2012年10月30日

「無駄な努力」とは何か?

先日、ある経営者の方から、


「無駄な努力はしたくないのです」


と言われ、そういえば「無駄な努力」とは何だろうと考える機会がありました。


そもそも、


「無駄な努力」といつ理解するのか、と考えた場合、何かを行動したあとだと
私は思います。


何らかの行動したあと、振り返ったときに「無駄な努力だったな」と感じるわ
けで、


行動をスタートする前に「無駄な努力」かどうか理解するのはけっこう困難で
はないかと私は考えます。


もちろん、わかりきった「無駄な努力」をする必要はないでしょうが、


行動する前から「無駄な努力」だとわかりきっているのであれば、誰も葛藤は
しませんし、判断に悩むことはありません。


「無駄な努力」かどうか判断できない場合がある。だから人は悩むんですよね。


昨日のメルマガで、


「消去法でしか成功できない」


と書きました。


成功したのか、成功しなかったのか。


無駄だったのか、無駄でなかったのかは、


自分自身が身をもって体験してはじめて「理解」するわけで、


「無駄な行動だった」と自ら理解し、そしてその行動を消去し続けて、


「無駄ではない行動」のみを自分で残して、成功への階段を昇っていくのだと
私は考えています。


したがって、


いま目の前にやるべきことがありながらも、


それをやって本当に意味があるのか?


自分の本当にやりたいことなのか?


それで本当に結果が出るのか?


もっとうまい方法が他にあるのではないか?


……と、


あれやこれや悩むこと、


それ自体が「無駄な努力」だと私は思うのです。


多くの人は「時間の概念」を間違って捉えています。


【遠回り】することで、よけいに「労力」はかかっても、よけいな「時間」が
かかっているかどうか、わからないものです。


遠回りした「歴史」が、自分の心を強くします。


自信を芽生えさせてくれます。


11月2日に販売される新刊「絶対達成マインドのつくり方」に、


そのことをNLP理論「学習の4段階」を使いながら解説いたしました。


アマゾンキャンペーンは11月2日の9:00スタートです。


お楽しみに!


【キャンペーンページ】
http://attax-sales.jp/tokuten/book03/


【特典DVDの動画】
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=gJZL932Xads



それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
いつもありがとうございます。

2012年10月28日

「消去法」でしか成功できない

いよいよ11月2日(金)の朝9:00から、新刊「絶対達成マインドのつく
り方」のアマゾンキャンペーン」がスタートします。


たった3日間しかありませんし、特典DVDがプレゼントされるのは先着10
00名様のみですので、2日の9時以降、お早めにお申込みください。

http://attax-sales.jp/tokuten/book03/


※「脱会議」のときのキャンペーンとかなり異なるので、気をつけてください
ね。


ところで、今回の「絶対達成マインドのつくり方」には、


なぜ、高度情報時代になり、これほどまでに「成功法則」を入手しやすくなっ
たにもかかわらず、


相変わらず、うまくいく人はうまくいくし、うまくいかない人はうまくいかな
い。


期待通りの結果を残せない人の比率は、以前から変わらないのです。


それはいったいなぜなのか……ということを書きました。


このことを、私はNLPを活用して「体験の量」で指し示しています。


人は、どのように素晴らしい「方法論」を他人から紹介されても、


結局のところは自分で体験を繰り返し、


成功した体験のみを「消去法」で残していくから、何をもってうまくいくのか
身をもって知ることができるのですよね。


つまり、


「体験の量」が足りないと、


消去しようにも、消去できないのです。


どんな体験をも消去したくないから、うまくいく体験だけを実施したいという
人は、


結局は、何事もスタートできずに、くすぶり続けることになります。


「ストレス耐性」が低く、自信を失っている人は、「成功体験」を増やすとい
うことではなく、


「成功させようとして無我夢中にがんばった体験そのもの」の量が必要なので
す。


その「量」が足りないと、消去法が使えないからです。


ストレスに強くなるためには、やはり「遠回り」は必要なのでしょう。


そして、その人個人に、遠回りをした「歴史」があってはじめて、「近道」を
見つけられるのではないのか。


私はそう思っています。


「絶対達成マインドのつくり方」に、その遠回りの目安は「8ヶ月間」だと書
いています。


ぜひ、ご参考にしてください!


http://attax-sales.jp/tokuten/book03/


アマゾンキャンペーンまで、あと4日です。お楽しみに!


それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
いつもありがとうございます。



以上

2012年10月25日

「モチベーション」が必要なケースとは?【ドア・イン・ザ・フェイス】

● 今回のテクニック:【ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(13)】

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは、はじめに本当に頼みたい事柄よ
りもかなり負担の大きな依頼をし、一度断られてから本当に頼みたいことを伝
えるテクニック。

最初に提示した情報が頭に残り、その後の判断に影響を与えるアンカリング効
果の一部と考えてもよい。

依頼者が一端譲歩すると、ついつい相手も譲歩してしまうことを「譲歩の返報
性」と言うが、これを利用ししている。

※ 「フット・イン・ザ・ドアテクニック」の反意語。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「いや〜。コレは凄い。本当に凄い……」


部下 :
「吉田さんですか?」


マネージャー :
「凄すぎるな。レスリング世界選手権で、2002年から10年連続で金メ
ダル。オリンピックは2004年のアテネから3連続で金メダル」


部下 :
「だから世界大会13連覇と言われているんですよね? ギネスでも認定さ
れたようですよ」


マネージャー :
「しかも、アジア大会も2002年から3大会連続で金メダルだよ」


部下 :
「ほえ〜」


マネージャー :
「さらに、レスリングアジア選手権は2004年から5連覇。調べれば調べ
るほど、凄い!」


部下 :
「吉田さんが国民栄誉賞をもらえなかったら、誰ももらえないですね……」


マネージャー :
「賞の選考基準がわからないから、なんとも言えないけど、この戦績は凄
い! もの凄い!」


部下 :
「課長、『凄い』としか言ってませんね」


マネージャー :
「他にどういう形容詞が思いつくんだ? 『凄まじい!』か?」


部下 :
「いやいやいや……」


マネージャー :
「それにしても頂点に立ち続けるというのは、どういう気持ちなんだろうな。
当社で言うと、T係長か?」


部下 :
「ああああ。T係長ですか。Tさん、10年ぐらいトップセールスですよ
ね」


マネージャー :
「そう。もう少し長いんじゃないかな。当社の吉田沙保里と言ってもいい」


部下 :
「それぐらい長いあいだトップの座を維持するには、どれぐらいのモチベー
ションが必要なんでしょうね。私もモチベーションの上げ方を教わりたいで
す」


マネージャー :
「どうだろう。T係長、そんなモチベーション高いように見えるか?」


部下 :
「あんまり、やる気があるようには見えないですね。でも影で頑張ってるん
じゃないですか?」


マネージャー :
「そりゃあ、頑張るのは誰だって頑張るだろう。君だって、日々、頑張って
るんだろう」


部下 :
「ええ、まァ……」


マネージャー :
「当社でトップを10年と言ったって、吉田選手と比べたら全然たいしたこ
とない。まったく比較することじゃない」


部下 :
「そりゃ、そうかもしれませんが」


マネージャー :
「モチベーションって、どういうときに必要か知ってる?」


部下 :
「え……。いや」


マネージャー :
「『あたりまえ以上のこと』をやるときだよ」


部下 :
「ま、そうでしょうね」


マネージャー :
「年間の目標予算を達成させるのは、あたりまえのことだよな?」


部下 :
「え……。まァ、はい」


マネージャー :
「だったら目標を達成させるのに、モチベーションなんて必要ないってわか
るだろ」


部下 :
「うーん……。はい」


マネージャー :
「だから、モチベーションを上げようと思ったら、もっと高い目標を掲げる
必要がある」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君、今期はT係長を抜け」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「T係長もそろそろ課長になる。世代交代が必要だ。君がT係長を抜いたら
いい」


部下 :
「え、あの……。私、前期まで、ほとんど目標を達成したこともないんです
が……」


マネージャー :
「T係長を抜くどころか、トップの座を今後10年ぐらいは守り続けて欲し
い」


部下 :
「ええっ!」


マネージャー :
「そのためには、今期、いまの目標の1.5倍ぐらいはやってほしいんだ
よ」


部下 :
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってください……」


マネージャー :
「T係長は、だいたい目標の1.3から1.4倍はやってるから、それを抜
くんだ。しかも吉田選手のように圧倒的な強さで敵を叩き潰す! だから、
1.5倍というか、2倍ぐらいまでやってしまおうか」


