2012年12月31日

片付けの王道と、そのテクニックとは?【オーバーステート】

● 今回のテクニック:【オーバーステート(8)】

オーバーステートとは、文字通り「大袈裟な表現」のことである。

曖昧なことを繰り返す相手に、わざと大袈裟な数字を示して反論させ、具体的
な条件を引き出す方法。 少しふざけた調子で吹っかけるのがコツ。

「100%ダメなんですか?」 → 「100%ダメというわけじゃないです」
「年収1000万ぐらいもらってるんだろ?」 → 「半分くらいですよ」
「本当は彼女の3人や4人いるんだろ?」 → 「1人しかいませんよ」


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「なんだ、冬休み中に出勤か?」


部下 :
「部長こそ。どうしたんですか」


マネージャー :
「A社の取締役と2日、ゴルフに行くのに、連絡先がわからなくなって事務
所に探しに来ただけだ」


部下 :
「そうなんですか。私はちょっとデスク周りを片付けしに」


マネージャー :
「デスク周りの片付け?」


部下 :
「年末、出張が連続していまして時間がとれなかったものですから。どうし
ても年内に終わらせておきたいと思いまして」


マネージャー :
「ほォ。マジメだねェ。君の家はさぞかし、無駄なものなど何ひとつないん
だろうな」


部下 :
「いやいや、そんなことありません」


マネージャー :
「これから、君のデスクの上に積みあがったこの書類の束、デスクの周辺を
も占拠している書籍の山を、すべて捨ててしまうんだろ」


部下 :
「いや、すべて捨てるっていうわけには」


マネージャー :
「君の家から事務所まで電車でどれぐらいかかる?」


部下 :
「えーっと、1時間10分ぐらいです」


マネージャー :
「1時間10分もかけて事務所に来たんだから、当然、中途半端な片付けで
終わることないだろ」


部下 :
「うーーーん。ま、そうですけど。全部捨てるつもりは……」


マネージャー :
「片付けの王道って知ってるか?」


部下 :
「あ、いえ。教えてください」


マネージャー :
「いったん全部、外へ出す。それから必要なものだけを戻す。残ったものは
捨てる。これだけだ」


部下 :
「いったん全部、外へ出す……」


マネージャー :
「たとえば引き出しの中を片付けたいとするだろう? 引き出しの中を覗き
ながら要らないものを捨てたり、品目に沿って整理しようとしてもダメだ。
なかなか片付かないし、時間もかかる」


部下 :
「なるほど、思い切ったやり方ですね」


マネージャー :
「思い切ったやり方? 普通だろう」


部下 :
「あ、はい……」


マネージャー :
「それと、もう一つ言うと、収納は増やさないのもテクニックのひとつだ」


部下 :
「収納を増やさない……ですか」


マネージャー :
「収納が増えると、自動的に物も増える。人間は空白があると、それを埋め
たがるからだ」


部下 :
「うーーーん。そうですか。実は、書類が増えてきたのでラックをもう一つ
増やしてほしいと、申請したばかりなのです」


マネージャー :
「あ。そう。俺が却下しておいてやる」


部下 :
「却下ですか!」


マネージャー :
「ごちゃごちゃ言ってないで、このデスクの上に積みあがった書類を全部、
あそこのテーブルに移動したまえ。俺も手伝うから」


部下 :
「いや、いや! 部長に手伝わせるなんて!」


マネージャー :
「そのほうが早く終わるから。引き出しの中にある書類も全部出せ!」


部下 :
「は、はい……」


……モノに執着すると、ヒトに対する関心が薄れてきます。気をつけたいです
ね。

組織マネジメントをするうえでも、いったん全部、外へ出して、必要なものだ
け残し、あとはすべて捨てませんか?

2012年、最後にご紹介する書籍は「脱会議」です。

この本は会議をなくせと、ただ書いているのではなく、正しいPDCAサイク
ルをまわすためには、

いったん会議や資料を全部リセットし、必要なものだけを残すべきだと主張し、

そのやり方を解説しています。

会議という名の「収納」を増やすことなく、組織マネジメントの片づけをしま
しょう。

武田双雲さんの字体を見れば、片付けたくなること、間違いなしです!

■「脱会議」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822274004/mysterycon0c-22/ref=nosim


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【編集後記】

「節目」というのはとても大切ですね。

私は正月が大好きです。

以前、編集後記に書きましたが、青年海外協力隊で未開の地によく足を運んだ
こともあって、私は「儀式」が好きだからでしょう。

元日は、1年で最も厳粛な気持ちにさせてくれる日です。

おそらく今年も、家族4人で家の周りを【早朝ごみ拾い】をするでしょう。

毎年の日課となりそうです。

いろいろな思いを胸に抱きながら、その日を過ごしたいと思います。

さて、

本メルマガは、NLP(神経言語プログラミング)をはじめとする行動心理学、
行動経済学、脳科学などのネタを使うと、

どのように人は誘導されるのか。これを中心に取り扱ってきました。

使用しているのはプレーンのテキストデータのみです。

しかし、このテキストのみで人を動かすこともできるのだということを覚えて
いただきたいと私は思います。

言葉の使い方で、人を動かすことも、人を動かさないこともできるということ
です。

このメルマガを読んでいる皆さんの中には、仕事上で年始の挨拶などをされる
方も多いでしょう。

そのときは、どうぞ、言葉の使い方には気をつけていただきたいと私は思いま
す。

「2013年となりましたが、依然と厳しい景況感が続く中……」

「東日本大震災、厳しい日中関係や欧州債務危機など、当社を取り巻く環境は
依然として厳しいものがあり……」

という年始の挨拶は、なるべく最小限に控えていただきたいということです。

気を引き締めさせることと、ネガティブ思考に陥らせることとは別の話です。

ふんどしを締めなおして前に進むのか、

怖気づいて思考停止になってしまうのか……。

表現者にその意図はなくとも、重要なのは、情報の受け取り手がどう解釈する
かです。

コミュニケーションの基本は、受け取り手の反応ですから、そこに関心を向け
ないことには何事もうまくいきません。

景気は、人の心理によっても大きく動きます。

組織が活性化するかどうかも、同様です。

不安の煽りすぎ、過剰な危機感の情宣は、やめましょう。

2013年も、きっといいことが起こります。

現状を正しく理解しつつ、それでも心は軽やかにやっていきましょう。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2012年12月27日

誰も教えてくれない「人を動かすテクニック」【イーブン・ア・ペニー】

おはようございます。
「メルマガ草創花伝」の横山信弘です。


● 今回のテクニック:【イーブン・ア・ペニー・テクニック(8)】

イーブン・ア・ペニー・テクニックとは、心理的ハードルを極端に下げて相手
に依頼すること。

「寄付をしていただけませんか」と依頼内容だけを伝えるよりも、「1ペニー
でもいいですから寄付していただけませんか」と頼んだほうが、結果的に多い
額の寄付を得られる可能性が高いことから、このように言われるようになった。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックと似ているが、フット・イン〜のほうは
依頼内容を段階的に引き上げていかなければならないため、イーブン・ア・ペ
ニーのほうが簡単。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「冬休みはどうするんだ」


部下 :
「実家がある高知へ行こうと考えてます」


マネージャー :
「高知と言ったら、鰹(かつお)のタタキが美味しいよね」


部下 :
「課長、行ったことがあるんですか」


マネージャー :
「学生時代にだ。もう30年以上も前だよ」


部下 :
「そうですか。故郷の味っていいですよね。昔の輝いていた時代に戻れます
から」


マネージャー :
「そうか」


部下 :
「……」


マネージャー :
「昔の、輝いていた時代、か」


部下 :
「……」


マネージャー :
「なあ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「来年の3月で会社を辞めて、それからどうする」


部下 :
「うーーーん。東京に残るつもりではいます」


マネージャー :
「なるほど」


部下 :
「……」


マネージャー :
「東京には残るつもりでいるけれど、それ以外のことはわからない、という
ことか」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「もう何歳になった?」


部下 :
「35歳です」


マネージャー :
「35か」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「子供は産まれたばかりだろう」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「しばらくは子育てか?」


部下 :
「え、ええ。そうですね失業保険をもらっている間は、子育てでもしようか
な、と」


マネージャー :
「そうか」


部下 :
「……」


マネージャー :
「リーダーにとって一番大切なことは何かわかるか?」


部下 :
「え? いや」


マネージャー :
「人を動かすことだ」


部下 :
「ああ」


マネージャー :
「部下がいるからリーダーと呼ばれるんだろ。その部下を動かすことができ
ないなら、リーダーである必要がない」


部下 :
「そう、ですね……」


マネージャー :
「そして、人を動かすには何が一番大切か、知ってるか」


部下 :
「いえ」


マネージャー :
「……」


部下 :
「一番、私が知りたいことです。どうやったら人を動かすことができるのか、
それが知りたくて知りたくて、ずっとあがいていました。35歳になるまで、
それがずっとわからなくて……。結局、こうなってしまいました」


マネージャー :
「知りたければ、プロに学べばいい。人を動かしたり、騙したりするプロ
だ」


部下 :
「騙したりするプロ……。詐欺師ですか?」


マネージャー :
「私が参考にするのはマジシャンだ」


部下 :
「マジシャン!」


マネージャー :
「そう。マジシャンっていうのは、相手を簡単に動かす。虜(とりこ)にす
る」


部下 :
「そりゃあ、マジックを見せるからでしょう」


マネージャー :
「違う」


部下 :
「え」


マネージャー :
「マジックを見せられるから虜になるんじゃなくて、虜にするからマジック
に見えてくるんだよ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「そして、どうすれば相手を虜にできるか、それは、圧倒的な『自信』だ」


部下 :
「……!」


マネージャー :
「そして自信をつけるためには、結果。結果が出れば自信がつき、自信がつ
けばコミュニケーション能力がアップし、相手を虜にでき、そしてまるでマ
ジシャンのように人を動かすことができるようになる」


部下 :
「結果……」


マネージャー :
「とはいえ、結果といっても大きな結果をいきなり求めてもダメだ。だから
すぐ目の前にある行動に焦点を合わせる。その行動をやり切る。すべてがそ
こからスタートする」


