていて、とても読みやすいのですが、15年以上も第一線で
活躍している編集者の高度な文章テクニック満載であることも事実です。


この何気ない文章が勉強になりますね。


ご興味のある方は、ぜひ、ご一読ください!


◆ 寺田庸二さん「私自身が、本当に予算比2倍を達成できたんです!」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/book/20130617/249797/


今後ともダイヤモンド社「絶対達成シリーズ」をよろしくお願いいたします。



以上

2013年6月17日

「徹底する」を論理的に説明すると?【ピグマリオン効果】

● 今回のテクニック:【ピグマリオン効果(1)】

ピグマリオン効果とは、人間は周囲から期待されれば期待されるほど成果を出
す傾向が強くなることである。

教育現場における心理的行動のひとつ。

反意語は「ゴーレム効果」。教育者が期待しないことによって学習者の成績が
ダウンすることを言う。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「私の後輩の3人、『報告・連絡・相談』が全然できません」


マネージャー :
「『報告・連絡・相談』ぐらいは徹底させろよ」


部下 :
「毎日1回は『ほうれんそう』をするように伝えたのです」


マネージャー :
「いつの話だ?」


部下 :
「今年の4月のことです」


マネージャー :
「4月のことか」


部下 :
「毎日『ほうれんそう』は、するようになりました」


マネージャー :
「しかし『徹底』されている、とは言えない」


部下 :
「よくわかりますね?」


マネージャー :
「お前の表情が物語ってる。苦虫をつぶしたような顔だ」


部下 :
「部長、それは誤用です。苦虫をつぶす、ではなくて、苦虫を噛みつぶす、
が正しい使い方です」


マネージャー :
「……君は、話の腰を折るのが得意だな」


部下 :
「真実です」


マネージャー :
「とにかく、そんなことをしてたらマイクロマネジメントになる。管理や干
渉を強くすればするほど、創意工夫ができなくなるものだ」


部下 :
「……いや、まったく。毎日『ほうれんそう』させても、何だか漏れを感じ
るのです。とても徹底されているようには思えない。ですから6月からは、
毎日2回『報告』させるようにしたんです」


マネージャー :
「そして、ストレスだけが、増えた」


部下 :
「……はい」


マネージャー :
「君はピグマリオン効果を信じていない」


部下 :
「期待すれば期待するほど、成績がよくなるって心理効果でしょ?」


マネジャー :
「成績だけじゃないけどな」


部下 :
「……」


マネジャー :
「マイクロマネジメントをするってことは、相手を信頼していない証拠だ。
業績が悪い会社ほど会議が多くなり、資料が増える。日報も書かせるし、週
報も書かせる」


部下 :
「それはどういう意味で?」


マネジャー :
「部下に期待をしないから、事細かな管理・統制をしたくなるのだ」


部下 :
「しかし……」


マネジャー :
「そんなに細かいやり方をしなくても、『徹底する』とはどういうことか、
を後輩たちに理解させればいい」


部下 :
「その言葉だけじゃ、理解してもらえないから悩んでるんです」



……「徹底しろ」と言えば済むことなのに、「徹底」できない人がいます。

客観的に「徹底している」と見られるコツをお伝えいたします。


●どうすれば「徹底している」と見られるか?「徹底できない人」の処方箋
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20130615-00025714/

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【編集後記】

6月16日(日)は、20年以上つづけている知的障がい者のボランティア活
動の日でした。

体育館で、みんなとフライングディスク(いわゆるフリスビー)の競技を楽し
みました。

簡単そうに見えて、意外と簡単ではなく、奥が深い競技ですね。

それにしても、暑いです。

冷房のない体育館で1日過ごしていると、かなり体力が消耗します。20代前
半の若いボランティアの方々も、けっこうバテていました。

先週は4日間セミナーがあり、そのうち3回は7時間は超える講義です。今週
も同じペース。

私は意外とバテず、帰宅した後も家で家族4人分のパスタを作り、ふるまいま
した。(父の日でしたから!?)

いずれにしても、これからは体力勝負の日が続きます。

今週は四国や東北へも行きますので、移動距離も長い。

私の健康管理のコツは2つ。

とにかく早く寝る。夜9時を超えると思考が停止状態になるので、就寝時間が
夜10時を超えないように配慮したいです。

朝は4時から5時ぐらいには起きてしまうので、そこからランニング。肉体的
にかなりキツイときは、ウォーキングだけでもします。

早寝と早朝ランで、夏を乗り切ろうと思います。

2013年6月10日

「腹の探りあい」をやめるコツ【カウンター・エグザンプル】

● 今回のテクニック:【カウンター・エグザンプル(6)】

カウンター・エグザンプルとは、物事に対して、ある「一般化」の思い込みを
している人に対し、それが真実ではなく、単なる思い込みに過ぎないことを気
付かせるテクニックである。

「一般化」の表現をしている人は、「みんな」「すべて」「いつも」という表
現をよく使う。

本当に「みんな」そうなのか? 本当に「すべて」そうなのか? 本当に「い
つも」そうなのか?

