2012年12月31日

片付けの王道と、そのテクニックとは?【オーバーステート】

● 今回のテクニック:【オーバーステート(8)】

オーバーステートとは、文字通り「大袈裟な表現」のことである。

曖昧なことを繰り返す相手に、わざと大袈裟な数字を示して反論させ、具体的
な条件を引き出す方法。 少しふざけた調子で吹っかけるのがコツ。

「100%ダメなんですか?」 → 「100%ダメというわけじゃないです」
「年収1000万ぐらいもらってるんだろ?」 → 「半分くらいですよ」
「本当は彼女の3人や4人いるんだろ?」 → 「1人しかいませんよ」


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「なんだ、冬休み中に出勤か?」


部下 :
「部長こそ。どうしたんですか」


マネージャー :
「A社の取締役と2日、ゴルフに行くのに、連絡先がわからなくなって事務
所に探しに来ただけだ」


部下 :
「そうなんですか。私はちょっとデスク周りを片付けしに」


マネージャー :
「デスク周りの片付け?」


部下 :
「年末、出張が連続していまして時間がとれなかったものですから。どうし
ても年内に終わらせておきたいと思いまして」


マネージャー :
「ほォ。マジメだねェ。君の家はさぞかし、無駄なものなど何ひとつないん
だろうな」


部下 :
「いやいや、そんなことありません」


マネージャー :
「これから、君のデスクの上に積みあがったこの書類の束、デスクの周辺を
も占拠している書籍の山を、すべて捨ててしまうんだろ」


部下 :
「いや、すべて捨てるっていうわけには」


マネージャー :
「君の家から事務所まで電車でどれぐらいかかる?」


部下 :
「えーっと、1時間10分ぐらいです」


マネージャー :
「1時間10分もかけて事務所に来たんだから、当然、中途半端な片付けで
終わることないだろ」


部下 :
「うーーーん。ま、そうですけど。全部捨てるつもりは……」


マネージャー :
「片付けの王道って知ってるか?」


部下 :
「あ、いえ。教えてください」


マネージャー :
「いったん全部、外へ出す。それから必要なものだけを戻す。残ったものは
捨てる。これだけだ」


部下 :
「いったん全部、外へ出す……」


マネージャー :
「たとえば引き出しの中を片付けたいとするだろう? 引き出しの中を覗き
ながら要らないものを捨てたり、品目に沿って整理しようとしてもダメだ。
なかなか片付かないし、時間もかかる」


部下 :
「なるほど、思い切ったやり方ですね」


マネージャー :
「思い切ったやり方? 普通だろう」


部下 :
「あ、はい……」


マネージャー :
「それと、もう一つ言うと、収納は増やさないのもテクニックのひとつだ」


部下 :
「収納を増やさない……ですか」


マネージャー :
「収納が増えると、自動的に物も増える。人間は空白があると、それを埋め
たがるからだ」


部下 :
「うーーーん。そうですか。実は、書類が増えてきたのでラックをもう一つ
増やしてほしいと、申請したばかりなのです」


マネージャー :
「あ。そう。俺が却下しておいてやる」


部下 :
「却下ですか!」


マネージャー :
「ごちゃごちゃ言ってないで、このデスクの上に積みあがった書類を全部、
あそこのテーブルに移動したまえ。俺も手伝うから」


部下 :
「いや、いや! 部長に手伝わせるなんて!」


マネージャー :
「そのほうが早く終わるから。引き出しの中にある書類も全部出せ!」


部下 :
「は、はい……」


……モノに執着すると、ヒトに対する関心が薄れてきます。気をつけたいです
ね。

組織マネジメントをするうえでも、いったん全部、外へ出して、必要なものだ
け残し、あとはすべて捨てませんか?

2012年、最後にご紹介する書籍は「脱会議」です。

この本は会議をなくせと、ただ書いているのではなく、正しいPDCAサイク
ルをまわすためには、

いったん会議や資料を全部リセットし、必要なものだけを残すべきだと主張し、

そのやり方を解説しています。

会議という名の「収納」を増やすことなく、組織マネジメントの片づけをしま
しょう。

武田双雲さんの字体を見れば、片付けたくなること、間違いなしです!

■「脱会議」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822274004/mysterycon0c-22/ref=nosim


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【編集後記】

「節目」というのはとても大切ですね。

私は正月が大好きです。

以前、編集後記に書きましたが、青年海外協力隊で未開の地によく足を運んだ
こともあって、私は「儀式」が好きだからでしょう。

元日は、1年で最も厳粛な気持ちにさせてくれる日です。

おそらく今年も、家族4人で家の周りを【早朝ごみ拾い】をするでしょう。

毎年の日課となりそうです。

いろいろな思いを胸に抱きながら、その日を過ごしたいと思います。

さて、

本メルマガは、NLP(神経言語プログラミング)をはじめとする行動心理学、
行動経済学、脳科学などのネタを使うと、

どのように人は誘導されるのか。これを中心に取り扱ってきました。

使用しているのはプレーンのテキストデータのみです。

しかし、このテキストのみで人を動かすこともできるのだということを覚えて
いただきたいと私は思います。

言葉の使い方で、人を動かすことも、人を動かさないこともできるということ
です。

このメルマガを読んでいる皆さんの中には、仕事上で年始の挨拶などをされる
方も多いでしょう。

そのときは、どうぞ、言葉の使い方には気をつけていただきたいと私は思いま
す。

「2013年となりましたが、依然と厳しい景況感が続く中……」

「東日本大震災、厳しい日中関係や欧州債務危機など、当社を取り巻く環境は
依然として厳しいものがあり……」

という年始の挨拶は、なるべく最小限に控えていただきたいということです。

気を引き締めさせることと、ネガティブ思考に陥らせることとは別の話です。

ふんどしを締めなおして前に進むのか、

怖気づいて思考停止になってしまうのか……。

表現者にその意図はなくとも、重要なのは、情報の受け取り手がどう解釈する
かです。

コミュニケーションの基本は、受け取り手の反応ですから、そこに関心を向け
ないことには何事もうまくいきません。

景気は、人の心理によっても大きく動きます。

組織が活性化するかどうかも、同様です。

不安の煽りすぎ、過剰な危機感の情宣は、やめましょう。

2013年も、きっといいことが起こります。

現状を正しく理解しつつ、それでも心は軽やかにやっていきましょう。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2012年12月27日

誰も教えてくれない「人を動かすテクニック」【イーブン・ア・ペニー】

おはようございます。
「メルマガ草創花伝」の横山信弘です。


● 今回のテクニック:【イーブン・ア・ペニー・テクニック(8)】

イーブン・ア・ペニー・テクニックとは、心理的ハードルを極端に下げて相手
に依頼すること。

「寄付をしていただけませんか」と依頼内容だけを伝えるよりも、「1ペニー
でもいいですから寄付していただけませんか」と頼んだほうが、結果的に多い
額の寄付を得られる可能性が高いことから、このように言われるようになった。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックと似ているが、フット・イン〜のほうは
依頼内容を段階的に引き上げていかなければならないため、イーブン・ア・ペ
ニーのほうが簡単。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「冬休みはどうするんだ」


部下 :
「実家がある高知へ行こうと考えてます」


マネージャー :
「高知と言ったら、鰹(かつお)のタタキが美味しいよね」


部下 :
「課長、行ったことがあるんですか」


マネージャー :
「学生時代にだ。もう30年以上も前だよ」


部下 :
「そうですか。故郷の味っていいですよね。昔の輝いていた時代に戻れます
から」


マネージャー :
「そうか」


部下 :
「……」


マネージャー :
「昔の、輝いていた時代、か」


部下 :
「……」


マネージャー :
「なあ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「来年の3月で会社を辞めて、それからどうする」


部下 :
「うーーーん。東京に残るつもりではいます」


マネージャー :
「なるほど」


部下 :
「……」


マネージャー :
「東京には残るつもりでいるけれど、それ以外のことはわからない、という
ことか」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「もう何歳になった?」


部下 :
「35歳です」


マネージャー :
「35か」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「子供は産まれたばかりだろう」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「しばらくは子育てか?」