部下 :
「やり切る」


マネージャー :
「そう。逆算思考だ」


部下 :
「やり切る、か……」


マネージャー :
「君は来春、会社を辞める。それはもう俺には止められないかもしれない。
だけど、それまでには自信を取り戻してほしい」


部下 :
「……」


マネージャー :
「この冬の間、せめて、せめて……。何か、これまで行動したことのないこ
と。やったこともないようなことを1つだけ。1つだけ挑戦してやってみな
いか。小さなことでいい」


部下 :
「……」


マネージャー :
「1つだけで、いい」


部下 :
「……なぜ、なぜ、そんなに課長は、私のことを……」


マネージャー :
「高知に悪い奴はいない。単純にそう思ってるから」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「わかりました……。50社ある取引先に、冬休み中、時間をかけて葉書を
出します。手書きで、新年のご挨拶を」


マネージャー :
「その行動をロックするか?」


部下 :
「はい。ロックします」



……拙作「絶対達成マインドのつくり方」で一番気に入っている部分は、

後半の「絶対達成するコミュニケーション術、アイデア術」のところです。

「学習の4段階」で自信を身につけることで、コミュニケーション能力がアッ
プし、アイデア脳も身につく。

その理由が後半になって明らかになっていくストーリーを、私は気に入ってい
ます。

自信がなければ、自分の将来を不安視するのは当然でしょう。

なぜなら、自分のポテンシャルをどのように広げたらいいのか、将来に向けて
どのように行動すればいいのか、そのアイデアが浮かびあがらないからです。

行動をロックし、目標を絶対達成させるためには、常に創意工夫の連続です。

その創意工夫した過去、その【歴史】が自分自身にないのなら、

困難なことにぶち当たったときの打開策はひらめかないのです。

人を動かすためにも、自分の未来を切り開いていくためにも、何より「自信」
が必要ですよね。

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【編集後記】

今年の配信したメルマガで、(というか、おそらく私が書いてきたすべてのメ
ルマガを通じても)最も反響の高かった号を、今回はご紹介します。

それは、東日本大震災からほぼ1年後の、3月8日に出した「号外メルマガ」
です。

この文章は今もなお、ネット上を駆け巡っているようで、いまだに本メルマガ
の感想をいただくことがあります。

言葉の力を思い知らされた、心に残る出来事でした。

今日は、その号外メルマガの内容を以下に「ノーカット全コピー」いたします。
(すでに読まれた方は、飛ばしてください)



おはようございます、「メルマガ草創花伝」の横山信弘です。


メルマガを配信して今年で4年目になりますが、自分のセミナーやDVD、書
籍の案内以外で号外メルマガを書くのは、今回がはじめてです。


どうしても、このメルマガは読んでもらいたくて、事前にツイッターやフェイ
スブック、昨日の編集後記でも事前告知いたしました。


読み終わったら、本メルマガをすぐ解約していただいてもかまいません。


それでもなお、どうぞ、このメルマガだけは最後まで読んでいただきたいと私
は思います。


そして必要あれば、多くの方に転送していただけたらと存じます。


それだけ、力を込めて文章を書きます。


私はこのメルマガ「草創花伝」で、多くの方が語る「言い訳」について取り扱
ってきています。


リアルに、先日も、セミナーに来られた営業部長から、


「いろいろとご指導いただきたいけれど、無理ですなァ。業界自体が冷え込ん
でましてねェ」


と言われました。


ある若手の営業さんからは、


「課長の問題じゃないでしょうか。逆立ちしてもできない目標を、社長に言わ
れた通りに部下へ通達する上司なんて、どこの世界にいるんですか」


と言われました。


ある企画室の室長さんからは、


「私はiPadで何が実現できるか知りたくてセミナーに来ただけです。目標の達
成率? 営業の課題? そんなこと私に聞かれても知りませんよ。それが私の
仕事なんですか?」


と言われました。


そのような言い方をする人たちに、私はある書籍を紹介したいと存じます。


ふんばろう東日本支援プロジェクト代表 西条剛央氏が書いた
「人を助けるすんごい仕組み」


という本です。


この書籍は、西条さんとその仲間数人で立ち上げたプロジェクトが、


「10分」


「1時間」


「2日」


「1週間」


という、ものすごく短いスパンで、


芸能人から政治家、地域の有力者とを次々とつなげ、


約3000箇所以上の避難所、仮設住宅、個人非難宅に【15万5千品目】に
及ぶ物資支援を成立させ、


アマゾンの「ほしい物リスト」により、【2万4千個】以上の物資支援を実現
させ、


さらに、


雇用創出プロジェクトにより、【121名】の方が重機免許を取得させ、


【2万5千世帯】以上に家電を送る……


といった、数々の偉業・はなれわざを、


政府や地方自治体、寄付団体を経由することなく、支援者と被支援者とを直接
つないで成功させていった「仕組み」や「原理」について、仔細に解説してい
ます。


ボランティアなどされたこともない、まだ30代の西条さんが、


「構造構成主義」という原理に従って、行動をし続けた結果が引き起こしたも
のです。


細かいことは本書を読んでいただくとして割愛しますが、


私が読んで思い立ったのが、


「DCAサイクル」


というキーワードです。


マネジメントの基本「PDCAサイクル」の「P」を抜かした、


「DCA」


なのです。


本書で、西条氏の意思決定と行動を追いかけていると、酔ってくるほどのス
ピード感を味わいます。


凄まじい被災地の描写に対して、イチイチ感傷に浸っていられないほどの、も
のすごい「行動の集積」によって、


一見、不可能そうなことを可能にしていくのです。


おそらく、「不可能ではないか?」という思考ノイズが入り込む余地がないほ
どの、ウルトラスピードで行動していった結果なのではないか、と。


ですからプランニングの「P」はほとんどせずに、とにかく動く。誰かに言わ
れたこと、ネットで見かけたことの真偽がわからないからといって行動するか
どうか迷う、という時間さえも惜しんで


とにかく動いて、自分の目で確かめ、そして行動し、結果を検証し、改善する。


ですから「DCAサイクル」だ、と思ったのです。


動きながらの改善行動に終始しているからです。次から次へとアイデアが創出
され、形に変えていくスピード感は、見事さは爽快な気分にさせてくれます。


メルマガ読者の方にお叱りを受けることを、覚悟の上で書きますと、


私はこの書籍を読んで痛感したのは、


世の中のほとんどの「言い訳ばかりをする人」「言い訳がついつい口から出て
しまう人」は……


「暇(ひま)」


なのだ、と言うことです。


「暇」だから、「決定しないという決定」をくだし、面倒なことは先送りにし
て、後から指摘されると無意識のうちに言い訳をしてしまうのです。


この書籍を読んでいると、


そうとしか考えられなくなります。


もう一度書きます。


言い訳をする人は「暇(ひま)」だ、ということです。


本書で紹介される、プロジェクトに関わる人たちに、誰一人として「暇」な人
は出てきません。


誰も、時間的に「暇」な人は出てこないのです。空間的に「隙間」があるよう
な人はまったく登場してきません。


しかし、


誰もが、精神的には、なぜか「余裕」を見せるのです。


あまりの短時間の中で行動を繰り返していると、まるで物事が止まっているか
のように見え、


その止まったかのように見える時間の中で、「状況」と「目的」とを合わせて、


「方法論」


を選択していくのです。


この「すんごい仕組み」という書籍の凄さは、


ただ、被災地の悲しい現実を知らしめるために書かれたわけではなく、また支
援プロジェクトの偉大さを伝えたいがために書かれたわけでもなく、


誰もが想像もしない事態に直面したとしても、そのときそのときの「状況」
「目的」に合わせて「方法論」を決めることで、


シンプルな答えは自然と導かれるという、すべての、あらゆる組織に応用でき
る、きわめてシンプルな「原理原則」が書かれていることです。


したがって、


そのときそのときの「状況」と「目的」さえ把握すれば、


「前例がない」「前例がないことをやって責任をとらされても困る」みたいな
ことは、誰も言えないはずです。


こういう人は「暇」だとしか言いようがありません。


何日も何日もかけて、吐きながら遺体を梱包した金髪の青年。


津波にのまれ、顔まで浸かりそうになりながら、ずっとお孫さんを水上に持ち
上げながら生きながらえた老婆。


読んでいるうちに、涙がメガネの上にこぼれ落ち、何度もメガネを拭くのです
が、次々にメガネが濡れそぼってしまうので、


最終的には、メガネを拭く時間も惜しんで、私は名鉄(名古屋鉄道)の電車の
中で、この書籍を読了しました。


そして、


私よりも5歳年下のこの著者の前では、


あまりに自分がちっぽけで、そして目の前の、「面倒だな」と思う諸々の作業
すべてが、まるで塵のように微小なものであることがわかってきたのです。


一番、鳥肌が立ったのが、


知的障がい者虐待事件の被害者救済活動の事務局長だった50代の男性が、こ
の西条さんと出会い、


「いま、ようやくリミッターが外れたよ」


と口にするシーンです。


リミッターを外す。


つまり、「現状維持バイアス」のことです。


この方は、何十年も障がい者の人権運動に心血を注いできた方です。


その方が、まるで社会運動をしたこともなかった西条さんと出会い、意見交換
をしていく中で、


まだ自分の中に現状維持バイアスがあって、それに気付き、さらにそのバイア
スを外すというのです。


人間、どこまで限界を超えられるんだろう? と思いました。


皆さんも「人を助けるすんごい仕組み」を読んでみてください。


どんなにイヤな上司がいようと、


どんなに会社の理念に共感をもてなくとも、


日々、まったくモチベーションが上がらないと思っても、


「何かいいことがないかな」が口癖であっても、


あなたが「日本人」である限り、強烈にインスパイアされることでしょう。


皆さんご存知のとおり、


もうすぐあの「3月11日」を迎えます。


それぞれに、それぞれの思いを抱くことでしょう。


どのような取り組みをしてもいいでしょうし、どのような活動に励んでもいい
と思います。


でも、


約一年前のメルマガにも書きましたが、


目の前の仕事は、言い訳せずにキッチリやりましょう。


結果を「絶対達成」でいきましょう。


その日の気分次第で、仕事に気持ちが入るだの入らないだのという思考ノイズ
に侵されるのはもう終わりにして、


ただ、淡々と仕事をこなし、会社の収益に貢献し、税金を正しく納めましょう。


くどいですが、「言い訳」とはサヨナラするのです。


なお、西条さんは印税全額を、そして発行元のダイヤモンド社は売上の一部を
この支援プロジェクトに寄付するそうです。


私から、ひと言。


買いましょう。


■「人を助けるすんごい仕組み」
ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478017972/mysterycon0c-22/ref=nosim