部下 :
「な、何を言い出すんですか……。いくらなんでも無理です。2倍って。し
かも敵って……」


マネージャー :
「君のモチベーションを上げようと思ってるんだ」


部下 :
「そんな途方もない目標を目指せと言われても、モチベーションは上がらな
いです」


マネージャー :
「途方もない目標っ!? 何を言ってるんだ。たとえ君が当社の年間予算を
2倍以上達成し続けても、ギネスに認定はされないし、国民栄誉賞ももらえ
ないぞ」


部下 :
「それと、これとは違いますよ……」


マネージャー :
「君はいくつだ」


部下 :
「30歳です」


マネージャー :
「そして女だ」


部下 :
「はい。それが何か?」


マネージャー :
「吉田沙保里さんとまったく同じじゃないか」


部下 :
「年齢と性別だけじゃないですか!」


マネージャー :
「出身はどこだっけ?」


部下 :
「えーっと、三重県ですけれど」


マネージャー :
「出身地も同じじゃないか! 吉田選手も三重出身だぞ」


部下 :
「そりゃあ、わかってますよ。三重の誇りです。しかし、2倍は無理です」


マネージャー :
「どうしても無理か!」


部下 :
「勘弁してくださいよ。どうして吉田選手の国民栄誉賞の話からそんな話題
になってしまったんですか」


マネージャー :
「君がモチベーションの上げ方を教わりたいと言うからだ」


部下 :
「今期の目標は絶対に達成させます。トップになれるかどうかはわかりませ
んが、とにかく最低でもノルマはクリアさせます」


マネージャー :
「しょうがないな。会社から与えられた目標を達成するぐらいでは、あまり
モチベーションは上がらないと思うけど、とにかくそこからだな」


……モチベーションは「あたりまえのこと」以上のことをやるときに必要な心
理エネルギーです。

したがって、

日常の業務をやるうえで、それほど「モチベーション」がどうのこうのと言う
必要はないんですよね。

結果を出すのに、モチベーションは100%必要ありません!

このキャッチフレーズの新刊「絶対達成マインドのつくり方」、いよいよ1週
間後に発売です。

キャンペーンページが出来上がりましたので、ぜひご確認ください。

http://attax-sales.jp/tokuten/book03/

(※ 先着1000名様にプレゼントされるDVDは、アマゾンでご購入いた
だいた方1アカウントにつき1枚です。1人10冊ご購入いただいても、DV
Dは1枚ですので、ご注意ください!)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

ほぼ、毎日のように私はどこかで講演や研修をしています。

特に1日の研修ですと、受講者の皆さんに必ずその場で行動をロックしてもら
います。

以前であれば、

私どもの「絶対達成」という考え方に賛同できない、もしくは理解できないと
いう態度をとる受講者の方もいたのですが、

昨今は、ほとんどいなくなりました。

やはり「絶対達成する部下の育て方」そして「脱会議」が出版されたあと、

受講者の皆さんほとんどが、その書籍を確認してから参加してくださるからで
す。

たった1日で、行動量を3倍から7倍近くまでアップして宣言するマネジャー
がほとんどです。

研修を受講する前から横山がどのような話をするのか、何をロックさせようと
するのか、

ある程度、わかっているからですね。

労働時間を増やさずに、行動量を爆発的に増やすために、

「朝から外へでる」

「会議を減らす」

「日報をなくす」

……と、だいたいの方が宣言してくださいます。

書籍というのは、とても重要なアイテムですね。この1年で、研修効果がさら
にアップしていて嬉しいです。

2012年10月22日

「やり切るコツ」とは?【無言クロージング】

● 今回のテクニック:【無言クロージング(5)】

クロージングを最も強力にしたい場合は、「無言」を貫くことである。

相手の要望・ニーズに沿った解決策/提案をしても、なかなか相手が決められ
ないときがある。理屈ではなく、踏ん切りがつかないケース。

ダブルバインドを活用して二者択一を迫ってもいいが、敢えて言葉を発せずに
待つという手もある。

人間は普通、「間」を嫌う。しかしその「間」を恐れずに無言を貫く相手から
は強烈なプレッシャーを感じるものである。無言が最強クロージング技術。し
かし難易度はかなり高い。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「え、そんなことで悩んでるの?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「どうやったら『やり切る』ことができるかって……」


部下 :
「申し訳ありません。なんか変な質問ですけど、この前、若手で集まって飲
み会を開いたんですけど、『なかなかやり切ることって難しいよな』って話
が出て……」


マネージャー :
「それで?」


部下 :
「それで、本部長は若いころから凄かったって話になったんです」


マネージャー :
「誰がそんなこと言ったんだ?」


部下 :
「K課長です」


マネージャー :
「若手の飲み会なのに、K課長が出席していたのか?」


部下 :
「はい。一応、K課長が企画してくださったので」


マネージャー :
「ふーん」


部下 :
「何をさせても、とにかくやり切ってみせたと聞いています。何が本部長を
そこまでやる気にさせるんですか?」


マネージャー :
「何もないからだろ」


部下 :
「何もない?」


マネージャー :
「オウ」


部下 :
「……えーっと、ハングリーだったってことですか? 何もないってことは、
お金も彼女も仕事もなかったんで、それで……」


マネージャー :
「違う違う! 失礼だな。そういう言い方は」


部下 :
「す、すみません!」


マネージャー :
「俺は普通だったよ。何も恵まれてなかったけど、それほど不自由していた
わけでもない」


部下 :
「じゃあ、何がそこまで意欲的に行動させたんでしょう? ぜひ聞かせてく
ださい」


マネージャー :
「だから言ったじゃないか! 何もないからだって!」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「お前みたいに、ゴチャゴチャ考えるようなことが、なーんにもなかったか
らだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「やり切るコツを教えてやろうか?」


部下 :
「はい! ぜひ!」


マネージャー :
「ないよ」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「コツなんかない。お前、会社に定時どおりに出勤するコツって何だ?」


部下 :
「いや……。どうでしょう。定時どおりに会社に来るのは、あたりまえです
から……」


マネージャー :
「だろ? あたりまえのことをやるのにコツなんかいるか?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「どうなの?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「な、ないですね……」


マネージャー :
「だろ?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「それだけだよ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「お前さ、俺の手元に資料があるけど、チラシの配布量が、4月から半年間、
90%を下回ってるよな?」


部下 :
「は、はい」


マネージャー :
「目標の達成率が90%を下回ってるんじゃなくて、チラシの配布量だよ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「自分が宣言したチラシ配布量をやり切るコツを教えてやろうか?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「いえ」


マネージャー :
「……」


部下 :
「や、やります。……やるだけです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「やれよ」


……ゴチャゴチャ言わず、とにかくやれよ!