部下 :
「え、ええ。そうですね失業保険をもらっている間は、子育てでもしようか
な、と」


マネージャー :
「そうか」


部下 :
「……」


マネージャー :
「リーダーにとって一番大切なことは何かわかるか?」


部下 :
「え? いや」


マネージャー :
「人を動かすことだ」


部下 :
「ああ」


マネージャー :
「部下がいるからリーダーと呼ばれるんだろ。その部下を動かすことができ
ないなら、リーダーである必要がない」


部下 :
「そう、ですね……」


マネージャー :
「そして、人を動かすには何が一番大切か、知ってるか」


部下 :
「いえ」


マネージャー :
「……」


部下 :
「一番、私が知りたいことです。どうやったら人を動かすことができるのか、
それが知りたくて知りたくて、ずっとあがいていました。35歳になるまで、
それがずっとわからなくて……。結局、こうなってしまいました」


マネージャー :
「知りたければ、プロに学べばいい。人を動かしたり、騙したりするプロ
だ」


部下 :
「騙したりするプロ……。詐欺師ですか?」


マネージャー :
「私が参考にするのはマジシャンだ」


部下 :
「マジシャン!」


マネージャー :
「そう。マジシャンっていうのは、相手を簡単に動かす。虜(とりこ)にす
る」


部下 :
「そりゃあ、マジックを見せるからでしょう」


マネージャー :
「違う」


部下 :
「え」


マネージャー :
「マジックを見せられるから虜になるんじゃなくて、虜にするからマジック
に見えてくるんだよ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「そして、どうすれば相手を虜にできるか、それは、圧倒的な『自信』だ」


部下 :
「……!」


マネージャー :
「そして自信をつけるためには、結果。結果が出れば自信がつき、自信がつ
けばコミュニケーション能力がアップし、相手を虜にでき、そしてまるでマ
ジシャンのように人を動かすことができるようになる」


部下 :
「結果……」


マネージャー :
「とはいえ、結果といっても大きな結果をいきなり求めてもダメだ。だから
すぐ目の前にある行動に焦点を合わせる。その行動をやり切る。すべてがそ
こからスタートする」


部下 :
「やり切る」


マネージャー :
「そう。逆算思考だ」


部下 :
「やり切る、か……」


マネージャー :
「君は来春、会社を辞める。それはもう俺には止められないかもしれない。
だけど、それまでには自信を取り戻してほしい」


部下 :
「……」


マネージャー :
「この冬の間、せめて、せめて……。何か、これまで行動したことのないこ
と。やったこともないようなことを1つだけ。1つだけ挑戦してやってみな
いか。小さなことでいい」


部下 :
「……」


マネージャー :
「1つだけで、いい」


部下 :
「……なぜ、なぜ、そんなに課長は、私のことを……」


マネージャー :
「高知に悪い奴はいない。単純にそう思ってるから」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「わかりました……。50社ある取引先に、冬休み中、時間をかけて葉書を
出します。手書きで、新年のご挨拶を」


マネージャー :
「その行動をロックするか?」


部下 :
「はい。ロックします」



……拙作「絶対達成マインドのつくり方」で一番気に入っている部分は、

後半の「絶対達成するコミュニケーション術、アイデア術」のところです。

「学習の4段階」で自信を身につけることで、コミュニケーション能力がアッ
プし、アイデア脳も身につく。

その理由が後半になって明らかになっていくストーリーを、私は気に入ってい
ます。

自信がなければ、自分の将来を不安視するのは当然でしょう。

なぜなら、自分のポテンシャルをどのように広げたらいいのか、将来に向けて
どのように行動すればいいのか、そのアイデアが浮かびあがらないからです。

行動をロックし、目標を絶対達成させるためには、常に創意工夫の連続です。

その創意工夫した過去、その【歴史】が自分自身にないのなら、

困難なことにぶち当たったときの打開策はひらめかないのです。

人を動かすためにも、自分の未来を切り開いていくためにも、何より「自信」
が必要ですよね。

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【編集後記】

今年の配信したメルマガで、(というか、おそらく私が書いてきたすべてのメ
ルマガを通じても)最も反響の高かった号を、今回はご紹介します。

それは、東日本大震災からほぼ1年後の、3月8日に出した「号外メルマガ」
です。

この文章は今もなお、ネット上を駆け巡っているようで、いまだに本メルマガ
の感想をいただくことがあります。

言葉の力を思い知らされた、心に残る出来事でした。

今日は、その号外メルマガの内容を以下に「ノーカット全コピー」いたします。
(すでに読まれた方は、飛ばしてください)



おはようございます、「メルマガ草創花伝」の横山信弘です。


メルマガを配信して今年で4年目になりますが、自分のセミナーやDVD、書
籍の案内以外で号外メルマガを書くのは、今回がはじめてです。


どうしても、このメルマガは読んでもらいたくて、事前にツイッターやフェイ
スブック、昨日の編集後記でも事前告知いたしました。


読み終わったら、本メルマガをすぐ解約していただいてもかまいません。


それでもなお、どうぞ、このメルマガだけは最後まで読んでいただきたいと私
は思います。


そして必要あれば、多くの方に転送していただけたらと存じます。


それだけ、力を込めて文章を書きます。


私はこのメルマガ「草創花伝」で、多くの方が語る「言い訳」について取り扱
ってきています。


リアルに、先日も、セミナーに来られた営業部長から、


「いろいろとご指導いただきたいけれど、無理ですなァ。業界自体が冷え込ん
でましてねェ」


と言われました。


ある若手の営業さんからは、


「課長の問題じゃないでしょうか。逆立ちしてもできない目標を、社長に言わ
れた通りに部下へ通達する上司なんて、どこの世界にいるんですか」


と言われました。


ある企画室の室長さんからは、


「私はiPadで何が実現できるか知りたくてセミナーに来ただけです。目標の達
成率? 営業の課題? そんなこと私に聞かれても知りませんよ。それが私の
仕事なんですか?」


と言われました。


そのような言い方をする人たちに、私はある書籍を紹介したいと存じます。


ふんばろう東日本支援プロジェクト代表 西条剛央氏が書いた
「人を助けるすんごい仕組み」


という本です。


この書籍は、西条さんとその仲間数人で立ち上げたプロジェクトが、


「10分」


「1時間」


「2日」


「1週間」


という、ものすごく短いスパンで、


芸能人から政治家、地域の有力者とを次々とつなげ、


約3000箇所以上の避難所、仮設住宅、個人非難宅に【15万5千品目】に
及ぶ物資支援を成立させ、


アマゾンの「ほしい物リスト」により、【2万4千個】以上の物資支援を実現
させ、


さらに、


雇用創出プロジェクトにより、【121名】の方が重機免許を取得させ、


【2万5千世帯】以上に家電を送る……


といった、数々の偉業・はなれわざを、


政府や地方自治体、寄付団体を経由することなく、支援者と被支援者とを直接
つないで成功させていった「仕組み」や「原理」について、仔細に解説してい
ます。


ボランティアなどされたこともない、まだ30代の西条さんが、


「構造構成主義」という原理に従って、行動をし続けた結果が引き起こしたも
のです。


細かいことは本書を読んでいただくとして割愛しますが、


私が読んで思い立ったのが、


「DCAサイクル」


というキーワードです。


マネジメントの基本「PDCAサイクル」の「P」を抜かした、


「DCA」


なのです。


本書で、西条氏の意思決定と行動を追いかけていると、酔ってくるほどのス
ピード感を味わいます。


凄まじい被災地の描写に対して、イチイチ感傷に浸っていられないほどの、も
のすごい「行動の集積」によって、


一見、不可能そうなことを可能にしていくのです。


おそらく、「不可能ではないか?」という思考ノイズが入り込む余地がないほ
どの、ウルトラスピードで行動していった結果なのではないか、と。


ですからプランニングの「P」はほとんどせずに、とにかく動く。誰かに言わ
れたこと、ネットで見かけたことの真偽がわからないからといって行動するか
どうか迷う、という時間さえも惜しんで


