2012年7月11日

「否定から入る人」は、どのような思考か?【ノーセット】

● 今回のテクニック:【ノーセット(17)】

ノーセットとは、相手(部下)が必ず「ノー」と答える質問を繰り返し、「反
意」を促す手法。イエスセットとは正反対の手法だが、目的は同じ。コミュニ
ケーションをコントロールすることである。

打合せをはじめる冒頭に3、4回(2回程度では少ない)必ず相手が「ノー」
と答える質問を繰り返し、そのまま本題に入ると効果的と言われている。

こちらの意思とは正反対のことを言い、相手に否定してもらわなければ成功し
ないため、場数を踏んで経験を積み重ねることが非常に難しい。

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マネージャー :
「営業なんだから、目標は絶対に達成しないといけないよね?」


部下 :
「そうですか? この世に『絶対』ということなど、ありませんからね」


マネージャー :
「しかし、社長が言っている以上、数字は達成しないといけないだろう」


部下 :
「でも、私には意味がわかりません。去年の目標に対して10%アップだな
んて、そういう目標の決め方で本当にいいんでしょうか?」


マネージャー :
「実際に、当社の財務を考えると、10%アップしていかないと先行き不安
だからな」


部下 :
「難しいことはわかりませんが、これだけ景況感が悪いのに、一律10%ア
ップだなんて乱暴だと思います」


マネージャー :
「今期は建設業界にスポットをあてて、見込み客を増やしていこうという話
だったよな」


部下 :
「それもどうかと思います。なぜ建設業界なのか、私は理解に苦しみます」


マネージャー :
「どうして?」


部下 :
「業界をそのように絞り込んでしまったら、他の業界への対応ができませ
ん」


マネージャー :
「しかし営業2課は、それで成功しているんだろう?」


部下 :
「営業2課なんて……。『たなぼた』ですよ、『たなぼた』。いまに結果が
落ち込んでいくに違いありません」


マネージャー :
「我々、営業1課ほどではないだろう。うちの組織は全然うまくいってな
い」


部下 :
「え? 1課がですか? どうしてですか?」


マネージャー :
「だって今期も、現時点では78%の達成率なんだよ。期末までにどこまで
挽回できるか……」


部下 :
「何を弱気になってるんですか。我々は大丈夫ですよ」


マネージャー :
「だって、わが課からトップセールスだったS主任が退職したじゃないか。
この影響は計り知れないよ」


部下 :
「何を言ってるんですか……。だいたいS主任なんて、たいしたことなかっ
たじゃないですか」


マネージャー :
「ええっ!? 圧倒的な結果を出していただろう?」


部下 :
「見かけだけの話ですって、私はSさんが顧客に恵まれていただけのことを
知ってます。あの人、あー見えても全然、営業活動してませんでしたから」


マネージャー :
「そうかァ? S主任は、よくできる営業だったけどなァ」


部下 :
「いやいや、S主任なんていなくても大丈夫……。ていうか、いないほうが
いいんじゃないですか?」


マネージャー :
「ええ? 大胆な発言だな」


部下 :
「だってそうでしょ。トップセールスか何だか知りませんが、本当にわが社
のことを考えているんなら、条件面のいい他社へ転籍などするわけがありま
せん。つまり、それだけの人だったって、ことです」


マネージャー :
「……すごいこと、言うねェ」


部下 :
「そうですか? 前から思ってたことを言ったまでです」


マネージャー :
「それじゃあ、今期の営業戦略を真っ向から否定するんだな?」


部下 :
「営業戦略も何も……。そんなもの、要らないじゃないですか」


マネージャー :
「要らない?」


部下 :
「目標を達成させることを当たり前にすれば、戦略なんて要りませんよ。自
動的に結果はついてきます」


マネージャー :
「そうなのか?」


部下 :
「そうです。いちいち、ごちゃごちゃと考えるのがダメなんですよ。業界な
んか絞り込まず、とにかくお客様のところへ行きまくっていればいいんで
す」


マネージャー :
「そうか……。結局は目標達成に向けて、やるんだな? みんな、昨年対比
10%アップなんて意味がわからない、理由が知りたい、だなんて言ってた
が」


