2012年9月27日

ハングリー精神よりも、「地図」を持て!【フリンチ!】

● 今回のテクニック:【フリンチ!(7)】

フリンチ!とは、相手からの無茶な指示や要求を飲まないために、冗談ぽく驚
いてみせること。

相手の言葉をはじめから「本気ではない/ジョークだ」と決め付け、大袈裟に
驚いたり笑ったりすることで、相手も本気だと言えなくなるという強引なコミ
ュニケーション技術。

言われた瞬間、間髪入れずに笑い飛ばすぐらいの覚悟が必要。例えばお客様か
ら「もう少し安くできない?」と言われたとき「ええええええ! 価格交渉な
んてあるはずないでしょう。いやだなァ〜、部長ときたらすぐにそんな冗談を
言うんだから〜。前も言ったじゃないですか、価格交渉はないって。もしいま
値引いたら僕が嘘つきになっちゃいます〜。ワハハハハ!」という感じで返す。

もちろん相手との強力な信頼関係(ラポール)が前提であり、それがないのに
実践すれば、大変な目に遭うことは間違いない。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「自分が何をしたいのかよくわからない、だから意欲がわかないって表現を
聞いていると、痛いな……」


部下 :
「ええ。いわゆる『自分探し』という奴ですね」


マネージャー :
「ああ。『モチベーション』という言葉と同じように、禁句にしてほしいよ、
わが社では」


部下 :
「はい。『モチベーション』という言葉も、いい加減、聞き飽きましたね」


マネージャー :
「飽きた。飽きた。食傷気味だ」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「さて、もう来週から10月が始まるけど、今年入社した新入社員たちはど
うだ?」


部下 :
「そうですねェ」


マネージャー :
「自分探しの旅に出かけてないか?」


部下 :
「あ、それはないですね。自分のやりたいことがわからなくなってきた、な
んて言うのは、30歳近くになってきた中堅社員ですよ」


マネージャー :
「一番、戦力になってほしい社員が『自分探し』か……。深刻だな」


部下 :
「はい。その点、若い人はまだ腹が据わっていていいですよ。意外に素直で、
やることはキッチリやりますから」


マネージャー :
「いいね。やっぱり、若い人というのは『現状維持バイアス』がかかってな
いから。現状を変えないでいようという発想がないんだから」


部下 :
「そうですよね。ま、強いて言えば、『ハングリー精神』がないっていうか」


マネージャー :
「は?」


部下 :
「素直で、マジメで、何も問題はないんですが、それ以上のものがないんで
すよね。だから、敢えて言うと、ハングリー精神かな、と」


マネージャー :
「はああああ?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「はんぐりぃーせいしん? ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ
ッ! そんな……。はんぐりぃーせいしん、なんて……!」


部下 :
「はは……」


マネージャー :
「笑わせるなよ。使い方を間違えないでくれ。いったい君は新入社員に何を
任せてるんだ? わが社の時価総額を10兆円にしろとでも言ってるのか?
どんな凄いことを頼んだんだ?」


部下 :
「いや……。普通にノルマをこなしてくれれば……」


マネージャー :
「会社から与えられたノルマを達成させるのに、ハングリー精神なんて要る
わけないだろう……。ハッハッハッハッハッハッ! ああ……苦しい。そん
なもの要るわけがない。モチベーションも要らないのに、ハングリー精神だ
なんて……」


部下 :
「あ、ハハ……。まァ、そうですよね……」


マネージャー :
「だろ? 君、言葉の使い方を間違えたらダメだよ。使用方法を間違える奴
が最近多すぎるんだ」


部下 :
「そうですよね。確かに、ハングリー精神なんて……」


マネージャー :
「そんなことを言ってないで、地図を持って外へ出ろ。宝はいくらでもある。
いろんな人との出会いを重ねることで、脳内地図は広がっていく」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「若い子は、もっともっと外へ出させてくれ。そうでないと、脳の中に街が
出来上がらない。雑草で埋まってしまう」


部下 :
「わかりました」


マネージャー :
「そうすれば、ハングリー精神は芽生えないだろうが、『開拓精神』は必ず
芽生える。これが創造力を鍛えていくことになる」


部下 :
「はい」



……今日、日経ビジネスオンラインにアップされたコラムに、

かねてからゼンリンデータコム様、東芝ソリューション様と開発してきた「絶
対達成ナビ・コンセプト」の

イメージ画像が掲載されました。

社内に寄生している「パラサイト営業」には、大変気持ちの悪いシステムでし
ょうが、

「開拓精神」旺盛な方には、胸躍らせる「地図ソリューション」に仕上がって
いると思います。必見です!


■「自分探しの旅」へ出かける前に「目標達成の旅」を!
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120925/237241/


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【編集後記】

先月、1ヶ月で62キロを走った私は、今月(9月)は70キロ走ろうと目標
をロックしました。

ところが……

いろいろとあって、昨日(9月26日)までで、52.2キロしか走っておら
ず、達成が危うい状態です。

(言い訳したい……)

今日(9月27日)に、何とか早朝起きて6キロを走り、目標に近づけました。

しかしまだ10キロ以上あります。

週末に何とか10キロ以上を走り、70キロを「絶対達成」したいと考えます。

同じ筋トレ仲間で、月間200キロを走破している営業さんがいます。

昔からそれだけ走っていたならともかく、私とトレーニング仲間になってから、
それだけ走るようになったのです。

すごいですよね……。

日ごろから営業の「超・行動」をしているのに、営業活動が終わってから帰宅
するまでの間に、

15キロとか、20キロとか走るのです。

その営業さんと出会ったころは、けっこう現状維持バイアスがかかった人だな
と思っていたのですが、

もうそのバイアスは粉々になくなってしまったのでしょうね。

私は、そこまではできませんが、70キロ/月ぐらいは走破したいです。

2012年9月23日

なぜ会議では「意見」が出てこないのか?【アンカリング効果】

● 今回のテクニック:【アンカリング効果(10)】

アンカリング効果とは、最初に示された情報が頭に残り、その後の判断に影響
を与えることを言う。

このアンカリング効果を利用し、相手の発言を誘導させるテクニックを使う。
逆に影響を与えさせないようにするためには、他者の意見に左右されないよう、
いっせいに紙に書かせるなどのテクニックが有効だ。

