2013年4月30日

「やらされ感」を覚えずに済む方法とは?【ロー・ボール・テクニック】

● 今回のテクニック:【ロー・ボール・テクニック(11)】

ロー・ボール・テクニックとは、まずは相手が受け取りやすいボールを投げて
から、徐々にオプションを増やしていく方法である。

説得される側は、気がついたときには最初の条件よりも吊りあがっているため、
騙されたと感じるかもしれず、リスクは高い。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックよりも強力な説得技術と言われているが、
多用は禁物である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「プロジェクトはどうだ?」


部下 :
「はい。今のところ進捗状況は問題ありません」


マネージャー :
「そうか。5月から新入社員3人もそのプロジェクトに入ってもらう。頼む
な」


部下 :
「え! 新入社員?」


マネージャー :
「そう」


部下 :
「プロジェクト発足当時は、10人がマックスだと聞いていましたが」


マネージャー :
「1月からスタートしたプロジェクトなんだから、4月に入った新入社員の
ことは加味していなかった」


部下 :
「は、はァ」


マネージャー :
「そんなに不都合があるか」


部下 :
「けっこう大変なんです。全員部署が違いますから、それぞれの所属先に配
慮しなくちゃいけませんし」


マネージャー :
「このプロジェクトは、部署間の調整能力を身につけることも目的としてい
る」


部下 :
「しかも新入社員だなんて」


マネージャー :
「君の部署には新入社員、入ってないだろ。ちょうどいいじゃないか。接す
る機会が増えて」


部下 :
「最近の若い人とはどのように接したらいいかわからないです」


マネージャー :
「君だってまだ26歳だろう」


部下 :
「26歳にもなったら、ずいぶんと違います」


マネージャー :
「ほォ」


部下 :
「どうやったら『やらされ感』を覚えることなく仕事をしてもらうか、です
よ。僕らが若かった時代とは違うんで……」


マネージャー :
「君が若かった時代って」


部下 :
「ホント、最近の子は、すぐに『やらされ感』を覚えるそうですから。気を
つけないと」


マネージャー :
「それなら大丈夫だ」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「新入社員の3人が、君の言う『やらされ感』を覚えることはない」


部下 :
「ど、どうしてですか?」


マネージャー :
「これは仕事だからだよ」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「このプロジェクトは遊びじゃない。仕事なんだ。だから『やって当たり
前』のことであり、『やらされ感』など覚えることはあり得ない」


部下 :
「いや、これは仕事だから、やらされ感を覚えないと言われても……」


マネージャー :
「何か、問題があるか?」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「というより、君が『やらされ感』を覚えてるんじゃないのか?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「このプロジェクトをまとめるは君の仕事だ。そしてメンバーはプロジェク
トの成果を出すことが仕事であり、当たり前のことだ。その認識は大丈夫だ
ろうな」


部下 :
「……は、はい」


マネージャー :
「『やらされ感を覚える』という人は、依頼されたことをやって当たり前だ
と思っていないということだ。そうだろう?」


部下 :
「そ、そうですね……」


マネージャー :
「じゃあ、君が職場において『やらされ感』を覚えるときって、どんなとき
だ?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「どうだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「な……。ない、です」


マネージャー :
「ないのか?」


部下 :
「ない、ですね。本当に」


マネージャー :
「そうか」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「そういえば、ゴールデンウィーク明けに、インターンで学生が2人やって
くる。来年の3月末までだ。君のプロジェクトに入れてくれたまえ」


部下 :
「え!」


マネージャー :
「これもきっと君のいい経験になると思うよ」



……昨今「やらされ感」という表現をよく耳にします。

特にマネジャーが部下からの抵抗を予測し、

「『やらされ感』を覚えないようにするには、どう言えばいいか」

というような感じで使うことが多いようです。

「やらされ感」という表現を使う人のほとんどが、この言葉の意味を正しく理
解していないと私は考えています。

今日のYahoo!コラム「草創花伝」では、「やらされ感」について書いて
みました。

●「やらされ感」から脱出する考え方
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/

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【編集後記】

私は20年以上、知的障がい者のボランティア活動を続けています。

そして直近は2年連続で、毎月の行事に欠かさず出席して「皆勤賞」をもらっ
ています。

40名以上いるボランティアの中で、「皆勤賞」をもらっているのは2人だけ
です。

小さな話かもしれませんが、私自身がそのうちの1人であるということに、私
はとても誇りに感じています。

10年以上前、ボランティア団体の代表をしていた頃は、「やらされ感」たっ
ぷりで、正直なところボランティア自体をやめたいと何度も思いました。

しかし、昨今はまったくそのような感情を持つことがありません。

長男は毎週末のようにサッカーの練習があり、妻と一緒にスタートしたマラソ
ンの練習もお互い続けています。

週末に研修のお仕事が入ることも増えました。

ドンドン「やるべきこと」「やりたいこと」が増えているのに、昔と比べて
「実現していること」もまた増えているのです。

当然「充実感を覚えるとき」も増加しています。

どうしてそうなっているのか?