部下 :
「理由が知りたいって……。財務のことをわかりもしないのに、目標の妥当
性を語れますか? みんな当事者意識が足りないんですよ」


マネージャー :
「なるほど。目標を絶対達成しろ、などと言うと、『絶対』なんて言葉は使
わないでください、なんて言ってくるんだ」


部下 :
「あり得ないですね。やる前からそういう言い訳をするなんて、みっともな
いというか、見苦しすぎます。私が一発言ってやりましょうか?」


マネージャー :
「そうか、また機会があったら、頼むよ」


部下 :
「私としては、みんなもっと前向きになって欲しいです。厳しい言い方です
が、意欲が低い人間ほど『否定』から入ってきますよね。そういう人間が職
場の雰囲気を悪くするんです」


マネージャー :
「そう、だな……」


部下 :
「どうしてみんなで力を合わせて目標を絶対達成しよう、という気持ちにな
らないんでしょうか。不思議でたまりませんね」


マネージャー :
「うん、まァ、そうだな……」



……何事も「否定から入る人」というのは、いますよね。

そういう人の思考は、ロジカル思考に欠陥があると私は思っています。

100%正しい仮説など存在しない以上、どの切り口からでも「否定」するこ
とは可能です。

ですから、「否定から入る人」の論拠には反抗しづらいと言えるでしょう。実
際に正しいからです。

しかし、

組織である以上、周囲との「ラポール……信頼関係」は不可欠です。

周囲との協調、支援があってはじめて結果を近づけることができるのです。

どうやったら結果が出るのか、建設的な意見を共に出していこうと考えるなら
「否定から入る」ことなどあり得ませんよね。

「否定」の習慣を身につけてしまうと、独りよがりのロジックを頼りにして孤
立していく可能性が高まります。

そしてロジカルに物事を考えずらくなるため、意見がコロコロ変わってしまう
ことがあるのです。とにかく「否定」ですから。

気をつけたいですね。


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【編集後記】

先日の編集後記に書いたとおり、腎水症と診断されて今月末に検診を受けるこ
とになっています。

どうなるかわかりませんが、

このタイミングで、自分の「食生活」を見直そうと決意いたしました。

よく知っている同世代の社長が、1週間程度、野菜ジュースぐらいしか飲まず
に断食している姿をフェイスブックで見ていて、

私も、やってみよう!

と思い立ったのですが、それは一瞬だけ。

もともと「痩せの大食い」と言われていたほど、私は食いしん坊ですので、炭
水化物をゼロにするのは、現時点では非現実的と考えています。

(これは現状維持バイアスか……)

そこで、自分なりに考えた「ちょこっと摂食」というのを、7月いっぱいは実
践することを誓います。

・お酒を飲まない

・コーヒーを飲まない

・お茶を飲まない。

・炭酸飲料を飲まない

・ケーキや饅頭といった糖分の多いデザートは食べない

・外食はほとんどしない。(出張先に限定するが、そこでも小食で)

・脂っこいものは食べない。

・朝食はフルーツと野菜が主体。ミキサーでジュース状にして飲む。ほとんど
ご飯は食べない。夜も同じ。

・昼は家で小さな「おにぎり」を握り、持参して食べる。

・間食は、小魚などをタッパに入れて持ち歩き、食べる。

・空腹をまぎらわすために水を飲む。(アミノ酸を摂取するためのパウダー状
のものを溶かしておく。ほとんど糖分が入っていないもの)

などなど。

とても「断食」とは程遠いのですが、これだけでも相当、頭がスッキリするの
ではないか、と考え、続けていこうと思っています。

ちなみに、まだ3日ですが、かなり体の疲れもとれて、脳が活性化している気
がしています。

便通もよくなっています。(これはすぐに効果出ますね……)

私はここ10年以上、体重も体型も変わっていませんでした。

ところが昨年から、一気に4キロぐらい体重が増えたのです。しかも食べる量
を減らして、です。

食べる量を減らして体重が増えた原因は、まさに「筋トレ」の影響ですね。そ
れしか考えられません。

いまだ、たまーに、

「痩せてるんだから、もっと食べないとダメなんじゃない? 体力つけるため
に、食べて食べて」

などと言う方がいますが、

正直なところ、あり得ません。

過食は万病の元です。43歳になって、食べ過ぎて、良いことなど何一つない
でしょう。

食べる量をグッと減らして、今の体重はキープしたいと考えています。

今月末まで、この食生活を続けて、体重がどう変わるのか?

また報告したいと思います。

体重が減ってしまったら、単純に「減量ダイエット」になってしまっているの
で、私が意図していることと違うため、失敗です。

そうならないよう、体重をキープするために、これまで以上に筋トレの量を増
やします。そして低脂肪のたんぱく質をこまめに摂ります。

皆さんに「見られている」と考えると、続けられそうです。

これが「ホーソン効果」と呼ぶものですね。