※ しっかりアンカーさせるためには、冒頭に有無を言わせないような態度と
裏づけのある事実をもって説明するとさらに効果的である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「10月から新しい期がはじまる。そこで、みんなと教育について議論した
い。どんなに業績が不安定なときでも、教育費だけは削ってはならないと私
は思っている。効果があるかどうかをあまり議論していても仕方がないから
な」


営業マン全員:
「はい」


マネージャー :
「人事部長が退任されるのを機会に、当社の教育を変えていきたい。先ほど
も言ったように、教育効果は正確に測定できない。費用対効果などを声高に
言っていても仕方がない。俺はそう思うんだ。みんなはどう思う? 研修を
受講したりする時間が増えれば労働時間はその分、減る。しかし毎月のよう
に研修を受けるわけじゃない。定期的な教育は必要だ、と思ってるんだ」


営業マンA :
「そうですね。私もそうだと思います」


マネージャー :
「なるほど、俺に遠慮せずに言えばいいんだよ。B君は?」


営業マンB :
「まァ、そうですね。マネジャーの仰るとおりかと。投資対効果ばかり考え
ていたら、教育なんてやっても意味がないという論調になってしまうかもし
れません」


マネージャー :
「C君は?」


営業マンC :
「営業になって、なかなか教育を受ける機会がないと思っていたら、人事部
長がそういう方針を出していたんですね。何となく受講するのはよくないと
思いますが、定期的にそういう機会があってほしいです」


マネージャー :
「確かにC君が言うとおり、漫然と教育を受講するのはよくない」


営業マンA :
「ま、そうですけど、1回や2回の研修を受けただけで成果を出せと言うの
もどうかと思います。とにかく教育制度がしっかりとできていない会社には、
いい人財が入ってこないとも言いますし、きっちり制度化したほうがいいで
す」


マネージャー :
「前の人事部長は、個人の自主性を重んじすぎてたんだよ。しかし俺は主体
性のない人を切り捨てていく風土はよくないと思う」


営業マンC :
「賛成です。個人の自主性に任せすぎるのはよくないと思います。それを会
社全体でやってしまうと、管理者の負担が重くなるだけです」


営業マンB :
「言いにくいですが、今のままだと管理者になりたがらない人も多いと思い
ますよ。部下を育てられないのは管理者の責任だ、というのは簡単ですが、
そういう風潮が蔓延するのは問題です」


営業マンA :
「手を挙げた人だけしか教育を受けられない、というのだと、参加しにくい
ですね」


営業マンB :
「研修を受ける人は暇だ、と思われるのが一番イヤです」


マネージャー :
「君たちの意見はよくわかった。新しい人事部長にそう伝えておくよ。(そ
れにしても、これがアンカリング効果か……。半年ぐらい前に、教育につい
て聞いたら、『とても教育なんか受けている暇ない』『本当に意味のある研
修だけにしてもらえませんか』と、ブーブー言っていたくせに……」



……会議の場で「議論」して、全員が活発な意見交換をしながら最適な解決策
を導き出す。

誰もがそうしたいでしょうが、なかなか難しいですね。

皆で集まってディスカッションしようとすると、人数に比例して「社会的怠
惰」という現象が起きる。意見が出づらくなるのです。

そして誰かが最初にした発言によって「アンカリング効果」が働くこともあり
ます。

この功罪は無視できません。

これら、会議の功罪をまとめた書が、拙作「脱会議」です。

会議を単純に減らせばいいというわけではありません。目標を達成させるため
に会議はどうあるべきか、について記しています。

■「脱会議」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822274004/attaxsales-22/ref=nosim


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【編集後記】

約10年ぶりぐらいに、「鼓童」の公演を妻と鑑賞してきました。

坂東玉三郎氏がプロデュースしたという「鼓童ワン・アース・ツアー 2012」
です。
http://www.kodo.or.jp/oet/index_ja.html

ここ数年はやっていませんが、私は過去10年以上も和太鼓をやってきました。
そんな私にとって、いつも「鼓童」の演奏はインパクトが絶大です。

その卓抜した技術。

揺らぐことのない精神性など

何度観ても圧倒され、毎回、感動は大きくなっていきます。

特に今回は、私の得意演目のひとつだった「八丈島太鼓」もアレンジして紹介
され、感動して涙が出そうでした。

和太鼓は、私の青春でしたね。

公演後、鳴り止まぬ拍手を耳にしていると、会場にいた全員が、まず間違いな
く、

「これはスゴイ! 本当にスゴイ!」

と文句なしに感じていることが伝わってきます。

本物とは何か、プロとは何か、について考えさせられた夜でした。

自分が、本当にちっぽけに感じてしまい、もっともっともっともっと鍛錬しな
いと、と思い知らされています。

さっそく、私は鍛錬の道を探し始めました。

2012年9月20日

「やらない放題」の営業から自由を奪え!【マイ・フレンド・ジョン】

● 今回のテクニック:【マイ・フレンド・ジョン(7)】

マイ・フレンド・ジョンとは、「話し手」の知人や知人を介して聞いた話、も
しくは「一般論」の中に、相手をイメージ誘導させたい内容を意図的に含ませ
る方法。

他人の体験も、自分の体験のように聞こえてしまい、「話し手」が直接的にリ
ーディングせずとも相手を誘導できる、説得技術。

「お客様の声」というのは、まさに「マイ・フレンド・ジョン」の典型例。

相手との深い信頼関係(ラポール)が必要であることが前提である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「目の前のやるべきことやらずに『自分探しの旅』に出る、というのは本当
によくないな。本当によくない」


