2012年11月29日

必要以上に恐れる「リスク過敏バイアス」とは?【ロー・ボール・テクニック】

● 今回のテクニック:【ロー・ボール・テクニック(10)】

ロー・ボール・テクニックとは、まずは相手が受け取りやすいボールを投げて
から、徐々にオプションを増やしていく方法である。

説得される側は、気がついたときには最初の条件よりも吊りあがっているため、
騙されたと感じるかもしれず、リスクは高い。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックよりも強力な説得技術と言われているが、
多用は禁物である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「主任から聞いたけど、君は10月からスタートした下半期の方針に不満が
あるそうだね?」


部下 :
「不満……というわけではありませんが、何せ、目標は『絶対達成』しろと
言われても、難しいと思うんで」


マネージャー :
「難しい?」


部下 :
「はい。特に私が取引しているお客様は、超円高の状況で、設備投資を手控
えています。こんな状態では、昨年実績より結果を上乗せすることなど到底
無理だと思います」


マネージャー :
「超円高になったことと、君の目標が達成しないことと因果関係があるの
か」


部下 :
「もちろん、あります。私の取引先のほとんどが輸出産業です。特に中国と
の取引が多く、最近はかなり苦しいと聞いています」


マネージャー :
「超円高になる前と、そうなった後と、どれぐらい状況が悪化したのか、
パーセントで表現してみて」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「だから、何%、事態が悪化したんだ? だいたいでいいから言ってみて」


部下 :
「それは、わからないですけど……」


マネージャー :
「んん?」


部下 :
「それはわからないですけど、とにかく、苦しい状況なんです」


マネージャー :
「『とにかく苦しい状況なんです』と言われて、俺が『ああ、そうですか』
と答えると思ったのか? 君の取引先は何社ある?」


部下 :
「34社です」


マネージャー :
「そのうち、輸出産業の取引先は何社ある?」


部下 :
「K商事とか、Tコーポーレーションとかです」


マネージャー :
「君はコミュニケーションスピードが遅い。俺に何度も質問をさせるな。数
字で答えたまえ。輸出産業は何社あるんだ?」


部下 :
「……えっと、7社です。いや、8社、でしょうか……」


マネージャー :
「そのうち、中国を相手に取引しているのは?」


部下 :
「うーーーん。だいたいすべて、だと思います」


マネージャー :
「R工業さんと、Eカンパニーさんは違う。G社さんも最近はインドネシア
やタイとの取引がほとんどだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「超円高や日中関係の悪化が影響を受けるのはわかってる。しかし、その
『度合い』が重要だ。何パーセント、悪化するんだ?」


部下 :
「そ、それはわかりませんけど……。で、でもですね。だからといって、お
客様のところへ、とにかく訪問を続けろというのは乱暴です。事故に遭った
らどうするんですか?」


マネージャー :
「事故……」


部下 :
「言いたくはなかったんですが、私の同期のH君が、先日、お客様のところ
へ行く途中で事故を起こしそうになったと聞きました」


マネージャー :
「初耳だ」


部下 :
「H君は、これまで月に40件、訪問していたのを10月から200件に増
やしています。そのせいで、ものすごく時間に追われるようになったと聞い
ています」


マネージャー :
「なるほど」


部下 :
「営業中に事故を起こしたら大変なことになります。やはり無茶な訪問はや
めたほうがいいんじゃないでしょうか?」


マネージャー :
「無茶?」


部下 :
「だって、これまで40件だった件数を200に増やしてるんですよ」


マネージャー :
「だから、無茶なのか? 君は先日、アメリカに出張したけど、それを無茶
だと思ったか? 定期的に出張している大阪よりも遥かに遠いだろう」


部下 :
「いや、だって……。アメリカに出張したのは仕事ですから」


マネージャー :
「200件まわるのも仕事だろ。それにH君の労働時間はまったく増えてい
ない。無駄な仕事をなくして可能にしている」


部下 :
「だからこそ、忙しくなって事故のリスクが高まるんです」


マネージャー :
「その事故リスクは、40件まわっていたときと、200件まわっている現
時点と、何%高まってるんだ? 絶対値で答えられるか」


部下 :
「う……」


マネージャー :
「40件まわっていたときの事故リスクが0.01%として、200件にし
たら、30%とかに跳ね上がるのか?」


部下 :
「いや、そんなことはないでしょうが」


マネージャー :
「じゃあ、どれぐらいだ? 目安でいいから言ってくれ。それがないなら、
君の提案に、君の思慮が入っていないことになる。単純に感情的になってる
だけだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君の言い方だと、やりたくないからやりたくないとしか聞こえない。そん
なことで、俺を説得できると思ってるのか」


部下 :
「……すみません」


マネージャー :
「マスコミで過大に取り上げられているリスク、すぐ身近で起こったリスク、
馴染みのない新しいリスク……。人間はこういったリスクに過敏に反応す
る」


部下 :
「確かに……」


マネージャー :
「冬が近づいてきたからインフルエンザの予防はしたほうがいい。君の場合、
小学校と幼稚園に通っているお子さんがいるのだから、インフルエンザにか
かる確率は意外と高い」


部下 :
「あ、はい」


マネージャー :
「しかし、テレビで最近不審火による火事が増えているというニュースを聞
いたらどうだ? もちろん火事には気をつけなくてはならないけど、だから
といってオロオロするのか」


部下 :
「うーん……」


マネージャー :
「条件反射で物事を判断するな。とにかく10月に立てた方針は守ってもら
う。組織としての統率がとれない」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「君の訪問件数は現在100件。君の言うとおり、輸出産業の会社への訪問
は増やさなくてもいいが、このままでは結果が出ない。せめて130件まで
はアップしてほしい」


部下 :
「あ、はい。わかりました。130件なら何とかやれそうです。というか、
やります。1日7件ぐらいなら、行けます」


マネージャー :
「うん。それで、大阪のお客様は全部、Jさんに任せることになった。だか
ら月に3回の出張はなくなることになる」


部下 :
「あ! そうなんですか。わかりました」


マネージャー :
「だから、まるまる3日は東京にいられるだろう? その分、訪問件数は2
1件増えるな。だから130に足して150件ぐらいだ」


部下 :
「150件……。あ、はい」


マネージャー :
「頼むよ。それぐらいならできるだろう?」


部下 :
「はい。目標達成に向けて、がんばります。それじゃあ、こうしてはいられ
ないので、さっそく出かける準備をしてきます」


マネージャー :
「おう、頼む。……あ! そうそう! 忘れてた」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「150件というのは、もちろんお客様への訪問件数だ。君の得意先は大き
な会社が多いから、必ず訪問したら2つの部署には顔を出してくるように。
いいね」


部下 :
「は? あ……。はい……」


マネージャー :
「よろしく!」


……「リスク過敏バイアス」というのは、私が作った造語です。

メディアの世界では、必要以上にリスクを誇大表現することがあり、以前から
問題視されてきました。

日常生活においてはともかく、

何かを成功させたいとき、目標を達成させたいときに、あまりにリスクを過敏
にとら過ぎると、

正しい判断ができなくなるなります。気をつけたいですね。

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【編集後記】

私は1994年に青年海外協力隊に入隊し、中央アメリカのグアテマラという
国に3年間赴任していました。

当時、

カンボジアに駐在していた国連ボランティアの日本人がゲリラに襲撃されて死
亡したことで、日本中でカンボジアのPKO派遣について論議されている最中
であり、

私の周辺は、このカンボジア事件と青年海外協力隊を無理やりつなげて大騒ぎ
でした。

「お前、戦地へいくのか?」

「絶対にやめたほうがいい! 友達が銃弾に倒れたというニュースは見たくな
い!」

などと、それはそれは過敏に反応する人が多かったのを思い出します。

当然、両親は猛反対。

当時私はCSK(現SCSK)の社員として「デンソー」様に出向しており、
バブルがはじけた後でしたが、仕事も豊富にあり、

会社を辞めて、なぜそんな「ワケのわからない、危ないところ」へ行くのか?