それは、

<時間の流れを止めて、自分の思考にインパクトをかける>

このようなやり方で、正しい【決断】をすることが増えたからだ、と私は分析
しています。

私には、強制的にメリハリをつけられるスキルが、普通の方よりも高いのでは
ないかなどと思っています。

何度もメルマガに書いてきましたが、今年は「決断」の年です。

こういったノウハウを、近々皆さんにご提供していきたいと考えています。

2013年4月26日

「トップセールス」に関する意外な統計データ【ロミオとジュリエット効果】

● 今回のテクニック:【ロミオとジュリエット効果(4)】

ロミオとジュリエット効果とは、ある目的を達成するまでのプロセスにおいて、
障害や阻害要因が多いほうが、

達成意欲が高まるという心理効果。

無論、シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」から由来。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「君は入社して何年だ?」


部下 :
「4月で3年です。もう4年目に突入しました」


マネージャー :
「3年か」


部下 :
「アッという間だったように思います」


マネージャー :
「3年っていうと、中学や高校ならもう卒業ってことだ」


部下 :
「卒業……」


マネージャー :
「君が中学校のときはどうだった?」


部下 :
「バスケットボールに打ち込んでいました。2年生のときに副キャプテンに
なって。あと、勉強もけっこうやりました。そんなにお金がなかったので、
私立の高校へはいけないと思ってましたから」


マネージャー :
「文武両道だ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「高校は?」


部下 :
「青臭い言い方ですけど、青春でした。バスケット部もやりながら、友達と
バンド活動をやってまして。私はベース担当で、路上ライブなんかもやった
んです」


マネージャー :
「それは初耳」


部下 :
「意外と度胸があったんです」


マネージャー :
「バスケ部にバンド活動か。それでもいい大学に行ってる」


部下 :
「国立大学には絶対に行こうと思ってたんで」


マネージャー :
「充実した高校生活だったな」


部下 :
「はい。密度の濃い3年でした」


マネージャー :
「当社に入社して3年。この3年はどうだ?」


部下 :
「え」


マネージャー :
「密度は濃かったか?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君の中学、高校時代は何のためにあった? いつか大人になったときのた
めの礎を築くためか?」


部下 :
「そう……ですね。はい。もちろん、そうです」


マネージャー :
「それじゃあ、君が中学、高校時代で築いたその礎の上に、何を建てた
い?」


部下 :
「は?」


マネージャー :
「その基礎の上にどんな建物を建てるんだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君が入社したとき、新入社員の営業を15人集めて私が言ったことを覚え
てるか?」


部下 :
「はい。『この中にトップセールスになりたい奴は手を挙げろ』と」


マネージャー :
「そう。そして君だけが手を挙げた」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「統計データがある。トップセールスになれるかどうかは別にして、新人営
業にアンケートをとったところ、『トップセールスになりたい』と答える人
は20%もいないのだそうだ」


部下 :
「……そうなんですか」


マネージャー :
「そう。そして、君はその20%のうちの一人だったというわけだ」


部下 :
「新入社員として入ってきた以上、それぐらいの意気込みはあってもいいの
に」


マネージャー :
「俺もそう思う。しかしそんなデータがあるそうだ」


部下 :
「そうですか」


マネージャー :
「もう一度振り返ってもらいたい。入社してからこの3年間、君はトップ
セールスに向かって、濃密な時間を過ごしたか」


部下 :
「……」


マネージャー :
「質問を変えよう」


部下 :
「……」


マネージャー :
「高校時代の3年間と、入社してからの3年間と、どっちが充実してい
た?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「答えなくていい」


部下 :
「……う」


マネージャー :
「ゴールデンウィーク明けから、私の直属の部下として働いてもらう。今ま
での仕事のやり方ではなく、相当ハードなことをこなしてもらう」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君は困難な状況に置かれたほうが、真価を発揮する。前の上司が、君をぬ
るま湯につけていたのがいけなかった」


部下 :
「あ、いや……」


マネージャー :
「労働時間はいっさい増やさせない。ただし濃密な時間を送ろうじゃない
か」



……新人営業に調査したところ「トップセールスになりたい」と答える人は、
20%もいないというのは、驚愕の数字ですね。

それは何故なのでしょうか?

「リアル・トップセールス」にインタビューを続けている水田裕木の書籍に、
その事実が書かれています。


■"最低でも目標達成"できる営業マンになる法
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4495522418/attaxsales-22/ref=nosim

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【編集後記】

昨日、水田の書籍を案内したところ、なんとアマゾンにおける「ビジネス書」
ランキングでいきなり1位。

アマゾン総合でも「13位」まで上昇しました。

私が昨年、出版した「脱会議」の最高位が総合「13位」だったと思います。

このときは、かなり出版キャンペーンをやったうえでの瞬間的なランクです。

水田の本はキャンペーンもなく、しかもまだ予約段階。

それで「13位」というのは、ものすごい数字ですね。

やはり今、多くの方が目標を「最低でも達成」させたいと思っているのでしょ
う。その願望・期待が、この結果をもたらしたのだと受け止めています。

部下の本がこれだけ売れて、私は本当に嬉しいです!


■"最低でも目標達成"できる営業マンになる法
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4495522418/attaxsales-22/ref=nosim

2013年4月18日

仕事に「気合と根性」が必要な2つの理由【クーリッジ効果】

● 今回のテクニック:【クーリッジ効果(3)】

クーリッジ効果とは、新しいメスの存在がオスの性衝動を活気付けることを言
う。

日本にも「女房と畳は新しい方がいい」という諺があるように、新しいモノの
ほうが、人を惹きつけやすいという心理効果。

これをコミュニケーションにどう生かすかを考察する。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「風向きがよくありません」