なお、


本書の編集者は、出版業界において知らない人はいないと言われるカリスマ、
寺田庸二さんです。


装丁は水戸部功さん、本文デザインは新田由起子さんです。


自著「絶対達成する部下の育て方」と同じメンバーがこの奇跡の書籍を仕上げ
たのです。


偶然ではありますが、私は大変誇りに思っています。


編集者の寺田さんには、何の相談もなくこのメルマガを書きましたが、一冊で
も多く、この書籍が日本全国に行き渡り、


被災地にいる方々はもちろん、


すべての読者の価値観を変え、そしてほうぼうにおいて、組織運営における新
たな取り組みがなされることを心から願っています。


いつもありがとうございます。

2012年12月25日

今年最後の、大切なメッセージ【バンドワゴン効果】

● 今回のテクニック:【バンドワゴン効果(8)】

バンドワゴン効果とは、多数の支持を受ける物事のほうが受け入れやすくなる
こと。要するに「勝ち馬/時流に乗ろうとする」心理のことである。

「さくら」を使うのは、このバンドワゴン効果を狙ったテクニックの一つとい
える。

ちなみに「バンドワゴン」とは祭りや行列の楽団車のことであり、パレードで
楽団車が通るとみんなが集まってくる。この現象からきた言葉である。

反対語は「アンダードッグ効果」。

【注意点】 効果的に使いたいときだけ活用すること。決して「他社もやって
いるから自社も追随しよう」という発想をしてはならない。正しい経営判断の
ためには、正しいデータに基づいた判断が不可欠である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「今年1年、振り返ってどうだった」


部下 :
「そうですね……。個人的にはやり切った、という気持ちがありますが、部
下に対しては、やり切らせた、という気持ちがないです」


マネージャー :
「どうしてだろう」


部下 :
「うーん、やっぱり部下に『やらされ感』を覚えさせたくない、と私が思っ
てしまうからなんでしょう」


マネージャー :
「『やらされ感』か」


部下 :
「はい。自主的に動きたくなるような、そういう環境づくりを、来年はもっ
と心掛けていきたいです」


マネージャー :
「ふーん」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「ま、そういう適当な話は、俺、どうでもいいんだよ」


部下 :
「え、適当……?」


マネージャー :
「だって適当だろ」


部下 :
「いやいや、そんな。適当だなんて……。これでも真剣に考えているんです。
部下をどうしたら、やり切らせるようにさせられるかって」


マネージャー :
「だったら『自主的に動きたくなるような環境づくり』って何だよ」


部下 :
「うーーーん」


マネージャー :
「だろ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「具体性がまったくない」


部下 :
「え、ええ」


マネージャー :
「上司の君の発言に具体性がないんだから、部下にやり切る習慣が身につく
わけない」


部下 :
「そう言われましても、あまりに強制力を発揮すると、部下はみんな萎縮し
ますよ」


マネージャー :
「誰が?」


部下 :
「え? ですから私の部下たちです」


マネージャー :
「いつ、そんなことを言ったんだ?」


部下 :
「いや……。言ってはいないですが、言わなくてもわかるんです」


マネージャー :
「そういう適当な話はやめてくれ。じゃあ、君の部下を全員ここに呼ぶぞ」


部下 :
「いや、あの……。すみません」


マネージャー :
「君さ、築山節氏の、『脳が冴える15の習慣』って読んだか?」


部下 :
「え、いや……。読んでいませんが。有名なんですか、その本?」


マネージャー :
「50万部を超えて、今もまだずーっと売れ続けている大ベストセラーだ
よ」


部下 :
「50万部、ですか! それはスゴイ」


マネージャー :
「とっても、ためになる本だから君も読んでみろ。仕事のことだけじゃなく、
日常生活においても、育児においても役立つことが脳科学的に書かれてあ
る」


部下 :
「わ、わかりました」


マネージャー :
「その中で、ものすごく感銘を受けたフレーズがある」


部下 :
「何でしょう……」


マネージャー :
「『人間はどこかで、自分以外の誰かに動かされている環境を持っていなけ
ればなりません。何も強制されていない環境に置かれていると、人間はいつ
の間にか、脳のより原始的な機能である感情系の欲求に従って動くようにな
ってしまいます』という部分」


部下 :
「うーん……。『動かされている環境』か……」


マネージャー :
「何も強制されていない環境に置かれると、人間はダメになっていく。そう
いう話だ」


部下 :
「……まったく、その通りだと、思います。返す言葉がありません」


マネージャー :
「何事もバランスが大事だ。だけど、やりたいようにやらせておけば、何が
やりたいことかわからなくなっていくのが人間」


部下 :
「そうですねェ」


マネージャー :
「来年は1個でいい。1個でいいから、部下に対する何らかの強制力を発揮
しろ。君の部下たちがドンドン弱っていく」


部下 :
「わかりました」



……2006年に出された本書には、

すでに「現代人は脳のタフさに欠けている」と書かれてあります。

脳を鍛えるには、ゲームの「脳トレ」をするのではなく、

日常生活において、いかに「面倒なこと」をやるかである。そうすることで
「耐性」とも言うべき力がついてくるのだが、

便利な世の中になって、現代人は普通にしていると、その脳のベーシックな部
分が鍛えられなくなる。

と、書かれています。

もし読まれていない方がいたら、冬休みにいかがでしょうか?

読書が「面倒」と思ったら、脳の原始的欲求にあらがえないという証拠かもし
れません……。

今年、最後にお伝えしたいメッセージは、何事にも「最低限の強制力は必要」
でした。


【参考書籍】「脳が冴える15の習慣」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140882026/mysterycon0c-22/ref=nosim

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【編集後記】

まだ今年は終わっていませんが、

クライアントに対するコンサルティング、そして出版そのもの、

以外で、私の2012年において、心に残る出来事といえば、

意外と「脱会議」にまつわることが多かったなと思わされます。

特に2つあげるとすると、

1つは、6月に行われた盛岡での講演です。

テーマは「脱会議」。

日経BP社の主催で実施された講演です。私の父が東北出身だということもあ
り、

東北における初めての講演ということもあって、

ものすごく気合いが入りました。

しかし、気合いが入っているからといって、いつも素晴らしい講演になるとは
限りません。

受講する方々の気持ちも一つになって、最高の講演となります。

このときばかりは地元の方々に暖かく迎えられたこともあり、気分良く講演が
でき、最高の気分を味わいました。

今年は120回を超える、セミナーや講演をこなしましたが、

この盛岡での講演が、1番の出来だったと自画自賛しています。

もう1つ、心に残る出来事といえば、

「脱会議100日マラソン」です。

5月から8月までの「100日間」で、1億円分の会議コストを削減するとい
うプロジェクト。

アタックスも日経BP社も関係のない、有志の方々と一緒に作ったプロジェク
トです。

このプロジェクトに賛同してくださった「脱会議ランナー」たちの呼びかけに
よって、

数多くの企業が、会議の実施時間を大幅に削減させてくださいました。

よくあれだけの過密スケジュールをこなしながら、こういったプロジェクトを
100日間もできたなと今になって感じています。

こういうプロジェクトはもう2度とできない気がしています。
忘れられない思い出です。

次回のメルマガ編集後記には、

今年の配信したメルマガで、(というか、おそらく私が書いてきたすべてのメ
ルマガを通じても)最も反響の高かった号を、ご紹介します。

そのメルマガは、多くの人の手によって、ツイッターやフェイスブックでも繰
り返し繰り返しシェア・転送されました。

その結果、このメルマガの読者数をはるかに超える人たちが、その号の内容を
読むこととなったのです。

その思い出深いメルマガの内容を、次回(今週)、いま一度ご紹介いたします。

2012年12月21日

直感トラップの一つ「選択のパラドックス」とは?【譲歩の返報性】

● 今回のテクニック:【譲歩の返報性(2)】

譲歩の返報性とは、「返報性の原理」のひとつ。

相手に譲歩することで、相手もこちら側に譲ってくれる可能性が高まる。

相手とペースを合わせる「ペーシング」の基本。

コミュニケーション相手の言い分をまず受け止めることは、こちらの主張をい
ったん飲み込んで譲歩することと似ている。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「おい、君のチームのアクションプラン、まだ提出されていないぞ」


部下 :
「ああああ。申し訳ありません。来週まで待ってもらえませんか」


マネージャー :
「今週が提出期限だろう」


部下 :
「申し訳ありません」


マネージャー :
「お前は謝って済むからいいよ。俺は社長に何を言われるか、知ってるの
か?」


部下 :
「いや……」


マネージャー :
「ま、いい。誰が遅れてるんだ?」


部下 :
「5人中、3人が、まだアクションプランを決めていません」


マネージャー :
「何やってるんだ。決めるだけだろう?」


部下 :
「そうなんですけれど、なかなか決められないみたいで」


マネージャー :
「それはアレだよ。吟味する権利、そしてその時間を奪われるのがイヤなん
だ」


部下 :
「吟味する権利、時間ですか?」


マネージャー :
「君のチームは、だいたい何歳くらいのが多い?」


部下 :
「そうですねェ。30代後半が多いでしょうか」


マネージャー :
「そういう世代が一番決められないんだよ。社会人になりたてのときは、そ
うでもなかったのだが、今は高度情報時代。いろんな情報があるから、どん
な選択をすれば、より良い結果が得られるのか吟味できるようになった」


部下 :
「ああ……。昔は、吟味できなかったのに、今は自分で吟味できるようにな
ったから、その時間を楽しんでいる、ということですか」


マネージャー :
「本人にそんな意識はないだろうが、そういうことだ」


部下 :
「いろんな情報を個人でアクセスできる時代になりましたから。便利といえ
ば、便利ですけど」


マネージャー :
「『選択のパラドックス』って知っているか?」


部下 :
「いや、知りませんが」


マネージャー :
「選択肢が増えれば増えるほど、人は選択できなくなる。つまり、決断でき
なくなるということだ」


部下 :
「ああああ。確かに……」


マネージャー :
「情報がこれだけ膨大にあると、目の前にある選択肢だけでなく、まだ自分
の知らない、もっと素晴らしい選択肢があるに違いない。だから今日は決め
ないでおこうと決める、という判断をしてしまうものだ」


部下 :
「決めないということを決める……。それって決定回避の法則ですよね」


マネージャー :
「そうそう」


部下 :
「情報が多すぎても、よくありませんね」


マネージャー :
「選択肢が増えることは、我々に自由ではなく、無力さをもたらす、と言っ
たのは心理学者のシュルツだ」


部下 :
「へええ」


マネージャー :
「わかった。来週いっぱいまで待とう。ただし、条件を吊り上げてもいいか
な?」


部下 :
「あ、はい」


マネージャー :
「すべてのアクションプランは必ず数値表現を入れてくれ。そして、来年の
最初の出勤日のときに、社長の前で宣言してもらう」


部下 :
「社長の前で……」


マネージャー :
「『儀式』だ」


部下 :
「わかりました。私を含め、チームのメンバー全員にさせます。吟味する時
間を楽しんだんですから、それぐらい仕方がないですね」


……何か新しいことをスタートさせる。何かを改革する。そのための決断をす
る。

そのためには「儀式」をすることが、とても有効です。

決断とは、決めて断つ、ということです。過去を断ち切って新たなスタートを
切るということですから、

何らかの「節目」のタイミングで実施するのが一番いいですよね。

もうすぐ2013年。

「節目」を迎えたときは、普段よりもストレス耐性が上がっています。

今から準備して、来年早々に何らかの「決断」をしてみませんか?