部下 :
「ええ。そうですよね。自己実現の欲求を満たす以前に、やるべきことがあ
りますものね」


マネージャー :
「本当に、勘違いも甚だしいよ」


部下 :
「ええ。私も気をつけなくてはなりません」


マネージャー :
「この前、ある研修に参加したんだ」


部下 :
「へえ」


マネージャー :
「そこで知り合った、ある会社の常務の話は強烈だった」


部下 :
「どんな話なんですか?」


マネージャー :
「目標ノルマを全然達成できない営業たちなのに、iPadを支給してくれと言
ってきかないから、全営業に渡したらしい」


部下 :
「何人ぐらいいるんですか?」


マネージャー :
「60人だ」


部下 :
「わが社と同じ規模ですね」


マネージャー :
「そう。ところが、3ヶ月経過しても、ほとんどの営業はiPadを使ってない
らしい」


部下 :
「ええっ! そんな……。もったいない。どうしてですか?」


マネージャー :
「重いから、らしい」


部下 :
「……」


マネージャー :
「驚愕の事実だろ?」


部下 :
「うーーーん」


マネージャー :
「何のために導入したかというと、お客様へのプレゼンが目的らしいな。し
かし、iPadでプレゼンできるように設計したにも関わらず、誰も使わなかっ
たらしい」


部下 :
「どうして、ですか?」


マネージャー :
「面倒だからだ」


部下 :
「……!」


マネージャー :
「結局、これまでの紙のチラシでプレゼンテーションしたほうがいい、とい
う現場からの意見が多勢だった」


部下 :
「お……」


マネージャー :
「スゴイ話だな。iPadを導入するまでは、『これさえあれば目標は達成す
る!』と豪語していたようだが、結局は面倒だからやらない、と」


部下 :
「……」


マネージャー :
「その会社の営業、『やらない放題』らしい」


部下 :
「やらない放題?」


マネージャー :
「目標ノルマが達成しないのは、時間がないからだ。人が足りないからだ。
目標が適正でないからだ。だから人を増やしてくれ。情報システムを刷新し
てくれ。目標を下げてくれ……。言いたい放題らしい」


部下 :
「……」


マネージャー :
「それでいて人を増やしても、アシスタントを採用しても、システムを導入
しても、結局は現状維持バイアスがかかっていて、やらない」


部下 :
「う……」


マネージャー :
「文句は言うけど、やりたくないことはやらないらしい。恐ろしいな」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「どうして営業って、こんなにも自由奔放なんだろうって思うね。恐ろしい
よ。まるで常識が通じない」


部下 :
「……はい」


マネージャー :
「この前、入社2年目の子が営業会議で言ってた。『すみません。ちょっと
立て込んでまして、今日が提出期限の資料作成、まだできてません』って」


部下 :
「ああ、H君の話ですね」


マネージャー :
「製造部門の子だったら、即刻クビだぞ」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「自分の勝手な判断で、仕事をする、しないを決められるのか? 偉くなっ
たもんだ、営業は」


部下 :
「……」


マネージャー :
「ま、さっき言った会社ほどウチはひどくないと思うけど、どうだ? 2ヶ
月前に導入した営業支援システムは使ってる? もちろん、そろそろ習慣化
しはじめているよね?」


部下 :
「え、えええ……。ええ。そうですね……。もちろん、です。かなり慣れて
は、きました」


マネージャー :
「そうだろう? 便利なものは使わないとな」


部下 :
「……はい」


……なぜ、営業はこれほど「自由」なのか? そして、こんなにも「裁量権」
を与えられているのか?

普段、私が持ち続けている疑問、賛成できぬ常識観を、今日アップされたコラ
ムにぶつけてみました。

これまでで、最も過激な内容になっていると思います。

入魂の一作です!


◆ 日経ビジネスオンライン コラム
「やりたい放題・やらない放題」の営業にIT武装は金のムダ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120918/236931/

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【編集後記】

7月から、私はかなり「素食」になり、この2ヶ月ちょっとで、5キロ以上痩
せました。

体が軽すぎて、大丈夫かな? と思うときもあります。

食事を減らし、かつ、朝に走っているので、急激に体重が落ちたのでしょうね。

しかし、

最近少し、たるんできています。

以前はやめていた「間食」が復活しつつあるのです。

私は「コンビニ」と「キオスク」があると、どうしても寄りたくなります。

ミネラルウォーターを買うためだけに寄っても、何となく物足りないので、チ
ョコレートや菓子パンを買ったりしてしまうのです。

必ず後で後悔するので、この「病気」を何とかしたいと思っていて、

あるとき、どうすれば「コンビニ」へ入らなくて済むか? 「キオスク」に立
ち寄らなくてよくなるのか? 考えに考えたことがあります。

しかし、どんな仕組みを考えてもその誘惑から逃れることができません。

そこで最近、実践しているのが「禁断のテクニック」です。

(おおげさですが……)

コンビニに入って、何かパンやらお菓子を買ってしまったら、もう仕方があり
ません。

買ってしまった自分を承認します。

そして、そのあと、ちょっとだけ食べて捨てるのです。

私はどうも、買ってしまえば、自分の欲求が満たされるようなのです。

食べたい、ということではなく、買いたい、という気持ちが強いのでしょうね。

幼少時代、食べたくても食べられなかった時代がかなり長く、その反動がいま
だに続いています。

手に入れられれば、それなりに満足してしまうようですので、「もったいない
なー」と思いながら、捨てます。

これを続けていれば、いつかジャンキーな食べ物を買わなくても自分の欲求を
満たすことができる日が来るだろうと、信じながら。

2012年9月18日

「自分探しの旅」へ出かける前に【エレベーターピッチ】

● 今回のテクニック:【エレベーターピッチ(5)】

エレベーターピッチとは、起業家が、あるプロの投資家と偶然エレベーターに
乗り合わせた際、エレベーターが目的の階に着くまでのわずかな時間(数十秒
から1分以内)で、自身のビジネスプランの魅力、優位性を伝えられるか?
伝えられるか伝えられないかでビジネスの明暗を分ける、と言われたことに由
来するプレゼンテーションスキルの概念。

営業がお客様に商材のトピックを伝えるときはもちろんのこと、マネージャの、
部下に対するコミュニケーションにおいても同じことが言える。

短い時間でポイントを正しく伝えることの大切さをあらわしている。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「マネジャーって、そんなに昔からモチベーションが高かったんですか?」


マネージャー :
「どういうこと?」


部下 :
「だって、すごく意欲があるじゃないですか。先日だって社長と言い争って
も、自分を曲げようとしなかったし。あのとき正直、スゴイな、と思ったん
です。だってそうでしょう? みんなも驚いてたと思いますよ」