マネージャー :
「何の風向きだ?」


部下 :
「下の風です」


マネージャー :
「本当に吹いてるのか?」


部下 :
「いや、吹いてたらいいほうですね……」


マネージャー :
「無風状態か」


部下 :
「さびしいもんです」


マネージャー :
「先が思いやられるな」


部下 :
「何か新しいノウハウとかないんですか。部下を動かす技術です。新しく私
の下に来た連中ときたら、チームに何の風ももたらしてくれない」


マネージャー :
「春の嵐はもう襲来しないか」


部下 :
「うーん」


マネージャー :
「いつの時代も、新しい概念、ノウハウは2通りのパターンでやってくる」


部下 :
「2パターンですか」


マネージャー :
「宮本輝のデビュー作『泥の河』を知ってるか」


部下 :
「ああ、名作ですね。芥川賞受賞作」


マネージャー :
「それは『蛍川』だ」


部下 :
「ああ」


マネージャー :
「『泥の河』は文壇に衝撃を与えた。あまりに新しかったからだ」


部下 :
「新しい? 戦後の大阪を悲哀に満ちた視点で描いた小説ですよね? どち
らかというと、古いというか……」


マネージャー :
「そう。その古さが新しかった」


部下 :
「古さが……」


マネージャー :
「当時は村上龍の『限りなく透明に近いブルー』や、三田誠広の 「僕って
何」が話題で、どちらかというと人情味あふれた小説は純文学的に評価が低
かった。だから逆に新鮮だと受け止められた」


部下 :
「……へえ」


マネージャー :
「さっき言ったとおり、新しい概念は2通りのパターンでやって来ると私は
思う。ひとつ目は、過去に例のない鮮烈な思想を持つもの。ふたつ目は、古
典への回帰だ」


部下 :
「はァ」


マネージャー :
「経営もそうじゃないか。部下育成もそうだ」


部下 :
「部下育成の古典を探せ、ってことですか」


マネージャー :
「それが逆に新しい概念になる、ってことだ」


部下 :
「部下育成の古典……。『気合と根性』ですか」


マネージャー :
「それは古典というより、原点回帰だ」



……「気合と根性」が必要なのは、行動スタート時と、行動クローズ時です。

正しくPDCAサイクルをまわすためには、「気合と根性」は不可欠です。

それはなぜか?

すでに「300」近い「いいね!」をもらったコラムをご紹介します。短いの
で、さらっと読めるのがいいのでしょうね。


■ 仕事に「気合と根性」が必要な2つの理由
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20130416-00024438/

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【編集後記】

「気合と根性」が必要といっても、体で覚えない限りは身につかないですよね。

新年度がスタートし、申し込みが増えている衝撃のセミナーをご紹介します。

動画は必見です!


●「絶対達成スピード講座」
【名古屋 5/9】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01655.html
【東京 5/20】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01654.html


(ちなみに、メルマガの読者数が2万人を超えました。ありがとうございます。
1万人を超えたときは大騒ぎしましたが、今はクールに受け止めています)

2013年4月14日

「謙虚さ」をロジカルに解説してみる【フット・イン・ザ・ドア・テクニック】

● 今回のテクニック:【フット・イン・ザ・ドア・テクニック(11)】

フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは、はじめに小さな依頼を受け入れて
もらい、次に本当に頼みたいことを受け入れやすくするテクニックのこと。

最初の承諾が人間の心を拘束する心理術を応用している。ドアを開けた瞬間に
片足を捻じ込むセールスマンのテクニックからこの名が付けられた。ドア・イ
ン・ザ・フェイス・テクニックの反意語。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「会社を辞めたい?」


部下 :
「……はい」


マネージャー :
「君は、いつ入社したんだ」


部下 :
「2月15日です」


マネージャー :
「まだ2ヶ月も経ってない」


部下 :
「そうですが……」


マネージャー :
「確か、君は大学を出てから3回転職しているよね? 4年で3回だ。いろ
いろ事情はあるだろうが、自分の履歴書を傷つけるような行為だから、慎重
に判断したほうがいい」


部下 :
「……」


マネージャー :
「理由を聞いてもいいか」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「どうしたんだ」


部下 :
「直属の上司が、私のことを正しく評価していない気がするんです」


マネージャー :
「E主任のことか」


部下 :
「……はい」


マネージャー :
「E主任が君のことをどのように評価しているかはわからないが、まず君は、
現時点でどのようなことをすべきなのだろうか」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「もう1回質問する。入社して約2ヶ月が過ぎたよね? 現時点において、
わが社で君はどうあるべきなんだろうか」


部下 :
「……」


マネージャー :
「当社に対する未練はもうないかもしれない。でも、それぐらいは考えてい
いだろう」


部下 :
「んん……」


マネージャー :
「パッと出てこなくてもいいが、E主任はこう言ったはずだ。入社して1ヶ
月後には、業務マニュアルに書いてあることは覚えて、成果は出なくとも、
自分でできるようになってくれ、と」


部下 :
「……」


マネージャー :
「そのために、毎日朝から1時間、業務マニュアルを読む。そして午前中、
実践する。午後からまた1時間マニュアルを読む。そして実践する。これを
10日間やったはずだ」


部下 :
「え、ええ」


マネージャー :
「E主任は、わからなければすぐに質問して欲しいと言った」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「まず、そのことはどうなんだ。1ヶ月間、実践したのか」


部下 :
「あ、あの……。それがですね。マニュアルに不備があったことは言わせて
ください。渡されたマニュアルが少し古かったようで、その……」


マネージャー :
「君がそれを認識してから、E主任に相談するまで、5日間経過していると
聞いた。それは本当?」


部下 :
「うーん、どうでしたでしょう……」


マネージャー :
「E主任は1ヵ月後に、マニュアルを理解したうえで、次の仕事を任せよう
とした。しかしマニュアルに書いてあることをまるで理解できていない君に
少し失望したんじゃないか」


部下 :
「……」


マネージャー :
「なんて言われた?」


部下 :
「謙虚さが足りない、と言われました」


マネージャー :
「ほう」


部下 :
「もっと謙虚になれって」


マネージャー :
「うん」


部下 :
「……」


マネージャー :
「勤務を続けるかどうかは別にして、まずはマニュアルを1時間読む。それ
を実践してみないか」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「マニュアルを1時間読んだら、そのとおりに実践する。マニュアルを見な
くてもできるまでやるために、1日に5回、実践してみる。どうだろう」