と泣かれました。

しかし、青年海外協力隊のOB・OGに話を聞くと、

「治安が不安定な任国はない。外務省が渡航を許さないから」

「協力隊の任地よりも、イタリアやスペインのほうがよほど治安が悪い」

などと言われ、安心して私は旅立ちました。

私がグアテマラに滞在している間に、日本では「地下鉄サリン事件」や「阪神
大震災」という、世界中に配信されるような未曾有の事件があり、

グアテマラ人からも「日本は本当に危ない国なんだな。ノブはもう日本に帰ら
ないほうがいいんじゃないか」とアドバイスされるほどで、何となく複雑な気
分を抱いたものです。

(とはいえ、私は赴任中、ピストル強盗に遭ったり、バスが崖から落ちるとい
う大惨事に巻き込まれたりしましたが、かといって、これは世界中の協力隊員
の中でも極めてレアなケースで、普通は事件にも事故にも巻き込まれずに帰国
する人がほとんどです)

この「リスク過敏バイアス」は、投機目的で株をする人も参考にしたほうがい
いでしょうね。

市場は「人間の心理」で動きますから。

もちろん、「選挙」も、です。

2012年11月25日

パワーの出る「暗示効果」とは?【プラシーボ効果】

● 今回のテクニック:【プラシーボ効果(11)】

プラシーボ効果(プラセボ効果・偽薬効果)とは、実際には効き目のない偽薬
を処方しても、薬だと信じて相手が服用することで、何らかの治療効果がみら
れることを言う。

暗示効果のひとつである。

もちろんのことだが乱用はご法度だ。

行動を変革させるためとはいえ、相手を騙すことにかわりはない。営業マネー
ジャが「狼少年」にならないよう気をつける必要がある。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「この石、見てくれ」


部下 :
「お。それはどういう石ですか。ヒスイですか」


マネージャー :
「よくわかるな」


部下 :
「深い緑色をしていますから……。かなりグレードの高いヒスイですね」


マネージャー :
「どうして、そんなことまでわかる?」


部下 :
「いや、何となくです。うちの実家が三重の鳥羽にあるので、真珠について
はある程度、詳しいんです」


マネージャー :
「真珠? そうなのか」


部下 :
「はい。そのときから宝石のことは全般的に興味があってですね……。一通
りは知識があります」


マネージャー :
「女性にウンチクを語って、モテようとしたことあるだろ?」


部下 :
「うーん……。ウンチクよりも、宝石を買う経済性のほうが重要かと」


マネージャー :
「そりゃ、そうだな」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「ところで、この石、お前にやる」


部下 :
「ええっ!? どうしたんですか」


マネージャー :
「その石は、俺が以前の会社を辞めて、3ヶ月間、中南米を放浪していたと
きに、現地の人からもらったものだ」


部下 :
「へェ。確かに、中南米はヒスイの産地ですものね」


マネージャー :
「さすがに、よく知ってるな。そう。それからだ。その石をもらってから、
俺はツキまくってる」


部下 :
「……冗談でしょう?」


マネージャー :
「本当だ。日本に帰ってからこの会社に転職できたのも、社長をはじめ先輩
たちに可愛がってもらえたのも、多くのお客様に支えられたのも、この石の
おかげだ」


部下 :
「うーーーん」


マネージャー :
「来年から、いよいよお前が課長だ。お前にその石をやる」


部下 :
「それはありがたいですけど……。でも、部長がここまでこれたのは、別に、
このヒスイのせいでは、ないんじゃないでしょうか」


マネージャー :
「ん?」


部下 :
「社歴25年の庶務、Sさんが言ってましたけど、部長が会社に中途で入っ
たとき、周囲からほとんど相手にされず、かなり苦労されたと聞きました」


マネージャー :
「……」


部下 :
「もう今は会社にいないようですが、当時の古参社員が、けっこう陰湿なイ
ジメをしていたとも」


マネージャー :
「陰湿なイジメか……。まァ、なかったとは言えないな。家に早く帰ろうと
すると怒られたから。毎日、夜中の12時前に帰宅するのは許されなかっ
た」


部下 :
「ひでェ……」


マネージャー :
「いろいろあったけど、乗り越えられたのは、この石のおかげだよ。本当に
感謝している」


部下 :
「本当にこのヒスイのおかげなんですか?」


マネージャー :
「イヤ、違う」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「それ、ヒスイじゃない」


部下 :
「えっ!」


マネージャー :
「お前がヒスイだ、と言ってるだけで、俺は一度もヒスイだとは言ってない。
それはただの石だ」


部下 :
「え……! ただの石なんですか?」


マネージャー :
「そうだ。俺もヒスイだと思って買ったんだが、どうも騙されたらしい。最
近、ある人に鑑定してもらったら、ただの石だということがわかった」


部下 :
「部長、失礼ですけど、なんかバカ正直ですね……」


マネージャー :
「バカ正直だから、騙されるんだ」


部下 :
「まァ。確かに」


マネージャー :
「俺、今まで、いろいろな人にいろいろなことをアドバイスされて、ほとん
どその通りにやってきた。頭が悪くてバカ正直だろ? だから疑うことをし
なかった」


部下 :
「……」


マネージャー :
「本を読んだら、バカ正直に本に書いてあるようにした。研修を受けたら、
講師の言うとおりにした。もちろん先輩にアドバイスを受けたらそのとおり
にした」


部下 :
「……」


マネージャー :
「失敗もたくさんしたし、非効率的なことも多かったけど、10年以上、そ
ういうことをしていたら、いつの間にかうまくいっていた」


部下 :
「じゃあ、この石は……」


マネージャー :
「『バカ正直になる石』、と言えるかもしれん」


部下 :
「すごい、石ですね」


マネージャー :
「短期的に見ると『正直者はバカを見る』かもしれないが、長期的に見ると、
素直に人の言うことを聞いたほうがうまくいくと俺は思ってる」


部下 :
「だから、バカ正直、ですか」


マネージャー :
「バカ正直になるためには、けっこうパワーがいるもんだ」


部下 :
「自分の過去を、その都度、断ち切っていかないといけないですもんね」


マネージャー :
「そのとおり」


部下 :
「バカ正直になる石、か……。ありがとうございます。もらいます、この石。
今まで意固地になりすぎるところがありましたから」


……誰かの助言や、世の中に溢れるノウハウなどに対して、

素直に受け入れられず、条件反射で否定してしまう人がいます。

自分の都合のいいものだけを選択して認知し、都合の悪い事柄は反射的に「ろ
過」してしまうと、人は成長していかないですよね。

人を否定してばかりの人もいますが、人は総じて「バカ正直」でいいと私は考
えています。

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【編集後記】

11月24、25日の2日間、紅葉を見に、家族で京都旅行へ行きました。

さすがに3連休でしたので、どこへ行っても観光客でものすごい人で、京都の
街中が「お祭り騒ぎ」という感じでした。

「詩仙堂」や「実相院」といった名所もまわったのですが、私が印象に残って
いるのは、

「晴明神社」です。

まったく行く予定がなかったのですが、京都御所を訪れたあと、晴明神社が比
較的近くにあると聞いて、私が「どうしても行ってみたい」と言い出したから
妻が承諾してくれました。