具体的な過去の体験について語ってもらうことにより、その思い込みを気付か
せることができる。

あいまいな表現をする人には「具体的に?」「たとえば?」という質問を使っ
てみよう。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「部長、新しく私の上司となった課長、正直なところ、何を考えているかわ
かりません」


マネージャー :
「何を考えているかわからない? 【たとえば】どういうときにそう思
う?」


部下 :
「5月の後半だったと思うんですが、課長に呼び出されたんです。突然、面
談したいと言われました」


マネージャー :
「それで?」


部下 :
「1時間ぐらい面談していただいたんですが、いまいち真意がわからないん
です」


マネージャー :
「君の話していることも、雲をつかむようで、よくわからない。【具体的に】
は、どんな話だったんだ?」


部下 :
「4月に提出した目標管理シートを、もう少し噛み砕いて表現してほしい。
そのためにまた資料を作ってくれ、と」


マネージャー :
「ふーーん……。確かに、真意はわからないな」


部下 :
「ですよね?」


マネージャー :
「それで、どうした?」


部下 :
「それからは何も……」


マネージャー :
「噛み砕いて表現したものを提出したのか?」


部下 :
「いえ、していません」


マネージャー :
「どうして?」


部下 :
「うーん、何のために課長がそんなことを私に頼んだのか、全然わからない
からです」


マネージャー :
「5月後半の話だろ? 何をやっているんだ」


部下 :
「え、私の責任ですか?」


マネージャー :
「責任とは、そういうことじゃない。腹の探りあいはやめたまえ。それを解
消するにはひとつしか方法がない」


部下 :
「え」


マネジャー :
「情報開示を早めることだ」


部下 :
「……」


マネジャー :
「腹の探りあいをしていると、信頼関係が失われていく。相手が何を考えて
いるのかわかりづらくなる」


部下 :
「まったくそのとおりです」


マネジャー :
「課長にすぐにでも資料を作って持っていけ。そしてコミュニケーションを
とるように心がけろ」


部下 :
「私が、ですか?」


マネジャー :
「情報開示は、まず部下からに決まっている。自分が相手のことをどう思っ
ているか、素早く伝えたまえ。思考ノイズが増えるばかりだろう」


部下 :
「すみません……」


マネージャー :
「いつ、課長とコミュニケーションをとるんだ」


部下 :
「そうですね、できる限りはやくします」


マネージャー :
「【具体的に】は、いつ?」


部下 :
「あ、今日じゅうにします」


……お互いの関係を正しく保つために、腹の探りあいはやめましょう。

自分がいま考えていること、はっきりさせたいことを早めに開示しましょう。

やはり「報告・連絡・相談」をスピーディにできる人が、信頼関係を築きやす
い人、と言えると思います。


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【編集後記】

私の処女作「絶対達成する部下の育て方」の韓国語版がついに登場しました!

フェイスブックに、その画像をアップしています。
http://www.facebook.com/nyattx/posts/580090622035792

「絶対達成」の文字は、このようになるのですね。

韓国で「絶対達成」「大量行動」「ロックPDCA」「予材管理」などの概念
がどのように受け止められるのか、とても興味深いです。

2013年6月6日

本田選手はなぜPKを決めることができたのか?【ピア・プレッシャー】

● 今回のテクニック:【ピア・プレッシャー(9)】

ピア・プレッシャーとは、人間は通常、同じ組織内の仲間に認められたい、疎
外感を味わいたくないと考え、仲間のあいだで自分がどのように見られている
かを気にする傾向がある。

そのせいで、仲間や社会と同じ考えでなければならないという圧力(プレッシ
ャー)を常日頃から感じているものだ。

これをピア・プレッシャーと言う。

特に「和」を尊ぶ日本人に対しては、このピア・プレッシャーは強力と言えよ
う。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「社長が今期の目標を10億と言っていたけれど、とてもじゃないが無理だと
思う。現場を知らない社長だから仕方がないが」