とにかく動いて、自分の目で確かめ、そして行動し、結果を検証し、改善する。


ですから「DCAサイクル」だ、と思ったのです。


動きながらの改善行動に終始しているからです。次から次へとアイデアが創出
され、形に変えていくスピード感は、見事さは爽快な気分にさせてくれます。


メルマガ読者の方にお叱りを受けることを、覚悟の上で書きますと、


私はこの書籍を読んで痛感したのは、


世の中のほとんどの「言い訳ばかりをする人」「言い訳がついつい口から出て
しまう人」は……


「暇(ひま)」


なのだ、と言うことです。


「暇」だから、「決定しないという決定」をくだし、面倒なことは先送りにし
て、後から指摘されると無意識のうちに言い訳をしてしまうのです。


この書籍を読んでいると、


そうとしか考えられなくなります。


もう一度書きます。


言い訳をする人は「暇(ひま)」だ、ということです。


本書で紹介される、プロジェクトに関わる人たちに、誰一人として「暇」な人
は出てきません。


誰も、時間的に「暇」な人は出てこないのです。空間的に「隙間」があるよう
な人はまったく登場してきません。


しかし、


誰もが、精神的には、なぜか「余裕」を見せるのです。


あまりの短時間の中で行動を繰り返していると、まるで物事が止まっているか
のように見え、


その止まったかのように見える時間の中で、「状況」と「目的」とを合わせて、


「方法論」


を選択していくのです。


この「すんごい仕組み」という書籍の凄さは、


ただ、被災地の悲しい現実を知らしめるために書かれたわけではなく、また支
援プロジェクトの偉大さを伝えたいがために書かれたわけでもなく、


誰もが想像もしない事態に直面したとしても、そのときそのときの「状況」
「目的」に合わせて「方法論」を決めることで、


シンプルな答えは自然と導かれるという、すべての、あらゆる組織に応用でき
る、きわめてシンプルな「原理原則」が書かれていることです。


したがって、


そのときそのときの「状況」と「目的」さえ把握すれば、


「前例がない」「前例がないことをやって責任をとらされても困る」みたいな
ことは、誰も言えないはずです。


こういう人は「暇」だとしか言いようがありません。


何日も何日もかけて、吐きながら遺体を梱包した金髪の青年。


津波にのまれ、顔まで浸かりそうになりながら、ずっとお孫さんを水上に持ち
上げながら生きながらえた老婆。


読んでいるうちに、涙がメガネの上にこぼれ落ち、何度もメガネを拭くのです
が、次々にメガネが濡れそぼってしまうので、


最終的には、メガネを拭く時間も惜しんで、私は名鉄(名古屋鉄道)の電車の
中で、この書籍を読了しました。


そして、


私よりも5歳年下のこの著者の前では、


あまりに自分がちっぽけで、そして目の前の、「面倒だな」と思う諸々の作業
すべてが、まるで塵のように微小なものであることがわかってきたのです。


一番、鳥肌が立ったのが、


知的障がい者虐待事件の被害者救済活動の事務局長だった50代の男性が、こ
の西条さんと出会い、


「いま、ようやくリミッターが外れたよ」


と口にするシーンです。


リミッターを外す。


つまり、「現状維持バイアス」のことです。


この方は、何十年も障がい者の人権運動に心血を注いできた方です。


その方が、まるで社会運動をしたこともなかった西条さんと出会い、意見交換
をしていく中で、


まだ自分の中に現状維持バイアスがあって、それに気付き、さらにそのバイア
スを外すというのです。


人間、どこまで限界を超えられるんだろう? と思いました。


皆さんも「人を助けるすんごい仕組み」を読んでみてください。


どんなにイヤな上司がいようと、


どんなに会社の理念に共感をもてなくとも、


日々、まったくモチベーションが上がらないと思っても、


「何かいいことがないかな」が口癖であっても、


あなたが「日本人」である限り、強烈にインスパイアされることでしょう。


皆さんご存知のとおり、


もうすぐあの「3月11日」を迎えます。


それぞれに、それぞれの思いを抱くことでしょう。


どのような取り組みをしてもいいでしょうし、どのような活動に励んでもいい
と思います。


でも、


約一年前のメルマガにも書きましたが、


目の前の仕事は、言い訳せずにキッチリやりましょう。


結果を「絶対達成」でいきましょう。


その日の気分次第で、仕事に気持ちが入るだの入らないだのという思考ノイズ
に侵されるのはもう終わりにして、


ただ、淡々と仕事をこなし、会社の収益に貢献し、税金を正しく納めましょう。


くどいですが、「言い訳」とはサヨナラするのです。


なお、西条さんは印税全額を、そして発行元のダイヤモンド社は売上の一部を
この支援プロジェクトに寄付するそうです。


私から、ひと言。


買いましょう。


■「人を助けるすんごい仕組み」
ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478017972/mysterycon0c-22/ref=nosim


なお、


本書の編集者は、出版業界において知らない人はいないと言われるカリスマ、
寺田庸二さんです。


装丁は水戸部功さん、本文デザインは新田由起子さんです。


自著「絶対達成する部下の育て方」と同じメンバーがこの奇跡の書籍を仕上げ
たのです。


偶然ではありますが、私は大変誇りに思っています。


編集者の寺田さんには、何の相談もなくこのメルマガを書きましたが、一冊で
も多く、この書籍が日本全国に行き渡り、


被災地にいる方々はもちろん、


すべての読者の価値観を変え、そしてほうぼうにおいて、組織運営における新
たな取り組みがなされることを心から願っています。


いつもありがとうございます。

2012年12月25日

今年最後の、大切なメッセージ【バンドワゴン効果】

● 今回のテクニック:【バンドワゴン効果(8)】

バンドワゴン効果とは、多数の支持を受ける物事のほうが受け入れやすくなる
こと。要するに「勝ち馬/時流に乗ろうとする」心理のことである。

「さくら」を使うのは、このバンドワゴン効果を狙ったテクニックの一つとい
える。

ちなみに「バンドワゴン」とは祭りや行列の楽団車のことであり、パレードで
楽団車が通るとみんなが集まってくる。この現象からきた言葉である。

反対語は「アンダードッグ効果」。

【注意点】 効果的に使いたいときだけ活用すること。決して「他社もやって
いるから自社も追随しよう」という発想をしてはならない。正しい経営判断の
ためには、正しいデータに基づいた判断が不可欠である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「今年1年、振り返ってどうだった」


部下 :
「そうですね……。個人的にはやり切った、という気持ちがありますが、部
下に対しては、やり切らせた、という気持ちがないです」


マネージャー :
「どうしてだろう」


部下 :
「うーん、やっぱり部下に『やらされ感』を覚えさせたくない、と私が思っ
てしまうからなんでしょう」


マネージャー :
「『やらされ感』か」


部下 :
「はい。自主的に動きたくなるような、そういう環境づくりを、来年はもっ
と心掛けていきたいです」


マネージャー :
「ふーん」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「ま、そういう適当な話は、俺、どうでもいいんだよ」


部下 :
「え、適当……?」


マネージャー :
「だって適当だろ」


部下 :
「いやいや、そんな。適当だなんて……。これでも真剣に考えているんです。
部下をどうしたら、やり切らせるようにさせられるかって」


マネージャー :
「だったら『自主的に動きたくなるような環境づくり』って何だよ」


部下 :
「うーーーん」


マネージャー :
「だろ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「具体性がまったくない」


部下 :
「え、ええ」


マネージャー :
「上司の君の発言に具体性がないんだから、部下にやり切る習慣が身につく
わけない」


部下 :
「そう言われましても、あまりに強制力を発揮すると、部下はみんな萎縮し
ますよ」


マネージャー :
「誰が?」


部下 :
「え? ですから私の部下たちです」


マネージャー :
「いつ、そんなことを言ったんだ?」


部下 :
「いや……。言ってはいないですが、言わなくてもわかるんです」


マネージャー :
「そういう適当な話はやめてくれ。じゃあ、君の部下を全員ここに呼ぶぞ」


部下 :
「いや、あの……。すみません」


マネージャー :
「君さ、築山節氏の、『脳が冴える15の習慣』って読んだか?」


部下 :
「え、いや……。読んでいませんが。有名なんですか、その本?」


マネージャー :
「50万部を超えて、今もまだずーっと売れ続けている大ベストセラーだ
よ」


部下 :
「50万部、ですか! それはスゴイ」


マネージャー :
「とっても、ためになる本だから君も読んでみろ。仕事のことだけじゃなく、
日常生活においても、育児においても役立つことが脳科学的に書かれてあ
る」


部下 :
「わ、わかりました」


マネージャー :
「その中で、ものすごく感銘を受けたフレーズがある」


部下 :
「何でしょう……」


マネージャー :
「『人間はどこかで、自分以外の誰かに動かされている環境を持っていなけ
ればなりません。何も強制されていない環境に置かれていると、人間はいつ
の間にか、脳のより原始的な機能である感情系の欲求に従って動くようにな
ってしまいます』という部分」


部下 :
「うーん……。『動かされている環境』か……」


マネージャー :
「何も強制されていない環境に置かれると、人間はダメになっていく。そう
いう話だ」


部下 :
「……まったく、その通りだと、思います。返す言葉がありません」


マネージャー :
「何事もバランスが大事だ。だけど、やりたいようにやらせておけば、何が
やりたいことかわからなくなっていくのが人間」


部下 :
「そうですねェ」


マネージャー :
「来年は1個でいい。1個でいいから、部下に対する何らかの強制力を発揮
しろ。君の部下たちがドンドン弱っていく」


部下 :
「わかりました」



……2006年に出された本書には、

すでに「現代人は脳のタフさに欠けている」と書かれてあります。

脳を鍛えるには、ゲームの「脳トレ」をするのではなく、

日常生活において、いかに「面倒なこと」をやるかである。そうすることで
「耐性」とも言うべき力がついてくるのだが、

便利な世の中になって、現代人は普通にしていると、その脳のベーシックな部
分が鍛えられなくなる。

と、書かれています。

もし読まれていない方がいたら、冬休みにいかがでしょうか?