マネージャー :
「そりゃあ、自分の考えのほうが正しいと思ったからだ。当たり前のことを
しただけだよ」


部下 :
「僕だったら、無理だなと思いました。以前、主任と意見の食い違いがあっ
たんですが、あのとき僕はすぐに引き下がりました。どうしてかっていうと、
主任の言い分にも一理あるかなとも思ったし……」


マネージャー :
「何を言い出すかと思ったら」


部下 :
「会社に入ったときから、そんなに意欲的だったんですか? そこら辺を聞
かせていただけませんか」


マネージャー :
「は?」


部下 :
「なんか……。最近、自分が何をしたいのか、よくわからなくなってきたん
です。昨日も、妻が仕事を辞めると言い出して、あ! 私の妻はショッピン
グセンターで働いてるんですが、労働時間の割りに給料が安いんで、という
感じで……。昨日は遅くまで言い合ってしまいました」


マネージャー :
「穏やかじゃないな」


部下 :
「はい。妻は、学校の教師をしていたので、レジで打つ仕事をしているのは
モチベーションがアップしないようなんです。そういう妻を見ていて、何だ
か自分はどうなのかな、と思ったりしはじめて……。自分の本当にやりたい
ことって……」


マネージャー :
「うーん」


部下 :
「ですから、自分のやりたいことって本当に何だろうって真剣に考え始めた
んです。どうすればいいのか、それがよくわからなくなって、それで、うー
ん……。どう言ったらいいのか……。すみません、私って話がヘタですよ
ね?」


マネージャー :
「え?」


部下 :
「営業をやっていても、お客さんが私の話をちゃんと聞いてくれないんです。
実は営業トークを勉強してるんですけど、なかなか上手になれなくって、そ
のことも妻に指摘されるんです。営業なんだからもっと練習してよって」


マネージャー :
「営業トークか」


部下 :
「ええ……。昔っから、なんか、孤独を感じるときがあります。喋りがヘタ
なんで、友達も少なかったし、相手にされることも少なくって、それで営業
になったら、ちょっとは変わるかなと思ったんですけど、よけいに自分のや
りたいことがわからなくなって、本当に、その……」


マネージャー :
「それで、トイレットペーパーを持ち帰っているのか?」


部下 :
「え…………!」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「トイレへ行くとき、いつも鞄を持っていってるだろ? そこにトイレット
ペーパーを詰め込んでるんじゃないのか?」


部下 :
「……!」


マネージャー :
「俺しか知らない。心配するな」


部下 :
「……」


マネージャー :
「いつも鞄を持ってトイレへ行くから、おかしいなと思ってたんだ。君が入
ったあと、必ずトイレットペーパーが一つなくなっている。あ、そういうこ
とか、と思ったんだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君の家庭は、それほど経済的に苦しいのか?」


部下 :
「え、いえ……。その……。そういうわけじゃないんです、でも、そ……」


マネージャー :
「コミュニケーション能力を高める方法を教えようか?」


部下 :
「は、はい……。ぜひ……」


マネージャー :
「自信を持つことだ」


部下 :
「……!」


マネージャー :
「コミュニケーションの型を覚えても、自信がなければうまく使いこなせな
い。逆に、自信さえあれば、多少、テクニックを知らなくても大丈夫。キャ
スターを目指してるわけじゃないんだから」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「そして自信を身につけるための方法は、ただ一つだけだ」


部下 :
「ハイ」


マネージャー :
「結果を出すことだ」


部下 :
「!」


マネージャー :
「そう思うだろう?」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「会社のトイレットペーパーを一つや二つ、家に持ち帰ったからといってペ
ナルティがあるわけじゃない。でも、自分に対する自信のなさが、そういう
衝動を引き寄せてしまうんだろう」


部下 :
「……」


マネージャー :
「あと、少なからず言いたいことは短くしたほうがいい。以前も言っただろ
う、エレベーターピッチだ。自信がないから喋りすぎる」


部下 :
「はい……。申し訳ありません」


マネージャー :
「言いたいことは?」


部下 :
「2つだけです。結果を出します。そして、結果を出すための相談を、2日
に1回はさせてください」


マネージャー :
「わかった」


部下 :
「必ずトイレットペーパーはお返しいたします」


マネージャー :
「自分のケツは自分で拭け。自分探しもいいけど、まずは結果を出すんだ」



……コミュニケーションの目的は「リーディング」です。相手を動かすことに
あります。

キャスターやアナウンサーでないのなら「伝えること」ではなく「動かすこ
と」です。

そのためには相手との「ラポール(信頼関係)」が不可欠です。

「自信」とは、自分との「ラポール」のことを差します。自分を信じられるか
どうかということ。

「自信」がない人が、人を動かすことは難しいと言えます。

10月に実施する「絶対達成コミュニケーション」のセミナーでは、まずはこ
ういった「非言語コミュニケーション」の大切さを語ります。

目の前にある、やるべきこともやらない人間がどんなに理想を語っても、人を
動かすことなどできません。


● 相手から軽く扱われない科学的な手法!
 絶対達成するコミュニケーションのとり方「布石管理」
【東京 10/9】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01410.html
【名古屋 10/12】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01409.html