と誰かに言いたいときってありますよね。自分に対して言いたいときもありま
す。

11月2日に発売される新刊「絶対達成マインドのつくり方」では、すべての
人に対して、

「やれよ!」

とは書いていません。

相手(もしくは自分)を正しく観察できるキャリブレーション・アイ(観察
眼)がなければダメです。

そうでなければ副作用があるからです。

相手(もしくは自分)を正しくキャリブレーションする簡単な方法も紹介して
いますので、ぜひ新刊でチェックしてみてくださいね。

さてその新刊のキャンペーン(先着1000名様にDVDが当たる!)は、今
週中にアナウンスいたします。

それまで、少しお待ちください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

数ヶ月間、入院していた母が、先日ようやく退院しました。

子供を連れて、両親が住む家へ訪れたところ、母は元気そうでした。

相変わらず父は、母に小言を言われながらも酒をあおっていましたが、なんだ
か二人、楽しそうに生活している風に見えました。

数年間、別居していたふたりが、もう一度生活を共にすると決めたとき、

私は父に対し、馬乗りになって、母との生活を再スタートさせるなら、酒とギ
ャンブルをやめろ、

そうでないと生活は破綻する。

母の病気も治らないと迫りました。

しかし、小さくなった父にもプライドがあったのか、

「お前の世話には絶対にならない!」

と私の要求を跳ね返し、

毎月の仕送りなどいっさい受け取らず、年金だけで生活すると決めてしまいま
した。

家庭のことなど、ほとんど何もせず、酒におぼれ、ギャンブルで命を削ってき
た父に、私は心の底から失望したのですが、

母との同居をはじめると、

父はなんとギャンブルをやめたのです。

私や姉が小さなころ、家じゅうの箪笥や引き出しを開けて「100円玉」を血
眼になって探した父は、すでに老いていたということもあるのですが、

父は「ギャンブル好き」というよりも、

それ以上に、

「ケチ」

だったのです。

どんなに好きなことがあっても、借金してでもやろうとは思わない。

70歳を過ぎてから、ようやく知った父の姿でした。

私はずっと貧乏を憎んできました。

以前も、メルマガ編集後記にそのことを記しましたが、貧乏だったからお金の
大切さを私は知っているつもりです。

だからこそ、目標を達成もせずに「われ関せず」という顔をしている営業に対
して、理解できない気持ちを抱くのです。

しかし、

父母を救ってくれたのは、貧乏だったのです。

中途半端ではない貧乏が、父を改心させたと言えるでしょう。

家計にまったく余裕がないとわかり、父は自分で家計簿をつけ、病弱の母に代
わって家事をし、

わずかなお金で生活する術を、70歳を超えてから身につけていきます。

父の「現状維持バイアス」がはずれた瞬間と言えるでしょう。

この世がひっくり返っても、父はギャンブルをやめられない。依存症は治らな
いと信じていましたが、

あっさりとやめてしまった父を見て、

いまだに「父を殴る夢」を見続ける私を嫌悪したりします。

新刊「絶対達成マインドのつくり方」には、私がダメ人間だったときのエピ
ソードが赤裸々に書かれています。

父や母には、読ませられないエピソードだなーと、今しんみりと思います。

2012年10月18日

「自信」の定義とは?【アンダードッグ効果】

● 今回のテクニック:【アンダードッグ効果(6)】

アンダードッグ効果とは、弱い立場にある人や不利な状況に追い込まれている
人を見ると、人間誰しも応援したくなるものである。もしその方々の一所懸命
に努力する姿を目の当たりにする機会があれば、その思いはいっそう高ぶるも
の。そんな心理効果をアンダードッグ効果といい、「負け犬効果」ということ
もある。

選挙予測報道で不利とされた候補者に同情票が集まるなどの効果も、このアン
ダードッグ効果のひとつ。

部下とのコミュニケーションに活用するためには、上司自身がプライドを捨て
なければならなかったり、多少の演技も要求される。このことなどから、現実
的にはなかなかに難しい。多用もできないだろう。

それよりも、部下にアンダードッグ効果を使われないよう気をつけておく必要
があるかもしれない。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「本当にまいったよ……。本当に、今回は、本当に、まいった」


部下 :
「どうしたんですか、課長?」


マネージャー :
「明日、部長から話があると思うから、言ってもいいだろう。K君が会社を
辞めたんだ」


部下 :
「え! K君がですか?」


マネージャー :
「そうだよ。本当に残念だ。期待していたのに」


部下 :
「辞めたって……。過去形なんですか? 今週も出勤してましたよね?」


マネージャー :
「うん。辞めた。もう出勤してこない」


部下 :
「……何か、トラブルでも?」


マネージャー :
「正直言って、トラブルだったら、俺もまだ納得がいくんだけど」


部下 :
「じゃあ……?」


マネージャー :
「営業はイヤだ。本当にやりたいことじゃない、って言われて」


部下 :
「え……。それだけ?」


マネージャー :
「うん」


部下 :
「……」


マネージャー :
「よくわからないけど、営業をやっていく自信がなくなった、だと」


部下 :
「K君の成績、そんなに悪くはなかったと思いますけど」


マネージャー :
「これからだったんだよ。俺の言い方が悪かったのかなァ」


部下 :
「K君に何か言ったんですか?」


マネージャー :
「あいつって、すぐに『ムリです』って言うだろ?」


部下 :
「ああ。確かに。悪い癖ですよね」


マネージャー :
「ムリだと思うことを敢えてやれよって言ったんだ。ムリだと思うことをや
るから『考える』という習慣が身につくし、それでもわからなければ誰かに
『相談』することになる。報告・連絡・相談も自動的に習慣化するって」


部下 :
「なるほど……」


マネージャー :
「言い方に問題があったのかなァー」


部下 :
「うーん……」


マネージャー :
「ホント、参ってるよ」


部下 :
「今年に入ってから、他にも2人辞めてますもんね」


マネージャー :
「ああ、T君とYさんだろ。彼らは仕方がない。家の事情とか、出産とかが
あったんだから」


部下 :
「K君が受け持っていたお客先、どうなるんですか?」


マネージャー :
「ひとまず、俺が全部受け持つよ」


部下 :
「え! でも、T君とYさんのお客先も、ほとんど課長がフォローしてるじ
ゃないですか」


マネージャー :
「しょうがないよ。君には新規開拓をしっかりやってもらいたい。それは譲
れないんだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「既存のお客は、俺と、H主任で何とか守る。君には新しいお客様を見つけ
てほしい」


部下 :
「でも……。課長、ほとんど家に帰ってないでしょう? 聞いた話によると、
お母さんの具合もあまり良くないんじゃ」


マネージャー :
「それを言うなよ」


部下 :
「だって……」


マネージャー :
「既存のお客様は守ってみせる。さらに、時間外労働も大幅に削減してみせ
るよ」


部下 :
「そんなのムリですよ」


マネージャー :
「ムリ? ムリじゃあ、ない」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「ムリだと思うことをやるから、それが自信になっていくんだ。俺はK君に
そう言った。だから俺はムリだなんて言わない」


部下 :
「!」


マネージャー :
「俺は昔から、何をやってもうまくいかなかった。だから自信なんて持った
ことがなかった。でも、ようやくこの会社に入って、少しずつ自信が芽生え
てきた。お袋の体は弱ってるけど、自信のない自分を見せたくはない」


部下 :
「……」


マネージャー :
「な、もう少し、ムリをさせてくれ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……私、新規開拓、やります」


マネージャー :
「……ん」


部下 :
「私が新しいお客様をドンドン開拓してくれば、課長はもっと休むことがで
きるはずです」


マネージャー :
「おいおい」


部下 :
「やります。絶対に、やります」


マネージャー :
「お前までムリをする必要はない」


部下 :
「いえ! 今まで、私は甘えすぎていました。ムリをします。不可能なこと
はやりませんが、少しぐらいはムリをします。私も自信をつけたいんです」


マネージャー :
「俺の部下がそんなこと言ってくれるなんて……。嬉しいなァ。俺も自信に
なるよ」


……相手の状況も知らないのに、

「そんなにムリをしないで」

とか

「自分らしく生きればいいじゃない」

とか、

アドバイスをする人がいます。

しかし、目の前のやるべきことを放っておいて、ムリをせず、自分らしくやっ
ていても、達成感は味わえませんし、自信は身につきません。

周りも迷惑です。

耳障りのいい、キレイゴトが多すぎる今野世の中に「喝」を入れる、私の新刊

「絶対達成マインドのつくり方」

は、11月2日発売です。お楽しみに!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

そもそも「自信」とは、どういうものだろうか? と考えるときがあります。

いま、私が考える「自信」の定義は、

「ムリ」だろうと周囲から思われていることを「やれる」と言い、

おそらく、この人なら「やるだろうな」「やるに違いないに違いない」と思わ
れることかな、と考えています。

しかし、そのためには「歴史」が必要ですね。

何でもかんでも「やれる」と言うことはできますが、

「この人ならやるだろうな」と周囲に見せつけてきた過去、実績があるからで
すよね。

ということは、

「自信をもて。君ならできる」

と言って、自信を持つことができるわけではありません。

ですから、

「いまムリだと思うことをやれ。ちょっとぐらいムリをしろ」

と言うことで、「自信」がつけられるのではないかと思うのです。

「成功への階段」を昇れる気がするのです。

昨今、

「ナンバーワンよりオンリーワン」「本当にやりたいことをやればいい」

と言った、ソフトタッチの声掛けが増えすぎていて、「自信を失っている人」
が多すぎる気がします。

ストイックになれということではありません。

心が風邪をひいているのならともかく、

不可能なことをやれというのならともかく、

少しぐらいムリをしたほうが、人生は楽しいと私は思っています。

前回、メルマガで新刊の案内をしてから、突然セミナーの申込みが急増しまし
た。

ライブでもお会いしましょう!