晴明神社とは、夢枕獏の小説で、映画化もされた「陰陽師」という作品で一躍
有名になった「安部晴明」が祀られている神社です。

2009年の1月……友人と一緒に京都を訪れた際、何となく立ち寄った場所
です。

私は「陰陽師」の小説を読んでもいないし、映画を観てもいないので、あまり
関心がなかったのですが、

星の形をした「晴明紋」に何となく魅せられて、

500円を出してお守りを買いました。

「絶対達成マインドのつくり方」を読まれた人はご存知かと思いますが、

4年近く前といえば、ようやく年間30回程度のセミナーが実施できるように
なってきた時期です。

プロ野球選手でたとえると、1軍に上がり、5、6試合は登板できるようにな
ってきたレベル。

セミナー講師として立つときは、慣れないせいで、まだまだ緊張した頃です。

私は財布に、この「晴明神社」で買ったお守りを入れていたので、緊張してい
るときは、たまにこのお守りを眺めて、

「大丈夫、大丈夫、俺は陰陽師のパワーをもらってるんだ」

と自分に言い聞かせていました。

(陰陽師が、どのような人物なのかも知らないくせに、です)

そのおかげなのか、どうなのかわかりませんが、今では人前で話すとき、緊張
することはほとんどありません。

陰陽師のパワーのおかげしょうか。

それから財布を2回、変えているのですが、そのたびにこのお守りを処分しよ
うと思ったのですが、なぜか捨てられず、

どこへ行くにしても常に持ち歩いてきました。

今回、たまたま「晴明神社」の近くに来たので、これまで4年近く持ち歩いて
いたお守りを返し、

また同じお守りを500円で買って、財布の中に入れました。

験を担ぐ(げんをかつぐ)、ということは、ほとんどしない性格なのですが、

何だか、とてもスッキリしました。

2012年11月22日

ハードルが高ければ高いほど、熱くなることがある。【ロミオとジュリエット効果】

● 今回のテクニック:【ロミオとジュリエット効果(3)】

ロミオとジュリエット効果とは、ある目的を達成するまでのプロセスにおいて、
障害や阻害要因が多いほうが、

達成意欲が高まるという心理効果。

無論、シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」から由来。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「ちょっと時間あるか? 話を聞いてくれ」


部下 :
「はい。どうしたんですか、課長」


マネージャー :
「雑談なんだけど」


部下 :
「かまいません。課長が雑談してくれるなんて、なかなかないですから」


マネージャー :
「この前、Y商事へ行ったんだ」


部下 :
「ああ、Y商事ですか。最近、通ってらっしゃるんですね」


マネージャー :
「おう。重要な案件があるから。1年以上は通うつもりだ」


部下 :
「すごく困難な案件だと聞いています。Y商事で何かあったんですか」


マネージャー :
「あそこの打合せ、けっこう長い。2時間も3時間も続くときがある。それ
で、たまにトイレへ行ったりするだろ」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「そうしたら、トイレを清掃している女性に出くわす」


部下 :
「ああ、はい」


マネージャー :
「それで、この前、衝撃的なことがあった」


部下 :
「……どうしたんですか?」


マネージャー :
「Y商事の男子トイレを清掃していた女性が、俺の知ってる人だった」


部下 :
「え……!」


マネージャー :
「しかも、俺が20歳のとき、真剣に結婚を考えた相手だ」


部下 :
「……マジ、ですか……」


マネージャー :
「そう。目を疑った。他人の空似かな、と思ったんだけど、今日の朝も会っ
て、確認した。間違いない」


部下 :
「そ、その方も課長のこと、気付いたんですか?」


マネージャー :
「いや」


部下 :
「……」


マネージャー :
「まいった」


部下 :
「……」


マネージャー :
「もう20年近く前の話だ。両家の顔合わせもしていたし、婚約寸前だった。
ところが……。彼女の妊娠が発覚した」


部下 :
「妊娠て」


マネージャー :
「他に彼氏がいたらしい」


部下 :
「そ……!」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……そんな」


マネージャー :
「それが発覚してから、何度連絡をとろうとしても、彼女は会ってくれなか
った。当時は携帯電話もメールもなかった時代。どうにもならんかった」


部下 :
「それから20年……」


マネージャー :
「そう」


部下 :
「……」


マネージャー :
「ずっと気になっていたことがある。2つだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「本当に、本当に妊娠していたのだろうか、ということと。もし妊娠してい
たのなら。本当にそれは、そのときの別の彼氏の子供だったのだろうか、と
いうことだ」


部下 :
「……!」


マネージャー :
「20年間、ずっと心のどこかで考えていて……。だから、引き寄せられた
んだろうか」


部下 :
「……」


マネージャー :
「両膝をついて、小便器を雑巾で拭いている彼女の横顔を見ていたら、胸に
ものすごく熱いものがこみ上げてきた」


部下 :
「ど、どうされるんですか」


マネージャー :
「どうしたらいい?」


部下 :
「その方に声をかけるんですか? そして真実を聞こうとするんですか?」


マネージャー :
「ん……」


部下 :
「事情はよくわかりませんが、私は反対です。その方は、課長に声をかけら
れて嬉しいと思わないでしょうから」


マネージャー :
「そうだな……」


部下 :
「そうですよ! 仕事だってやりづらくなるんじゃないですか? 課長が他
のトイレを使えばいいことです」


マネージャー :
「しかし……。そんな単純なものじゃないんだ」


部下 :
「だから……。だから、課長は結婚されないんですか?」


マネージャー :
「……」


部下 :
「そうなんですね?」


マネージャー :
「とにかく、Y商事の案件はとる」


部下 :
「え」


マネージャー :
「何としても、Y商事の案件はとる。抑えることのできない感情を、そこに
ぶつけるしかない」


部下 :
「とても困難な案件だと聞きましたが……」


マネージャー :
「だから、よけいに燃える」


部下 :
「……」


マネージャー :
「絶対にとる」


部下 :
「なんか、私も、燃えてきました。私は課長のために何もできないですけど、
私も困難な案件に立ち向かってみます」


マネージャー :
「お前は関係ない」


部下 :
「いえ……。なんか、わかるんです。いや、わかるって言っても、本当はわ
かるわけじゃないんですけど、課長の気持ちを考えたら、私だって……」


マネージャー :
「じゃあ、D建設の案件をとってくれ」


部下 :
「は、はい。やります」


マネージャー :
「死ぬ気で行きゃあ、何とかなるだろ」



……ハードルが高ければ高いほど、燃える。

そのハードルを乗り越えようという気持ち、意欲がアップするということはあ
ります。

ただ、そのための土台・マインドが醸成されていないと、「そこまでやらなく
てもいいのでは」という発想に、どうしてもなってしまいます。

心のOS(オペレーティングシステム)を鍛えましょう。


■「絶対達成マインドのつくり方」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447802149X/attaxsales-22/ref=nosim

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【編集後記】

新刊「絶対達成マインドのつくり方」に、【スケールテクニック】というのが
紹介されています。

作業時間を見積もる考え方ですね。

数値化することで、いろいろなことが見えてきます。

たとえば、

朝、私はできる限り毎日、筋トレをしようと思うのですが、時間がないときは
できません。

しかし、本当に「時間がない」のかどうか、疑わしいものです。

そこで「スケールテクニック」を使ってみます。

いつも私が実践する筋トレメニューはだいたい同じ。

・腹筋(110回)/背筋(70回)/腕立て伏せ(60回)

です。

これを、どれぐらいの時間でできるのか、普通のペースでやってみました。

キッチンタイマーで計測してみると、【4分34秒】という結果。

このことを、フェイスブックで繋がっている筋トレ仲間に質問してみると、

ほとんどの方が、3〜5分以内に終わらせています。

腕立て・腹筋・スクワット……それぞれ50回ずつ、とか。

やり方は個人差があるのですが、

トーストを焼いている間に腹筋80回を終わらせる、とか。

だいたい同じでしたね。それほど時間をかけていません。

朝、ランニングするには、けっこう時間がかかります。

実際に走る時間プラス、着替えやGPS機能搭載の腕時計のセッティングなど。

しかし、前述したとおり、筋トレはあまり時間がかからないのですよね。

もし時間がないかもと思ったら、5分とか10分とか、早く起きるだけで、そ
の時間は創出できます。

スケールテクニックって、意外といろいろなところで使えますので、

皆さんも、面倒だなー。やりたくないなー。と思うことがあれば、使ってみて
ください。

意外と、「時間をはかったら5分で終わるのか。だったらやってしまおう」と
思えたりしますので。

2012年11月18日

「力でねじ伏せる」を合言葉に【ミステイク・オン・パーパス】

● 今回のテクニック:【ミステイク・オン・パーパス(5)】

ミステイク・オン・パーパスとは、わざと事実と異なることを言って相手に修
正させ、リーディングする技術。

相手に確認したくても確認しづらい場合などに使うと効果的である。

たとえば、相手に依頼したことでまだ着手さえもされていないとわかっている
場合に、「どうもありがとう、けっこうはやく終わったみたいだね」とわざと
言ってみる。

すると相手は「あ、まだやっていませんが」と素直に答えるだろう。「依頼し
たことをやったのか、どうなのか」と質問するよりも「カド」は立たない。

押しの弱いマネージャにお勧めしたいテクニック。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「店長、S店の副店長がどのような行動が売上アップにつながるのか、スタ
ッフの行動分析するそうですよ」