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【編集後記】

先週の金、土と、長野県の小淵沢にある「リゾナーレ八ヶ岳」で合宿セミナー
がありました。

http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbsemi/0930/neo7/

大分、福岡、岡山、兵庫、愛知、神奈川、東京……と、日本全国から集まった
部課長13名でスタート。

25万円の研修費用をご自身で支払い、参加されたマネジャーの方もいらっし
ゃいました。

夜の懇親会のときに聞いてみると、ほぼ全員が「上司から行け、と言われたの
で参加しました」とのこと。

しかし、

全員が全員、ものすごく意欲が高く、2日目の研修最後の「ロックタイム」で
も、通常の2倍以上の行動量を宣言するマネジャーが続出しました。

※「ロックタイム」とは、やり切る行動量を全員の前でプレゼンする、私の研
修の恒例イベントです。

マネジャーご自身の行動量ではなく、部下全員の行動量をコミットしてもらい
ました。

中には、30人以上の部下を持つ部長もいらっしゃるのです。

しかし、「こんな遠くまで来たからには、それぐらいは宣言します」と言って
くださり、30人分の部下の行動量を「ロック」かけていきました。

今週から、参加されたマネジャーの部下の行動がどう変わるか、楽しみですね。

修羅場は、次回10月の2回目の研修日です。

だいたい、このような特訓コースは2回目が「修羅場」になります。

1ヶ月間、凄まじい葛藤を乗り越えて2回目の研修に臨むマネジャーに、私は
鬼のように厳しく接します。

2回目に「締める」ことで、次回以降の研修も緊張感を持って参加していただ
けます。

ま、今回の参加者の方々に、それは必要ないかもしれませんが……。

いずれにしても、「非日常」を感じられるような、遠い場所で研修をすること
で、自分の殻を破りやすくなりますね。

八ヶ岳山麓の高原で、素晴らしい思い出ができました。

2012年9月13日

<必読> 「予材管理」独特の行動について【プリフレーム】

● 今回のテクニック:【プリフレーム(16)】

プリフレームとは、打合せや商談に入る際、もしくはそれよりも前に、これか
ら話す内容の意味(フレーム)を明確に伝えておくことである。

それによって、相手の視点をフレーミングし、主導権を握ることが容易になる。

冒頭に趣旨をしっかりと説明するだけであるため、非常に簡単なスキルである。
メールと効果的に組み合わせることにより、より有効性が増す。

「DVD4」でも紹介しているとおり、相手を説得するうえで、最も簡単で、
最も強力なコミュニケーション技術である。


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● 今回のコミュニケーション例 【 プリフレームを使わない例 】


部下 :
「目標予算の2倍の予材は仕込みましたが、全然、結果は出ていません。2
倍があるかどうかではなく、もっと中身を吟味したほうがいいと思い始めま
した」


マネージャー :
「予材の中身って、どういうこと?」


部下 :
「それは……わかりませんが、脈のないところへ訪問ばかりしても疲れるだ
けです。意味がありません」


マネージャー :
「疲れるって……。君は、疲れるか疲れないかで、やるかやらないかを決め
るのか?」


部下 :
「いや、そういうわけではないんですが」


マネージャー :
「だってそう言ったじゃないか。そもそも目標が達成していないのに、疲れ
るからやりませんって……そんな言い草が通るとでも思ってるのか?」


部下 :
「いやいや、そういうことではないんです」


マネージャー :
「じゃあ、どういうことなんだよ」


部下 :
「ですから、脈がない先に通い続けても、仕方がないと思っただけです」


マネージャー :
「仕方がない? だいたい、1回や2回、訪問しただけで、相手からいい反
応をもらえるわけがないだろう」


部下 :
「……んんんん」


マネージャー :
「君の行動管理シートを見る限りでは、継続性がない。それに、相手は君の
話など聞いてない」


部下 :
「え、どういうことですか? 私の話を聞いてないなんて……」


マネージャー :
「じゃあ、試しに質問してみたらいい。私の説明したことをあなたの言葉で
表現してくれますか、と」


部下 :
「そ、そんなこと聞けませんよ」


マネージャー :
「だろ? お客様との関係が構築されてないから聞けないんだ」


部下 :
「う……」


マネージャー :
「関係を構築してもいないのに、ニーズを聞き込んだり、商品を提案したり
できるものか。単純接触効果を狙え。そのために一定の期間をあけて、通い
続けるんだ」


部下 :
「うーーん」


マネージャー :
「わかったか」


部下 :
「……いえ、わかりません」


マネージャー :
「はぁ?」


部下 :
「やはり、中身で勝負したいと思います」


マネージャー :
「どうしてだよ! そもそも中身ってなんだ?」


部下 :
「中身がなんだって……。私もわからないから悩んでるんです」


マネージャー :
「だーかーらー! お前が悩んでるから、アドバイスしてるんだよっ!」


部下 :
「何度も言いますけど、マネジャーのやり方は疲れるんです。疲れるのは嫌
です」


マネージャー :
「2、3ヶ月やったぐらいで疲れるなんて言うな! 習慣化していないだけ
だ。他の営業はみんなやってるんだぞ!」


部下 :
「他の人と比較しないでください! 私は私です。私は私らしく生きたいん
です」


マネージャー :
「意味がわからん! 勝手にしろ」



● 今回のコミュニケーション例 【 プリフレームを使った例 】



マネージャー :
「NLPの学習の4段階の話をしたことがあるよね? 無意識的有能状態…
…つまり、無意識のうちにできるようになるまでには、普通は数ヶ月間はか
かる」


部下 :
「あ、ええ。はい……。すぐには習慣化しないものですよね」


マネージャー :
「そうそう。ただ、長くても8か月だ。8ヶ月間、同じタイミング、同じリ
ズムでやり続ければ、もうリバウンドすることはなくなる」


部下 :
「確かに……。それぐらい続ければ、習慣として定着する気がします」


マネージャー :
「そうそう。でも8か月が経過する前に、短期的な結果を求めすぎて他の方
法を探したりする。それだけはやめたいな」


部下 :
「え、ええ」


マネージャー :
「ブレてばかりいると、ストレス耐性が低くなる。継続力がドンドン落ちて
いくんだ。どんな能力よりも、継続力って大事だと思わない?」


部下 :
「あ、はい……。確かに」


マネージャー :
「新規開拓をする場合は、とにかく単純接触効果を狙っていかなくてはなら
ない。そのためには、関係が構築されるまで通い続けることが大事だ。1社
あたり、5回ぐらいは訪問しないか? ここは継続力が必要だよね」


部下 :
「え、ええ……。マネジャーが仰るとおりですね。私もすぐに結果が出ない
のでブレそうでした。挨拶だけでも、とにかく通い続けます」


マネージャー :
「うん、頼むよ」


……昨日の日経ビジネスオンラインのコラムは、必読だと私は考えています。

拙著「絶対達成する部下の育て方」で書けなかった、予材管理に必要な「大量
行動」のあり方を示しているからです。

そのキーワードは、「軒数」×「回数」。

繰り返しますが、これは【必読】です!