2012年10月15日

どのようにして人は「突然」変わるのか?【アクノリッジメント】

● 今回のテクニック:【アクノリッジメント(11)】

アクノリッジメント(アクノリッジ)とは、相手に関心を寄せて承認し、その
ことを肯定的な言葉で伝えることである。

どのようなときも感謝の気持ちを忘れず、相手の可能性だけを見つめることに
より、行動の変革を促すことができるようになる。

承認することを目的とするぐらいに、承認を意識することが重要である。

承認が目的になってしまうと心が伴わない、と思われる方も多いだろうが、そ
れを気にしていたら何もできない。

「気持ちはあとからついてくる」

と考えるようにして、まずは「相手を承認する」という体験を積むことにフォ
ーカスして取り組むぐらいがちょうどよい。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「行動を起こすのに、モチベーションは一切関係がないことはわかってるん
ですが、そうは言っても体が動かないんです。どうしたらいいんでしょう」


マネージャー :
「いろいろとゴチャゴチャ考えちゃうんじゃないか?」


部下 :
「はい。考えてしまいます。やっぱりモチベーションは必要なんじゃないか
って」


マネージャー :
「具体的に、どのような行動をスタートできないの?」


部下 :
「実は、全国にいる、難病で苦しんでいる子供たちに手紙を出そうというプ
ロジェクトを友人と始めたんです」


マネージャー :
「ほう……。すごく意義深い活動のようだね」


部下 :
「ええ。そうなんですけど」


マネージャー :
「どうした?」


部下 :
「なんていうか……。書けないんです。手紙が」


マネージャー :
「どうして?」


部下 :
「それが、わからないんです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「私は27年間、生きてきて、とにかく自分で決めたことを続けられた体験
がほとんどないんです。高校時代にやってた部活動も、すぐやめてしまいま
したし、交際した彼女ともすぐ別れてしまうし」


マネージャー :
「……」


部下 :
「病気で外に出られない、東北にいる母に週に1回は電話しようと決めたと
きも、続いたのは1ヶ月程度でした」


マネージャー :
「仕事も、けっこう変わってるよな?」


部下 :
「はい。この会社が4社目です。大学を出てからまだ5年しか経っていない
のに……。ですから、心の底から意義のある活動を始めれば、絶対に続けら
れると思いました」


マネージャー :
「でも……続かない?」


部下 :
「どうしようもないですね、私は」


マネージャー :
「……」


部下 :
「友人2人は、定期的に手紙を書いて、キチンと送っているんです。でも、
私の場合は、なんか忙しさを理由に書けなくて……。そうこうしているうち
に、友人たちも私にアキレはじめたんじゃないかと」


マネージャー :
「……」


部下 :
「どうしたらいいかわかなくて、家の壁に、『今日こそは手紙を書け!』
『難病の子供たちがお前の手紙を待ってるぞ』『これが自分を変える最後の
チャンスだ!』と書いた紙を貼ってるんです。でも……」


マネージャー :
「自分の体が動かない?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「……」


部下 :
「ひょっとして私は、心の病気なんでしょうか?」


マネージャー :
「そうは思わない」


部下 :
「そうですか?」


マネージャー :
「私は医者じゃないから、専門的なことはわからないけれど、自分にもそう
いう時期があったから」


部下 :
「え! 部長にも、ですか?」


マネージャー :
「程度の差はあっても、ほとんどの人にはそういう経験があるんじゃない
か?」


部下 :
「え……。3年連続で『社長賞』を獲ってるという部長が?」


マネージャー :
「『社長賞』? ああ、あんなのタマタマだよ。私の部下たちががんばって
くれてるおかげだ」


部下 :
「そんな……。ほとんど部長が先頭に立ち、新しい事業を立ち上げて成功さ
せていったと聞きました」


マネージャー :
「そういうのもあるかもしれんが、すべてじゃない」


部下 :
「私もいつか、自分の功績を謙遜して言ってみたいです」


マネージャー :
「人を動かすためには、その人との信頼関係を構築しておくことが必要だ。
それは以前、話したことがあるよね?」


部下 :
「……その通りですね。私は、友人たちとの関係を壊しかけています」


マネージャー :
「相手との関係を良好にするためには、相手とペースを合わせて接すること
が必要だ」


部下 :
「わかります。いきなり相手を動かそうとしても、無理ですものね」


マネージャー :
「そう。相手を承認することが必要だ」


部下 :
「承認、ですか」


マネージャー :
「自分を承認してるか?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「君は、自分を承認してるのだろうか?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……と、申しますと?」


マネージャー :
「さっき、壁に『手紙を書け』とか『自分を変えろ』みたいなことを書いて
貼ってあると言ってたよね?」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「あれは、自分を責めることになるんじゃないかと思ってね。自分とペース
を合わせて承認してる行為じゃない」


部下 :
「……!」


マネージャー :
「私は、大学受験を2度失敗している。あの当時、私は壁に『必勝!』とか
『夢を諦めるな!』と書いて貼ったものさ。でも、しばらくしてから、そう
いった自分を鼓舞するようなメッセージから目を背けて家で過ごすようにな
った」


部下 :
「……」


マネージャー :
「ああいうのは、自分を責め立てるメッセージであって、承認にはならな
い。そして自分を責めていると、いつまで経っても自信喪失の状態から抜け
出ることができないんだよ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「毎日、毎日、私は自分を責めてばかりいたよ。結局、大学には行かずに、
親戚の紹介で小さな会社に入って営業をやり、それから職を転々として、落
ち着いたのがこの会社だ」


部下 :
「そうなんですか……」


マネージャー :
「30歳を過ぎてからだよ。ようやく、自分を責めるのをやめたのは。そう
したら1年で変わった」


部下 :
「1年で」


マネージャー :
「現時点の自分は承認できないけど、未来の自分を承認しつづけた。必ず自
分は変われるから大丈夫。絶対に変われると、つぶやき続けた」


部下 :
「それで、変われたんですか?」


マネージャー :
「変われた。突然、時間が未来から流れてくるようになった」


部下 :
「未来から?」


マネージャー :
「そう。AだからBになってしまう、じゃなくて、Bにならないために、A
をしなければいいと、こうやって逆に考えるようになると、科学的にポジテ
ィブになる」


部下 :
「どうしてですか?」


マネージャー :
「今はネガティブでも、未来から時間が流れてくるという思考になると、ど
うしてもポジティブになってしまう。だってそうだろう? 明るい未来を想
像し、その未来から時間が流れてくるんだから」


部下 :
「……」


マネージャー :
「時間が未来から流れてくるまで、自分を承認しろ。『今のままでいい』で
はなく、『いつかは必ず変われるから大丈夫』と承認するんだ」


部下 :
「……なんか、救われました」


マネージャー :
「自分に自信がないんだろ?」


部下 :
「そうです。結局は、そういうことです」


マネージャー :
「自信は科学的に身につけられる。自分との信頼関係を構築するためにどう
すればいいか。これを考えればいい」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「そうすれば、マインドチャージされていく。そして突然、何かのきっかけ
で動き始めるものだ。時間はかかるかもしれないけれど、焦って自分を責め
立てていると、いつまでも自分を信頼できないままだ」



……「自信」があるから結果が出る、

のではなく、

結果が出るから「自信」が身につく、のです。

「自信」があるから続けられる、

のではなく、

続けられるからこそ「自信」が身につく、のです。

この「逆算思考」を皆さんも身につけてみませんか?

時間が未来から流れてくる感覚を味わうために、

NLP理論を元に、「思考のあたりまえ化 4ステップ」について、まとめま
した。

ダイヤモンド社からの新刊「絶対達成マインドのつくり方」は、

11月2日(金)から発売スタートです。お楽しみに!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

来月の11月2日(金)に、新刊「絶対達成マインドのつくり方」がダイヤ
モンド社から発売されます。

「自信を持て!」「君には可能性がある、自分を信じていれば大丈夫だ!」と
言われても、

それで、本当に自信が持てるような人は、はじめから「自信がある人」であ
って、

最初からそんな「自信などない人」、「心が折れてしまって、立ち直るきっ
かけさえ掴めない人」に、

そのような呼びかけは何の効力にもなりません。

それでは、どのようにして人は科学的に「自信」を身につけられるのか?

どのようにすれば「当たり前のこと」を当たり前にでき、

時間が未来からやってくるような感覚を味わえるのか?

「逆算思考」で物事を捉えられるようになるのか?