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【編集後記】

私が青年海外協力隊から日本へ帰国したのが、1998年でした。

グアテマラという中央アメリカの小国に赴任していたのですが、

未開の土地へ行けば、現代でもまだ、「儀式」を目にすることができました。

荘厳でかつ神秘的な「儀式」をです。

子供から、大人になる。

独り身から、一家の主になる。

妻から、母になる。

いろいろな場面で「儀式」が執り行われていました。

現地人の多くはマヤの末裔です。生贄の習慣もいまだ残っていました。(現代
は鶏などを生贄にしているようです)

そのような国で生活していたせいもあり、

日本に戻ってきたとき、儀式という儀式が崩壊していることに唖然としました。

テレビから流れてきた「成人式」における若者たちの醜態はとてもショッキン
グで、これが途上国から憧れる存在であるはずの日本の実体か、と思いました。

確かに、いろいろな事情はあるでしょうが、

各地で、各組織で、各家庭において、

「節目」を迎えても、なあなあに、昨日の続きが今日であり、今日の続きが明
日になる、というような、

メリハリのない時間の過ごし方になっていないかと、私は思っています。

新年を迎えたときぐらいは、何かを決意したい。

自分の肩書きを変えるぐらいに、過去を断ち切りたい。

なあなあ、で、立ち止まることなく、何となく時間を流していると、

年齢を重ねても、いつまでも子供のまま。

結婚しても、いつまでも独身のように振る舞う。

管理者になっても、まるで部下と同じような目線で経営者に文句をつける。

こういうことが増える気がします。

普段は決められない人でも、「節目」のときぐらいは、何かを決断したいです
ね。

簡素でもいいですから、そのための、何らかの「儀式」があっていいと思いま
す。

2012年12月17日

「選択と集中」の是非を問う【スノッブ効果】

● 今回のテクニック:【スノッブ効果(9)】

スノッブ効果とは、他者と同調したくないという心理作用が働き、敢えて他人
が所有しないものを欲しがったり、他人とは別の行動をしたりすること。

もともとは、誰もが簡単に入手できるようになると需要が減る消費現象のこと
を指している。

反対語はバンドワゴン効果。

部下とのコミュニケーションに応用するのであれば、プライドが高く、協調性
の低い相手に使うと効果が望める。ノーセットなどと組み合わせてもよい。

(協調性の高い相手にはバンドワゴン効果を使うことをお勧めする)


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「君は『選択と集中』という言葉が好きのようだね」


部下 :
「過去に、そんなこと言いましたか」


マネージャー :
「最近、Y商事へばかり足を運んでるそうじゃないか」


部下 :
「Y商事ばかりとは限りませんが、私がご執心なのは事実です」


マネージャー :
「大きな案件があるのは知ってる」


部下 :
「本部長、少し私の話を聞いていただいてもよいですか」


マネージャー :
「なんだ」


部下 :
「実は、私には20年以上前、真剣に結婚を考えた女性がいました」


マネージャー :
「はじめて聞くが」


部下 :
「そんな話、したことありませんから」


マネージャー :
「まさか、その女性のことが忘れられないから、今も結婚しない、というわ
けじゃ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「図星か」


部下 :
「なんとも言えません」


マネージャー :
「それで?」


部下 :
「Y商事で、その女性と出会ったのです」


マネージャー :
「……え」


部下 :
「申し訳ありません」


マネージャー :
「商談相手か」


部下 :
「……」


マネージャー :
「その女性が、商談のキーマンということか」


部下 :
「いえ」


マネージャー :
「じゃあ?」


部下 :
「トイレの清掃員でした」


マネージャー :
「……?」


部下 :
「Y商事の男子トイレへ行ったとき、見かけたのです。最初は目を疑いまし
た。しかし、事実でした」


マネージャー :
「清掃員……」


部下 :
「片膝をつき、男子トイレの便器を掃除する姿に、私は衝撃を受けました」


マネージャー :
「……」


部下 :
「何だか、とても複雑な感情を持ってしまって」


マネージャー :
「……その、女性と話をしたのか」


部下 :
「いえ、していません」


マネージャー :
「だろうな……。いや、というか、できないだろう」


部下 :
「ただ、私は一度、トイレの個室へ入っているときに、清掃員同士で話をし
ているところを盗み聞きしてしまいました」


マネージャー :
「えっ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……なんて?」


部下 :
「どうも、彼女は独り身のようです」


マネージャー :
「……!」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「来年の成人式に、振袖を買ってあげたいが、お金がないと……。そんなこ
とを言っていました」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「ど」


部下 :
「……」


マネージャー :
「どうする、つもりだ」


部下 :
「私には、どうすることも、できません。ただ……」


マネージャー :
「なんだ?」


部下 :
「私と彼女が別れたのは、婚約間近に、彼女が他の男性の子を身ごもってい
るという事実を彼女が言い出したからです。しかし、本当にそれが、私以外
の男の子なのか、私にはわからないままです」


マネージャー :
「ええっ」


部下 :
「彼女は20歳のころ、私の前から忽然と姿を消してしまいました。20年
間、私はずっとそのことを思い続けているのです」


マネージャー :
「じゃあ、来年、成人式を迎えるというのは……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「私の娘かも、しれないということです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「だから」


マネージャー :
「だから、『選択と集中』なのか。みんな、目標達成をあまり考えず、何か
惹かれるものに集中したいと、そう思うようだ」


部下 :
「い、いえ」


マネージャー :
「君もそうなのだろう」


部下 :
「私は、違います」


マネージャー :
「じゃあ?」


部下 :
「Y商事以外の案件も、キチンととりにいきます。リスク分散の意味もこめ
て、もっと他のお客様もまわる予定です。部下にも、そう指示します」


マネージャー :
「そうか……」


部下 :
「頭にノイズが入ってどうしようもありません。気を紛らわすためにも、他
のお客様のところへドンドン行きます」


マネージャー :
「君は課長だ。課の目標に責任を持って欲しい。そして、自分の家族にも、
責任を持つ必要があるだろう」


部下 :
「……」


マネージャー :
「その女性と、話をしたらどうだ?」


部下 :
「冬休み、じっくりと考えてみます。それまでは、とにかくお客様のところ
を、がむしゃらに回り続けます」


……営業先を「選択と集中」することにより、リスクを背負い込むことになり
ます。

そのためのリスク分散をしましょう。

そのことを記した私の著書「絶対達成する部下の育て方」が、

アマゾンの2012年間ランキング(ビジネス・自己啓発部門)で19位に入
ったことを、この週末、知りました。

我ながら、スゴイことだと受け止めています。

1位は、神田昌典さんの「2022」。

その他、コヴィーの「7つの習慣」(2位)、

カーネギーの「人を動かす」(5位)

稲盛さんの「生き方」(11位)

ドラッカーの「マネジメント」(12位)などなど、

誰もが知っているような書籍の中に、私の本がランクインしている。そのこと
が不思議でたまりません。


● Amazon 2012年 BOOKS 年間ランキング
http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html/ref=br_lf_m_3077684646_grlink_4?ie=UTF8&docId=3077684646&plgroup=4

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【編集後記】

昨日(12月16日)は、20年以上続けている、知的障がい者のボランティ
ア活動でした。

クリスマス会。

みんなで料理を楽しみ、ケーキを囲んで、歌ったり、踊ったりをしました。

私が社会人になり、青年海外協力隊となって一度日本を離れたあとも、

その後、結婚し、子供ができ、転職を繰り返したあとも、

セミナー、講演と、全国を行脚するようになったあとも、

本を出版したあとも、

まったく変わることなく、この素朴な活動を続けています。

2012年、今年も1度も休むことなく、ボランティア活動の行事に参加する
ことができました。

この「あたりまえ」のことのように思えることを、「あたりまえ」にできると
いうことに、

私は「ありがたい」と受け止めています。

「絶対達成マインドのつくり方」に書いたように。

2012年12月14日

ビジネスに「コーチング」は本当に有効なのか?