マネージャー :
「ほォ。スタッフの行動分析するというんだね?」


部下 :
「はい。そして売上につながる行動が見つかったら、それぞれのスタッフに
その行動指標を定め、ロックさせるそうです」


マネージャー :
「ロック?」


部下 :
「定めた行動を絶対にやり切ってもらう、ということのようです」


マネージャー :
「なるほど」


部下 :
「スゴイですね。どうして、そこまでやるんでしょう」


マネージャー :
「そこまで?」


部下 :
「ええ……」


マネージャー :
「そこまで?」


部下 :
「……いや」


マネージャー :
「そこまで、やらないの?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「売上をアップさせるために、スタッフ全員、重要な行動指標を決めて、や
り切るってことでしょ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「見習うべき取り組みだと思うけど」


部下 :
「ま、そうですね……」


マネージャー :
「売上アップのために、組織で何かルールを決めようとしたり、決めたこと
を守ろうとすることは、普通のことだよ」


部下 :
「まァ、そうですけど」


マネージャー :
「労働時間を増やすわけでもないんだから、ちょっと面倒なだけだよね?」


部下 :
「ええ……」


マネージャー :
「面倒なことはやらない、というなら社会人として失格だ」


部下 :
「店長は、面倒だと思うことはないんですか? そこまでやらなくても結果
は出るんじゃないかとか迷うこともあるでしょう?」


マネージャー :
「そりゃあ、あるよ」


部下 :
「そういう場合は、どう対処しているんですか?」


マネージャー :
「そんなときは、力でねじ伏せる」


部下 :
「力でねじ伏せるっ?」


マネージャー :
「面倒だな、厄介だな、わずらわしいな、という感情が沸きあがってきたら、
その感情そのものを力でねじ伏せるよ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「他人を思い通りにしようと、力でねじ伏せるのはカッコ悪いけど、自分自
身が抱くマイナスの感情を、自分の力でねじ伏せることができたら、カッコ
いいかなと思って」


部下 :
「……はい」


マネージャー :
「昔、ボクシング部だっただろ? だから、得意の右ストレートでマイナス
感情をノックアウトする」


部下 :
「カッコいいですね」


マネージャー :
「そォ?」


部下 :
「いや、マジでカッコいいですよ……。今、鳥肌が立ちました」


マネージャー :
「そうかな」


部下 :
「自分のマイナス感情を、力でねじ伏せる、ですか。すげーな」


マネージャー :
「あ! そういえば、この前頼んだポスティング用のチラシ、原案をエリア
マネジャーに渡してくれたんだろう? ありがとう」


部下 :
「えっ!」


マネージャー :
「どうした?」


部下 :
「いや、まだ……すみません。まだやってません」


マネージャー :
「え」


部下 :
「すみません。渡してないどころか、まだ原案を作っていません……」


マネージャー :
「え、そうなの?」


部下 :
「はい。すみません」


マネージャー :
「……そうか。てっきり、もうマネジャーに渡してくれたと思い込んでた
よ」


部下 :
「も、申し訳ありません」


マネージャー :
「別にいいけど……」


部下 :
「すぐにやります。今すぐ、やります。申し訳ありません」


マネージャー :
「うん」


部下 :
「マイナス感情を力でねじ伏せて、やります」



……世の中のほとんどの「言い訳」の源泉は、

まず間違いなく、「面倒くささ」からきています。

今回は、マイナス感情を力でねじ伏せる研修を紹介いたします。

(講義風景を撮影した動画は必見! ボリュームは小さめでお願いします)


◆ 若手営業パーソン向け 営業力アップ研修
「絶対達成スピード講座」
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【名古屋 12/12】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01597.html

◆ 絶対達成スピード講座の動画
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=r34fofiYyjI

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【編集後記】

先週、子供に移されたのか? 風邪をひいてしまい、ずっと体調不良のままで
した。

日曜日、20年以上つづけている知的障がい者のボランティア活動で、動物園
へ引率で行ったのですが、

朝から頭が朦朧としていたので、

出かける前は、さすがに、大量の「マイナス感情」が頭の中を飛び交いました。

「面倒くさい……」

「明日から講演で福岡だしな……」

「明後日は静岡だし……」

「その次は東京だし……」

「今日、体調が悪化したらどうしよう……」

「俺ひとりボランティアいなくても、大丈夫じゃないだろうか……」

「あああ、いやだいやだ……」

と、2秒ぐらいですね。

これは冗談ではなく、2秒ぐらいウダウダ考えたあと、すぐに

そんな感情は力でねじ伏せました。

「面倒くさい」と考えることそのものが面倒くさいわっ!

と自分に喝を入れ、出かけました。

日曜日、天気は良かったのですが、風が強く、4時間以上も動物園に滞在して
いたのはキツかったです。

しかし、気合いで乗り切りました。

小学生のころから剣道を習っていましたので、「気合い」とか「根性」という
言葉は好きですね。

「力でねじ伏せる」というフレーズも気に入っています。

経営コンサルタントにあるまじき言葉遣いですが……。

2012年11月15日

「クールヘッド&ウォームハート」で行け!【アクノリッジメント】

● 今回のテクニック:【アクノリッジメント(11)】

アクノリッジメント(アクノリッジ)とは、相手に関心を寄せて承認し、その
ことを肯定的な言葉で伝えることである。

どのようなときも感謝の気持ちを忘れず、相手の可能性だけを見つめることに
より、行動の変革を促すことができるようになる。

承認することを目的とするぐらいに、承認を意識することが重要である。

承認が目的になってしまうと心が伴わない、と思われる方も多いだろうが、そ
れを気にしていたら何もできない。

「気持ちはあとからついてくる」

と考えるようにして、まずは「相手を承認する」という体験を積むことにフォ
ーカスして取り組むぐらいがちょうどよい。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「相変わらず早いなァ」


部下 :
「あ! おはようございます、本部長」


マネージャー :
「まだ7時半だ。いつもこんな時間に出勤してるの? 始業時間は9時だよ。
君はすごいなァ」


部下 :
「いつもは7時過ぎです。今日は子供がぐずってたんで、少し遅くなりまし
た」


マネージャー :
「早朝から託児所なんてやってるのか?」


部下 :
「今は、24時間保育園というのもあるんですよ。本部長」


マネージャー :
「へェ。便利になったもんだな」


部下 :
「すごく助かっています」


マネージャー :
「お子さんはいくつだっけ?」


部下 :
「2歳です」


マネージャー :
「2歳か……」


部下 :
「今日も夜の6時には帰らせてもらえませんか」


マネージャー :
「おお。もちろん」


部下 :
「すみません、私ばっかり残業が少なくて」


マネージャー :
「残業が少な……」


部下 :
「みんな遅くまで仕事してるのに、私ばっかりいつも早く帰って申し訳ない
と思ってます」


マネージャー :
「……じょ」


部下 :
「え」


マネージャー :
「じょ、冗談じゃないっ!」


部下 :
「ど、どうしたんですか」


マネージャー :
「わ、悪い……」


部下 :
「本部長」


マネージャー :
「悪い。つい、感情的になってしまった」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「君の……。君の、残業が少ないから、陰でいろいろと言ってる奴らがいる
んだろう」