営業マンA :
「……」


マネージャー :
「達成できないような目標を立ててもしょうがない。俺としてはできても9億
だと思うが、君たちはどう思う?」


営業マンA :
「ええっと……。ちょっと、意味がわからないんですが」


マネージャー :
「何が?」


営業マンA :
「支店長、その言い方は、何か意図があるんですか?」


マネージャー :
「意図って、どういうことだ」


営業マンA :
「だって、目標は目標ですから、達成できないなどと最初から言うのはおかし
いと思ったので」


マネージャー :
「え? いや……。去年までの実績を見たら9億も達成できてないじゃないか。
我々を取り巻く環境は厳しさを増している。社長が言う10億なんて、とても
できない」


営業マンB :
「私もAさんと同じように、意味わからないんですが、支店長って4月にこの
支店に来たばかりじゃないですか。どうしてそんなことがわかるんですか?」


マネージャー :
「去年までの実績を見れば一目瞭然だ」


営業マンB :
「え?」


営業マンC :
「すみません。私も意味がわかりません」


営業マンB :
「前の支店でも、そのように言われてやってたんですか?」


マネジャー :
「前の支店でも、ものすごく厳しいノルマだった。当社は目標の立て方がおか
しいんだ。社長が現場を知らないから」


営業マンC :
「……」


営業マンA :
「うーん……」


営業マンB :
「あのォ、『ミラーニューロン』ってご存知ですか?」


マネージャー :
「は? みら……?」


営業マンC :
「脳の神経細胞です。周囲の行動や考え方が、知らず知らずのうちに伝染して
【鏡】のような反応をするんです」


営業マンA :
「緊張する人の近くにいくと、緊張するもんな」


営業マンB :
「運の悪い人と一緒にいると、自分も運が悪くなる。脳が周囲の真似をしてし
まう原理だよね」


マネジャー :
「ほう……」


営業マンC :
「課長、サッカー日本代表の試合、観てましたか?」


マネジャー :
「ワールドカップ出場を決めた試合か? 最後のほうだけ観た」


営業マンC :
「じゃあ、本田選手がPKを決めた瞬間を観てたんですね」


マネジャー :
「そうそう! 見逃さなくてよかった。本当に凄いな、本田選手は。あの場面
であのPKを決めるなんて、どんな心臓をしてるんだと思った」


営業マンC :
「『ミラーニューロン』ですよ」


マネジャー :
「はァ?」


営業マンB :
「俺もそう思った」


営業マンA :
「本田選手なら絶対に決める、とチームメイトは誰もが確信していただろうし、
6万人以上のサポーターも心の底から思っていた」


営業マンB :
「テレビ観戦している、日本全国の人のほとんどがそう思ったんじゃないか」


営業マンC :
「本田選手なら絶対にゴールを決めてくれる、と」


マネジャー :
「……そりゃ」


営業マンA :
「失敗するんじゃないかと、1割でも2割の人が疑ったら、その思いは通じし
てしまう」


マネジャー :
「むゥ……」


営業マンB :
「負け続けるチームって言うのは、チーム内でも、サポーターにも、『また負
けるんじゃないか』『今日も勝てないんじゃないか』と疑っている人が何人か
いるものです」


営業マンC :
「だから伝わっちゃうんだよな。お互いが影響を与え合ってしまう」


営業マンA :
「ですから支店長、過去の実績なんていいじゃないですか。過去のことはキチ
ンと踏まえて改善します。今期は絶対達成しましょう」


マネジャー :
「し、しかし、そんなこと言って、10億の目標を達成しなかったら……」


営業マンB :
「達成しなかったらどうなるんですか?」


マネジャー :
「え」


営業マンB :
「絶対達成する、と言いながら達成しなかったら恥ずかしいんですか?」


営業マンC :
「俺は、目標が高すぎるから達成できない、と言うほうが恥ずかしい」


営業マンA :
「そうだな。絶対にできると、支店全員が思いながら毎日を過ごすことが大事
だと思う」


営業マンC :
「あと3分、というアディショナルタイムの中で、しかもあれほどの大観衆の
前でペナルティーキックを決めるという、極限状態でもない。俺たちには1年
間も時間があって、その中で目標を達成させればいい」


営業マンA :
「本田選手のあのPKを見て、『去年よりも目標が高くなってるから達成でき
ません』なんて言えるわけがない」


営業マンB :
「それを言った瞬間に、この支店全体の雰囲気が悪くなる」


営業マンC :
「ミラーニューロンか……。やっぱそうだよなァ」


マネジャー :
「君たちがそのような気持ちで臨んでくれるんだったら、いいんだよ。うん、
いや……その……。うん、とにかく達成させよう。わかった……」



……私はセミナー中、「目標は絶対達成する!」と凄まじい形相で語ったりし
ます。

昨日も大阪で150名超の皆さんに、激しい講演をしてきました。

受講者の力を借りて話すから、私の講演には熱が入ります。『ミラーニューロ
ン』です。

2013年になってから、本当にセミナー受講者の方々の熱をいただいていま
す。私が皆さんに乗せられているのです。

皆さんの脳の中にある「情熱」が、鏡のように反射して私を燃えさせるからだ
と思います。

目標達成を「あたりまえ化」したい方は、たまに講演やセミナーに来てくださ
いね。

極端な話、私の話はどうでもよく、

会場に、絶対達成をあたりまえに思っている人が多数いて、その熱情を頭から
浴びることが大事だと思うからです。

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【編集後記】

皆さん、「ニッチロー」という芸人をご存知ですか?