部下 :
「1日に5回……」


マネージャー :
「それができない理由は?」


部下 :
「い、いえ……。ありません」


マネージャー :
「じゃあ、やってみよう。1日に5回実践することを1週間やってみない
か」


部下 :
「1週間ですか」


マネージャー :
「それができない理由は?」


部下 :
「い、いえ。ありません」


マネージャー :
「君は当社に在籍しているあいだは、会社の収益に貢献しているかどうかは
別にして、お給料はもらっている。そうだよね」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「できない理由がないことで、会社側から頼まれたことをするのは?」


部下 :
「あ、あたり前のことです」


マネージャー :
「あたり前のことをやらなかったら?」


部下 :
「……謙虚さが足りない、ということです」


マネージャー :
「私もそう思う」


部下 :
「私」


マネージャー :
「うん」


部下 :
「どうして、これまで仕事が続かなかったか、わかった気がします」


マネージャー :
「そうか、それはとても大事なことだな」


部下 :
「……」



……「謙虚さ」とは、「あるべき姿」と「現状」とのギャップを正しく認識す
ることで身につきます。

「謙虚さ」を論理的に理解してみませんか?

■「謙虚さ」とは何か? ……ロジカルに「謙虚さ」を考えてみる
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20130414-00024400/

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【編集後記】

先週ご紹介したセミナー「目標を絶対達成させるための営業メールテクニッ
ク」は、

やはり多くの申し込みがあり、すでに席がほとんど残っていません。

このように、セミナーの告知をすると、(特に東京の場合)今年はまたたく間
に満員御礼となります。

驚くほど速く埋まります。

本当にありがたいことです。

いま、何か新しいことを企画し、スタートさせても、ほとんどのことがうまく
いっています。

もちろん「大成功!!」「大当たり!!」と呼べるものがあるかどうかはわか
りませんが、

「2度とあんな失敗はしたくない」「こんなにうまくいかないなんてひど過ぎ
る」などと振り返ることは、ここ数年まったくないと言ってもいいでしょう。

しかし、

そうであればあるほど、私は怖さを感じます。

「うまくいく状態」が長続きすることなどあるものか、と思うからです。

「調子に乗ってはいけない」

「地に足をつけて考えるべきだ」

「有頂天になるのは死んでからでいい」

などなど……。

週末、私が立ち上げた「日本セールスマッスル協会」のメンバーで、おそらく
最もマラソンなどとは縁遠いだろうと思う人が、フルマラソンに挑戦し、

見事、6時間46分で完走されました。

制限時間が7時間でしたので、ギリギリのタイムでの完走。

去年まで、ほとんど走ったこともないような人でしたが、今年からマラソンの
トレーニングを開始。

たった3ヶ月でフルマラソンを走りきりました。

何人かのメンバーがトレーニングに帯同したり、どのようなペースで走りきる
かをプランニングしたり、

当日はメンバーが代わる代わるペースメーカーとして付き添ったり……

まるで「24時間テレビ」のようなドラマが繰り広げられたのです。

私はその状況をフェイスブックを通して眺めていたのですが、

最後、ゴールする1時間ぐらい前からはパソコンの前から離れることができず、

全国にいるメンバーからの怒涛の「応援メッセージ」の書き込みがおさまらな
くて、私も涙が止まらないほどに感動しました。

その前日の金曜日、私は東京での1日のセミナーから戻り、夜10時ごろに帰
宅。

仕事が立て込んでいたせいで睡眠不足もあり、妻に話しかけられてもボーっと
していました。

非常にストレスがたまっていて、

家にそのままいるのが何となくイヤで、私は妻と一緒にモスバーガーへ向かい
ました。

夜10時過ぎから「モスチキン」。

頭が酸欠状態で、ぼんやりと妻の話を聞きながら、

「あーー、もうなんかダルい。ホント、なんでこんなに仕事してんだろ」

と、ブツブツブツブツ脳内でつぶやきながら「モスチキン」を頬張ったのです。

しかし、翌日の仲間の奮闘で、私は自分の不甲斐なさをあらためて感じたので
した。

今回フルマラソンに挑戦した人は、IT企業の社長です。

ご自身で会社をやりくりし、4人家族を支え、さらに少ない時間をトレーニン
グにあてて、人生初の大仕事をやり遂げたのです。

それに比べて自分は何だ?

夜遅くにモスチキン食べながらグダグダしてる自分は何だ?

もっと自分を戒めろよ、もっと謙虚になれよ、もっと限界に挑戦しろよ!

……などなど、とても考えさせられる週末でした。

このように思ったものですから、このコラムを書きました。

自分の現状を正しく認識しないといけませんね。


■「謙虚さ」とは何か? ……ロジカルに「謙虚さ」を考えてみる
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yokoyamanobuhiro/20130414-00024400/

2013年4月12日

「口ベタ」な人の正しいメールの書き方【アクノリッジメント】

● 今回のテクニック:【アクノリッジメント(11)】

アクノリッジメント(アクノリッジ)とは、相手に関心を寄せて承認し、その
ことを肯定的な言葉で伝えることである。

どのようなときも感謝の気持ちを忘れず、相手の可能性だけを見つめることに
より、行動の変革を促すことができるようになる。

承認することを目的とするぐらいに、承認を意識することが重要である。

承認が目的になってしまうと心が伴わない、と思われる方も多いだろうが、そ
れを気にしていたら何もできない。

「気持ちはあとからついてくる」

と考えるようにして、まずは「相手を承認する」という体験を積むことにフォ
ーカスして取り組むぐらいがちょうどよい。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「君は以前、どこの部署にいたんだ?」