今日は「コーチング」に関する持論を書きます。


「コーチング」という言葉を聞いて、知らない、と答える方は少なくなってき
たと思います。


昨今は、それほどまでに「コーチング」が身近な存在になりつつあります。


私はNLPのトレーナーアソシエイトですので、「コーチング」の技術的なこ
とに関しては、もちろん精通していると自負しています。


「コーチング」の正しい実践法と、正しい効力をわかっていますし、


もちろん、その「難しさ」も心得ていると考えています。


コーチングのスキルのうち、ヒアリングなどを含む「話法」はほんの一部。


効果的な質問をして、相手の奥底に潜む能力を気付かせ、


自己実現の欲求を満たすための行動を促す——


そして行動と行動とを繋げ、行動による歴史をお互いに分析し、より能力が発
揮できるよう促していくには、「話法」だけでは到底実現しません。


コーチングの基本姿勢は、相手「個人」のアイデンティティや価値観に焦点を
合わせることです。


コーチをする側の<価値観の押し付け>はあり得ませんから、コーチングにお
いて最も重要なスキルは、


「キャリブレーション」です。


観察眼。


相手の目の動きを観察する(アイアクセシングキューなど)こと、呼吸を感じ
取ること、声のトーンの変化を敏感に受け取ること。


これらすべてです。


このスキルは非常に難しい。


本当の意味で、相手とペーシングするというのは、眼球、呼吸、声の調子、筋
肉の動きなどにもペースを合わせるということ。


したがって、私はよほどの訓練と、数年間におよぶ実証経験がない限り、正し
くコーチングなどできないと捉えています。


コーチ仲間は多数います。


他の仕事をしながら体得できるような代物ではありません。


簡単に「コーチング」と言いますが、非常にレベルの高いスキルであり、実際
にプロのコーチは鍛錬を怠りません。


それほど高尚で、奥深い技術なのです。


最近よく、


「横山さんのコンサルティングって、コーチングみたいなものですか? 人の
行動を劇的に変えてしまうのですから、そうなのですよね?」


などと質問されることがあります。


しかし、違います。


私には技術的な知識はあっても、膨大な量の実証経験がないのです。


ですから私に「コーチング」はできません。


また、前述したとおり、コーチングする場合、必ず相手(クライアント)は
【1人】でなければなりません。


複数の人の眼球の動きや、呼吸の浅い深いを知ることはできません。


それに何より、


「コーチング」をしなくとも、人の行動は変えられるのです。


それはなぜか?


簡単です。


組織には【ルール】があるからです。


個人のアイデンティティ、価値観を超越した、ルールが組織にはあります。


私たちはそこに焦点を合わせているのです。


組織で決まったこと、自分でコミットしたことをやるのは「あたりまえ」であ
り、


それは習慣化(無意識的有能状態)すればいいだけの話です。


つまり、


「ロック」した行動はやる。やり切るのに、「コーチング」は要らない、とい
うことです。


このルールを厳格にするとき、「場」を作り上げることが極めて重要です。


いわゆる「儀式」の場、です。


個人ではなく、複数の人を集めて実践すると、「場」の力を借りることができ、


結果的にルールを厳格化できるような「儀式」を作り上げることができます。


来年の2月から、「アタックス・セールス・アソシエイツ公認 絶対達成マネ
ジャー特訓コース」が新設されます。


5ヶ月間の通常のセミナーに参加していただきながらも、他の受講者より1時
間はやくセミナーに来ていただき、


特別メニューをこなしてもらいます。


それが「儀式」なのです。


さらに【無料】で、セミナー間ではコンサルタントから「個別フォロー」を受
けられます。


私たちのコンサルティングは、年間「1000万」を超えるフィーをいただき
ます。


研修だと1日「75万円〜」、講演だと2時間で「60万円〜」です。


決して安価ではないのに、書籍の影響か、現在は信じられないほどの数の引き
合いをいただいております。


前述のコースを開設する理由は、新しいオファーをいただいても、来年早々の
スケジュールはすでに埋め尽くされていること、


そして、


数人のマネジャーを鍛えるには、1回だけのセミナーでは物足りず、繰り返し、
行動をロックし、部下にロックさせて、


体で「リーダーシップ」を覚えこませる必要がある。これらの状況を考慮して
開設することを決めました。


このコースは、「コンサルタントによる個別フォロー」と「DVD」が
【無料】でついてきます。


5ヶ月間で費用は「19万円」。


●「絶対達成マネジャー特訓コース(全5回) 【限定5名】
【東京】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01670.html


コンサルティングまでは必要ないが、鍛えたいマネジャー、管理者がいる、と
いう場合は、ぜひご利用ください。


しかし、


そこまではいい。


多くのマネジャーや、現場の営業に、「絶対達成」のポリシーやテクニックを
満遍なく身につけさせたい。


組織の共通言語として定着させたい。


というご要望の企業様も多いですから、そういうケースでは、2013年の年
間チケットが圧倒的にお得です。


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受講チケットはどのように使ってもよく、1人のマネジャーが何度も使っても、
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もちろん!


単発でのセミナーも受け付けております。


●2013年の各種セミナー一覧
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来年は、いちはやくセミナー情報を開示し、受講しやすい環境を整えようと考
えました。


2012年もあと少しで終わりです。


2013年からは「絶対達成」でいきましょう!


それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
いつもありがとうございます。



以上

2012年12月13日

「イネイブラー上司」をジワジワと変える方法【ウィンザー効果】

● 今回のテクニック:【ウィンザー効果(3)】

ウィンザー効果とは、第三者を介した情報、噂話のほうが、直接言われるより
も効果が大きくなるという心理効果。

ミステリー小説「伯爵夫人はスパイ」に登場してくるウィンザー伯爵夫人が
『第三者の誉め言葉が、どんな時にも一番効果があるのよ、忘れないでね』と
言ったのが由来とされている。

相手を承認したり、褒め称えたりするときに活用すると効果的である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「目標未達成の常態化は、本当にマズイ。未達成の状態を、ただ漫然と放置
しておくなんて、絶対によくない」


部下 :
「え、ええ……」


マネージャー :
「先日、イネイブリングという言葉を聞いた」


部下 :
「い、いねむり……?」


マネージャー :
「違う。イネイブリングだ。依存症の人に問題行動をやめさせず、結果的に、
その状態を続けさせてしまう行為だよ」


部下 :
「依存症って、薬物依存とか、アルコール依存症?」


マネージャー :
「そう。だからイネイブラーは、その家族に多いと言われてる」


部下 :
「うーん……。しかし、その家族の方々だって、いろいろ事情があるでしょ
う。依存症の人に強い態度で接するというのは難しいことですよ」


マネージャー :
「しかし、それが優しさか?」


部下 :
「ん……」


マネージャー :
「アルコール依存症の人に、『今日は会社で嫌なことがあったの? だった
ら飲んでもいいのよ』『お金がなくなっているけど私が稼ぐから心配しなく
て大丈夫。好きなだけ飲んで』と言う人がいるとしたら、君はどう思う?
それが優しさか?」


部下 :
「……んん」


マネージャー :
「もちろん、いろいろ事情があるだろうけど、まずは事情を考慮せず、何が
問題なのかをハッキリさせないと、前へは進めないんだ」


部下 :
「まァ、はい」


マネージャー :
「だから、話を戻すと、目標未達成の状態に依存している部下を、そのまま
放置したり、『しょうがないよな、こんな時代だから』とか『逆立ちしても
できない目標を設定する社長が悪いんだよ』なんて、かばう上司はイネイブ
ラーだってこと」


部下 :
「うーーん……。イネイブラー、ですか……」


マネージャー :
「だってそうだろ? そこに愛があるか? 相手は依存状態にあるんだよ。
何とかしてやろうという気持ちにならないか?」


部下 :
「愛……」


マネージャー :
「本人は気付いていないんだ。その状態を放置していてはダメだってこと。
気付いていても、依存していてあらがうことができないんだよ。にもかかわ
らず、助長するような言動はしていないか、ということだ」


部下 :
「だ、だからといって、荒療治をしてもよくないと思います」


マネージャー :
「誰が荒療治をしろと言った?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「依存症者に対して、荒療治をしろとは言ってない」


部下 :
「あ……。ハイ。確かに」


マネージャー :
「ところで君は、社内流行語を作るのが上手だね?」


部下 :
「え……。社内流行語?」


マネージャー :
「今年、社内で『断捨離』というワードを流行らせたじゃないか。みんな、
『資料を断捨離しよう』『会議を断捨離しよう』と使いはじめた」


部下 :
「ああ、確かに……。断捨離というフレーズ、気に入ってるものですから」


マネージャー :
「社長がすごく感心していたよ。彼にはそんな能力があったのか、なんて
ね」


部下 :
「え、社長が!」


マネージャー :
「そうそう」


部下 :
「へェ、社長が私のことを……」


マネージャー :
「だから、2013年は、他のフレーズを流行らせてほしい。君だからこそ
できると思う」


部下 :
「え? どんなワードを流行語にすればいいんですか?」


マネージャー :
「『予材管理』だよ」



……上司がイネイブラーになってしまったら、その組織は立ち行かなくなって
いきます。

この時代に、「傷の舐めあい」はやめましょう。「共依存」の関係を断ち切る
必要があります。

そのために、まずは社内の「共通言語」作りから着手してみてはいかがでしょ
うか?

来年も2月から「横山の1日セミナー」が各種テーマで開催されることになっ
ています。

そこで『絶対達成マネジャー特訓コース』を新設し、名古屋と東京で、人数限
定で募集します。

(大阪は、すでに3年連続で開催中)

セミナーとセミナーの間に行動をロックしてもらい、やり切ってから参加して
いただく形式です。

DVDと個別フォローが【無料】でついてきます。

http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01670.html


ひとりのマネジャーを鍛えるのではなく、多くのマネジャーや現場の営業に
「共通言語」を持ってほしい、というご要望には、

『絶対達成セミナー受講チケット10』もございます。

http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01672.html

こちらは価格がかなりお安くなるのと、CDが【無料】でついてきます。

どちらも【限定10社】。

1月末まで予約は受け付けますが、単発で受講される方の分も確保しなければ
ならないため、10社に達した時点で終了します。

申込みはお早めに!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

昨日、名古屋で「絶対達成スピード講座」が開催されました。

講師は部下の山北陽平 です。

「思考ノイズ」が入らないほど、圧倒的なスピードで行動してもらい、

なぜその行動が必要なのか?

その都度、脳科学的に解説します。

脳の感情系部位が優位になっている(面倒なことはやりたくない、というよう
な脳の原始的欲求にあらがえない状態のとき)

のを思考系優位に変換することを体で学習します。要は体に覚えこませるので
す。

オーバーな表現ですが、「音速」で動いていると、脳に思考ノイズは入らず、

そして、動いてからその意味を脳が感じ取ろうとしてくれます。

行動したあとは「一貫性の法則」が働き、自分がとった行動を正当化してくれ
るからです。

3時間、圧倒的なスピードで行動をしまくったあと、この研修は何だったの
か? どんな意味があったのか?