■ 絶対達成の肝、目標の2倍の材料を仕込む「予材管理」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120910/236613/

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【編集後記】

拙著「絶対達成する部下の育て方」が、9ヶ月経っても好調です!

私の大好きな阪神タイガースの金本選手が引退を発表した昨日(関係ありませ
んが)、

「絶対達成する部下の育て方」の大増刷、9刷が決定しました!

累計3万部を超え、3万2000部まで部数を増やしました。

まだまだいけそうですね。

経営者や管理者が「営業全員に読ませろ」と言い、【組織買い】が増えている
からだと思います。

これからもどうぞよろしくお願いいたします!

■「絶対達成する部下の育て方」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478016828/attaxsales-22/ref=nosim

2012年9月10日

「また相談させてください」には、もうウンザリ 【ピア・プレッシャー】

● 今回のテクニック:【ピア・プレッシャー(8)】

ピア・プレッシャーとは、人間は通常、同じ組織内の仲間に認められたい、疎
外感を味わいたくないと考え、仲間のあいだで自分がどのように見られている
かを気にする傾向がある。

そのせいで、仲間や社会と同じ考えでなければならないという圧力(プレッシ
ャー)を常日頃から感じているものだ。

これをピア・プレッシャーと言う。

特に「和」を尊ぶ日本人に対しては、このピア・プレッシャーは強力と言えよ
う。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「そういえばA君、お客様を集めてイベントを開催するという話をしていたよ
ね。あれってどうなってる?」


営業マンA :
「あ、はい。パートナー企業と現在、話をしている最中です」


マネージャー :
「うん。それは先月のミーティングでもそう言ってたけど、まだ話し合ってる
の?」


営業マンA :
「ええっと……。ええ。そうです」


マネージャー :
「それで進展は? いつイベントを開催するのか教えてくれないと、社内で稟
議を上げられないだろう」


営業マンA :
「はい。かしこまりました。また相談させてください」


マネージャー :
「いやいや……。また相談させてくださいって、先月もそう言ってたじゃない
か。パートナー企業さんとは、いつ打合せしたの?」


営業マンA :
「ええっと……。7月の中旬だと思います」


マネージャー :
「それだったら先月のミーティングから進んでいないということだよね?」


営業マンA :
「確かにそうなんですが、申し訳ありません。なかなかパートナー企業をその
気にさせることが難しくて……。また相談させてください」


マネージャー :
「だから、また相談させてくださいって言うなよ」


営業マンB :
「課長、コスト削減のアイデアをメールで送ってると思いますが」


マネジャー :
「おお。目を通しておいた。ネット広告がほとんど成果上がっていないから、
あれを見直そう。もしネット広告をすべてやめたら、どれぐらいの削減効果
がある?」


営業マンB :
「ええっと……。ちょっとわからないので調べます。今日の夕方には報告でき
ると思います」


マネジャー :
「頼む。ところでC君、君に頼んだ新規開拓リストはどうなってる?」


営業マンC :
「300社のリスティングを目指して作っています。現在は260社ですので、
あと40社は仕込みます」


マネジャー :
「いつまでにできる?」


営業マンC :
「明日の5時までにシステム部門が休眠顧客のデータを整理してくれるので、
それから1時間以内でできます」


マネージャー :
「じゃあ、明日の6時以降、送ってくれ」


営業マンC :
「かしこまりました」


マネジャー :
「それでA君、パートナー企業との打合せはどうするの?」


営業マンA :
「ええっと……。何とか前に進めたいとは思ってるのですが、なかなか担当者
が捕まらなくて……」


営業マンB :
「その担当者には最近いつ連絡したの?」


営業マンA :
「うーん……。いつだっけ、か……」


営業マンC :
「それがわからないんじゃ、悩みようがないよ」


営業マンA :
「そうだねー。でも、この時期にイベント開催を本当にやるべきかどうか、と
いう問題もあると思うんだよ。そういうことも含めて、とにかく課長、また
相談させてください」


営業マンB :
「ダメだって、そんなの」


営業マンC :
「さんざん先送りしておいて、そもそもやる意味があるかどうかなんて考え始
めるのは、最悪のシナリオだよ。みんなで決めて、君に託したんだから、や
ろうよ」


営業マンB :
「そうだよ」


営業マンA :
「うーーん、わかった。とにかく、これからすぐにパートナー企業に電話して
コミュニケーションをとってみる」


営業マンB :
「俺もパートナー企業との打合せに参加するよ。とにかく前に進めないと」


営業マンA :
「あ、ありがとう……」


……ピアプレッシャーはとても強力です。

私どもがコンサルティングに入ると、このテクニックを応用させていきます。

組織全体をまるごと「目標達成が当たり前」の状態にしていきますので、「環
境」そのものが変わってしまいます。

1人の行動を変えるのは難しいでしょうが、組織全体をまるごと変革するのは、
意外と難しくないのです。

■ アタックス・セールス・アソシエイツのコンサルティング支援について
http://www.attax.co.jp/service/sales/consul.html

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【編集後記】

最近、めっきり「捨てる」ことが好きになってきました。

まずは家にある「物」を捨てたい。

優先順位として「機械」っぽいもので、使ってないものは片っ端から捨てたい
です。

なぜかわかりませんが、機械・マシーンなのに、使わずに置いておくこと自体、
とても申し訳ない気持ちになるのです。

機械じゃなくても同じなのでしょうけれど。

あと、「重いもの」も捨てたいです。

「重いもの」といえば「紙」ですね。本とか雑誌とか書類です。

片っ端から捨てたいです。

あと、「人間」も重いですね。

いろんな人との出会いがありますが、本当に自分にとって大切なものは何なの
か? をしっかりと考えて、

重くなりそうな人間関係は断っていきたいです。

「誰からも愛されたいという人は、誰からも愛されない」

と私は思ってますので。(汗)

(とはいえ、交友関係は広くないので、別に悩む必要はないですね。私の親友
は現時点でひとりしかいないし、今後もそうでしょう。その親友とは……私の
「妻」です。妻にもそのことをよく言っています)