部下 :
「……」


マネージャー :
「ざけやがって」


部下 :
「いや、あの」


マネージャー :
「残業は延長戦だ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「野球で言うと延長戦なんだよ。9回で試合が終わらなかったら延長するの
は仕方がない。しかし、本来なら試合は9回で終わらせなくちゃいけないん
だ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「毎日毎日、延長戦をやってる連中が文句を言えるのか!」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君はほとんど毎日9回で試合を終わらせている。そのようにちゃんと朝か
らダンドリしているからだ。だらだらと毎日延長戦やってる奴らに、君が陰
でいろいろと言われてると聞くと、ハラワタ煮えくり返ってくる」


部下 :
「ちょ……」


マネージャー :
「冗談じゃない! 朝から、本当に頭にくる! 2歳のお子さんを抱えなが
ら仕事をしているんだから、君が残業できなくて当たり前だ」


部下 :
「ありがとうございます」


マネージャー :
「しかも営業17人のうち、圧倒的な結果を出しているのは君だ。利益率は
2位の営業の3.2倍。これだけの成績を出しているんだから、経営陣とし
て何ひとつ注文はない。しかも毎日9回で試合を終わらせているんだから」


部下 :
「私は、おそらく皆さんとのコミュニケーションが足りないんだと思います。
それは気をつけます」


マネージャー :
「馬鹿馬鹿しい! パソコンの前にばかり座っている営業は腐った流木だ。
インターネットの情報に脳みそが浸かって腐ってる」


部下 :
「そんな」


マネージャー :
「それに比べて君は本当によくやっている。何度も言うが、わが社の手本だ。
しかし、どうして君は腹が立たないんだ。後ろめたいことなど何もないのに、
陰口を叩かれて」


部下 :
「うーん……」


マネージャー :
「俺なんか、毎日頭にくることばかりだから、涼しい顔で結果を出している
君が不思議でしょうがない」


部下 :
「……実は、ですね」


マネージャー :
「……ん?」


部下 :
「こう見えても、すごく怒りっぽかったのです」


マネージャー :
「え?」


部下 :
「ですから妻は出ていってしまったんです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「なんていうか」


マネージャー :
「……」


部下 :
「あのショックから立ち直るために、今は怒りの感情を封印してるんです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「そうしたら、いろいろといいことが出てきました」


マネージャー :
「……いいこと?」


部下 :
「今はとても前向きです。定時に仕事を終えて娘を迎えにいかなくちゃいけ
ないですから、毎日必死に仕事をします。期限があると燃えるじゃないです
か。だから、これで良かったんです」


マネージャー :
「奥さんは……」


部下 :
「他の人と結婚してしまいました」


マネージャー :
「……!」


部下 :
「でも、いいです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「私には娘がいますから。怒りの感情はもう、ほとんど覚えないのですが、
でも、胸に秘めた闘志は誰にも負けません」


マネージャー :
「……すごいな。君のスゴさが、わかった気がする」


部下 :
「本部長、今日も9回で試合を終わらせます」



……クールヘッド(冷静な頭)&ウォームハート(温かい心情)でいきましょ
う。

負の感情をいかにコントロールできるか。

言語的コミュニケーション技術を学ぶより、まずはこのノウハウを体得したほ
うが人間関係はうまくいきます。

NLP理論を加味した、今年最後の「アンガーマネジメント講座」が12月に
あります。

ご興味のある方は、ぜひお越しください。


● メモ帳ひとつで怒りとイライラの感情をコントロールする
「アンガーマネジメント講座」
【東京 12/7】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01406.html
【名古屋 12/10】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01475.html

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【編集後記】

私にとって朗報が2つあります。

そして困ったことが1つあります。

朗報の1つ目は、新刊「絶対達成マインドのつくり方」が大増刷を繰り返して
いることです。

つい昨日、ダイヤモンド社から3万部まで増刷するという連絡を受けました。

処女作の「絶対達成する部下の育て方」が現在3.2万部ですから、発刊して
10日あまりで部数で追いつくことになります。

現在、アマゾンや楽天でも品切れ状態が続いており、嬉しい悲鳴を上げていま
す。


朗報2つ目は、先週の日経ビジネスオンラインのコラムがアクセス新記録を作
りそうな勢いだということ。

掲載されてから1週間も経過するのに、いまだ上位にランクインしており、

【100万ページビュー】も目前という状況です。

まだ読んでない方は、ぜひご一読ください!

◆「部下が上司に言ってはいけない言葉」ワースト10
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121106/239095/


困ったことは……ですね。

年内はおろか、来年の2月ぐらいまで、スケジュールが埋まりつつあることで
す。

昨日、来年のセミナーの打合せをしていたら1月も2月も、まったくスケジ
ュールがないことが判明!

自分のスケジュールなのに、キチンと把握していませんでした……。

これは正直なところ「嬉しい悲鳴」ではありません。

10月から代表となったはずなのに、いまだ「プレイングマネジャー」ではな
く、ただの「プレイヤー」のままでいる私は、もっと自省しないといけないで
すね。

今から、来年の3月、4月以降の「マネジメントのための時間」をスケジュー
リングしたいと思います。

2012年11月12日

「大数の法則」で、すぐに結果の出る確率について考える【オープンクエスチョン】

● 今回のテクニック:【オープンエンドクエスチョン(21)】

オープンエンドクエスチョンとは、イエス・バット法と同様にコミュニケーシ
ョンテクニックとしては代表的な手法。「4W2H」もしくは「5W1H」等
の疑問詞を駆使し、質問していくことで相手の心の中に潜む問題点や潜在的ニ
ーズを探り当てること。

「イエス/ノー」で答えられる質問は極力避けることが重要である。クローズ
ドクエスチョンとは反意語。

オープンクエスチョンはヒアリングの基本であるが、ペーシングなどの技術を
活用しながら質問を続けないと「尋問」のようになってしまいがちであり、注
意したい。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「あれこれ言い訳ばかりしていると、言い訳というノイズに頭が浸って、
『腐った流木』になるという話をしたよな」


部下 :
「はい。やることもやらずに言い訳ばかりしていると、思考停止になります
から」


マネージャー :
「この情報時代には、人を迷わせる膨大なノイズがあるから、正しくノイズ
をカットしていかないと、決断力が落ちて、どうしても流されていってしま
うからな」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「10月から営業活動を思いっきり変えただろ?」


部下 :
「はい。特に、商社を中心にまわるようにしています」


マネージャー :
「商社を?」


部下 :
「はい。営業3課の係長に聞いたところ、商社からの引き合いが増えている
そうなので、そちらを重点的にまわっています」


マネージャー :
「これまでまわっていた先はどうした」


部下 :
「ええ。ちょっと、今はやめています。なかなか結果が出ないものですから、
もっと確率の高いところを攻めたほうがいいと判断したんです」


マネージャー :
「【誰が?】」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「誰が【いつ】そういうことを判断したんだ?」


部下 :
「え、あの……。私が、10月ぐらいに」


マネージャー :
「【どこ】に、【何回】、まわろうと決めた」


部下 :
「引き合いが来そうな商社19社をピックアップし、月に1回はまわろうと
考えています」


マネージャー :
「掛け算すると、月にたかが『19回』じゃないか」


部下 :
「も、もちろん、そうですが、既存の取引先もありますので」


マネージャー :
「それで、1ヶ月以上まわってみて、手ごたえはあったのか?」


部下 :
「うーん、これと言って……ないです。年内、商社を重点的にまわって、あ
まりに引き合いの来る確率が低ければ来年からどうするか考えようと思って
います」


マネージャー :
「まず、その考え方がおかしい」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「『大数(たいすう)の法則』って知ってるか?」