講師の都度、解説する内容を思い出して、

後で、腹の中に落ちていきます。

昨日、本講座が終了した直後に私はセミナー会場を訪れましたが、外がものす
ごく寒いというのに、

会場の中は、すさまじい熱気が立ち込めていました。

経営者も、若手営業パーソンたちも、汗だくで、まるで10キロマラソンを走
りきったランナーのように、高揚感に満ちた顔をしていました。

「やりきった感」があるのでしょう。

はじけるような笑顔でお互いの健闘を称えあう姿を見て、私の気分も高まりま
した。

分泌された大量のアドレナリンは、「研修報告書」で表現できないですよね。

参加しないと、決して理解できない講座のひとつです。

※こちらが、講座の風景を撮影した動画です。受講者からは撮影許可をいただ
いております。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=r34fofiYyjI


このような講座はスポーツジムと同じで、1回参加したからもういいというも
のではないですよね。

繰り返してこそ、体得します。

心が鍛えられていきます。

来年も定期的に開催しますので、チェックしてみてくださいね!

2012年12月11日

あなたは未達成依存症者か、それともイネイブラーか?

「イネイブリング」という言葉をご存知ですか?


アルコール依存、薬物依存、閉じこもり……など、


何らかの依存症を患っている方の問題行動を容認し、責任も取らせず、


結局は、その依存状態から抜け出せなくしてしまう行動を「イネイブリング」
と呼びます。


そしてイネイブリングをする人を「イネイブラー」と言います。


この言葉は、英単語「enable」から来ています。


イネイブラーは依存症者の家族に多く、ほとんどのケースで、本人は自覚して
いません。


イネイブラー自身が依存症者の問題行動を容認することで、さらに彼ら・彼女
らを依存させる環境を作ってしまっているにもかかわらず、です。


それどころか反対に、依存症者によってイネイブラーは「犠牲者」であるとい
う認識があるほどです。


依存症者の心のケアも重要ですが、その依存行動を助長させてしまっている周
囲の支援者(イネイブラー)に対するフォローも大切なのですね。


私のセミナーを受講されるマネジャーの方々も多くは、このイネイブラーにな
っていないか、とても心配です。


なぜなら、


「行動をロックしろ、とは言ってもできないときもあると思います」


「目標を絶対達成しろ、だなんて今の若い子に言ったら、それこそパワハラだ、
なんて言われてしまいますよ」


このように言うマネジャーの方が、最近、本当に多いのです。


部下が、自分で決めたことをやり切らない。


それどころか「やり切ります」とも「絶対達成させます」とも言わない。


にもかかわらず、


「仕方がないじゃないですか」


とか


「今はそういう時代じゃないんです」


と言ってマネジャー自身が部下をかばい、部下を「目標未達成」の状態に依存
させている張本人だというのに、です。


繰り返します。


組織にはルールがあります。


そのルールに従わない。


自分で「やる」と宣言したことを「やり切らない」部下たち。


その行為は異常であり、それを「時代」や「世代」のせいにして容認してしま
うマネジャーもまた、異常です。


このような「共依存」の関係は、いつか断たないといけません。


拙作「絶対達成シリーズ」が7万部を突破しました。


「絶対達成する部下の育て方」が約1年で【10刷】、【3.5万部】。


「絶対達成マインドのつくり方」が約1ヶ月で【4刷】、【3.5万部】とな
りました。


個人で購入する方も多いようですが、昨今は『組織買い』が目立っているよう
です。


目標達成を「あたりまえ化」にする。


そのためには、以前、私のDVDを買い、組織全員で観る、そして感想を書か
せる、という企業様が多かったのですが、


昨年に上記の書籍が出たことで、最近は組織全員で買って読む——この「組織
買い」がすごく増えているようです。


組織全員でのDVD鑑賞より、はるかにハードルが低いことですから。


「イネイブリング行為からの脱却」。


頭ではわかっていても、そう簡単にできるものではありません。


しかし、組織の中で「共通言語」を持つことで、徐々に目標に焦点が合ってい
きます。


・現状維持バイアス/焦点化の原則/空白の原則/予材管理/8割部下/イン
パクト×回数/理解=言葉×体験/KPI/ロックPDCA/ツイスター型
チーム/単純接触効果/あたりまえ化/倍速管理/逆算思考/葛藤のシーズン
/心のOS……。


「絶対達成」は、キツイ話ではありません。


目標未達成のリスクを回避する、「リスクマネジメント」の手法です。


実際に目標が達成するかどうかではなく、目標達成することを「あたりまえ」
にする。……そういう思考を手に入れる、ということです。


そのこと自体に、何も恐れる必要はありません。


何の覚悟も要りません。


何の勇気も、度胸も、大胆さも、肝っ玉も要らないのです。


「節目」を迎えると、誰もがストレス耐性を高めます。


2013年を迎えたら、イネイブリング行為はもうやめて、「絶対達成」ポリ
シーでいく準備をしましょう!


そのためにこの年末、「絶対達成シリーズ」を組織内で回し読みしていただけ
ませんか?


共通言語が定着すると、マネジャーひとりが苦しい思いをすることはなくなる
と思います。


■「絶対達成する部下の育て方」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478016828/attaxsales-22/ref=nosim

■「絶対達成マインドのつくり方」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447802149X/attaxsales-22/ref=nosim


さて2012年もあと少しで終わりです。


悔いが残らないように、「絶対達成」でいきましょうっ!


最近、体調が悪かった私も、「絶対達成シリーズ7万部突破!」の知らせを聞
き、俄然、元気になってきました。


それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
いつもありがとうございます。

2012年12月10日

「年収が下がる」と不安視する部下とのコミュニケーション【アクノリッジメント】

● 今回のテクニック:【アクノリッジメント(12)】

アクノリッジメント(アクノリッジ)とは、相手に関心を寄せて承認し、その
ことを肯定的な言葉で伝えることである。

どのようなときも感謝の気持ちを忘れず、相手の可能性だけを見つめることに
より、行動の変革を促すことができるようになる。

承認することを目的とするぐらいに、承認を意識することが重要である。

承認が目的になってしまうと心が伴わない、と思われる方も多いだろうが、そ
れを気にしていたら何もできない。

「気持ちはあとからついてくる」

と考えるようにして、まずは「相手を承認する」という体験を積むことにフォ
ーカスして取り組むぐらいがちょうどよい。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「すみません。このまま仕事ができないままだったら、僕はもう、この会社
にはいられないと思います」


マネージャー :
「どうしてそんなことを言うんだ、そんなことはない。君は必要な人材だよ。
この前だってコピー機の周りに散らかっていた資料を片づけてくれたよね。
本当に助かったよ」


部下 :
「コピー機の周りを片づけることなんて誰だってできます。このまま評価が
落ちていって、年収もドンドン落ちていくんだと思うと、夜も眠れません」


マネージャー :
「評価が落ちるなんて誰も言ってないよ。それに、誰でもできることを、き
ちんと実践できる人材が欲しかったんだ。大丈夫。この前だってロッカーの
ファイル整理をひとりでやっていただろう、ご苦労様だったね」


部下 :
「仕事がないからやってたんです。他にできることなんてありませんから」


マネージャー :
「あのロッカー、2年ぐらい整理されないまま放置されてたんだよ。君が整
理してくれたおかげで、お客様や各種プロジェクトのファイルがどこにある
のかすぐにわかるようになった。本当に助かったよ」


部下 :
「どこの会社に行っても、全然できないんです。年収は落ちるばかりで本当
に不安です。来月2人目の子供も産まれるし、このままだととても怖いで
す。」


マネージャー :
「そうか。年収について不安になっているっていうことは、とても家族思い
なんだね。今のまま当社に貢献してくれればちゃんと評価され、年収は徐々
にあがっていくよ。前の職場でもらっていた金額をすぐに追い抜くことがで
きるさ」


部下 :
「家族思いなんてとんでもないです。前職でクビになったとき、どんなに妻
に迷惑をかけたことか……」


マネージャー :
「奥様もいい人だね。いつも弁当を作ってくれているみたいだし、本当に羨
ましい。皆で噂してるんだよ。君はすごく家族思いの人なんだろうなって。
君の息子さんは何ていう名前なんだい」


部下 :
「大輝と言います」


マネージャー :
「大輝君か。大きく輝くって書くんだね。すごくいい名前じゃないか。君の
家族を、大きく輝かせてくれるお子さんになるだろうね」


部下 :
「部長、私は本当にダメな人間です」


マネージャー :
「自分のミスを、他人の責任にばかりしている人よりはいいさ。自発的に職
場をよくしようと努力してるんだから。朝早くから出勤してるので、そうい
うところに気がつくんだね」


部下 :
「早起きだけが取り柄なんです。妻に、とにかく誰よりも早く出勤しろと言
われてまして」


マネージャー :
「身重の奥様は、きっと朝ももっと長く君と一緒にいたいと思うだろう。に
もかかわらず、そうやって送り出してくれるなんて、素晴らしい奥様だね。
誰よりも朝早く出社しようと心掛ける人が、ダメ社員であるはずはないよ。
僕が断言する」


部下 :
「部長、私はダメな人間で……」


マネージャー :
「朝早く起きて、身の回りの片づけをする人は、脳の前頭葉が鍛えられてい
く。脳の原始的な欲求を制御できるようになり、思考力が高められると言わ
れているんだ」


部下 :
「え」


マネージャー :
「前の会社では残業ばかりだったんだろう?」


部下 :
「はい……。この会社に入って、残業をする仕事がないのが、不安で、不安
で」


マネージャー :
「私はイタズラに残業をする社員を認めないんだよ。野球でいえば、毎試合、
延長戦をやっているようなものだ。きちんと9回で終わらせてほしい。つま
り、定時で仕事を終えて帰って欲しいんだ」


部下 :
「そうなんですか?」


マネージャー :
「時間の制約がない人は、先ほど言った前頭葉の力が衰えていく。そうする
と、自分の感情を抑えられなくなって、面倒なことをできなくなっていく。
誰よりもはやく出勤し、朝から片づけをし続ける君は、間違いなく、以前よ
りも脳の基礎体力が上がっている」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君の奥様に感謝したほうがいい。朝の習慣は脳力を確実にアップさせてく
れる。他人が面倒だと思うことをいかにやるか。過去の実績なんて関係があ
るか? 君の将来は明るいよ。私は信じている」