2012年9月6日

芸術とは、最も美しい嘘のことである。【イエス・バット法】

● 今回のテクニック:【イエス・バット法(14)】

イエス・バット法とは、『応酬話法』の代表的なテクニックである。

部下とコミュニケーションをしている最中、相手の答え/考えが間違っていた
り、的を外していたりすると、ついつい反射的に抵抗してしまいたくなる。

それをグッと我慢し、まずは相手の反応を受け止め(Yes)、柔和に反論し
(But)、戦略的に交渉を進める方法である。

マネージャが部下の行動変革を促したい気持ちが強い場合、また部下のことを
考えて話しているのにもかかわらず頭ごなしに否定されたとき、いかに感情を
セーブできるかがポイントである。

簡単そうに思えるが、訓練・場数を踏まないと瞬間的に対応することは意外と
難しい。



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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「先入観が強すぎると、見えているはずのものも見えなくなるという話をし
たよね?」


部下 :
「そうですね。思い込みはよくないですよね」


マネージャー :
「チャンスを掴め、なんて言うけれど、思い込みが多い人はチャンスをチャ
ンスと見分けることができないんだろうね」


部下 :
「そうでしょうね。柔軟な発想が必要ですよね」


マネージャー :
「ところで、2週間前に頼んだ資料作成ってできてるかな?」


部下 :
「ああ。そういえば、そうでしたね」


マネージャー :
「そうでしたねって……どういうこと?」


部下 :
「いや、ええっと……。2週間前に言われたときって、まだ今度の展示会の
話は進んでいなかったですよね?」


マネージャー :
「【そうだね】確かに展示会の話は進んでいなかったよね。【でもさ】、私
が言っているのはその話じゃなくて、商品開発のためのモニタリング資料の
ことだよ」


部下 :
「あ! そのことですか」


マネージャー :
「そうだよ。どうなってるんだ? 一度も相談に来てないけど」


部下 :
「ええっとですね。開発部のK主任とは話をしました」


マネージャー :
「【なるほど】。K主任とは話をしたんだよね。【でもね】、私が言ってい
るのは資料作成のことだよ。開発した商品がお客様からどのような反応があ
ったのか、それをモニタリングするための資料のことだ」


部下 :
「ああ、それですか……」


マネージャー :
「どうなってるの?」


部下 :
「実は、あれからすぐに作り始めたんですが、エクセルでどのように作った
らいいかわからなくなってしまってですね」


マネージャー :
「【そうか。そうだよね】。作り始めたんだけど、エクセルがよくわからな
かったんだね? 【でもさ】、2週間も期間があるなかで、誰にも相談しな
かったの?」


部下 :
「ええ。やはりこういうことは自分の力でやり抜いてこそ、力になると思っ
たんです。ですから、いろいろ図書館とかに行って、エクセルでの資料作成
について勉強したりして……。それで遅くなってしまいました」


マネージャー :
「うーーん。なんか思い込みが激しいね。そんなこと言ってないで、誰かわ
かる人に相談すればいいんだよ。とにかく今できている段階のものを見せて
くれないかな?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「だから、現段階のものを一度見せてくれよ」


部下 :
「いや……。実はパソコンが今朝からおかしくなって、ですね」


マネージャー :
「はァ?」


部下 :
「ちょうどシステム部の人に相談しようと思ったんです」


マネージャー :
「パソコン?」


部下 :
「そうなんです。その資料を格納していたフォルダだけが、なぜか消えてし
まってまして……」


マネージャー :
「【わかった】。せっかく作った資料が消えてしまったんだね。【しかし】、
本来なら私が声をかける前に、進捗具合を自分で報告するものだよ」


部下 :
「わかりました。以降、気をつけます」


マネージャー :
「ところで、ドビュッシーって聞いたことあるかな?」


部下 :
「え……? 名前ぐらいは知っていますが」


マネージャー :
「かつてドビュッシーは『芸術とは、最も美しい嘘のことである』という名
言を言っている」


部下 :
「へえ」


マネージャー :
「君の言い訳は、まるで芸術だよ。美しくはないけど」


部下 :
「はぁ」


……メルマガを発行しはじめて4年と5ヶ月が経ちました。

時間に余裕がないときもありますが、やはり継続しないといけませんね。

今日は本当に余裕がないのですが(汗)、「気合い」で書こう! と思い立ち
書いています。(苦笑)

今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

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【編集後記】

ものすごく嬉しいことがありました。

日経ビジネスオンラインの「2012年8月」の月間アクセスランキングで、
私のコラムが1位となったようです。

50万に迫るページビューがあったと聞いています。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120903/236300/?ST=top

昨年連載した「脱会議」でさえも、月間1位をとったことはなかったので、す
ごく嬉しいですね。

池上彰さんをはじめ、有名コラムリストがひしめく中での快挙です。

昨日、掲載された第3回目のコラムは、

私のパワフルなメッセージが多分に含まれていますので、こちらも読んでもら
えると嬉しいです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

■「営業はなぜ社内にいないほうがいいのか?」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120903/236289/

2012年9月2日

科学的に「共感」を得る方法とは?【ハード・トゥ・ゲット・テクニック】

● 今回のテクニック:【ハード・トゥ・ゲット・テクニック(10)】

ハード・トゥ・ゲット・テクニックとは、「あなただけが手に入れられる」
「あなたしかできない」という選民意識を相手に植えつけ、こちらの思惑通り
の行動へ誘導させるコミュニケーション術である。

営業のモチベーションアップ、もしくは行動変革を促す場合には、「君がオン
リーワンの存在なんだ」と訴えかける必要がある。

どんなコミュニケーション術でもそうだが、特にハード・トゥ・ゲット・テク
ニックを実践する場合は話す側の「心」が必要だ。本気で「あなただけ」とい
う気持ちがないと伝わるはずがない。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「思い込みって怖いよな。思い込みが強すぎると、チャンスを引き寄せられ
なくなるから」


部下 :
「先入観って奴ですね」


マネージャー :
「そう。先入観が強い人間は、運を引き寄せることができなくなる」


部下 :
「何かにレッテルを貼ってばかりいると、物事を多元的に見られないですも
のね」


マネージャー :
「いいこと言うじゃない」


部下 :
「昔、野球に打ち込んでいたときに監督に言われたんです」


マネージャー :
「どんな風に?」


部下 :
「いろんな角度で物事を見られるようになるまでには、何年もかかるもんだ
って。それだけなんですけど、社会人になってから、その監督の言葉がすご
く役立ってます」