精神論や、心構えではなく、NLP(神経言語プログラミング)理論に基づ
いて、

論理的に解説しています。

それが、

11月2日に出版される「絶対達成マインドのつくり方 —科学的に自信を
つける4つのステップ—」です。

この書籍は、昨年12月に出版された「絶対達成する部下の育て方」のカ
バー色「黒」とは正反対の、

「まっ白」な装丁となっています。

なぜ「白」なのか、というのは、いろいろな理由があるからですが、著者の
私としては、

昨年の12月25日のメルマガ編集後記に書いた以下のエピソードが、本書
にも登場し、

この「まっ白で、がらんどうの状態」からどのように抜け出し、毎年当たり
前のように「目標達成」していくのか、

マインドがどのように醸成されていくかについて記しているからでもありま
す。

前作の10倍以上、苦労して作った書籍です。

今回もキャンペーンを実施いたします。メルマガで徐々にアナウンスいたし
ますので、お楽しみに。



……昨年12月25日のメルマガ編集後記はここから


今日12月25日は、朝から雪が降っていました。

岐阜に近いからでしょうか。午後からは本降りとなり、一面、雪景色となり
ました。

私には、雪を見るとフラッシュバックする、嫌な思い出があります。

子供が生まれ、妻が実家に戻っているとき、8年ほど前のことでしょうか。
私は毎晩、終電でアパートに帰り、虚ろな日々を送っていました。

1月の予算編成時期のころだったと思います。

当時、日立製作所にいた私は、予算を策定したら辞表を出すと決めており、
風の強い日に落ちてくる雪のように、不安定な自分でありました。

ある日、

いつもどおり終電で、アパートの最寄駅まで帰った夜のこと。

駅についてもアパートに帰ることなく、私はなぜか地下鉄の駅の周りをウロ
ウロとさまよい、歩いていたのでした。

35歳。

第一子が生まれたばかりだというのに、結婚以前よりも責任感を抱くことが
できないほど、心の中はがらんどうでした。

駐輪場に置いてある自分の自転車には雪が積もっていました。

いつから雪が降っていたのか。

それさえ気付かないほど、ぼんやりと駅の周辺をしばらく徘徊していたのだ
と思います。

サドルに積もった雪をはらい、自転車に乗ろうとすると、かごの中に置かれ
たポケットティッシュが目に入りました。

駅前でティッシュ配りをしていた人が、自転車のかごの中に置いていったの
だろうか。

私はふと疑問に思い、自分の自転車から離れて、他の自転車のかごの中を見
て回りました。

夜更けの駐輪場に置かれた自転車は、かぞえるほどしかありません。

すべての自転車をチェックすると、大量のティッシュが手に入りました。私
は当時、ダウンのコートを着ており、そのコートのポケットに入りきれない
ほどのティッシュを押し込んで、持ち帰ろうとしたのです。

さらに、

駐輪場に突っ立ち、頭から雪をかぶってティッシュをかき集めていた私は、
何かを察知するのです。

もしかして……

私は駐輪場の地面を見ました。

雪でところどころ白く濁っていましたが、目をこらすと地面にもポケットテ
ィッシュが落ちているのです。

自転車のかごに入っていたティッシュを、その場で捨てていった方がたくさ
んいたのでしょう。

足で雪を払いながら探すと、さらに大量のティッシュが手に入ったのです。
私はコートのポケットの中に、ぎゅうぎゅうに押し込んで、誰もいないア
パートにそのティッシュを持ち帰りました。

なぜその夜、私はポケットティッシュを欲しがったのか?

ただ、あると便利だと思ったからです。

自転車のかごの中にあるとはいえ、落ちているのと一緒だ。もらってしまっ
たもかまわないだろう。

そういう気分で、コートのポケットに入る分だけのティッシュを持って帰っ
てきたのです。

もちろん、

私はそのとき、普通の精神状態ではありませんでした。

自身を正しく制御する何らかの装置が、私の体の中で正常に動作していなか
ったのだと思います。

つい先日、そのことを妻に質問すると、

「覚えてる、覚えてる。あれから家を引っ越したあとも、まだあのティッシュ、
大量に残ってたから」

雪を見ると、なぜか思い出すのです。

われ知らずポケットティッシュを拾い集めた夜のことを。

今は12月25日です。

明日は12月26日。

日本最大級のメガ書店、東京丸の内の「丸善」での講演の日です。この聖地
での講演に、私は今年のすべてを賭けたいと思います。

そのために、明日、私は、あの夜着ていたダウンのコートを身にまとい、上
京します。

あの夜の私のように、心の調子を崩す人がひとりでも出ないように、私は今
私しかできない言葉で、会場に来られた方々に伝えたいのです。

伝えたいことが、あるのです。


……ここまで。

この「ポケットティッシュ」のエピソードには続きがあり、

それが新刊に書かれています。

私にとって、とても恥ずかしいエピソードなのですが。

2012年10月12日

逆から考える「逆算思考」について【ユーティライゼーション】

● 今回のテクニック:【ユーティライゼーション(6)】

ユーティライゼーションとは「利用する」「活用する」という意味。相手の言
動の中に存在するものを効果的に利用して、無意識のうちに相手との信頼関係
(ラポール)を築くテクニック。

コミュニケーション技術としては、相手の口癖や、よく使う特異な表現・言葉
を活用することになる。そのためには、相手の言動をしっかりとキャリブレー
ション(観察)し、何気ない表現手法も見逃さない、聞き逃さない習慣が必要
だ。

高度なテクニックであるため、まずはバックトラッキングなどを無意識に使い
こなせるぐらいにまで練習してから、このユーティライゼーションに挑戦して
ほしい。(コミュニケーション版のミラーリング)


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「自分がやりたいことが見つからない限り、やる気は起こらない、仕事に打
ち込めないということはない、このことは、理解できたよね?」


部下 :
「ええ。すんごいわかりました」


マネージャー :
「目の前のことをキッチリやっていると、やる気が沸いてくるし、それを続
けることで、自分のやりたいことが何なのか見つかってくることもあるし
ね」


部下 :
「本当にそう思います。ところで部長は週末に走ってると聞きましたけど、
すんごいですね」


マネージャー :
「ああ。だいたい土日で20キロから30キロぐらいは走る」


部下 :
「すんごいですね、それって」


マネージャー :
「そうか?」


部下 :
「だって、誰よりも仕事をしてるじゃないですか。疲れはないんですか?」


マネージャー :
「それも逆から考えるんだよ。疲れているから運動しない、じゃなくって、
運動するから疲れない体が手に入るって」


部下 :
「なるほど……。すんごいですね」


マネージャー :
「【すんごい】だろう?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「逆に物事を考えていると、【すんごい】ことがけっこう手に入るもんだ。
試してみろ」


部下 :
「たとえば、時間がないから家族との旅行ができない、じゃなくって、無理
やり旅行の時間をとるから、家族との時間ができる……。こういう感じです
か?」


マネージャー :
「そうそう! 【すんごい】じゃないか」


部下 :
「すんごいですか?」


マネージャー :
「AだからBになっちゃう、じゃなくて、Bでなくすることによって、Aで
はなくなる、と、こう考えればいい」


部下 :
「すんごいですね! その考え方は」


マネージャー :
「そうだろ? こういう思考で日々生活していると、【すんごい】ポジティ
ブになっていく」


部下 :
「わかりました。そういう発想でこれから仕事をしていきます。なんか元気
になってきました」



……モチベーションが上がらないから仕事に打ち込めない、

ではなく、

仕事に打ち込むからこそ、モチベーションが上がってくる、ものです。

こういった「逆算思考」を1日で叩き込み、前向きに「絶対達成メソッド」を
学べる大人気セミナーが11月にあります。

ぜひお越しください!