部下 :
「私は金沢です」


マネージャー :
「金沢支店か。こっちに赴任したのはいつ?」


部下 :
「4月1日です」


マネージャー :
「え! 4月1日?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「君はまるでカルティエのペンのようだ」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「いや、私の知人からカルティエのペンをもらったんだ。これを見てくれ」


部下 :
「へェ。シンプルですけど、宝石のように品の良い輝きを持つボールペンで
すね」


マネージャー :
「まだ使ったことがない。所有している喜びだけを満たしてくれる」


部下 :
「私もいつか、そういうペンが似合うビジネスパーソンになってみたいで
す」


マネージャー :
「君がカルティエのペンだ」


部下 :
「え」


マネージャー :
「このカルティエをいただいたのがちょうど4月1日。君が赴任した日と同
じだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「このペン、なぜかずっと以前から私のそばにいたような気がする。それぐ
らいに身近な存在になった」


部下 :
「そ、そうですか」


マネージャー :
「君とは毎日顔を合わせていない。ペンと違って、私のバッグには入らない
からな」


部下 :
「はァ」


マネージャー :
「しかし、何かあるたびにメールをくれるだろう」


部下 :
「あ、はい……。支店長は大変お忙しいでしょうから、商談で気になったこ
となどは要点だけでもお伝えしたほうがいいと思って」


マネージャー :
「先ほどかぞえみたら、君からもらったメールの数、4月1日からすでに3
0通を超えている」


部下 :
「すみません。メールを出しすぎでしょうか」


マネージャー :
「私は時間に厳しい人間だ。君のメールを読む時間を計測してみたら、平均
して1分かからなかった」


部下 :
「あ、そうですか」


マネージャー :
「読むのに1分しかかからないが、10分以上は考えさせられるメールだ。
次にどんな手を打とう。そのお客様を振り向かせるにはどのように次の一手
を考えるべきか、そういうことを想像したくなるメールなのだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「この10日間近くで、そういう毎日を繰り返していると、君がとても身近
に感じる。まるでカルティエのように」


部下 :
「いえいえ、そんな……。口ベタなので、せめてメールで報告はしようと」


マネージャー :
「短文のメールだけで相手をその気にさせるなんて凄い」


部下 :
「……」


マネージャー :
「メールのタイトルの書き方がうまい。メールを開けなくとも、だいたいの
中身がわかる」


部下 :
「そこは意識しています。『今日のご報告』とか『商談の件』とか、メール
を開かないとよくわからないタイトルを書くのはやめようと」


マネージャー :
「素晴らしい。本文も工夫してるね」


部下 :
「はい。要点だけではなく、そのとき思ったことを本文の最後に2行ぐらい
は付記します」


マネージャー :
「そこがアクセントになってる」


部下 :
「無機質なメールだと読む気にならないかと思いまして」


マネージャー :
「君は凄いな」


部下 :
「いえいえ、とんでもないです」


マネージャー :
「メールだけでカルティエになれる奴を、初めて見た」


部下 :
「そういう表現をされること自体が、私にとって驚きです」



……1年に1回の「営業メールセミナー」を開催いたします。

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【編集後記】

メルマガ読者が19,924人にまで増えました。
(メルマガのヘッダー右上部にいつも記載しています)

3月末で退職される方など、いろいろな影響でメルマガ読者が大幅に減るはず
なのですが、

それを上回る登録者がいるようです。

メルマガの配信スタンドを変更したたびに千人や2千人近く減ったり、

ことあるごとに読者数は上下しましたが、これまで順調に増えてきました。

あと少しで2万人ですね。

読者数が多ければいいというわけではありませんが、やはり感慨深いです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2013年4月9日

「リアル・トップセールス」名言10選

4月がスタートし、気持ちを新たにして、「今年度こそは!」と考えている方
も多いのではないかと思います。


私は2013年を「決断」の年と位置づけています。


自分でも正しい決断をしたいし、多くの人に対しても、過去を断ち切って思い
切った「決断」をしてもらいたい。


こう考えています。


そういう意味も踏まえて、


昨日は「プレイングマネジャー」に対してのメッセージを、そして今日は、ま
さに「プレイヤー」に対するメッセージを書きたいと思います。


今日も、2日連続で日経ビジネスオンラインに私のコラムが掲載されました。


一般企業でリアルにトップセールス(よくできる営業ではなく、本当にNo.
1の営業)から集めた名言のうち、選りすぐりの10フレーズを紹介します。


●「間に合ってます」が見込み客のサイン

●お客様は買うことが前提、そう考えれば「断り文句」が「恥じらい」に聞こえる

●ファンを作るよりファンになった方が手っ取り早い

●年間目標を一日単位まで細分化し行動スピードをあげる

●「考えること」と「行動すること」の連結力が強い人ほど仕事ができる

●見積もりを1番先に提示するとチャンスが2回やってくる


……などなど。


なぜ、このようなフレーズが名言になるのか?