部下 :
「部長……」


マネージャー :
「さあ、これから新しいプロジェクトが立ち上がる。君にサブリーダーをや
ってもらうよ。失敗しても大丈夫。リーダーは私だからね」



……著書「絶対達成マインドのつくり方」で、先送りの習慣を治療する仕事術
として「倍速管理」を紹介しています。

面倒なことを先送りしてしまう人は、脳の体力が衰え、ストレス耐性が落ちて
いる可能性があります。

脳の原始的な欲求に振り回されている、ということですから、高次な処理がで
きるはずありません。

1日の中で最もストレス耐性の高い時間帯、朝の時間を大切にしましょう。


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【編集後記】

週末、ついにダウン。

今日のメルマガ本文は、2009年9月7日に配信した内容に、手をくわえた
ものです。

今年の7月、72キロあった体重が、ついに63キロまで落ちてしまいました。

痩せたくもないのに、痩せていくのはちょっと不本意です。

早期に回復いたします。

2012年12月6日

新しい営業スタイル「2ミニッツ営業」とは?【クーリッジ効果】

● 今回のテクニック:【クーリッジ効果(2)】

クーリッジ効果とは、新しいメスの存在がオスの性衝動を活気付けることを言
う。

日本にも「女房と畳は新しい方がいい」という諺があるように、新しいモノの
ほうが、人を惹きつけやすいという心理効果。

これをコミュニケーションにどう生かすかを考察する。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「それにしても君は社内にいるね……」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「君は営業だろう? よくもまァ、そんなに長い時間、社内にいられるもん
だ」


部下 :
「そんな……。いろいろとやることがあるんです。準備もありますし」


マネージャー :
「君をサッカー選手でたとえると、前半の30分ぐらいまで、ずっとロッ
カールームでスパイクを磨いているような選手だな」


部下 :
「またまた、そんな……」


マネージャー :
「ところで、中山雅史選手って知っているか? サッカー選手の」


部下 :
「ああ。元日本代表ですよね? 45歳でまだ現役でしたよね?」


マネージャー :
「引退を表明された」


部下 :
「ええっ!? そうなんですか?」


マネージャー :
「そう。闘志を前面に出すプレースタイルがよかったな」


部下 :
「そうですね。カッコよかったです。引退か……」


マネージャー :
「それに比べて君は、観客が待っているのに、試合の途中までグラウンドに
出ていかないような選手だよ」


部下 :
「ちょっと待ってくださいよー。ゴン中山さんと比べないでください」


マネージャー :
「だいたい営業のくせに、どうして午前中、ずっと社内にいるんだ? だか
ら社内に寄生しているパラサイト営業だなんて言われるんだ」


部下 :
「パ、パラサイト営業……!」


マネージャー :
「だってそうだろう! ゴン中山のようにフィールドを走り回ってこいよ。
それが君の仕事だ」


部下 :
「うーーん」


マネージャー :
「『2ミニッツ営業』だ」


部下 :
「ツー、ミニッツ……?」


マネージャー :
「お客様のところの滞在時間は、長くても2分。それでいい。君は、お客様
のところへ行っても何をしたらいいかわからない。提案できるものがない。
だからパソコンばかり眺めてるんだ」


部下 :
「に、2分で何ができるんです?」


マネージャー :
「2分って、どれぐらいの長さか、知ってるか」


部下 :
「……い、いや」


マネージャー :
「2分間、ちょっと沈黙してみようか?」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……ちょ」


マネージャー :
「……」


部下 :
「ちょっと、耐えられません」


マネージャー :
「まだ20秒も経ってないぞ」


部下 :
「……う」


マネージャー :
「確かに、2分間でできることなんて、ほとんどない。しかし『顔』という
膨大な情報リソースを相手に提供できる。これがどれほど威力があるか、知
ってるか?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君はよく、会社でフェイスブックをやってるな?」


部下 :
「あ、はい……」


マネージャー :
「君のフェイスブックのアイコンを自分の顔じゃなく、『空』とか『おにぎ
り』とか『ペットボトル』とかに変えてみたまえ。君の友達の反応がどうな
るか、想像できるだろう?」


部下 :
「確かに……。親近感は、なくなりますね」


マネージャー :
「どうだ。2ミニッツ営業、やってみないか?」


部下 :
「『2ミニッツ営業』って聞くと、なんか新しくていい感じですよね」


マネージャー :
「そうそう。大量行動って表現すると、これまでと同じやり方でお客様のと
ころへ訪問しようと考える。それだと現状維持バイアスははずせない」


部下 :
「わかりました。私は新しいもの好きですから、ソレやります」


マネージャー :
「2分間でいいんだから、移動距離を徹底的に考えて訪問計画をつくってく
れ」


部下 :
「はい」



……『2ミニッツ営業』をする場合、移動距離との闘いになります。

本日の日経ビジネスオンラインコラム「超・行動」では、

「絶対達成する部下の育て方」

では編集時カットされた

「OATHの法則」が解説されています。

なぜ提案営業ばかり心掛けていても、ほとんど絵に描いた餅になるのか?

それを論理的に解説しています。

そして、ゼンリン様、東芝ソリューション様と開発中の「絶対達成ナビ・コン
セプト」の新しい画像も掲載されています。

今日のコラムは「永久保存版」です!


●営業の新常識「超・行動」
「お客様との接触は「2分間」がちょうどいい」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121204/240519/


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【編集後記】

昨日は、日中7時間、「営業会議の進め方」セミナー、夜は丸の内丸善での講
演でした。

今日は東京ビッグサイトで「クラウドフォース」。

2回講演があります。150〜200名の定員でどちらも満員。

明日はアンガーマネジメント講座。

後ろを振り返る暇もないほど、今週は爆走中!

2012年11月29日

必要以上に恐れる「リスク過敏バイアス」とは?【ロー・ボール・テクニック】

● 今回のテクニック:【ロー・ボール・テクニック(10)】

ロー・ボール・テクニックとは、まずは相手が受け取りやすいボールを投げて
から、徐々にオプションを増やしていく方法である。

説得される側は、気がついたときには最初の条件よりも吊りあがっているため、
騙されたと感じるかもしれず、リスクは高い。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックよりも強力な説得技術と言われているが、
多用は禁物である。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「主任から聞いたけど、君は10月からスタートした下半期の方針に不満が
あるそうだね?」


部下 :
「不満……というわけではありませんが、何せ、目標は『絶対達成』しろと
言われても、難しいと思うんで」


マネージャー :
「難しい?」


部下 :
「はい。特に私が取引しているお客様は、超円高の状況で、設備投資を手控
えています。こんな状態では、昨年実績より結果を上乗せすることなど到底
無理だと思います」


マネージャー :
「超円高になったことと、君の目標が達成しないことと因果関係があるの
か」


部下 :
「もちろん、あります。私の取引先のほとんどが輸出産業です。特に中国と
の取引が多く、最近はかなり苦しいと聞いています」


マネージャー :
「超円高になる前と、そうなった後と、どれぐらい状況が悪化したのか、
パーセントで表現してみて」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「だから、何%、事態が悪化したんだ? だいたいでいいから言ってみて」


部下 :
「それは、わからないですけど……」


マネージャー :
「んん?」


部下 :
「それはわからないですけど、とにかく、苦しい状況なんです」


マネージャー :
「『とにかく苦しい状況なんです』と言われて、俺が『ああ、そうですか』
と答えると思ったのか? 君の取引先は何社ある?」


部下 :
「34社です」


マネージャー :
「そのうち、輸出産業の取引先は何社ある?」


部下 :
「K商事とか、Tコーポーレーションとかです」


マネージャー :
「君はコミュニケーションスピードが遅い。俺に何度も質問をさせるな。数
字で答えたまえ。輸出産業は何社あるんだ?」


部下 :
「……えっと、7社です。いや、8社、でしょうか……」


マネージャー :
「そのうち、中国を相手に取引しているのは?」


部下 :
「うーーーん。だいたいすべて、だと思います」


マネージャー :
「R工業さんと、Eカンパニーさんは違う。G社さんも最近はインドネシア
やタイとの取引がほとんどだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「超円高や日中関係の悪化が影響を受けるのはわかってる。しかし、その
『度合い』が重要だ。何パーセント、悪化するんだ?」


部下 :
「そ、それはわかりませんけど……。で、でもですね。だからといって、お
客様のところへ、とにかく訪問を続けろというのは乱暴です。事故に遭った
らどうするんですか?」


マネージャー :
「事故……」


部下 :
「言いたくはなかったんですが、私の同期のH君が、先日、お客様のところ
へ行く途中で事故を起こしそうになったと聞きました」


マネージャー :
「初耳だ」


部下 :
「H君は、これまで月に40件、訪問していたのを10月から200件に増
やしています。そのせいで、ものすごく時間に追われるようになったと聞い
ています」


マネージャー :
「なるほど」


部下 :
「営業中に事故を起こしたら大変なことになります。やはり無茶な訪問はや
めたほうがいいんじゃないでしょうか?」


マネージャー :
「無茶?」


部下 :
「だって、これまで40件だった件数を200に増やしてるんですよ」


マネージャー :
「だから、無茶なのか? 君は先日、アメリカに出張したけど、それを無茶
だと思ったか? 定期的に出張している大阪よりも遥かに遠いだろう」


部下 :
「いや、だって……。アメリカに出張したのは仕事ですから」


マネージャー :
「200件まわるのも仕事だろ。それにH君の労働時間はまったく増えてい
ない。無駄な仕事をなくして可能にしている」


部下 :
「だからこそ、忙しくなって事故のリスクが高まるんです」


マネージャー :
「その事故リスクは、40件まわっていたときと、200件まわっている現
時点と、何%高まってるんだ? 絶対値で答えられるか」


部下 :
「う……」


マネージャー :
「40件まわっていたときの事故リスクが0.01%として、200件にし
たら、30%とかに跳ね上がるのか?」


部下 :
「いや、そんなことはないでしょうが」


マネージャー :
「じゃあ、どれぐらいだ? 目安でいいから言ってくれ。それがないなら、
君の提案に、君の思慮が入っていないことになる。単純に感情的になってる
だけだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君の言い方だと、やりたくないからやりたくないとしか聞こえない。そん
なことで、俺を説得できると思ってるのか」


部下 :
「……すみません」


マネージャー :
「マスコミで過大に取り上げられているリスク、すぐ身近で起こったリスク、
馴染みのない新しいリスク……。人間はこういったリスクに過敏に反応す
る」