● 科学的に自信と意欲をアップさせる!
 絶対達成するマインドのつくり方『倍速管理』
【東京 11/1】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01412.html
【名古屋 11/7】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01411.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

この季節になると、いつも花粉症に悩まされます。

1週間ほど前から、寝るときに息をするのが苦しくなるほど、鼻がつまってい
ます。

昨日、「点鼻薬」をもらいに病院へ行きました。

久しぶりの病院です。

ちょうど一年前の10月10日にも、まったく同じ「点鼻薬」をもらいに病院
へ訪れており、それが調剤薬局の履歴に残っていました。

ここ数年、この病院には「点鼻薬」だけをもらいに1年に1回ぐらいしか顔を
出しません。

病院の先生も、調剤薬局の薬剤師の方も昔と変わりませんが、少しずつ髪に白
いものが増えてきたように見え、

時間の経過を覚えます。

以前、私が何をやってもうまくいかなったときは、

この病院へ毎週のように通っていました。

風邪をこじらして咳がひどくなり、吸入器をもらいにいったり、

風邪が治ると、妙に下腹部が痛くなり、相談しにいったり、

背中が痛いといって診てもらったり、

口の中に吹き出物ができたといって診てもらったり……。

いつもいつも体が不調で、とても惨めでした。

病院の先生に、毎回違う症状を伝える自分が無性に情けなく、また、腹立たし
さも覚えるのでした。

しかし、

ある時分から、仕事がうまく回り始め、時期同じくして、めっきりと体調不良
がなくなっていきました。

今では、走ったり泳いだりするのが日課になってきて、体も丈夫になりつつあ
ります。

心と体は、本当にひとつなんだなと、今さらながら思い知らされています。

2012年10月9日

自分の限界は、自分では決められない理由【エレン・ランガーの循環論法】

● 今回のテクニック:【エレン・ランガーの循環論法(4)】

「それらしき理由」がある場合、人は説得されやすくなる。これを証明したの
がエレン・ランガーであり、エレン・ランガーの循環論法とも言う。

循環論法とは、結論の真理が前提の真理に依存し、その前提の真理はそのまた
前提の真理に依存する……。というように、AだからBであり、BなのはCだ
からであり、CなのはAだからである……というように、論拠がぐるぐる循環
していること。

思い込みが思い込みを呼び、頭をどんなにひねっても、その思い込みの根拠が
別の思い込みによって証明される場合、解決しようがない。

ここで紹介するランガーの循環論法は、少し乱暴な説得技術のように聞こえる
が、人間は説得される「理由/証明」を探しているのかもしれない。

「コピーをとらせてもらえませんか?」

と聞くと60%の承諾率だが、

「コピーをとらないといけないので、コピーをとらせてもらえませんか?」

と質問すると承諾率は93%に跳ね上がる。「理由」になっていなくても、
「それらしき理由」があれば、人は説得されやすくなる。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「やる気が沸かないから、仕事が完遂できない、という言い分は通らないよ
ね?」


部下 :
「本当にそうですね」


マネージャー :
「この前、『やってもらって当然という態度で仕事を頼んでくる上司はウザ
イ』と言っている若者がテレビに出てたけど、ひどい話だな」


部下 :
「うーーん。部下なんですから、上司から依頼されたことをやるのは当然で
すよね」


マネージャー :
「そうだよなァ。ああいうテレビ番組があること自体、おかしな話だ」


部下 :
「だから、草食系のマネジャーが増えるんでしょう」


マネージャー :
「草食系だったら、もっと肉食べろよって話だよな?」


部下 :
「いや、そういう話でもないと思いますけど」


マネージャー :
「あのさ、ところでこの前、次世代リーダーを育成するためのプロジェクト
を立ち上げることになったんだけど、君にプロジェクトリーダーをしてもら
いたいと思ってる」


部下 :
「ええっ! 私が、ですか……?」


マネージャー :
「そう」


部下 :
「ちょ、ちょっと待ってください。9月から主任となって、はじめて部下を
2人持つようになりました。エリアも広くなっていますし、お客様への挨拶
回りも終わっていません」


マネージャー :
「だから?」


部下 :
「え、だから……って」


マネージャー :
「ちゃんと、自分の主張を言えよ。部下が2人になって、エリアが広くなっ
た。だから何を主張したいの? 俺に察してください、と言いたいわけ?」


部下 :
「あ、いえ」


マネージャー :
「ただ話を聞いてもらいたいだけなら、俺は聞いた。それでいい?」


部下 :
「いえいえ。とにかく私はもう、いっぱいいっぱいなんです」


マネージャー :
「わかった。いっぱいいっぱいなんだな。それでいい?」


部下 :
「いえいえいえいえ……!」


マネージャー :
「だから何なんだって聞いてるんだよ。自分の主張したいことを、ちゃんと
言えって」


部下 :
「ですから、そのプロジェクトのリーダーは無理です。もうこれ以上は限界
です」


マネージャー :
「限界? 物理的な時間が限界ということか?」


部下 :
「あ、それもあります」


マネージャー :
「それも、ってどういうことだ」


部下 :
「まだ主任になって1ヶ月ぐらいしか経っていません。まだ不慣れなことが
多いものですから……。申し訳ありません」


マネージャー :
「不慣れなことが多いから、何なの? 物理的な時間はあるけど、不慣れな
ことが多いから、何?」


部下 :
「えっと……。ですから、いっぱいいっぱいなんです」


マネージャー :
「だーかーらー! いっぱいいっぱいだから何だって? その話を俺が聞け
ばいいわけ?」


部下 :
「いえ、ですから、プロジェクトリーダーの件は無理だと言うことです」


マネージャー :
「あのね。いっぱいいっぱいなのは、君の心理的な限界値だ。それがオー
バーフローしてるだけ」


部下 :
「……はァ」


マネージャー :
「だから俺とのコミュニケーションも、うまく噛み合わない」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「たとえば、今の仕事をこなしつつ、大阪の工場の生産管理部を手伝ってく
れと言われたらどうする? ちょうど今、夜間オペレーションを統率できる
人財がいなくて困ってる」


部下 :
「いやいや、それは無理ですよ」


マネージャー :
「どうして? 昔、大阪の工場で3年、生産管理部として働いてただろ
う?」


部下 :
「だって、関東北部のエリアで営業をしながらやるんですよね? それはど
う考えても無理ですよ」


マネージャー :
「だろ?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「お前、迷わず自分の『主張』を口にしたよな? 無理です、って」


部下 :
「……」


マネージャー :
「ほぼ絶対に不可能だと思えることは、『無理です』と、自分の主張を口に
出すことができる」


部下 :
「……」


マネージャー :
「だから、次世代リーダーを育成するプロジェクトのリーダーになることは
不可能じゃない。自分で勝手に限界を作ってるだけだ」


部下 :
「う……」


マネージャー :
「お前に、リーダーをやってもらいたいから、やってほしいんだ。頼む」


部下 :
「わ、わかりました……」


マネージャー :
「俺は、草食系マネジャーじゃないからな」


部下 :
「はい。存じてます」


マネージャー :
「お前、部下が2人できても、仕事を丸抱えして、なかなか渡さないそうじ
ゃないか。組織としてそれじゃあ困るんだ」


部下 :
「う……」


マネージャー :
「次世代リーダーが、そうやって勝手に限界を決めてもらっては困る。部下
に仕事がまわっていかないから、部下も成長しない」


部下 :
「気をつけます」



……脳の短期記憶が、「やりかけの仕事」「やるべき仕事」で溢れかえってい
るので、

「いっぱいいっぱいだ」と、言ってしまうのです。

「倍速管理」で期限を2つ折りにして、仕事をすべて絶対達成させましょう。
そのほうが頭は常にスッキリしているので、ストレスもたまりにくくなるので
す。

先送りの習慣を、科学的に治療します。

11月初旬に、私のセミナーで最も人気の高い「絶対達成マインド」セミナー
を実施いたします。

心理的な限界値——「現状維持バイアス」をはずしましょう!