読書が「面倒」と思ったら、脳の原始的欲求にあらがえないという証拠かもし
れません……。

今年、最後にお伝えしたいメッセージは、何事にも「最低限の強制力は必要」
でした。


【参考書籍】「脳が冴える15の習慣」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140882026/mysterycon0c-22/ref=nosim

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【編集後記】

まだ今年は終わっていませんが、

クライアントに対するコンサルティング、そして出版そのもの、

以外で、私の2012年において、心に残る出来事といえば、

意外と「脱会議」にまつわることが多かったなと思わされます。

特に2つあげるとすると、

1つは、6月に行われた盛岡での講演です。

テーマは「脱会議」。

日経BP社の主催で実施された講演です。私の父が東北出身だということもあ
り、

東北における初めての講演ということもあって、

ものすごく気合いが入りました。

しかし、気合いが入っているからといって、いつも素晴らしい講演になるとは
限りません。

受講する方々の気持ちも一つになって、最高の講演となります。

このときばかりは地元の方々に暖かく迎えられたこともあり、気分良く講演が
でき、最高の気分を味わいました。

今年は120回を超える、セミナーや講演をこなしましたが、

この盛岡での講演が、1番の出来だったと自画自賛しています。

もう1つ、心に残る出来事といえば、

「脱会議100日マラソン」です。

5月から8月までの「100日間」で、1億円分の会議コストを削減するとい
うプロジェクト。

アタックスも日経BP社も関係のない、有志の方々と一緒に作ったプロジェク
トです。

このプロジェクトに賛同してくださった「脱会議ランナー」たちの呼びかけに
よって、

数多くの企業が、会議の実施時間を大幅に削減させてくださいました。

よくあれだけの過密スケジュールをこなしながら、こういったプロジェクトを
100日間もできたなと今になって感じています。

こういうプロジェクトはもう2度とできない気がしています。
忘れられない思い出です。

次回のメルマガ編集後記には、

今年の配信したメルマガで、(というか、おそらく私が書いてきたすべてのメ
ルマガを通じても)最も反響の高かった号を、ご紹介します。

そのメルマガは、多くの人の手によって、ツイッターやフェイスブックでも繰
り返し繰り返しシェア・転送されました。

その結果、このメルマガの読者数をはるかに超える人たちが、その号の内容を
読むこととなったのです。

その思い出深いメルマガの内容を、次回(今週)、いま一度ご紹介いたします。

2012年12月21日

直感トラップの一つ「選択のパラドックス」とは?【譲歩の返報性】

● 今回のテクニック:【譲歩の返報性(2)】

譲歩の返報性とは、「返報性の原理」のひとつ。

相手に譲歩することで、相手もこちら側に譲ってくれる可能性が高まる。

相手とペースを合わせる「ペーシング」の基本。

コミュニケーション相手の言い分をまず受け止めることは、こちらの主張をい
ったん飲み込んで譲歩することと似ている。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「おい、君のチームのアクションプラン、まだ提出されていないぞ」


部下 :
「ああああ。申し訳ありません。来週まで待ってもらえませんか」


マネージャー :
「今週が提出期限だろう」


部下 :
「申し訳ありません」


マネージャー :
「お前は謝って済むからいいよ。俺は社長に何を言われるか、知ってるの
か?」


部下 :
「いや……」


マネージャー :
「ま、いい。誰が遅れてるんだ?」


部下 :
「5人中、3人が、まだアクションプランを決めていません」


マネージャー :
「何やってるんだ。決めるだけだろう?」


部下 :
「そうなんですけれど、なかなか決められないみたいで」


マネージャー :
「それはアレだよ。吟味する権利、そしてその時間を奪われるのがイヤなん
だ」


部下 :
「吟味する権利、時間ですか?」


マネージャー :
「君のチームは、だいたい何歳くらいのが多い?」


部下 :
「そうですねェ。30代後半が多いでしょうか」


マネージャー :
「そういう世代が一番決められないんだよ。社会人になりたてのときは、そ
うでもなかったのだが、今は高度情報時代。いろんな情報があるから、どん
な選択をすれば、より良い結果が得られるのか吟味できるようになった」


部下 :
「ああ……。昔は、吟味できなかったのに、今は自分で吟味できるようにな
ったから、その時間を楽しんでいる、ということですか」


マネージャー :
「本人にそんな意識はないだろうが、そういうことだ」


部下 :
「いろんな情報を個人でアクセスできる時代になりましたから。便利といえ
ば、便利ですけど」


マネージャー :
「『選択のパラドックス』って知っているか?」


部下 :
「いや、知りませんが」


マネージャー :
「選択肢が増えれば増えるほど、人は選択できなくなる。つまり、決断でき
なくなるということだ」


部下 :
「ああああ。確かに……」


マネージャー :
「情報がこれだけ膨大にあると、目の前にある選択肢だけでなく、まだ自分
の知らない、もっと素晴らしい選択肢があるに違いない。だから今日は決め
ないでおこうと決める、という判断をしてしまうものだ」


部下 :
「決めないということを決める……。それって決定回避の法則ですよね」


マネージャー :
「そうそう」


部下 :
「情報が多すぎても、よくありませんね」


マネージャー :
「選択肢が増えることは、我々に自由ではなく、無力さをもたらす、と言っ
たのは心理学者のシュルツだ」


部下 :
「へええ」


マネージャー :
「わかった。来週いっぱいまで待とう。ただし、条件を吊り上げてもいいか
な?」


部下 :
「あ、はい」


マネージャー :
「すべてのアクションプランは必ず数値表現を入れてくれ。そして、来年の
最初の出勤日のときに、社長の前で宣言してもらう」


部下 :
「社長の前で……」


マネージャー :
「『儀式』だ」


部下 :
「わかりました。私を含め、チームのメンバー全員にさせます。吟味する時
間を楽しんだんですから、それぐらい仕方がないですね」


……何か新しいことをスタートさせる。何かを改革する。そのための決断をす
る。

そのためには「儀式」をすることが、とても有効です。

決断とは、決めて断つ、ということです。過去を断ち切って新たなスタートを
切るということですから、

何らかの「節目」のタイミングで実施するのが一番いいですよね。

もうすぐ2013年。

「節目」を迎えたときは、普段よりもストレス耐性が上がっています。

今から準備して、来年早々に何らかの「決断」をしてみませんか?

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【編集後記】

私が青年海外協力隊から日本へ帰国したのが、1998年でした。

グアテマラという中央アメリカの小国に赴任していたのですが、

未開の土地へ行けば、現代でもまだ、「儀式」を目にすることができました。

荘厳でかつ神秘的な「儀式」をです。

子供から、大人になる。

独り身から、一家の主になる。

妻から、母になる。

いろいろな場面で「儀式」が執り行われていました。

現地人の多くはマヤの末裔です。生贄の習慣もいまだ残っていました。(現代
は鶏などを生贄にしているようです)