部下 :
「たいすう……? いえ」


マネージャー :
「簡単に言うと、繰り返し、膨大な数、何度も試していると、経験的確率が、
理論的確率に近づいていくという法則のことだ」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「たとえば、何の細工もしていないコインを投げた場合、表か裏が出る確率
は50%だ」


部下 :
「そうでしょうね」


マネージャー :
「これが理論的確率という。だけど20回投げたら、表が15回。裏が5回
出たとする」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「これを経験的確率という。少ない数の試行だと、経験的確率と理論的確率
と差が出るケースがあるということだ」


部下 :
「あっ……!!」


マネージャー :
「そうだろ」


部下 :
「なるほど」


マネージャー :
「コインを1000回も2000回も投げたら、表もしくは裏が出る確率は
50%に近づくだろう。つまり、少ない数の試行で、確率論を語ることはで
きないということだ」


部下 :
「……確かに」


マネージャー :
「商社への訪問に力を入れるのはいい。しかし10月までまわっていた先に
も同じように行け」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「それから、年内で結論を出そうとするな。来年も引き続き、商社をまわ
れ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「つまり」


部下 :
「……」


マネージャー :
「全部まわれ」


部下 :
「は、はい」


マネージャー :
「そして、何度もまわれ」


部下 :
「……はい」


マネージャー :
「まだ理論的確率がわかってもいないのに、『選択と集中』など、する必要
はない」



……私たちが提唱している「予材管理」は、リスク分散と複利効果をあわせ持
つマネジメント手法です。

「全部まわれ」「何度もまわれ」は、まさにそのまま「リスク分散」と「複利
効果」の意味合いをあらわしています。

今年最後の予材管理セミナーが12月にあります。

ぜひお越しください!


● 第10回売上アップセミナー
「最低でも目標予算を達成させる!営業会議の進め方&予材管理の徹底解説」
【東京 12/5】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01403.html
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【編集後記】

11月11日(日)、私は43年生きてきて、はじめてマラソンに挑戦しまし
た。

愛知県の稲沢市で開催された「稲沢シティマラソン」というものに出場したの
です。

距離は10キロ。制限時間は70分です。

マラソンにエントリーしたのは数ヶ月前のことでしたので、そのこと自体は何
の問題もありません。

その約1週間前に新刊「絶対達成マインドのつくり方」が出版されましたが、
そのこともずいぶん前から決まっていたことなので、いいのです。

ただ、

11月に入ってからマラソンまでの日々に、いろいろなイベントをスケジュー
ルに入れてしまったため、まったく準備ができませんでした。

自己管理ができていなかったですね……。

本当に反省しました。

7月に40キロ、8月に70キロ、9月に80キロ以上、走り、準備をしてき
たのですが、

9月に右足の甲を痛めたせいで10月に練習がストップ。

10月は30キロしか走れず、

しかも11月になってからはほとんど練習ができない日々を送り、

そうして11月11日(日)を迎えました。

生涯初のマラソンですから、タイムなんかどうでもいいです。

最下位でもいいから「完走」したい。そう考えたのですが、不安でいっぱいで
した。

10キロの制限時間は70分なのですが、7キロ地点を45分で通過しなけれ
ば待機しているバスに回収されるとも言われていました。

したがって、7キロまでは「1キロ6分ペース」ぐらいで走る必要があります。

ここ数ヶ月、「1キロ6分ペース」で走る練習を重ねてきました。

しかしビギナーの私には、けっこうキツかったです。

だいたい「1キロ5分45秒ペース」で練習するのですが、3キロも走ると、
かなりヘバってきます。

11月に入ってから、少しだけ練習しましたが、練習不足で心肺機能が低下し
ているのか、毛細血管の発達も減退したのか、

ここ最近は夏のころに走りこんだ貯金が失われているな、と実感していたので
す。

不安を抱えたまま当日を迎えました。

天候は雨模様。

気温は低く、スタートまでの間、3回もトイレへ行きます。

体内の水分が減ると、走っている最中に体温の上昇を招くのではないか、

そうすると脱水症状になり、足が動かなくなる可能性もある……。

などと、

あれこれ考えてトイレへ行きました。現地は寒いのだから仕方がありませんね。

私は「ナイキ・プラス」と呼ばれる腕時計を持っていて、その時計に表示され
る「ペース」を見ながら走ります。

1500名近い方がマラソンに参加されたようです。

スタートしてすぐ、集団に巻き込まれながら走ったのですが、

想像していたとおり、ペースが速い!

時計を見ると「5分15秒ペース」。

こんなペースでは、すぐにバテてしまう!

妻を含めた友人たちは、そのペースで走っていきます。

私はとてもついていけません。

自分との「ペーシング」です。

どんなに速くても「5分45秒ペース」。

このペースでも7キロ走ったことないわけですから、これ以上のペースアップ
はいけません。

ドンドン抜かれていきましたが、自分のペースを信じて走りました。

前述したとおり、この「5分45秒ペース」で走っても、3キロも走れば、か
なり息があがってしまうと思ったのですが、

やはりマラソン大会ということで、アドレナリンが出てるのでしょうねェ。

想像以上に、頑張れました。

3キロを過ぎても、ペースが落ちません。

しかし、4キロ地点で左足の靴紐がほどけてしまうという、ド素人っぽいアク
シデントが!

急ブレーキをかけ、すぐさましゃがんで靴紐を結びなおし、リスタート!

しかしながら、すぐにペースを上げられません。

どんなにピッチを速めても、「6分30秒ペース」から上がらないのです。

それから約1キロを費やして、何とか再び「5分45秒ペース」まで押し上げ
ました。

5キロを過ぎても、「5分45秒ペース」から落ちません。

雨がぱらつき、沿道で声援を送っている人たちも皆さん傘を差しています。

声援には勇気付けられましたが、感謝の気持ちを表現する余裕はまったくあり
ません。

6キロを過ぎてもペースダウンはせず。

あと1キロだっ!

あと1キロふんばれば、まず完走はできる。

そこから一気にペースダウンしても、10キロを70分で走破できる計算だ!

しかし、この1キロが長い……。

寒いので走っている最中からトイレへ行きたくなるし、メガネは吐息と雨で曇
り、

「なんでこんなこと、やってるんだっけ。俺は……」

と思いながら、

何とか、7キロを同じペースで走りきりました。

7キロを過ぎたら、完走する確率は一気に跳ね上がります。

ここから一気にペースダウン。

「6分30秒ペース」まで落とそう、と考えたのですが、なぜかペースを落と
せません。

やはり「流れ」ですね。

周囲で走っている人の顔ぶれは似通ってきます。

敢えて、その人たちと別れを告げて、自分だけ後方に下がっていくこともない
かな、と。

苦しくてもペースはほとんど落とさず、「6分ペース」で最後の3キロを走り
きりました。

時計で確認するペースにはいつも多少の誤差があり、実際にゴールインしてみ
ると、

タイムは「1時間1分」でした。

つまり、10キロを61分で走ったことになります。

全体の中でも遅いほうでした。

54分で走った妻と比べても、7分も遅いタイムです。

しかし、

他人との比較ではなく、自分の過去と比較したいと私は思います。

青年海外協力隊の候補生だったときに走った「10キロマラソン」のときは、
地獄の苦しみを味わいました。

あのときから長距離走は嫌いになったのですが、

19年以上が経過し、

ある一定のペースを保ちながら、同じ距離を気持ちよく完走できた自分に、今
は拍手をおくってやりたいと思っています。

さて来春、名古屋シティマラソンで「ハーフ」を走る予定ですので、

これからまた準備をしていきます。

その周辺は、じゅうぶんな練習ができるよう、余裕のあるスケジュールを入れ
ていきたいと考えています。

今日は当然、全身筋肉痛……。(苦笑)