● 科学的に自信と意欲をアップさせる!
 絶対達成するマインドのつくり方『倍速管理』
【東京 11/1】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01412.html
【名古屋 11/7】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01411.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

最近よく、日立製作所を辞めた35歳のころのことを思い出します。

そのときの状況を、色で表現すると「白」です。

学校を卒業し、情報サービス事業者大手のCSK(現SCSK)に入社し、最
初に受け持った仕事が、名古屋港にある海運業のシステム開発でした。

その後、日本を代表する自動車部品メーカー「デンソー」へ4年以上、常駐し
ます。

さらに24歳のときに青年海外協力隊としてグアテマラへ赴任。

グアテマラ政府の人事院で国勢調査、国家公務員を対象としたデータベースの
設計開発事業に携わりました。

余暇は剣道を教え、中央アメリカの国としてはじめて「グアテマラ剣道連盟(Federacion Nacional de Kendo en
Guatemala)」の創設に関わりました。

帰国後、かねてから活動していた知的障がい者のボランティア活動に復帰。

名古屋市から委託された、知的障がい者青年学級事業のボランティア連盟の会
長に。

帰国後、半年してから日立製作所へ再就職。

35歳まで約8年間、日立に勤めたのですが、

それまでのすべての経歴が「まっしろ」になるような空虚感を持ちながら、私
は辞めました。

第一子が生まれたばかりの冬でした。

産後、実家にいた妻がアパートへ戻ってきたとき、まさに私の心は白く、誰も
踏みしめたこともないような雪の色をしていました。

日立製作所に辞表を出した翌日だったと思います。

「これからどうしていこう?」

そういう自問もできないほど、私の心はリセットされていて、アパートに差し
込む冬の光と、その光に照らされて眠り続ける長男の顔を見ながら、終始ぼー
っとしていました。

明日、東京ビッグサイトの「IT PROエキスポ」で私は講演をします。

日経ビジネスオンラインの影響で、尋常でない集客を記録したそうです。

今、私は43歳です。

「心理的限界」など、どこにあるのだろう? 「物理的限界」もはるか凌駕し
ているように思える日々を送っています。

余裕で、他人の数倍の仕事をこなし、数十倍の実績を上げられる自信がありま
す。

35歳のときの自分に、いま私がかけられる言葉があるとしたら、

「大丈夫だ」

この一言です。

「お前は大丈夫だから、そんなに真っ白にならないでくれ」

と声をかけてやりたいです。

きっと、それを言ったとしても、「35歳のときの私」は、何も感じないでし
ょうけれど。

2012年10月4日

「MECE」とロジカルな話し方【サンクコスト効果】

● 今回のテクニック:【サンクコスト効果(11)】

サンクコスト(埋没費用)とは、既に支出(投資)された費用のうち回収不能
なもののことである。

サンクコスト効果(塹壕効果)とは、せっかく支出(投資)したのだから無駄
だとわかっていても計画を続行してしまう心理的傾向を言う。

要するに「諦めきれない」心理のことである。「コンコルドの誤謬」はまさに
歴史上最も有名な「サンクコスト効果による誤謬」と言われている。

投資を継続することにより損失が増大することが目に見えているにもかかわら
ず、これまでに費やされた費用と労力を惜しむあまりにコンコルドの開発を中
断することができなかった。

このサンクコスト効果を活用したコミュニケーションテクニックを考える。

つまり「すでに費用と労力が十分に費やされている」ことを強調することで、
相手の行動改革を促す。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「自分が何をやりたいのか、よくわからない。だから目の前の仕事に意欲的
になれない、という言い分は通らないよな」


部下 :
「ええ。確かにそうですね」


マネージャー :
「話が論理的につながってないんだよ。やる気が起こらないという主張の論
拠が、自分のやりたいことがよくわからない、では、因果関係がわからな
い」


部下 :
「ああ。論拠と主張がかみ合っていない、ということですか」


マネージャー :
「結局は、やる気がないのは、やる気がないからなんだよ。その主張にもっ
ともらしい論拠を当てはめようとするから、無理がある」


部下 :
「うーん、確かに」


マネージャー :
「論拠と主張とが『つながらない』話を聞いていると、相手に対する信頼度
は、自然と落ちてきてしまう」


部下 :
「ええ。わかる気がします」


マネージャー :
「ところで、今後の営業戦略について考えてもらいたいと話したが、どう
だ? どういうお客様を対象としていくのかについて聞かせてほしい」


部下 :
「ええっと……。いろいろと考えてみたんですけど、やはり建設業界しかな
いかな、と思うんです」


マネージャー :
「ほう、どうして?」


部下 :
「やはり過去の取引先を見ていても、圧倒的に建設業界が多いですし、当社
の部材を扱ってくれる業界というと……他は、なかなか難しいんじゃないか
と」


マネージャー :
「なるほど。でも、論理的な考え方じゃないね」


部下 :
「え。すみません。そうですか?」


マネージャー :
「ミーシーって知ってるか? MECEと書くんだけど」


部下 :
「ええ。もちろんです。ロジカルシンキングの研修で習いましたから。モレ
なくダブりなく、という思考方法ですよね」


マネージャー :
「そう。問題を整理する考え方として基本だけど、やはり有効な手法だと思
う」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「当社の部材を扱ってくれるような業界を漏れることなく、思案してみたか、
ということだ」


部下 :
「ああ……」


マネージャー :
「過去の体験が邪魔し、先入観を持って考えたんじゃないの?」


部下 :
「いや、そういうつもりは……」


マネージャー :
「ロジカルシンキング研修で習ったロジックツリーは使ったの?」


部下 :
「いえ、それは……使ってません」


マネージャー :
「あの研修、何日間やったんだっけ?」


部下 :
「えーっと、トータルで4日間だと思います」


マネージャー :
「一人あたり、いくら会社が支払ってると思う?」


部下 :
「え……。いくら、ですか?」


マネージャー :
「20万円だよ、20万」


部下 :
「え! 20万! ひとり20万ですかっ!」


マネージャー :
「そう」


部下 :
「うわー……。20万も……」


マネージャー :
「当社にはお金をかけた分だけ元はとらないと、という精神はない。投資対
効果ばかりを考えて教育なんかやっていると、いずれ教育なんて要らないと
いう、これまた非論理的な発想を誘い出してしまう」


部下 :
「ええ。そうですね。教育がいっさいない会社なんかに、いい人財は集まら
ないですから」


マネージャー :
「とはいえ、せっかく4日間も研修を受けたんだから、そこで習った思考や
ツールは活用してみないと」


部下 :
「まったく、その通りですね」


……ロジカルシンキングはとても重要です。

論理的な思考ができないと、成果の再現性がないからです。

「念ずれば、叶う」というような「精神論」ではなく、論拠と主張に因果関係
があるか?

「念ずる」以外に「叶う」方法は他にないのか?

論理的な発想ができないと、考えが前向きになりませんし、すぐに発想が行き
詰っていきます。

ただ……。

「現状維持バイアス」がかかっている人にロジカルシンキングは無理です。

結果が出るかどうかは別にして、過去と異なる行動を繰り返して、新たな習慣
を身につける、

そのプロセスにおいてバイアスは外れます。

論理的思考能力、ロジカルな話し方をするためには、やはりまずはバイアスを
はずすところからですね。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

先月(9月)のランニングの目標距離を70キロで私はロックしていました。
そして結局、どうなったかと言いますと、

何とか、最後の3日間で猛チャージして、77キロまで伸ばし、「絶対達成」
いたしました。

ただし、週末は台風も来ていましたし、ギリギリになっての達成というのは、
とてもリスクが高いと思い知らされました。

今月はもっと余裕をもって、前倒し、前倒しで、やっていきたいと考えていま
す。

そういえば、私のメルマガやフェイスブックを見て、走り始めた、ウォーキン
グを始めた、という方もけっこういらっしゃるようです。

走るのはともかく、「ウォーキング」は間違いなく体に良いので、習慣化する
といいですよね。

2012年10月1日

「願望」をかなえる言葉と場所とは?【アズ・イフ・フレーム】

● 今回のテクニック:【アズ・イフ・フレーム(14)】

アズ・イフ・フレームとは、「もし……だったとしたら、どのように……する
か」「もし……実現したら、どのような気持ちとなるか」等と質問をすること
により、相手がかけている色眼鏡(フレーム)をはずさせるテクニック。
(アウトフレーム)

相手の先入観/固定概念を打破するために有効な、魔法の言葉。

通常は、実現したい目標がかなっている「未来」までイメージの中で空間移動
し、そのシーンを十分に味わってもらってから、それまでの実現プロセスを語
ってもらう。そのことにより「ドツボ」にはまっているフレームから抜けやす
くなる。

ただ、言葉だけを使ってもうまくはいかない。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「私はいま、何をしたいのか、どうしたいのか、すごくわかっています。
『自分探し』をしているわけではありません。本当に夢があるんです」


マネージャー :
「ああ。知ってる。地元に児童擁護施設をつくるんだろ」


部下 :
「はい。昔からの夢です。ずっと変わっていません」


マネージャー :
「君はいくつだっけ?」


部下 :
「33歳になります」


マネージャー :
「これまでも、いろいろと施設で働いてきた。だったな?」


部下 :
「ええ。高校を卒業してすぐ、障がい者のデイサービス事業をしている施設
に勤めました。それから自動車ディーラーのセールスマン、コンビニの店長、
そして特許事務所の事務、などです」