そのような国で生活していたせいもあり、

日本に戻ってきたとき、儀式という儀式が崩壊していることに唖然としました。

テレビから流れてきた「成人式」における若者たちの醜態はとてもショッキン
グで、これが途上国から憧れる存在であるはずの日本の実体か、と思いました。

確かに、いろいろな事情はあるでしょうが、

各地で、各組織で、各家庭において、

「節目」を迎えても、なあなあに、昨日の続きが今日であり、今日の続きが明
日になる、というような、

メリハリのない時間の過ごし方になっていないかと、私は思っています。

新年を迎えたときぐらいは、何かを決意したい。

自分の肩書きを変えるぐらいに、過去を断ち切りたい。

なあなあ、で、立ち止まることなく、何となく時間を流していると、

年齢を重ねても、いつまでも子供のまま。

結婚しても、いつまでも独身のように振る舞う。

管理者になっても、まるで部下と同じような目線で経営者に文句をつける。

こういうことが増える気がします。

普段は決められない人でも、「節目」のときぐらいは、何かを決断したいです
ね。

簡素でもいいですから、そのための、何らかの「儀式」があっていいと思いま
す。

2012年12月17日

「選択と集中」の是非を問う【スノッブ効果】

● 今回のテクニック:【スノッブ効果(9)】

スノッブ効果とは、他者と同調したくないという心理作用が働き、敢えて他人
が所有しないものを欲しがったり、他人とは別の行動をしたりすること。

もともとは、誰もが簡単に入手できるようになると需要が減る消費現象のこと
を指している。

反対語はバンドワゴン効果。

部下とのコミュニケーションに応用するのであれば、プライドが高く、協調性
の低い相手に使うと効果が望める。ノーセットなどと組み合わせてもよい。

(協調性の高い相手にはバンドワゴン効果を使うことをお勧めする)


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「君は『選択と集中』という言葉が好きのようだね」


部下 :
「過去に、そんなこと言いましたか」


マネージャー :
「最近、Y商事へばかり足を運んでるそうじゃないか」


部下 :
「Y商事ばかりとは限りませんが、私がご執心なのは事実です」


マネージャー :
「大きな案件があるのは知ってる」


部下 :
「本部長、少し私の話を聞いていただいてもよいですか」


マネージャー :
「なんだ」


部下 :
「実は、私には20年以上前、真剣に結婚を考えた女性がいました」


マネージャー :
「はじめて聞くが」


部下 :
「そんな話、したことありませんから」


マネージャー :
「まさか、その女性のことが忘れられないから、今も結婚しない、というわ
けじゃ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「図星か」


部下 :
「なんとも言えません」


マネージャー :
「それで?」


部下 :
「Y商事で、その女性と出会ったのです」


マネージャー :
「……え」


部下 :
「申し訳ありません」


マネージャー :
「商談相手か」


部下 :
「……」


マネージャー :
「その女性が、商談のキーマンということか」


部下 :
「いえ」


マネージャー :
「じゃあ?」


部下 :
「トイレの清掃員でした」


マネージャー :
「……?」


部下 :
「Y商事の男子トイレへ行ったとき、見かけたのです。最初は目を疑いまし
た。しかし、事実でした」


マネージャー :
「清掃員……」


部下 :
「片膝をつき、男子トイレの便器を掃除する姿に、私は衝撃を受けました」


マネージャー :
「……」


部下 :
「何だか、とても複雑な感情を持ってしまって」


マネージャー :
「……その、女性と話をしたのか」


部下 :
「いえ、していません」


マネージャー :
「だろうな……。いや、というか、できないだろう」


部下 :
「ただ、私は一度、トイレの個室へ入っているときに、清掃員同士で話をし
ているところを盗み聞きしてしまいました」


マネージャー :
「えっ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……なんて?」


部下 :
「どうも、彼女は独り身のようです」


マネージャー :
「……!」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「来年の成人式に、振袖を買ってあげたいが、お金がないと……。そんなこ
とを言っていました」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「ど」


部下 :
「……」


マネージャー :
「どうする、つもりだ」


部下 :
「私には、どうすることも、できません。ただ……」


マネージャー :
「なんだ?」


部下 :
「私と彼女が別れたのは、婚約間近に、彼女が他の男性の子を身ごもってい
るという事実を彼女が言い出したからです。しかし、本当にそれが、私以外
の男の子なのか、私にはわからないままです」


マネージャー :
「ええっ」


部下 :
「彼女は20歳のころ、私の前から忽然と姿を消してしまいました。20年
間、私はずっとそのことを思い続けているのです」


マネージャー :
「じゃあ、来年、成人式を迎えるというのは……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「私の娘かも、しれないということです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「だから」


マネージャー :
「だから、『選択と集中』なのか。みんな、目標達成をあまり考えず、何か
惹かれるものに集中したいと、そう思うようだ」


部下 :
「い、いえ」


マネージャー :
「君もそうなのだろう」


部下 :
「私は、違います」


マネージャー :
「じゃあ?」


部下 :
「Y商事以外の案件も、キチンととりにいきます。リスク分散の意味もこめ
て、もっと他のお客様もまわる予定です。部下にも、そう指示します」


マネージャー :
「そうか……」


部下 :
「頭にノイズが入ってどうしようもありません。気を紛らわすためにも、他
のお客様のところへドンドン行きます」


マネージャー :
「君は課長だ。課の目標に責任を持って欲しい。そして、自分の家族にも、
責任を持つ必要があるだろう」


部下 :
「……」


マネージャー :
「その女性と、話をしたらどうだ?」


部下 :
「冬休み、じっくりと考えてみます。それまでは、とにかくお客様のところ
を、がむしゃらに回り続けます」


……営業先を「選択と集中」することにより、リスクを背負い込むことになり
ます。

そのためのリスク分散をしましょう。

そのことを記した私の著書「絶対達成する部下の育て方」が、

アマゾンの2012年間ランキング(ビジネス・自己啓発部門)で19位に入
ったことを、この週末、知りました。

我ながら、スゴイことだと受け止めています。

1位は、神田昌典さんの「2022」。

その他、コヴィーの「7つの習慣」(2位)、

カーネギーの「人を動かす」(5位)

稲盛さんの「生き方」(11位)

ドラッカーの「マネジメント」(12位)などなど、

誰もが知っているような書籍の中に、私の本がランクインしている。そのこと
が不思議でたまりません。


● Amazon 2012年 BOOKS 年間ランキング
http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html/ref=br_lf_m_3077684646_grlink_4?ie=UTF8&docId=3077684646&plgroup=4

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【編集後記】

昨日(12月16日)は、20年以上続けている、知的障がい者のボランティ
ア活動でした。

クリスマス会。

みんなで料理を楽しみ、ケーキを囲んで、歌ったり、踊ったりをしました。

私が社会人になり、青年海外協力隊となって一度日本を離れたあとも、

その後、結婚し、子供ができ、転職を繰り返したあとも、

セミナー、講演と、全国を行脚するようになったあとも、

本を出版したあとも、

まったく変わることなく、この素朴な活動を続けています。

2012年、今年も1度も休むことなく、ボランティア活動の行事に参加する
ことができました。

この「あたりまえ」のことのように思えることを、「あたりまえ」にできると
いうことに、

私は「ありがたい」と受け止めています。

「絶対達成マインドのつくり方」に書いたように。

2012年12月14日

ビジネスに「コーチング」は本当に有効なのか?

今日は「コーチング」に関する持論を書きます。


「コーチング」という言葉を聞いて、知らない、と答える方は少なくなってき
たと思います。


昨今は、それほどまでに「コーチング」が身近な存在になりつつあります。


私はNLPのトレーナーアソシエイトですので、「コーチング」の技術的なこ
とに関しては、もちろん精通していると自負しています。


「コーチング」の正しい実践法と、正しい効力をわかっていますし、


もちろん、その「難しさ」も心得ていると考えています。


コーチングのスキルのうち、ヒアリングなどを含む「話法」はほんの一部。


効果的な質問をして、相手の奥底に潜む能力を気付かせ、


自己実現の欲求を満たすための行動を促す——


そして行動と行動とを繋げ、行動による歴史をお互いに分析し、より能力が発
揮できるよう促していくには、「話法」だけでは到底実現しません。


コーチングの基本姿勢は、相手「個人」のアイデンティティや価値観に焦点を
合わせることです。


コーチをする側の<価値観の押し付け>はあり得ませんから、コーチングにお
いて最も重要なスキルは、


「キャリブレーション」です。


観察眼。


相手の目の動きを観察する(アイアクセシングキューなど)こと、呼吸を感じ
取ること、声のトーンの変化を敏感に受け取ること。


これらすべてです。


このスキルは非常に難しい。


本当の意味で、相手とペーシングするというのは、眼球、呼吸、声の調子、筋
肉の動きなどにもペースを合わせるということ。


したがって、私はよほどの訓練と、数年間におよぶ実証経験がない限り、正し
くコーチングなどできないと捉えています。


コーチ仲間は多数います。


他の仕事をしながら体得できるような代物ではありません。


簡単に「コーチング」と言いますが、非常にレベルの高いスキルであり、実際
にプロのコーチは鍛錬を怠りません。


それほど高尚で、奥深い技術なのです。


最近よく、


「横山さんのコンサルティングって、コーチングみたいなものですか? 人の
行動を劇的に変えてしまうのですから、そうなのですよね?」


などと質問されることがあります。


しかし、違います。


私には技術的な知識はあっても、膨大な量の実証経験がないのです。


ですから私に「コーチング」はできません。


また、前述したとおり、コーチングする場合、必ず相手(クライアント)は
【1人】でなければなりません。


複数の人の眼球の動きや、呼吸の浅い深いを知ることはできません。


それに何より、


「コーチング」をしなくとも、人の行動は変えられるのです。


それはなぜか?