マネージャー :
「君は商社の出身だったな」


部下 :
「ええ。倒産してしまいましたが、最後まで会社に残りました」


マネージャー :
「辞めていく同僚も多かったんじゃないか?」


部下 :
「はい。船が沈む前に脱出したほうがいい、と散々言われました。親にもそ
う言われました」


マネージャー :
「どうして辞めなかったんだ?」


部下 :
「倒産すると思わなかったんです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「みんなから、『バカじゃないの』って言われました。でも、私は社長を信
じていました。社長は『俺ひとりが残っても会社を立て直す』って言われて
ましたから」


マネージャー :
「……それで、辞めなかったのか」


部下 :
「怖かったですけど、私はまだその会社に入って3年しか経っていませんで
した。いろんな角度で、仕事について見られるようになったわけでもないの
に、決め付けた言い方はできませんでした」


マネージャー :
「ほう……」


部下 :
「自分で判断できないなら、社長を信じてみようと思ったんです」


マネージャー :
「なるほど。でも実際に倒産してしまった」


部下 :
「はい。メチャクチャ残念でした。でも、今となっては、本当にいい経験で
した。いろんな世の中のことを見ることができて」


マネージャー :
「その後、その社長はどうしてるんだ?」


部下 :
「……いや、わからないです……」


マネージャー :
「え?」


部下 :
「今はどうされてるか、わかりません。ある日出勤したらオフィスに入るこ
とができなくなっていて……。社長とは音信不通状態なんです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「あのときは私もどうしたらいいかわからなくなって……。でも、半年以上
経ってから、少しずつ前向きに考えられるようになりました」


マネージャー :
「けっこう傷ついただろ?」


部下 :
「平気だった、といえばウソになると思います。でも、おかげで物事をいろ
いろな角度で見られるようになってきました」


マネージャー :
「君は いくつだっけ?」


部下 :
「26です。今年、27歳になります」


マネージャー :
「若いのに、いろんな修羅場を体験しててるんだな」


部下 :
「いえいえ」


マネージャー :
「そういえば、フェイスブックはどうだ? もう3ヶ月経っただろう? 友
達は増えたか?」


部下 :
「あ、いえ……」


マネージャー :
「どうした?」


部下 :
「いやー。なんか、私には、性に合わないというか……。何を書いたらいい
かわかりませんし、リアルな友達もそんなに多くないですから」


マネージャー :
「何を言ってるんだ。【君だからこそ】、フェイスブックはすごい武器にな
るはずだよ」


部下 :
「え? そうですか? 私なんかより、もっとITとか詳しい人のほうがい
いんじゃないですか? 私の周りの人はみんなそう言ってますよ」


マネージャー :
「ははは。それがいわゆる『先入観』って奴だ。そんなことはない」


部下 :
「あ、そうですね。まだ始めたばかりなのに、決め付けた言い方をしてしま
いました」


マネージャー :
「どうやったら、人から共感されるかわかるか? 苦境はあっても乗り越え
て目標を達成しようとするその姿に、多くの人は共感する」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「共感って言うのは、他者と感情を共有することだ。感情は、過去の体験を
下敷きに作られているから、まったく同じ体験でなくとも、自分の過去と照
らし合わせて同じような感情を抱けば、共感されることは多くなる」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「誰だって、苦労して苦労して苦労してつかんだものはあるだろう。だから、
君の体験したこと、これからしようとしたことを記事としてアップすれば、
多くの人から共感される」


部下 :
「そうですか……」


マネージャー :
「それは【君だからこそ】できることなんだよ」


部下 :
「わかりました。とりあえず、2、3年は続けてやってみます。先入観がな
くなるまでは、やってみます」


マネージャー :
「君なら、同じように苦労して素敵な目標を手に入れた友達が寄ってくるに
違いないよ」


部下 :
「以前、お世話になった野球部の監督や、そのときのメンバーをフェイスブ
ックで探してみます」


……本メルマガは、過去の体験によってできた「現状維持バイアス」をはずし、
コツコツと前へ進もうとしている人に読んでもらい、

「共感」を得られるような内容にしています。

ですから、

「誰にでも手っ取り早くうまくいく方法を教えてくれ。ストレスなんかかけず
に、とにかく早く結果を手に入れたいんだ」

という人には「共感」されない内容となっています。

しかし、

私は、「面倒くさいことはせずに、成功する方法がどこかにあるはずだ」と、
潜在意識の奥深いところから信じている人など、実存しないのではと考えてい
ます。

誰しも、何かを成し遂げようとしたときに、それなりの苦労や、辛いことを繰
り返し繰り返しした体験があるはずです。

その努力や労苦があってこそ、何かを達成した喜びもひとしおなのですから。

人に「共感」されるためには、どれだけ過去に「苦労して続けたことがある
か」「ストレスはかかってもやり遂げた経験があるか」

に、かかっているのだと思います。

私のフェイスブックの記事に来てくださる方々も、多くはそういう過去を持っ
ている人たちですね。

【横山信弘のフェイスブック】
http://www.facebook.com/nyattx

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【編集後記】

先日、妻が朝日新聞の「天声人語」を、専用ノートに毎日書写しているという
記事をフェイスブックにアップしたところ、

多くの方から「いいね!」を押下され、コメントもいただきました。

以前、

5歳の娘が近所のゴミ拾いを100日間続けたという記事をアップしたときも、

膨大な「いいね!」をもらい、数え切れないほどの「シェア」をされました。

やはり、

「何かいいことないかな」と呟きながら、気持ちの浮き沈みで、やるか、やら
ないか、を決めるのではなく、

諦めることなく何かを続ける。

結果を出すか出さないかは別にして、続けている人の言動に多くの方は「共
感」し、賛辞を送るのだなと、

フェイスブックをしながら、強く感じます。

人から、誤解されることもあるでしょう。

しかし、それ以上に理解してくれる人は確実にいます。

何かを継続する、その事実だけで、それに「共感」し、パワーをくれる人が集
まってきますね。