それをNLP理論(神経言語プログラミング)や行動経済学の言葉を使って論
理的に解説しています。


超大作コラム。



■リアル・トップセールスの「名言十選」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130405/246192/



一部の天才的な営業の技術ではなく、再現性のある手法を、私たちは提供し続
けたいと考えています。

2013年4月8日

「プレイングマネジャー」で成功するポイント【無言クロージング】

● 今回のテクニック:【無言クロージング(6)】

クロージングを最も強力にしたい場合は、「無言」を貫くことである。

相手の要望・ニーズに沿った解決策/提案をしても、なかなか相手が決められ
ないときがある。理屈ではなく、踏ん切りがつかないケース。

ダブルバインドを活用して二者択一を迫ってもいいが、敢えて言葉を発せずに
待つという手もある。

人間は普通、「間」を嫌う。しかしその「間」を恐れずに無言を貫く相手から
は強烈なプレッシャーを感じるものである。無言が最強クロージング技術。し
かし難易度はかなり高い。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「4月から部下が1人増えただろう? どうだ、少しは気持ちが変わった
か」


部下 :
「まァ、そうですね。でも、3人の部下が4人になったところで、あまり考
え方は変わりませんが」


マネージャー :
「気持ちに変化はないか」


部下 :
「課の目標が上がったので、その分、大変です」


マネージャー :
「部下が増えたんだから仕方がない」


部下 :
「まァ、そうですが」


マネージャー :
「しっかりマネジメントして、課全体で目標を達成させてくれ」


部下 :
「うーん、まァ、そうですね……」


マネージャー :
「歯切れが悪いじゃないか」


部下 :
「まァ、そうですね。プレイングマネジャーですから……」


マネージャー :
「は?」


部下 :
「え」


マネージャー :
「プレイングマネジャーだから、何?」


部下 :
「いや……その」


マネージャー :
「プレイングマネジャーだから、目標が達成しないと言いたいのか?」


部下 :
「いえいえ、そんなことはありません」


マネージャー :
「だったら何? プレイングマネジャーだからキツイ、と言いたいのか?」


部下 :
「そりゃ……はい」


マネージャー :
「ええっ?」


部下 :
「だ、だって、そうじゃないですか。私個人にもノルマがあるわけですから、
それを達成させつつ、部下のマネジメントもするのですから」


マネージャー :
「だから何?」


部下 :
「え」


マネージャー :
「というか、君はマネジメントって何かわかってるのか?」


部下 :
「あ……」


マネージャー :
「わかりもしないのに、部下をマネジメントする時間がない、と言われても
しょうがない」


部下 :
「いや、その……」


マネージャー :
「そういう奴に限って、部下の現状を聞いたり、その現状を聞いたうえでの
アドバイスしかしなかったりするんだ」


部下 :
「そ……」


マネージャー :
「それがマネジメントか?」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「以前も話したとおり、発生ベースで物事を捉えていると、マネジャーはた
だの評論家になる。コメンテーターの管理者は時間を浪費するだけで、組織
マネジメントに何ら良い影響を与えない」


部下 :
「……」


マネージャー :
「部下の行動に、抜けや漏れがあるか、それを見抜いてアドバイスするのが
マネジャーの仕事だ。発生ベースではない」


部下 :
「ううう」


マネージャー :
「基本は現地現物だ。現場を知らないマネジャーは、部下の発想に抜けや漏
れがあるかどうかがわからないだろ」


部下 :
「そ、そうですが……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「んん」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「そ」


マネージャー :
「……」


部下 :
「そうですね……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「いや、はい……。その……。ただのマネジャーだと、現場がわからなくな
り、本来のマネジメントはできない、気がします」


マネージャー :
「……」


部下 :
「その」


マネージャー :
「……」


部下 :
「フィールドプレイヤーになり、サッカーで言えば『司令塔』になって活躍
します」


マネージャー :
「……」


部下 :
「はい」


……自分でノルマを持たず、ただのマネジメントに徹する人は企業にどれだけ
必要なのでしょうか。

年齢を重ねると、「ただのマネジャー」になれると信じて疑わない人がいます。

普通「プレイングマネジャー」であたり前です。

「プレイングマネジャー」として私が大切だと思っているポイントが3つあり
ます。

1つ目は「部下と同じぐらいに現場へ足を運ぶ」ということです。

あとの2つは、今日の日経ビジネスオンラインで書いています。ぜひチェック
ください!


■「プレイングマネジャー」で成功する3つのポイント
http://pre-business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130403/246083/

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【編集後記】

東京でのセミナーが、異常なほど集まっており、4月も5月も1日のオープン
セミナー、すでに満員御礼となりました。

先日アナウンスした4月9日(明日)の、日経BP社主催講演も定員120名
をはるかに超える申し込みがあり、超満員。

現時点で、東京でご案内できるセミナーや講演がほとんどありません。

ただ、以下の2つの講座はまだ空きがあるのと、実はUstream(ユース
トリーム)で中継することも決まっています。

つまり全国で生放送を視聴できるのです。

◆「営業目標を絶対達成する『超・行動』実践講座」
 <行動編>
http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbsemi/0930/kouen/yokoyama/20130423-1/
 <マネジメント編>
http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbsemi/0930/kouen/yokoyama/20130423-2/

その日、その時間帯が都合悪くとも、アーカイブを一定期間保存しておくサー
ビスもあるそうです。

大画面で観れば、大人数で視聴できますから、リーズナブルですね。

下記URLからたどっていくと、ライブ配信の手続きができます。

http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbsemi/0930/kouen/yokoyama/20130409/

(ご質問などは、サイトに記載されている連絡先へお願いいたします)

「生放送」「中継」は、確かに生ライブと比べるとかなり迫力が違いますが、
しかしDVDなどとは異なる緊張感を得られます。

これは経験がないとわからないものですよね。

当日はソーシャルメディアで質問を受け付け、私がアドリブで答えていくとい
うコーナーもあります。

皆さまのお申し込みをお待ちしております!