簡単です。


組織には【ルール】があるからです。


個人のアイデンティティ、価値観を超越した、ルールが組織にはあります。


私たちはそこに焦点を合わせているのです。


組織で決まったこと、自分でコミットしたことをやるのは「あたりまえ」であ
り、


それは習慣化(無意識的有能状態)すればいいだけの話です。


つまり、


「ロック」した行動はやる。やり切るのに、「コーチング」は要らない、とい
うことです。


このルールを厳格にするとき、「場」を作り上げることが極めて重要です。


いわゆる「儀式」の場、です。


個人ではなく、複数の人を集めて実践すると、「場」の力を借りることができ、


結果的にルールを厳格化できるような「儀式」を作り上げることができます。


来年の2月から、「アタックス・セールス・アソシエイツ公認 絶対達成マネ
ジャー特訓コース」が新設されます。


5ヶ月間の通常のセミナーに参加していただきながらも、他の受講者より1時
間はやくセミナーに来ていただき、


特別メニューをこなしてもらいます。


それが「儀式」なのです。


さらに【無料】で、セミナー間ではコンサルタントから「個別フォロー」を受
けられます。


私たちのコンサルティングは、年間「1000万」を超えるフィーをいただき
ます。


研修だと1日「75万円〜」、講演だと2時間で「60万円〜」です。


決して安価ではないのに、書籍の影響か、現在は信じられないほどの数の引き
合いをいただいております。


前述のコースを開設する理由は、新しいオファーをいただいても、来年早々の
スケジュールはすでに埋め尽くされていること、


そして、


数人のマネジャーを鍛えるには、1回だけのセミナーでは物足りず、繰り返し、
行動をロックし、部下にロックさせて、


体で「リーダーシップ」を覚えこませる必要がある。これらの状況を考慮して
開設することを決めました。


このコースは、「コンサルタントによる個別フォロー」と「DVD」が
【無料】でついてきます。


5ヶ月間で費用は「19万円」。


●「絶対達成マネジャー特訓コース(全5回) 【限定5名】
【東京】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01670.html


コンサルティングまでは必要ないが、鍛えたいマネジャー、管理者がいる、と
いう場合は、ぜひご利用ください。


しかし、


そこまではいい。


多くのマネジャーや、現場の営業に、「絶対達成」のポリシーやテクニックを
満遍なく身につけさせたい。


組織の共通言語として定着させたい。


というご要望の企業様も多いですから、そういうケースでは、2013年の年
間チケットが圧倒的にお得です。


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受講チケットはどのように使ってもよく、1人のマネジャーが何度も使っても、
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もちろん!


単発でのセミナーも受け付けております。


●2013年の各種セミナー一覧
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来年は、いちはやくセミナー情報を開示し、受講しやすい環境を整えようと考
えました。


2012年もあと少しで終わりです。


2013年からは「絶対達成」でいきましょう!


それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
いつもありがとうございます。



以上

2012年12月13日

「イネイブラー上司」をジワジワと変える方法【ウィンザー効果】

● 今回のテクニック:【ウィンザー効果(3)】

ウィンザー効果とは、第三者を介した情報、噂話のほうが、直接言われるより
も効果が大きくなるという心理効果。

ミステリー小説「伯爵夫人はスパイ」に登場してくるウィンザー伯爵夫人が
『第三者の誉め言葉が、どんな時にも一番効果があるのよ、忘れないでね』と
言ったのが由来とされている。

相手を承認したり、褒め称えたりするときに活用すると効果的である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「目標未達成の常態化は、本当にマズイ。未達成の状態を、ただ漫然と放置
しておくなんて、絶対によくない」


部下 :
「え、ええ……」


マネージャー :
「先日、イネイブリングという言葉を聞いた」


部下 :
「い、いねむり……?」


マネージャー :
「違う。イネイブリングだ。依存症の人に問題行動をやめさせず、結果的に、
その状態を続けさせてしまう行為だよ」


部下 :
「依存症って、薬物依存とか、アルコール依存症?」


マネージャー :
「そう。だからイネイブラーは、その家族に多いと言われてる」


部下 :
「うーん……。しかし、その家族の方々だって、いろいろ事情があるでしょ
う。依存症の人に強い態度で接するというのは難しいことですよ」


マネージャー :
「しかし、それが優しさか?」


部下 :
「ん……」


マネージャー :
「アルコール依存症の人に、『今日は会社で嫌なことがあったの? だった
ら飲んでもいいのよ』『お金がなくなっているけど私が稼ぐから心配しなく
て大丈夫。好きなだけ飲んで』と言う人がいるとしたら、君はどう思う?
それが優しさか?」


部下 :
「……んん」


マネージャー :
「もちろん、いろいろ事情があるだろうけど、まずは事情を考慮せず、何が
問題なのかをハッキリさせないと、前へは進めないんだ」


部下 :
「まァ、はい」


マネージャー :
「だから、話を戻すと、目標未達成の状態に依存している部下を、そのまま
放置したり、『しょうがないよな、こんな時代だから』とか『逆立ちしても
できない目標を設定する社長が悪いんだよ』なんて、かばう上司はイネイブ
ラーだってこと」


部下 :
「うーーん……。イネイブラー、ですか……」


マネージャー :
「だってそうだろ? そこに愛があるか? 相手は依存状態にあるんだよ。
何とかしてやろうという気持ちにならないか?」


部下 :
「愛……」


マネージャー :
「本人は気付いていないんだ。その状態を放置していてはダメだってこと。
気付いていても、依存していてあらがうことができないんだよ。にもかかわ
らず、助長するような言動はしていないか、ということだ」


部下 :
「だ、だからといって、荒療治をしてもよくないと思います」


マネージャー :
「誰が荒療治をしろと言った?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「依存症者に対して、荒療治をしろとは言ってない」


部下 :
「あ……。ハイ。確かに」


マネージャー :
「ところで君は、社内流行語を作るのが上手だね?」


部下 :
「え……。社内流行語?」


マネージャー :
「今年、社内で『断捨離』というワードを流行らせたじゃないか。みんな、
『資料を断捨離しよう』『会議を断捨離しよう』と使いはじめた」


部下 :
「ああ、確かに……。断捨離というフレーズ、気に入ってるものですから」


マネージャー :
「社長がすごく感心していたよ。彼にはそんな能力があったのか、なんて
ね」


部下 :
「え、社長が!」


マネージャー :
「そうそう」


部下 :
「へェ、社長が私のことを……」


マネージャー :
「だから、2013年は、他のフレーズを流行らせてほしい。君だからこそ
できると思う」


部下 :
「え? どんなワードを流行語にすればいいんですか?」


マネージャー :
「『予材管理』だよ」



……上司がイネイブラーになってしまったら、その組織は立ち行かなくなって
いきます。

この時代に、「傷の舐めあい」はやめましょう。「共依存」の関係を断ち切る
必要があります。

そのために、まずは社内の「共通言語」作りから着手してみてはいかがでしょ
うか?

来年も2月から「横山の1日セミナー」が各種テーマで開催されることになっ
ています。

そこで『絶対達成マネジャー特訓コース』を新設し、名古屋と東京で、人数限
定で募集します。

(大阪は、すでに3年連続で開催中)

セミナーとセミナーの間に行動をロックしてもらい、やり切ってから参加して
いただく形式です。

DVDと個別フォローが【無料】でついてきます。

http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01670.html


ひとりのマネジャーを鍛えるのではなく、多くのマネジャーや現場の営業に
「共通言語」を持ってほしい、というご要望には、

『絶対達成セミナー受講チケット10』もございます。

http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01672.html

こちらは価格がかなりお安くなるのと、CDが【無料】でついてきます。

どちらも【限定10社】。

1月末まで予約は受け付けますが、単発で受講される方の分も確保しなければ
ならないため、10社に達した時点で終了します。

申込みはお早めに!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

昨日、名古屋で「絶対達成スピード講座」が開催されました。

講師は部下の山北陽平 です。

「思考ノイズ」が入らないほど、圧倒的なスピードで行動してもらい、

なぜその行動が必要なのか?