2012年11月8日

部下が上司に言ってはいけないフレーズ「ワースト10」【恐怖アピール】

● 今回のテクニック:【恐怖アピール(3)】

恐怖アピールとは、相手の恐怖感情や危機意識をアップさせることで説得効果
を得る方法。

恐怖喚起コミュニケーションとも言う。

「もしもこうしたら/もしもこうしなかったら、どうなるかわかるか?」とい
う、表現で相手をリーディングする。

恐怖体験が臨場感たっぷりに味わえるかどうかがポイント。

当然のことながら多用は禁物。多用すれば、当然のことながらラポール(信頼
関係)は崩れていく。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「来週の火曜日までに、展示会で使用するアンケートを作って欲しい」


部下 :
「え。ちょっと無理ですけれど」


マネージャー :
「無理? どういうこと」


部下 :
「いや……。いろいろとバタバタしておりまして。時間がないんです」


マネージャー :
「何を言ってるの、AさんだってBさんだって、展示会の準備で忙しいんだ
から、君が手伝ってくれなきゃ誰に頼めばいいんだ」


部下 :
「そんなこと言われましても……」


マネージャー :
「だいたい、先週頼んだ戦略シートは作ったの? まだ君だけだよ、提出で
きていないのは」


部下 :
「あ、ちょうど今やろうとしていたんです」


マネージャー :
「ちょうど今、やろうとしてたって……。それじゃあ、G工務店への電話は
どうなってるの? 全然報告がないんだから」


部下 :
「それはまだやっていません。ところで課長、今度の展示会で、私なりに新
しいアイデアがあるので、それを聞いてもらえませんか?」


マネージャー :
「おいおいおい! 話をすり替えるな」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「え? じゃないよ。G工務店への電話はどうなったんだ、と聞いてるん
だ」


部下 :
「ですから、まだできていないと言ったじゃないですか」


マネージャー :
「どういう言い草だ、それは!」


部下 :
「どういうって……。さっきから私に文句ばっかり言ってるじゃないですか。
そういうこと言われるとモチベーションが下がるんです」


マネージャー :
「出た……。モチベーション」


部下 :
「何ですか?」


マネージャー :
「あのさ、モチベーションって言葉、安易に使うなよ。何かあるとすぐに君
は『モチベーション』『モチベーション』って……。意味わかって使ってる
の?」


部下 :
「ん……」


マネージャー :
「もういいよ。とにかく、展示会用のアンケートを作って欲しいんだ。忙し
いんだったら、どうすれば業務効率できるか、自分で考えろよ。どうすれば
いいと君は考えてるんだ?」


部下 :
「わかりません。課長はどうすればいいと思ってるんですか?」


マネージャー :
「な・ん・だ・とォ……! 質問を質問で返すなよっ!」


部下 :
「どうすればいいか私にはわからないんですよっ! 私だって一所懸命やっ
てます。どうすればいいんですか。どうすればいいか教えてください」


マネージャー :
「……」


部下 :
「課長が言ってください。どうすればいいんですか」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「このままだと、お前……」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「腐った流木になるぞ」


部下 :
「腐った、流木……?」


マネージャー :
「そうだ」


部下 :
「腐ったミカンじゃなくて、流木ですか」


マネージャー :
「言い訳という思考ノイズに脳が浸っていると、いずれ脳が腐ってきて、流
れる川を泳ぎきる体力がなくなっていく」


部下 :
「……」


マネージャー :
「外部環境の変化にも適応できず、ただ流されるだけの人間に成り下がって
いくぞ」


部下 :
「んん……」


マネージャー :
「市場価値は地に落ちるから、当然、他社でも通用しない。君が言っている
ことは論理的に正しくないからだ」


部下 :
「論理的に正しくないですか?」


マネージャー :
「展示会用のアンケートを作るのに、どれぐらいの時間がかかるんだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「即答できないのか」


部下 :
「1時間も、あればできます」


マネージャー :
「明日の朝からの会議、出席しなくてもいいからアンケート作ってくれ。毎
回、この会議は1時間ぐらいかかってる。なら、できるだろう?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「もしそれでも無理だと瞬間的に思ったら、お前は今、腐った流木になりか
けてる」


部下 :
「腐った流木……」


マネージャー :
「どうだ?」


部下 :
「そ、そうですね……。やれない理由がないですから、やります」


マネージャー :
「俺も、こんな強引なやり方はしたくない。しかし、君も本当は変わりたい
はずだ」


部下 :
「はい。すみません」


……本日の日経ビジネスオンラインのコラムに、「部下が上司に言ってはいけ
ない言葉 ワースト10」をまとめました。

入魂の一作です。

このコラムを読んでから、もう一度このメルマガ本文を読み返すと、理解がさ
らに深まると思います。

【部下が上司に言ってはいけない言葉 ワースト10】
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121106/239095/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

11月2日に、拙作「絶対達成マインドのつくり方」が出版されました。

出版とは関係がなく、先週からずーっとバタバタしています。特に最近はコン
サルティング案件が増え、対応に追われています。

「無理だ」「時間がない」「やろうと思えばできなくはないけど、もしできな
かったときはゴメンね」

と、

今回のコラムで紹介したフレーズを私は最近、使いまくっています。

上司にではなく、部下や家族に言っているのだからいいのか……。

いやいや、いけませんね。

頭がオーバーフローしていて、よくない状態です。

2012年11月5日

お金で「モチベーション」は上がるか?【アンダーマイニング効果】

● 今回のテクニック:【アンダーマイニング効果(2)】

内的動機づけ(モチベーション)に対して、報酬を与えるなど外的動機づけ
(インセンティブ)を行うことによって、反対に意欲が低くなる現象。

「過正当化効果」とも呼ぶ。

意欲的な活動をしている人物を評価し、金銭的報酬を与えると、かえって逆効
果になりやすい、などの例がある。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「私の部下が、これだけ一所懸命にやっているのに、待遇が変わらないと言
って、ぶつくさ言っています」


マネージャー :
「ほう」


部下 :
「ええ、そうなんです」


マネージャー :
「だから?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「それを私に伝えに来たのか? もう遅いんだから帰りなさい」


部下 :
「え? いやいや……。ですから部下が、ぶつくさ言うもんですから」


マネージャー :
「だから、何だ? その件は聞いた。それ以上、何も言ってないだろ」


部下 :
「あ、ですから、不満があるようなんです」


マネージャー :
「わかった。君の部下がお給料に不満があるということなんだね? それを
私が知ればいいのかな?」


部下 :
「うーん……。と言いますか、できれば改善してもらえないか、と思って。
わ、私は別にいいんですけど、部下がそのように言うもんですから」


マネージャー :
「ハッキリしないな。君の態度は」


部下 :
「す、すみません」


マネージャー :
「部下が待遇に不満を持っている。だから改善して欲しい、と最初から言え
ばいいじゃないか。物事をハッキリ言わないと、とても効率が悪い」


部下 :
「申し訳ありません」


マネージャー :
「それで? どうして不満に思ってるの」


部下 :
「えっと……。どういうことでしょうか?」


マネージャー :
「不満の根拠を言わないと、ハイ、そうですかと私は言えないだろう? ど
うやってそんなことを人事部に私が伝えればいいんだ? 一所懸命にやって
る人間が報われるような人事制度にしてくれと、そんな言い方で相手は納得
するのか」


部下 :
「い、いいえ」


マネージャー :
「じゃあ、何だ」


部下 :
「そう、ですね……」


マネージャー :
「一所懸命やってるのに給料が少ない? 『一所懸命』というフレーズと、
『少ない』というフレーズに着目して、その論拠を指し示してくれ」


部下 :
「う……」


マネージャー :
「基準を明らかにしよう。何が一所懸命で、何と比較して少ないのか」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「君は今年から、被災地のボランティアへ行ってるそうだな」