2013年4月3日

「絶対スピード」を上げる2つのポイント【恐怖アピール】

● 今回のテクニック:【恐怖アピール(3)】

恐怖アピールとは、相手の恐怖感情や危機意識をアップさせることで説得効果
を得る方法。

恐怖喚起コミュニケーションとも言う。

「もしもこうしたら/もしもこうしなかったら、どうなるかわかるか?」とい
う、表現で相手をリーディングする。

恐怖体験が臨場感たっぷりに味わえるかどうかがポイント。

当然のことながら多用は禁物。多用すれば、当然のことながらラポール(信頼
関係)は崩れていく。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「おいおい、ちょっと何をやってんだ」


部下 :
「え」


マネージャー :
「どうしてロッカーの片づけをしている?」


部下 :
「あ、だって庶務の女子が手伝ってほしいと言ってきたものですから」


マネージャー :
「今日の朝、頼んだA社に対するプランはできたのか?」


部下 :
「あ、まだ途中です」


マネージャー :
「途中?」


部下 :
「はい。いや……その、男手がないとロッカーの整理はできないと思います。
ですから、その……」


マネージャー :
「ロッカーの整理はいいよ。やれば。しかし今は何時だ? 夕方の4時だろ
う? 今日の朝、頼んだ仕事はどうなってるんだ」


部下 :
「しかし、まだ時間があると思いまして」


マネージャー :
「A社に行くのは明日の朝だぞ」


部下 :
「え、まァ、はい……。ですから明日までにやればいいじゃないですか」


マネージャー :
「途中までできてるって、あと少しなのか?」


部下 :
「いや……」


マネージャー :
「現時点のものを見せてくれ」


部下 :
「あ、あの」


マネージャー :
「何だ」


部下 :
「うーん……。まだ、実は、手をつけていません……」


マネージャー :
「何だとォ?」


部下 :
「で、でも、まだ明日までには時間があるじゃないですか」


マネージャー :
「今日、俺は5時からB社の新支店長のところに挨拶にいって、それから懇
親会なんだよ」


部下 :
「え、そうなんですか?」


マネージャー :
「……!! ったく! え、そうなんですか、じゃないよォっ!!」


部下 :
「す、すみません。てっきり……」


マネージャー :
「だいたい、今日の午前中は何をやってたんだ」


部下 :
「うーん、いろいろと、デスク周りの整理とか、その……。C社へ行く準備
とか」


マネージャー :
「C社に行くのはいつだ?」


部下 :
「ら、来週……でしたっけ?」


マネージャー :
「知るか!」


部下 :
「……ああ」


マネージャー :
「今日の朝、すぐにA社のプランを作ってくれと言っただろう? そしたら
今日は特に予定があるわけではないので、すぐに取り掛かりますと君が言っ
たんだよ」


部下 :
「そ、そうですか」


マネージャー :
「そうですか、じゃないって」


部下 :
「ううう」


マネージャー :
「君が入社したのは1年前だろ? 1年前もそんなにスローリーな仕事ぶり
だったのか?」


部下 :
「スローリーな仕事ぶり……? あ、いや、そんなことはありません」


マネージャー :
「だったらどうして1年間でそんなにスローリーになったんだっ」


部下 :
「スローリー、ですか……」


マネージャー :
「あああああ、イライラする!」


部下 :
「なんか、その……。課長の話し方が、すごく、速いものですから、ちょっ
とついていけないんです。もう少し、スローリーに……いや、ゆっくりと話
していただけませんか?」


マネージャー :
「あ、の、ねえ。ゆっくりと話すとか話さないとかは関係がない。脳の基本
回転数が落ちていること自体が問題なんだ」


部下 :
「基本、回転数?」


マネージャー :
「脳の基本回転数があがらないときがあってもいい。スローリーに時間を過
ごすことがあってかまわない。しかし『ここぞ!』というときに行動できな
いと、業務がうまくまわらないことがあるんだ」


部下 :
「はァ……」


マネージャー :
「つまりメリハリだ。いつもスローリーでもかまわないが、脳のスイッチを
入れたら、クイックリーに仕事ができないとダメ」


部下 :
「こ、今度はクイックリー?」


マネージャー :
「そう。脳の基本回転数を上げようと思っても上げられないと、脳の基礎体
力が落ちていく。そうすると自分の感情をうまくコントロールできなくなり、
面倒くさいことを先送りしてしまう習慣が抜けなくなる」


部下 :
「先送り、ですか」


マネージャー :
「脳の神経細胞に送られる電気信号の伝達スピードを意図的にあげられない、
ということは、自分の意思で脳や体をコントロールできないということだ
ろ?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「だったら君の意思はどこにある? 君の意思とは関係なく、生まれたとき
からある原始的な欲求に振り回されるだけとなる」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「獣と同じだろう? モンスター社員ってよく言ったもんだ。君はまだ24
歳だ。その年齢で、自分の脳と体を、自分の意思で操れなくなるんだ。そう
したら、どうなると思う?」


部下 :
「お、恐ろしい……」


マネージャー :
「わかっていても、体がついていけないんだよ。自分ではわかっていても、
脳が言うことをきかないんだ。まるで金縛りにあったような人生を送ること
になる」


部下 :
「うわァ」


マネージャー :
「嫌だろ?」


部下 :
「い、嫌です。……スローリーは、嫌です」


マネージャー :
「ポイントは2つだ。期限を厳格に守れ。絶対厳守の期限を作るんだ。2つ
目は、期限を極端に短くしろ。長い期限はダメだ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「スピードを速めろと言っても、速めることはできない。しかし短い期限を
作り、それを厳格に守ることはできるはずだ。そうすることで、絶対的にス
ピードがアップする」


……新年度がスタートしました。

行動スピードを速めましょう。意思決定スピードを上げましょう。

昨秋アナウンスした際、強烈なインパクトがあったのか、ものすごい数の問合
せをいただいた講座があります。

それが……

「絶対達成スピード講座」。こちらの動画が、ついに新しくなりました!