その都度、脳科学的に解説します。

脳の感情系部位が優位になっている(面倒なことはやりたくない、というよう
な脳の原始的欲求にあらがえない状態のとき)

のを思考系優位に変換することを体で学習します。要は体に覚えこませるので
す。

オーバーな表現ですが、「音速」で動いていると、脳に思考ノイズは入らず、

そして、動いてからその意味を脳が感じ取ろうとしてくれます。

行動したあとは「一貫性の法則」が働き、自分がとった行動を正当化してくれ
るからです。

3時間、圧倒的なスピードで行動をしまくったあと、この研修は何だったの
か? どんな意味があったのか?

講師の都度、解説する内容を思い出して、

後で、腹の中に落ちていきます。

昨日、本講座が終了した直後に私はセミナー会場を訪れましたが、外がものす
ごく寒いというのに、

会場の中は、すさまじい熱気が立ち込めていました。

経営者も、若手営業パーソンたちも、汗だくで、まるで10キロマラソンを走
りきったランナーのように、高揚感に満ちた顔をしていました。

「やりきった感」があるのでしょう。

はじけるような笑顔でお互いの健闘を称えあう姿を見て、私の気分も高まりま
した。

分泌された大量のアドレナリンは、「研修報告書」で表現できないですよね。

参加しないと、決して理解できない講座のひとつです。

※こちらが、講座の風景を撮影した動画です。受講者からは撮影許可をいただ
いております。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=r34fofiYyjI


このような講座はスポーツジムと同じで、1回参加したからもういいというも
のではないですよね。

繰り返してこそ、体得します。

心が鍛えられていきます。

来年も定期的に開催しますので、チェックしてみてくださいね!

2012年12月11日

あなたは未達成依存症者か、それともイネイブラーか?

「イネイブリング」という言葉をご存知ですか?


アルコール依存、薬物依存、閉じこもり……など、


何らかの依存症を患っている方の問題行動を容認し、責任も取らせず、


結局は、その依存状態から抜け出せなくしてしまう行動を「イネイブリング」
と呼びます。


そしてイネイブリングをする人を「イネイブラー」と言います。


この言葉は、英単語「enable」から来ています。


イネイブラーは依存症者の家族に多く、ほとんどのケースで、本人は自覚して
いません。


イネイブラー自身が依存症者の問題行動を容認することで、さらに彼ら・彼女
らを依存させる環境を作ってしまっているにもかかわらず、です。


それどころか反対に、依存症者によってイネイブラーは「犠牲者」であるとい
う認識があるほどです。


依存症者の心のケアも重要ですが、その依存行動を助長させてしまっている周
囲の支援者(イネイブラー)に対するフォローも大切なのですね。


私のセミナーを受講されるマネジャーの方々も多くは、このイネイブラーにな
っていないか、とても心配です。


なぜなら、


「行動をロックしろ、とは言ってもできないときもあると思います」


「目標を絶対達成しろ、だなんて今の若い子に言ったら、それこそパワハラだ、
なんて言われてしまいますよ」


このように言うマネジャーの方が、最近、本当に多いのです。


部下が、自分で決めたことをやり切らない。


それどころか「やり切ります」とも「絶対達成させます」とも言わない。


にもかかわらず、


「仕方がないじゃないですか」


とか


「今はそういう時代じゃないんです」


と言ってマネジャー自身が部下をかばい、部下を「目標未達成」の状態に依存
させている張本人だというのに、です。


繰り返します。


組織にはルールがあります。


そのルールに従わない。


自分で「やる」と宣言したことを「やり切らない」部下たち。


その行為は異常であり、それを「時代」や「世代」のせいにして容認してしま
うマネジャーもまた、異常です。


このような「共依存」の関係は、いつか断たないといけません。


拙作「絶対達成シリーズ」が7万部を突破しました。


「絶対達成する部下の育て方」が約1年で【10刷】、【3.5万部】。


「絶対達成マインドのつくり方」が約1ヶ月で【4刷】、【3.5万部】とな
りました。


個人で購入する方も多いようですが、昨今は『組織買い』が目立っているよう
です。


目標達成を「あたりまえ化」にする。


そのためには、以前、私のDVDを買い、組織全員で観る、そして感想を書か
せる、という企業様が多かったのですが、


昨年に上記の書籍が出たことで、最近は組織全員で買って読む——この「組織
買い」がすごく増えているようです。


組織全員でのDVD鑑賞より、はるかにハードルが低いことですから。


「イネイブリング行為からの脱却」。


頭ではわかっていても、そう簡単にできるものではありません。


しかし、組織の中で「共通言語」を持つことで、徐々に目標に焦点が合ってい
きます。


・現状維持バイアス/焦点化の原則/空白の原則/予材管理/8割部下/イン
パクト×回数/理解=言葉×体験/KPI/ロックPDCA/ツイスター型
チーム/単純接触効果/あたりまえ化/倍速管理/逆算思考/葛藤のシーズン
/心のOS……。


「絶対達成」は、キツイ話ではありません。


目標未達成のリスクを回避する、「リスクマネジメント」の手法です。


実際に目標が達成するかどうかではなく、目標達成することを「あたりまえ」
にする。……そういう思考を手に入れる、ということです。


そのこと自体に、何も恐れる必要はありません。


何の覚悟も要りません。


何の勇気も、度胸も、大胆さも、肝っ玉も要らないのです。


「節目」を迎えると、誰もがストレス耐性を高めます。


2013年を迎えたら、イネイブリング行為はもうやめて、「絶対達成」ポリ
シーでいく準備をしましょう!


そのためにこの年末、「絶対達成シリーズ」を組織内で回し読みしていただけ
ませんか?


共通言語が定着すると、マネジャーひとりが苦しい思いをすることはなくなる
と思います。


■「絶対達成する部下の育て方」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478016828/attaxsales-22/ref=nosim

■「絶対達成マインドのつくり方」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447802149X/attaxsales-22/ref=nosim


さて2012年もあと少しで終わりです。


悔いが残らないように、「絶対達成」でいきましょうっ!


最近、体調が悪かった私も、「絶対達成シリーズ7万部突破!」の知らせを聞
き、俄然、元気になってきました。


それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
いつもありがとうございます。

2012年12月10日

「年収が下がる」と不安視する部下とのコミュニケーション【アクノリッジメント】

● 今回のテクニック:【アクノリッジメント(12)】

アクノリッジメント(アクノリッジ)とは、相手に関心を寄せて承認し、その
ことを肯定的な言葉で伝えることである。

どのようなときも感謝の気持ちを忘れず、相手の可能性だけを見つめることに
より、行動の変革を促すことができるようになる。

承認することを目的とするぐらいに、承認を意識することが重要である。

承認が目的になってしまうと心が伴わない、と思われる方も多いだろうが、そ
れを気にしていたら何もできない。

「気持ちはあとからついてくる」

と考えるようにして、まずは「相手を承認する」という体験を積むことにフォ
ーカスして取り組むぐらいがちょうどよい。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「すみません。このまま仕事ができないままだったら、僕はもう、この会社
にはいられないと思います」


マネージャー :
「どうしてそんなことを言うんだ、そんなことはない。君は必要な人材だよ。
この前だってコピー機の周りに散らかっていた資料を片づけてくれたよね。
本当に助かったよ」


部下 :
「コピー機の周りを片づけることなんて誰だってできます。このまま評価が
落ちていって、年収もドンドン落ちていくんだと思うと、夜も眠れません」


マネージャー :
「評価が落ちるなんて誰も言ってないよ。それに、誰でもできることを、き
ちんと実践できる人材が欲しかったんだ。大丈夫。この前だってロッカーの
ファイル整理をひとりでやっていただろう、ご苦労様だったね」


部下 :
「仕事がないからやってたんです。他にできることなんてありませんから」


マネージャー :
「あのロッカー、2年ぐらい整理されないまま放置されてたんだよ。君が整
理してくれたおかげで、お客様や各種プロジェクトのファイルがどこにある
のかすぐにわかるようになった。本当に助かったよ」


部下 :
「どこの会社に行っても、全然できないんです。年収は落ちるばかりで本当
に不安です。来月2人目の子供も産まれるし、このままだととても怖いで
す。」


マネージャー :
「そうか。年収について不安になっているっていうことは、とても家族思い
なんだね。今のまま当社に貢献してくれればちゃんと評価され、年収は徐々
にあがっていくよ。前の職場でもらっていた金額をすぐに追い抜くことがで
きるさ」