イチロー選手のモノマネをする芸人さんで、先日テレビで初めて観ました。

打撃フォームや、守備の時のボールの処理の仕方など、とってもよく似ている
のです。

表情や仕草も、本人じゃないか? と思うぐらい似ています。

ちなみに……

ウソだと思うかもしれませんが、実は私のモノマネをする方がいます。京都に
いる人事コンサルタントの方です。

私は残念ながら拝見したことがない(ご本人が私の前でやってくれないので)
のですが、かなり似ているようで、周囲の方々が、それを見て爆笑するようで
す。

横山の講演のモノマネをして「爆笑する」って——。

なんだか複雑な気分ですが、でも凄く光栄でもあります。

そんなに特徴的な話し方をしているかな、と思うのですが、自分のことはわか
らないものですね。

2013年6月2日

どんな部下にも、褒める必要があるのか?【スリリングジョーク】

● 今回のテクニック:【スリリングジョーク(7)】

スリリングジョークとは、相手に対して、「もし●●しなければ、■■になる
ぞ」という脅しをしたあとに、すぐに「それは冗談だ」と撤回するコミュニケ
ーション技術。

相手の心象を悪くする可能性が高く、極めてリスキー。相手と強烈なラポール
が構築できていない限り、活用するのはやめたほうがよい。3年に1度ぐらい
使ってもいい、インパクトのあるリーディング技術である。

もちろん、乱用すればご自身の信用は著しく低下する。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「週末、リーダー研修を受けてきたんですが、部下育成にはやはり『褒め
る』ことが重要だと教えられました」