プロの撮影部隊を呼んで作成した、超スピード感のある動画をご覧ください!
(2分で終了します)


■ 絶対達成スピード講座
【動画】http://youtu.be/PTzLQt8K1AA
【研修内容】http://www.attax.co.jp/service/sales/study_05.html

● 若手営業パーソン向け営業力アップ研修
「感情コントロールして最低でも目標を達成させる!絶対達成スピード講座」
【名古屋 5/9】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01655.html
【東京 5/20】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01654.html

※名古屋の講座は、残席2名です。

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【編集後記】

今年の流行語大賞は、早くも決まったのではないか? と私は受け止めていま
す。

東進ハイスクールの林修先生の名言。

「いつやるか、今でしょ!」

は、誰もが真似したくなるフレーズですね。

私もLINEの「今でしょ」スタンプ、ダウンロードしました。たまに部下へ
のメッセージに使います。(笑)

2013年になり、日本経済は立ち直りつつある中で、新しく何かをスタート
させたいと思っている人は多いはず。

このような機運の中で、このフレーズはすごくマッチしていますね。

時代を象徴するかのような名セリフ。

本文で紹介した「絶対達成スピード講座」も、今の時代にふさわしい研修なの
かもしれません。

「今でしょ!」

と言いながらも、行動スピードが遅い人はいくらでもいますから。

2013年4月1日

なぜ人は「お金」で動かないのか?【アンダーマイニング効果】

● 今回のテクニック:【アンダーマイニング効果(3)】

内的動機づけ(モチベーション)に対して、報酬を与えるなど外的動機づけ
(インセンティブ)を行うことによって、反対に意欲が低くなる現象。

「過正当化効果」とも呼ぶ。

意欲的な活動をしている人物を評価し、金銭的報酬を与えると、かえって逆効
果になりやすい、などの例がある。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「課長、4月からもどうぞよろしくお願いいたします」


マネージャー :
「おう、気合が入ってるな」


部下 :
「はい。4月から部下が2人できたものですから、ビシッと鍛えます」


マネージャー :
「よし、頼む」


部下 :
「ところでさっそくですが、お願いがあるのです」


マネージャー :
「なんだ?」


部下 :
「実は部下にきっちり行動をさせるため、ロックした行動指標をやりきった
ときには、お小遣いをあげたらどうかと思うんです。たいした金額ではなく
ていいのですが、ご褒美があったほうが気持ちよく仕事ができると思います
から」


マネージャー :
「なるほど」


部下 :
「社長に掛け合っていただけませんか?」


マネージャー :
「あのさ、こういう話を聞いたことがあるんだ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「ある会社で、君が提案したように、ある行動をやり切ったら金銭的なイン
センティブを渡すという制度を作ったそうだ。具体的に言うと、毎月500
0円」


部下 :
「そうそう。そういうことをしたいんです」


マネージャー :
「ところが、その会社では、その制度を導入したとたん、これまでやり切っ
ていた人までやり切らないようになってしまった」


部下 :
「ええっ……!?」


マネージャー :
「そりゃそうだろう。自分で決めた行動をやり切ることなどあたり前だと思
っていた人が、その常識的な価値観の値段が『5000円』だと経営者から
言われたわけだからな」


部下 :
「……」


マネージャー :
「そんな金銭的なインセンティブよりも、強力なインセンティブがある」


部下 :
「それは、何ですか?」


マネージャー :
「道徳的インセンティブと社会的インセンティブだ」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「道徳的インセンティブというのは、正しくないとわかっていることはやり
たくないという価値観だ」


部下 :
「ああ」


マネージャー :
「そして社会的インセンティブとは、正しくないことをする人間だと周囲か
ら思われたくない、という価値観のこと」


部下 :
「なるほど……」


マネージャー :
「道徳的インセンティブは、君の教育によって与えられる。組織において、
何をすることが正しいのか正しくないのか、ということだ」


部下 :
「そ、そうですね」


マネージャー :
「社会的インセンティブは、組織風土だ。お互いで傷をなめあっているよう
なチームは、社会的インセンティブが働きにくい」


部下 :
「……」


マネージャー :
「だから金銭的インセンティブに頼ろうとする。しかし、これは間違いだ。
これをアンガーマイニング効果と呼ぶ」


部下 :
「アンガーマイニング効果……。確かに、震災のボランティア活動をしてい
るとき、お金をもらおうとは思いませんでした。お金がもらえると思ったら、
かえって参加しなかったかもしれません」


マネージャー :
「お金は重要だが、どうしたら分配されるのか、正しく理解したほうがいい
し、部下にも理解させたほうがいい」


部下 :
「考えが浅はかでした。改めます」


マネージャー :
「気持ちよく仕事をしてもらうには、正しいルールを作ることが重要だよ」



……社会通念で言われている多くのことが、間違っている。

このことを統計や行動経済学によって立証しているのが名著「やばい経済学」
です。

「道徳的インセンティブ」や「社会的インセンティブ」も、この書籍からの引
用です。「目からウロコ」の連続ですので、刺激が欲しい人にはおススメ!


【参考書籍】 ヤバい経済学 [増補改訂版]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492313788/mysterycon0c-22/ref=nosim

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【編集後記】

今春、集客したらすぐに満員御礼となったセミナー

「絶対達成する決断力のつけ方」

で私は語りました。

決断するときは「節目」を狙うのがいい、と。

「節目」は、ストレス耐性が高まる時期です。「節目」を狙って大きな決断を
しましょう。

「ボチボチ変えていく」「徐々にやっていこう」はやめるべきです。

なぜならストレスがたまるだけだから。

なぜ飛行機は高度1万メートルを飛ぶのか?

それは、高度1万メートルは空気摩擦が少なく、高速巡航するのに抵抗を極限
まで減らせるからです。

低空飛行を続けていると、再び着陸したくなるものです。

4月のはじめです。

一気にテイクオフしましょう!