部下 :
「家族思いなんてとんでもないです。前職でクビになったとき、どんなに妻
に迷惑をかけたことか……」


マネージャー :
「奥様もいい人だね。いつも弁当を作ってくれているみたいだし、本当に羨
ましい。皆で噂してるんだよ。君はすごく家族思いの人なんだろうなって。
君の息子さんは何ていう名前なんだい」


部下 :
「大輝と言います」


マネージャー :
「大輝君か。大きく輝くって書くんだね。すごくいい名前じゃないか。君の
家族を、大きく輝かせてくれるお子さんになるだろうね」


部下 :
「部長、私は本当にダメな人間です」


マネージャー :
「自分のミスを、他人の責任にばかりしている人よりはいいさ。自発的に職
場をよくしようと努力してるんだから。朝早くから出勤してるので、そうい
うところに気がつくんだね」


部下 :
「早起きだけが取り柄なんです。妻に、とにかく誰よりも早く出勤しろと言
われてまして」


マネージャー :
「身重の奥様は、きっと朝ももっと長く君と一緒にいたいと思うだろう。に
もかかわらず、そうやって送り出してくれるなんて、素晴らしい奥様だね。
誰よりも朝早く出社しようと心掛ける人が、ダメ社員であるはずはないよ。
僕が断言する」


部下 :
「部長、私はダメな人間で……」


マネージャー :
「朝早く起きて、身の回りの片づけをする人は、脳の前頭葉が鍛えられてい
く。脳の原始的な欲求を制御できるようになり、思考力が高められると言わ
れているんだ」


部下 :
「え」


マネージャー :
「前の会社では残業ばかりだったんだろう?」


部下 :
「はい……。この会社に入って、残業をする仕事がないのが、不安で、不安
で」


マネージャー :
「私はイタズラに残業をする社員を認めないんだよ。野球でいえば、毎試合、
延長戦をやっているようなものだ。きちんと9回で終わらせてほしい。つま
り、定時で仕事を終えて帰って欲しいんだ」


部下 :
「そうなんですか?」


マネージャー :
「時間の制約がない人は、先ほど言った前頭葉の力が衰えていく。そうする
と、自分の感情を抑えられなくなって、面倒なことをできなくなっていく。
誰よりもはやく出勤し、朝から片づけをし続ける君は、間違いなく、以前よ
りも脳の基礎体力が上がっている」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君の奥様に感謝したほうがいい。朝の習慣は脳力を確実にアップさせてく
れる。他人が面倒だと思うことをいかにやるか。過去の実績なんて関係があ
るか? 君の将来は明るいよ。私は信じている」


部下 :
「部長……」


マネージャー :
「さあ、これから新しいプロジェクトが立ち上がる。君にサブリーダーをや
ってもらうよ。失敗しても大丈夫。リーダーは私だからね」



……著書「絶対達成マインドのつくり方」で、先送りの習慣を治療する仕事術
として「倍速管理」を紹介しています。

面倒なことを先送りしてしまう人は、脳の体力が衰え、ストレス耐性が落ちて
いる可能性があります。

脳の原始的な欲求に振り回されている、ということですから、高次な処理がで
きるはずありません。

1日の中で最もストレス耐性の高い時間帯、朝の時間を大切にしましょう。


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【編集後記】

週末、ついにダウン。

今日のメルマガ本文は、2009年9月7日に配信した内容に、手をくわえた
ものです。

今年の7月、72キロあった体重が、ついに63キロまで落ちてしまいました。

痩せたくもないのに、痩せていくのはちょっと不本意です。

早期に回復いたします。

2012年12月6日

新しい営業スタイル「2ミニッツ営業」とは?【クーリッジ効果】

● 今回のテクニック:【クーリッジ効果(2)】

クーリッジ効果とは、新しいメスの存在がオスの性衝動を活気付けることを言
う。

日本にも「女房と畳は新しい方がいい」という諺があるように、新しいモノの
ほうが、人を惹きつけやすいという心理効果。

これをコミュニケーションにどう生かすかを考察する。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「それにしても君は社内にいるね……」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「君は営業だろう? よくもまァ、そんなに長い時間、社内にいられるもん
だ」


部下 :
「そんな……。いろいろとやることがあるんです。準備もありますし」


マネージャー :
「君をサッカー選手でたとえると、前半の30分ぐらいまで、ずっとロッ
カールームでスパイクを磨いているような選手だな」


部下 :
「またまた、そんな……」


マネージャー :
「ところで、中山雅史選手って知っているか? サッカー選手の」


部下 :
「ああ。元日本代表ですよね? 45歳でまだ現役でしたよね?」


マネージャー :
「引退を表明された」


部下 :
「ええっ!? そうなんですか?」


マネージャー :
「そう。闘志を前面に出すプレースタイルがよかったな」


部下 :
「そうですね。カッコよかったです。引退か……」


マネージャー :
「それに比べて君は、観客が待っているのに、試合の途中までグラウンドに
出ていかないような選手だよ」


部下 :
「ちょっと待ってくださいよー。ゴン中山さんと比べないでください」


マネージャー :
「だいたい営業のくせに、どうして午前中、ずっと社内にいるんだ? だか
ら社内に寄生しているパラサイト営業だなんて言われるんだ」


部下 :
「パ、パラサイト営業……!」


マネージャー :
「だってそうだろう! ゴン中山のようにフィールドを走り回ってこいよ。
それが君の仕事だ」


部下 :
「うーーん」


マネージャー :
「『2ミニッツ営業』だ」


部下 :
「ツー、ミニッツ……?」


マネージャー :
「お客様のところの滞在時間は、長くても2分。それでいい。君は、お客様
のところへ行っても何をしたらいいかわからない。提案できるものがない。
だからパソコンばかり眺めてるんだ」


部下 :
「に、2分で何ができるんです?」


マネージャー :
「2分って、どれぐらいの長さか、知ってるか」


部下 :
「……い、いや」


マネージャー :
「2分間、ちょっと沈黙してみようか?」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……ちょ」


マネージャー :
「……」


部下 :
「ちょっと、耐えられません」


マネージャー :
「まだ20秒も経ってないぞ」


部下 :
「……う」


マネージャー :
「確かに、2分間でできることなんて、ほとんどない。しかし『顔』という
膨大な情報リソースを相手に提供できる。これがどれほど威力があるか、知
ってるか?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君はよく、会社でフェイスブックをやってるな?」


部下 :
「あ、はい……」


マネージャー :
「君のフェイスブックのアイコンを自分の顔じゃなく、『空』とか『おにぎ
り』とか『ペットボトル』とかに変えてみたまえ。君の友達の反応がどうな
るか、想像できるだろう?」


部下 :
「確かに……。親近感は、なくなりますね」


マネージャー :
「どうだ。2ミニッツ営業、やってみないか?」


部下 :
「『2ミニッツ営業』って聞くと、なんか新しくていい感じですよね」


マネージャー :
「そうそう。大量行動って表現すると、これまでと同じやり方でお客様のと
ころへ訪問しようと考える。それだと現状維持バイアスははずせない」


部下 :
「わかりました。私は新しいもの好きですから、ソレやります」


マネージャー :
「2分間でいいんだから、移動距離を徹底的に考えて訪問計画をつくってく
れ」


部下 :
「はい」



……『2ミニッツ営業』をする場合、移動距離との闘いになります。

本日の日経ビジネスオンラインコラム「超・行動」では、

「絶対達成する部下の育て方」

では編集時カットされた

「OATHの法則」が解説されています。

なぜ提案営業ばかり心掛けていても、ほとんど絵に描いた餅になるのか?

それを論理的に解説しています。

そして、ゼンリン様、東芝ソリューション様と開発中の「絶対達成ナビ・コン
セプト」の新しい画像も掲載されています。

今日のコラムは「永久保存版」です!


●営業の新常識「超・行動」
「お客様との接触は「2分間」がちょうどいい」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121204/240519/


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【編集後記】

昨日は、日中7時間、「営業会議の進め方」セミナー、夜は丸の内丸善での講
演でした。

今日は東京ビッグサイトで「クラウドフォース」。

2回講演があります。150〜200名の定員でどちらも満員。

明日はアンガーマネジメント講座。

後ろを振り返る暇もないほど、今週は爆走中!