マネージャー :
「そしてわが社は小さな工務店。今はその営業をしている、というわけだ」


部下 :
「はい。夢を叶えるためには、いろいろな体験をしたほうがいいと思いまし
て」


マネージャー :
「ふーん」


部下 :
「……」


マネージャー :
「本当に、そうか?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「その経歴を聞いて、順調に夢に向かって進んでるな、と誰が思うんだ」


部下 :
「すみません」


マネージャー :
「別に謝る必要はない。俺なんか、夢なんて抱いたことないからさ。実際の
ところ、すごいなって思うんだ。そういう夢や願望があって、それを周囲に
公言する勇気があるなんて」


部下 :
「いえ……」


マネージャー :
「だいたい児童擁護施設って、どういう施設なのか知らないけど、その施設
を作って、何か社会に貢献したいとか考えてるんだろ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「だろうな。そういう施設でボロ儲けしたいと思ってる奴なんているわけ
ねーもんな」


部下 :
「……」


マネージャー :
「じゃあさ、その施設をお前が作って、その施設を利用する人たちが毎日笑
顔でやってきてとか、そういう日常を思い描いてみろよ」


部下 :
「え」


マネージャー :
「想像するのはできるだろ? ほら、イメージトレーニングさ」


部下 :
「あ、はい」


マネージャー :
「目を閉じろ。そして臨場感たっぷりに、味わってみろ」


部下 :
「……味わう……」


マネージャー :
「そう。何度か、深呼吸してさ、その新しい施設の色合いだとか、匂いだと
か、お前の下で働くスタッフの人たちが歩いている音だとか……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「利用者の方々の笑い声とか……。施設の窓から差し込んでくる太陽の光の
強さだとか……。お前の夢を実現させようと力を貸してくれた人からの力強
い握手とか……」


部下 :
「……う」


マネージャー :
「その握手された手のぬくもりを感じてみろよ。その強さを、実際に味わっ
てみろよ。……そうすると、いろいろと胸にくるものがあるだろ」


部下 :
「……うう」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「う……」


マネージャー :
「……どうした?」


部下 :
「す、すみません…………」


マネージャー :
「いいよ。ほら、ハンカチ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「すごく感受性が強いんだな」


部下 :
「すみません」


マネージャー :
「泣いたっていいさ。それぐらいに願望を実現させたいって気持ちが強いん
だから。お前の夢は、本物だよ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「なんで、そういう施設を作りたいんだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「別に、言いたくなかったら、いいけど」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……私が、私が、そういう施設で、育ったからです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「すごく晴れた日でした。……施設の窓に、太陽の、強い光が差し込んでい
る、そんな日でした。私はそこで、父に生まれてはじめて握手されました」


マネージャー :
「……」


部下 :
「とても、力強い握手でした」


マネージャー :
「……」


部下 :
「そのとき、父に握られたときの感触は、まだこの手に残っています」


マネージャー :
「……」


部下 :
「私にとって、人生、最後の、父からの握手でした」


マネージャー :
「……」


部下 :
「サイテーの、握手です」


マネージャー :
「そうか」


部下 :
「誰にも、誰にも……あんな握手を、親からされてはダメだと思うんです。
一生、台無しです」


マネージャー :
「お父さんとは、それから連絡がとれないのか?」


部下 :
「翌日に、命を絶ったそうです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「それを知ったのは、実は最近のこと、なんですが」


マネージャー :
「……」


部下 :
「私がいま、生きているのは、私を育ててくれた施設があるからです」


マネージャー :
「……ん」


部下 :
「その施設が町の財政難で潰れてから、もう15年が経過しています。何と
か私の手でもう一度、作り上げたいのです」


マネージャー :
「……そうか」


部下 :
「資金だけでなく、職員が足りなくて倒産していく施設も多数あります。で
すから、資金面でも、人手の面でも、革新的な施設を作り上げて、長くやっ
ていきたいのです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「私はあれから30年近く、誰とも握手していません。本当に強い気持ちが
あるんです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「私、この会社でもっと営業力を鍛えます。そして、経営のことも勉強しま
す。気持ちだけでは、願望は実現しませんから」


マネージャー :
「うん。そうだな。しかし……」


部下 :
「え」


マネージャー :
「しかし、思いの強さと、知識があれば願望が実現するわけじゃない」


部下 :
「と、言いますと」


マネージャー :
「フレームワークだ。願望実現のフレームワークと、正しい進捗を管理する
手法。そして……」


部下 :
「そして——」


マネージャー :
「仲間だ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「願望実現の仲間を集めろ。まずは俺がその一人になってやる。お前が作ろ
うとしている施設は、当社が利益なしで建ててやる」


部下 :
「……ありがとうございます」


マネージャー :
「俺とは、握手してくれるか?」



……夢や願望が明確にあっても、なかなか自分の殻を打ち破ることができなく
て、その第一歩が踏み出せない人がいます。

そのためめには、現在の殻(フレームワーク)の外へ出ることが必要なのです。

時間の外へ出るため、「アズイフフレーム」という、今回紹介した話法を使い
ます。

現在のフレームから飛び出して未来へ移動できるため、自分のフレーム(現状
維持バイアス)をはずしやすくなります。

もう一つは、空間的に外へ出ることです。つまり遠くの場所で、非日常を感じ
ながら、願望実現のためのプランを練るということです。

いよいよ来年1月、半年近く企画してきた「沖縄 願望実現ツアー」が開催さ
れます。

会社の目標達成ではありません。自分の人生の夢や願望を「絶対達成」させた
い人のためのツアーです。

「場」を良くしたいので、

絶対に夢を叶えたい、覚悟を持って願望を実現させたい、という強い気持ちを
持っている方のみご参加ください。

日本全国から、参加者を募ります。

(スケジュールは中部国際空港からのプランとなっていますが、ルートの相談
は乗ることができますので、気軽にご連絡ください)


■「絶対達成マインドセミナー in沖縄」
   〜願望実現の旅「8フレームアウトカム」〜
http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01497.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

「8フレームアウトカム」とは、

NLP理論の基礎といえるフレームワークです。

願望(アウトカム)を実現させるために、8つの質問を重ねながら実現への手
がかりを見つけていきます。

非常にバランスのとれたフレームワークです。

1.あなたの願望(アウトカム)は何ですか?
 (肯定的な言葉で表現)

2.願望が実現されたことはどのように証明されますか?

3.願望はいつまでに、誰と、どこで創りますか?

4.願望が実現したら、あなたの周り、環境はどのように変化ますか?
 (エコロジカルチェック)

5.願望実現のためにあなたが既に持っているリソースは? 足りないリソー
スは何ですか?

6.現在、願望実現を止めているものは何ですか?

7.その願望を実現することにどのような意義があるのでしょうか?

8.それをやるために、まず何からスタートしますか?

各質問だけを見るとシンプルなのですが、それぞれの質問にとても深い意味づ
けがあり、

質問の答えを具体化すればするほど、人生の探求ができるようになります。

特に「リソース」と「エコロジカルチェック」は、バランスよく願望実現する
ための、重要なフレームワークです。

また、沖縄ツアーでは、何となく宣言するだけでなく、

「本当にそれがあなたの願望なのか?」

「本当にそれで願望は実現するのか?」

「本当にその願望であなたと周囲の人は幸せになるのか?」

徹底的に追求し、そして「ロック」かけていきます。

沖縄での自然、パワースポット、アクティビティを織り交ぜながら、自分の奥
深い部分を覗き、

そして将来の実現した姿を臨場感たっぷりに味わえる「場」を提供いたします。

二宮尊徳の言葉で、このような名言があります。

「貧者は、昨日のために今日働き、昨年のために今年働く。そのために、いつ
も苦しんでいて、働きの効果が出ない。富者は明日のために今日働き、来年
の為に今年働くことから、余裕をもって望むことができ、することがほとん
ど上手くいく」

私たちは、明日のために考え、知恵を出し、働き、学習していきたいですね。

人が幸せを感じたり、豊かさを覚えたりするとき、

つまり脳内にドーパミンが分泌されるタイミングは、

昨日よりも今日、今日よりも明日、自分の能力がアップしていることを実感し
たり、

目標に向かって近付いている、と感じられるときです。

願望を実現すること自体で幸福感を手に入れられるのではなく、そのプロセス
において、

幸せは手に入るのですよね。

勤労と勉学に清貧さばかりを求めるのではなく、そのこと自体を楽しむ余裕が
現代には必要だと私は考えています。