部下 :
「はい。岩手の陸前高田に、ちょくちょく」


マネージャー :
「お金をもらってるのか?」


部下 :
「お金? とんでもないです! そんなもの、もらってません!」


マネージャー :
「だろうな。ボランティア保険も自分で払ってるんだろ」


部下 :
「そ、そりゃあそうです」


マネージャー :
「一所懸命やってるのか?」


部下 :
「……一所懸命かどうかはわかりませんが……。自分なりには、やってるつ
もりです」


マネージャー :
「君の部下から聞いてる」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「君の部下たちは、君を尊敬してるよ」


部下 :
「え」


マネージャー :
「君はお金と聞いて、『そんなもの』と言った」


部下 :
「……」


マネージャー :
「お金は貴重なものだ。被災地の皆さんにとっても、そうだろう」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「来月、北上市まで部下と行くそうじゃないか」


部下 :
「はい。……12月の岩手は、かなり厳しく、寒くなると思いますが」


マネージャー :
「なぜ、そこまでする?」


部下 :
「……わ、わかりません」


マネージャー :
「そうだよな。理由なんてない。一所懸命、何かに打ち込めるのはなぜか?
その理由なんて、わからないよ」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「でも、一所懸命やった後、未来の自分が教えてくれそうな気がしない
か?」


部下 :
「……未来の、自分が?」


マネージャー :
「そう」


部下 :
「……」


マネージャー :
「一所懸命、仕事をして結果を出したら、給料が増える。俺もそれでいいと
思う。でも、給料が増えないから一所懸命、仕事をしないという理由にはな
らないんじゃないか」


部下 :
「そ、そうですね……」


マネージャー :
「仕事とボランティアは同じじゃない。しかし、社会に貢献するという意味
合いでは同じだ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「しかし会社からは『お金』という対価が支払われる。だから勘違いする人
もいるかもしれないが、原理は近い」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「とはいえ、お給料のことはデリケートな話なので、放置できない。君の部
下と面談してみるよ」



……目標達成に向けて頑張ってる人の評価をどうしたらいいか、という相談を
よく受けます。

私は、「達成に向けて頑張ってる」ときが、一番ドーパミンが出ている状態な
ので、その人は幸福なはず。

(たとえ幸福そうに見えなくても)

しかし、そこに別の報酬を与えることによって、

頭は混乱します。

目標を達成してしまうとドーパミンは出なくなるので、そこで報酬を与えたほ
うがいいのでは、と答えるようにしています。

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【編集後記】

11月2日に、拙作「絶対達成マインドのつくり方」が出版されました。

書籍キャンペーンが5日の夜中まで続き、

今は、まさに「宴の後」の状態。

アマゾン総合ランキング1位となり、

現在(11月5日8:00)、ドラゴンクエストの公式ガイドブックに抜かれ
て2位に落ちるまで、

3日間、首位を守りました。

キャンペーンに参加された方、そうでない方も、ご購入いただいた方に心より
感謝申し上げます。

本当にありがとうございました。

昨年、処女作で1位をとったあとと同じように、今はとにかく「謙虚」でいた
いなと考えています。

今週も土曜日まで、ほとんど余裕なく、動き回ることになります。

日曜日には、私にとって「生涯初のイベント」が待っていますので、それまで
は、体調を整えておきたいと思っています。

今週も、どうぞよろしくお願いいたします!

2012年11月1日

「倍速管理」とは? 先送りの習慣を治療する仕事術

昨日は、10月31日。


私には以前から10月末が期限の、やらなくてはならない作業があり、ずーっ
とやらなくては、やらなくては……と思いながら「先送り」してきました。


そして私は昨日、期限ギリギリになって始め、何とか終了させました。


もちろん、


期限ギリギリになってから始めるので、ストレスはピークに達しました。


何よりも、


「そもそも、どうしてコレやるんだっけ?」


「これって、本当にやらなくちゃいけないことなのか?」


「やっても意味がない気がするんだが……」


と、思考ノイズが頭の中をぐるぐる駆け巡るのが、本当にうっとうしいです。


先送りし続けたのは、100%自分の責任であるにもかかわらず、ウダウダ考
えてしまう自分に呆れます。


さらに、ストレスを感じるのは、作業をスタートさせた期限当日だけでなく、


その作業をしなくてはいけないと知ってから、期限までの数週間、ずーっと頭
の片隅にあったのです。


この「ストレスの種」が、脳の短期記憶の中に居座り続けたという事実に、す
ごく残念な気持ちになります。


「やりかけの仕事」「やるべき作業」をそのまま放置しておくと、


思考ノイズで、脳の短期記憶がオーバーフローしていきます。


そうすると、


本当は物理的に時間があるのにもかかわらず、


「時間がない」「忙しい」「バタバタしていて、とてもやり切れない」


などと、考えてしまいがちです。


そこで、新刊「絶対達成マインドのつくり方」でも紹介している【倍速管理】。


これは、先送りの習慣を治療し、期限内に仕事を絶対達成させる自己管理術で
す。


書籍には書かれていない言葉で、少し解説いたします。


仕事には必ず「期限」と「ノルマ」があります。


期限を設定し、絶対に達成していく。やり切っていくと、とても気持ちのよい
毎日を送ることができますよね。


周囲からも信頼(ラポール)を寄せられるようになり、


「あの人は何をやらせても速い」


「何を頼んでも、必ず遅れることはないよね」


と言われるようになります。とても素敵なことです。


依頼された仕事の「質」にこだわるのではなく、「スピード」にこだわる。そ
うすることで逆に「質」がアップする。


これが「倍速管理」です。


仕事の期限を決めて、それを「二つ折り」にしてください。


つまり、


期限を【1/2】にするのです。


今日が月曜日で、上司に「木曜日までにこの資料を提出してくれないか?」と
言われたら、火曜日に提出するのです。翌日です。


今日が月初で、月末までに仕上げたいと思う仕事があれば、15日までに仕上
げてしまうのです。


こうすることで、目標未達成というリスクをヘッジできること以外に、以下の
ような思わぬ効果があります。


● 期限を二つ折りにすることで、期限までの「時間」「日にち」が明確にな
る。


要するに、期限を決めて仕事をしよう! などと言ってても、結局のところ期
限までの正確な「距離」がわからずにスタートする人がほとんどです。


ゴールまでの距離がわからなければ、「ゴールからの逆算」の発想が生まれま
せん。


そうなると、期限が近くなってから慌てるということになるのです。


期限を「二つ折り」にするということは、


(1)依頼された日から期限までの日数・時間を計算する


(2)その期間を2で割る


という2つのプロセスが必要になり、自動的に(1)の、期限までの距離を測
るという作業ができるのです。


こうすることで、かなり心の余裕ができます。


「今週の木曜日までに、この資料を作らなくてはならない」


と考えるのではなく、


「4日間の中で、資料作りをする2時間をどこかで確保しなければならない」


と受け止めたほうが、気がラクだからです。


期限を「二つ折り」にしても、結局は前倒しで仕事をするだけの話であって、
ほとんどの場合、慌てて作業する必要はありません。


作業に取り掛かる時期が、はやまるだけの話です。


どんな小さなことでもいいのです。


かなり前倒しで仕事ができた、と思えるだけでいい。その「インパクト×回
数」で、ご自身の「マインド」が成長していきます。


「もっと自信をもって仕事をしろ」


と言葉をかけられても、言葉だけで根拠のない自信など身につきません。


肯定的なマインドを手に入れるためには「根拠」が必要です。その【歴史】が
大切なのです。


この「倍速管理」に必要なオプションテクニックは2種類。


作業時間を見積もる「スケールテクニック」。


達成リスクを回避する「ワンツー確認」。


ぜひ新刊「絶対達成マインドのつくり方」でチェックしてみてくださいね!


いよいよアマゾンキャンペーンは明日(11月2日)の9:00スタートです。


お楽しみに!


【キャンペーンページ】
http://attax-sales.jp/tokuten/book03/


【特典DVDの動画】
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=gJZL932Xads



それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
いつもありがとうございます。