マネージャー :
「そりゃ、そうだろう」


部下 :
「なかなか部下を褒められなくて」


マネージャー :
「そんなことじゃダメだ。褒めるときは褒める。叱るときは叱る。メリハリ
をつけて接しないとダメだ」


部下 :
「そうなんですが……」


マネージャー :
「慣れだよ、慣れ」


部下 :
「でも課長、今だから言えますが、課長は私が新入社員のころ、全然私のこ
とを褒めてくれませんでしたよ」


マネージャー :
「当たり前だ」


部下 :
「どうしてですか。さっき言ったでしょう、褒めるときは褒めろって。私に
は言うくせに、自分はどうなんですか」


マネージャー :
「君のどこを褒めたらよかったんだ?」


部下 :
「え」


マネージャー :
「君が新入社員のころ、お客様のところに遅刻してくるわ、二日酔いで朝か
ら頭が痛いと言ったり、とんでもなく横着だった」


部下 :
「記憶が定かではありませんが……」


マネージャー :
「君は本当にひどかった」


部下 :
「そこまで言いますか?」


マネージャー :
「どうしようもなかっただろ。だから2年目のとき、方針発表会の後で私を
君を呼び出した」


部下 :
「当たり前のことを当たり前にできないなら、辞めろ、と言われましたよ。
めちゃくちゃ驚きました」


マネージャー :
「あとですぐに『ジョークだよ、ジョーク』と言ったはずだ」


部下 :
「ジョークとは言われましたが、あの後、ものすごく落ち込みました!」


マネジャー :
「スリリングなジョークだろ」


部下 :
「スリリングって……。7歳のころ、兄に財布の金を全部盗まれたあと、シ
ョックで寝込んだときと同じぐらいにインパクトがありました」


マネジャー :
「君の育ちのよさは聞いている」


部下 :
「そりゃ、どうも」


マネジャー :
「いずれにしても褒めるところなど何もなかった。メロンパンの中に、レー
ズンパンのレーズンを探すような真似はしたくない性格だったんでね」


部下 :
「私はどちらかというと食パンです」


マネジャー :
「君はそんなに、のっぺりとしてはいない」


部下 :
「とにかく、褒めるところがなければ褒めなければいいと?」


マネージャー :
「君の部下の、何を褒めるつもりだ?」


部下 :
「……うー」


マネージャー :
「会議の時間に遅れなかったら褒めるのか? 期限どおりに資料を提出して
きたら褒めるのか?」


部下 :
「いやァ……、会議の時間も遅れてきますし、期限どおりに資料も提出して
きません」


マネージャー :
「褒めるところを探してみろ」


部下 :
「そうそう。毎月、150件、お客様のところへ訪問しろと言ったら、何と
か訪問できるようになりました」


マネージャー :
「それで?」


部下 :
「それでって……」


マネージャー :
「賞賛に値することか?」


部下 :
「まだ結果が出ていないですから、賞賛に値するかと言われちゃ困ります
が」


マネージャー :
「俺が怖いのは、謙虚さがなくなることだ。月に150件、訪問するなんて
当たり前なんだよ。それまでが少なすぎただけだ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「誰もができていることをできたあとに『君は凄いねェ。凄いじゃないか。
わが社に君が入ってきて本当によかった』なんて言えるか? 相手をバカに
しているようなもんだ」


部下 :
「部下が勘違いして、調子に乗ってきそうな気がします」


マネージャー :
「褒めるんじゃなくて、受け止めろ。受容しろ。笑顔で同意しろ。『結果を
出すためには、ここからだな』と言って尻をたたけ」


部下 :
「褒めるって、賞賛したり、評価することですから、やたら褒めてたら、相
手も勘違いするでしょうからね」


マネージャー :
「相手に暗示をかけるテクニックとして『褒める技術』はあるが、君はそん
な高度なスキルはない。だから勘違いされる」


部下 :
「わかりました、部下がやることをやったら、いったん受容し、そして尻を
たたきます」


マネージャー :
「常に、関心は寄せておけよ」



……正しく相手を「褒める」ためには、相手に2つの点が伴っていないと、褒
めるにも褒められません。

その「2点」とは何か?

コラム「草創花伝」に書いていますので、ご参考まで。


◆「褒める」技術とタイミングについて
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20130506-00024757/

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【編集後記】

先日、「なぜコーチングは機能しづらいのか?」というタイトルでメルマガを
書いたところ、

かなりの反響がありました。

日ごろから研鑽しているプロのコーチでない限り、そう簡単に「コーチング」
はできないものなんですよね。

おそらく、多くの人はうすうす感づいてはいたのだと思います。

にわか仕込みの「コーチング」で、相手に行動変容を促がすことなどできない、
と。

最近、「ゴールデンボンバー」と呼ばれる、パフォーマンス集団が人気です。

ロックバンドか? と勘違いしそうなのですがバンドではありません。楽器を
弾く振りをするだけで演奏しないバンドなのです。

エアーバンドと呼ばれています。

「エア」とは、実際はそこにないのにあるかのように振舞うこと、パフォーマ
ンスのことを言うそうです。

ギターがないのにギターを弾く振りをする「エアギター」がとても有名ですよ
ね。「エアギター」は世界選手権大会もあります。

「エア参拝」「エア焼肉」「エア彼氏」……などなども登場しているようです。

これにちなんで、

私は「エア・コーチング」というのも考えたいと。

「コーチング」はしていないんですが、「コーチング」した振りをすることで
一定の効果を狙うもの。

対話形式のコーチングではなく、

チームの「空気(エアー)」を変えることで、構成員の行動変容を促がし、目
標達成に向けた意識改革を実現させること。

そのために脳の「ミラーニューロン」を利用します。

皆さんご存知ですか?

緊張している人の近くにいると、なぜか緊張してくるものなのです。

これは「ミラーニューロン」の仕業と言われています。

油をいっさい使わずに唐揚げを作るかのごとく、

インタラクティブなコミュニケーションをせず、ほぼ空気だけで「コーチン
グ」と同等の効果を得る。

そんなアイデアをいずれ公開していきたいと思います。

「エア・コーチング」です。

ちなみに、運のよい人の近くにいると、運が「ついてる」状態になっていきま
す。

逆に、

運の悪い人の近くにいると、それこそ「運の尽き」という状態になります。

いつも怒っている人の近くにいると、イライラしがちになりますし、相手を否
定しかしない人の近くにいると、自信喪失していきます。

横山のセミナーに通う人、メルマガをいつも読んでくれる人、フェイスブック
をチェックする人は、目標を絶対達成できていきます。

少なくとも「目標達成が当たり前」だという思考は手に入っていきます。

なぜか?

私の周りには、そういう人が集まっているからです。

目標達成が当たり前で、そのことに対して疑いも持たず、ストレスも覚えない
人たちばかりがいるからです。

「空気」は人を暗示させていくのです。このメカニズムを理解すると、とても
楽になっていきます。

変えるのは「空気」です。