部下 :
「確かに……」


マネージャー :
「冬が近づいてきたからインフルエンザの予防はしたほうがいい。君の場合、
小学校と幼稚園に通っているお子さんがいるのだから、インフルエンザにか
かる確率は意外と高い」


部下 :
「あ、はい」


マネージャー :
「しかし、テレビで最近不審火による火事が増えているというニュースを聞
いたらどうだ? もちろん火事には気をつけなくてはならないけど、だから
といってオロオロするのか」


部下 :
「うーん……」


マネージャー :
「条件反射で物事を判断するな。とにかく10月に立てた方針は守ってもら
う。組織としての統率がとれない」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「君の訪問件数は現在100件。君の言うとおり、輸出産業の会社への訪問
は増やさなくてもいいが、このままでは結果が出ない。せめて130件まで
はアップしてほしい」


部下 :
「あ、はい。わかりました。130件なら何とかやれそうです。というか、
やります。1日7件ぐらいなら、行けます」


マネージャー :
「うん。それで、大阪のお客様は全部、Jさんに任せることになった。だか
ら月に3回の出張はなくなることになる」


部下 :
「あ! そうなんですか。わかりました」


マネージャー :
「だから、まるまる3日は東京にいられるだろう? その分、訪問件数は2
1件増えるな。だから130に足して150件ぐらいだ」


部下 :
「150件……。あ、はい」


マネージャー :
「頼むよ。それぐらいならできるだろう?」


部下 :
「はい。目標達成に向けて、がんばります。それじゃあ、こうしてはいられ
ないので、さっそく出かける準備をしてきます」


マネージャー :
「おう、頼む。……あ! そうそう! 忘れてた」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「150件というのは、もちろんお客様への訪問件数だ。君の得意先は大き
な会社が多いから、必ず訪問したら2つの部署には顔を出してくるように。
いいね」


部下 :
「は? あ……。はい……」


マネージャー :
「よろしく!」


……「リスク過敏バイアス」というのは、私が作った造語です。

メディアの世界では、必要以上にリスクを誇大表現することがあり、以前から
問題視されてきました。

日常生活においてはともかく、

何かを成功させたいとき、目標を達成させたいときに、あまりにリスクを過敏
にとら過ぎると、

正しい判断ができなくなるなります。気をつけたいですね。

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【編集後記】

私は1994年に青年海外協力隊に入隊し、中央アメリカのグアテマラという
国に3年間赴任していました。

当時、

カンボジアに駐在していた国連ボランティアの日本人がゲリラに襲撃されて死
亡したことで、日本中でカンボジアのPKO派遣について論議されている最中
であり、

私の周辺は、このカンボジア事件と青年海外協力隊を無理やりつなげて大騒ぎ
でした。

「お前、戦地へいくのか?」

「絶対にやめたほうがいい! 友達が銃弾に倒れたというニュースは見たくな
い!」

などと、それはそれは過敏に反応する人が多かったのを思い出します。

当然、両親は猛反対。

当時私はCSK(現SCSK)の社員として「デンソー」様に出向しており、
バブルがはじけた後でしたが、仕事も豊富にあり、

会社を辞めて、なぜそんな「ワケのわからない、危ないところ」へ行くのか?

と泣かれました。

しかし、青年海外協力隊のOB・OGに話を聞くと、

「治安が不安定な任国はない。外務省が渡航を許さないから」

「協力隊の任地よりも、イタリアやスペインのほうがよほど治安が悪い」

などと言われ、安心して私は旅立ちました。

私がグアテマラに滞在している間に、日本では「地下鉄サリン事件」や「阪神
大震災」という、世界中に配信されるような未曾有の事件があり、

グアテマラ人からも「日本は本当に危ない国なんだな。ノブはもう日本に帰ら
ないほうがいいんじゃないか」とアドバイスされるほどで、何となく複雑な気
分を抱いたものです。

(とはいえ、私は赴任中、ピストル強盗に遭ったり、バスが崖から落ちるとい
う大惨事に巻き込まれたりしましたが、かといって、これは世界中の協力隊員
の中でも極めてレアなケースで、普通は事件にも事故にも巻き込まれずに帰国
する人がほとんどです)

この「リスク過敏バイアス」は、投機目的で株をする人も参考にしたほうがい
いでしょうね。

市場は「人間の心理」で動きますから。

もちろん、「選挙」も、です。

2012年11月25日

パワーの出る「暗示効果」とは?【プラシーボ効果】

● 今回のテクニック:【プラシーボ効果(11)】

プラシーボ効果(プラセボ効果・偽薬効果)とは、実際には効き目のない偽薬
を処方しても、薬だと信じて相手が服用することで、何らかの治療効果がみら
れることを言う。

暗示効果のひとつである。

もちろんのことだが乱用はご法度だ。

行動を変革させるためとはいえ、相手を騙すことにかわりはない。営業マネー
ジャが「狼少年」にならないよう気をつける必要がある。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「この石、見てくれ」


部下 :
「お。それはどういう石ですか。ヒスイですか」


マネージャー :
「よくわかるな」


部下 :
「深い緑色をしていますから……。かなりグレードの高いヒスイですね」


マネージャー :
「どうして、そんなことまでわかる?」


部下 :
「いや、何となくです。うちの実家が三重の鳥羽にあるので、真珠について
はある程度、詳しいんです」


マネージャー :
「真珠? そうなのか」


部下 :
「はい。そのときから宝石のことは全般的に興味があってですね……。一通
りは知識があります」


マネージャー :
「女性にウンチクを語って、モテようとしたことあるだろ?」


部下 :
「うーん……。ウンチクよりも、宝石を買う経済性のほうが重要かと」


マネージャー :
「そりゃ、そうだな」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「ところで、この石、お前にやる」


部下 :
「ええっ!? どうしたんですか」


マネージャー :
「その石は、俺が以前の会社を辞めて、3ヶ月間、中南米を放浪していたと
きに、現地の人からもらったものだ」


部下 :
「へェ。確かに、中南米はヒスイの産地ですものね」


マネージャー :
「さすがに、よく知ってるな。そう。それからだ。その石をもらってから、
俺はツキまくってる」


部下 :
「……冗談でしょう?」


マネージャー :
「本当だ。日本に帰ってからこの会社に転職できたのも、社長をはじめ先輩
たちに可愛がってもらえたのも、多くのお客様に支えられたのも、この石の
おかげだ」


部下 :
「うーーーん」


マネージャー :
「来年から、いよいよお前が課長だ。お前にその石をやる」


部下 :
「それはありがたいですけど……。でも、部長がここまでこれたのは、別に、
このヒスイのせいでは、ないんじゃないでしょうか」


マネージャー :
「ん?」


部下 :
「社歴25年の庶務、Sさんが言ってましたけど、部長が会社に中途で入っ
たとき、周囲からほとんど相手にされず、かなり苦労されたと聞きました」


マネージャー :
「……」


部下 :
「もう今は会社にいないようですが、当時の古参社員が、けっこう陰湿なイ
ジメをしていたとも」


マネージャー :
「陰湿なイジメか……。まァ、なかったとは言えないな。家に早く帰ろうと
すると怒られたから。毎日、夜中の12時前に帰宅するのは許されなかっ
た」


部下 :
「ひでェ……」


マネージャー :
「いろいろあったけど、乗り越えられたのは、この石のおかげだよ。本当に
感謝している」


部下 :
「本当にこのヒスイのおかげなんですか?」


マネージャー :
「イヤ、違う」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「それ、ヒスイじゃない」


部下 :
「えっ!」


マネージャー :
「お前がヒスイだ、と言ってるだけで、俺は一度もヒスイだとは言ってない。
それはただの石だ」


部下 :
「え……! ただの石なんですか?」


マネージャー :
「そうだ。俺もヒスイだと思って買ったんだが、どうも騙されたらしい。最
近、ある人に鑑定してもらったら、ただの石だということがわかった」


部下 :
「部長、失礼ですけど、なんかバカ正直ですね……」


マネージャー :
「バカ正直だから、騙されるんだ」


部下 :
「まァ。確かに」


マネージャー :
「俺、今まで、いろいろな人にいろいろなことをアドバイスされて、ほとん
どその通りにやってきた。頭が悪くてバカ正直だろ? だから疑うことをし
なかった」


部下 :
「……」


マネージャー :
「本を読んだら、バカ正直に本に書いてあるようにした。研修を受けたら、
講師の言うとおりにした。もちろん先輩にアドバイスを受けたらそのとおり
にした」


部下 :
「……」


マネージャー :
「失敗もたくさんしたし、非効率的なことも多かったけど、10年以上、そ
ういうことをしていたら、いつの間にかうまくいっていた」


部下 :
「じゃあ、この石は……」


マネージャー :
「『バカ正直になる石』、と言えるかもしれん」


部下 :
「すごい、石ですね」


マネージャー :
「短期的に見ると『正直者はバカを見る』かもしれないが、長期的に見ると、
素直に人の言うことを聞いたほうがうまくいくと俺は思ってる」


部下 :
「だから、バカ正直、ですか」


マネージャー :
「バカ正直になるためには、けっこうパワーがいるもんだ」


部下 :
「自分の過去を、その都度、断ち切っていかないといけないですもんね」


マネージャー :
「そのとおり」


部下 :
「バカ正直になる石、か……。ありがとうございます。もらいます、この石。
今まで意固地になりすぎるところがありましたから」


……誰かの助言や、世の中に溢れるノウハウなどに対して、

素直に受け入れられず、条件反射で否定してしまう人がいます。

自分の都合のいいものだけを選択して認知し、都合の悪い事柄は反射的に「ろ
過」してしまうと、人は成長していかないですよね。

人を否定してばかりの人もいますが、人は総じて「バカ正直」でいいと私は考
えています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

11月24、25日の2日間、紅葉を見に、家族で京都旅行へ行きました。

さすがに3連休でしたので、どこへ行っても観光客でものすごい人で、京都の
街中が「お祭り騒ぎ」という感じでした。

「詩仙堂」や「実相院」といった名所もまわったのですが、私が印象に残って
いるのは、

「晴明神社」です。

まったく行く予定がなかったのですが、京都御所を訪れたあと、晴明神社が比
較的近くにあると聞いて、私が「どうしても行ってみたい」と言い出したから
妻が承諾してくれました。

晴明神社とは、夢枕獏の小説で、映画化もされた「陰陽師」という作品で一躍
有名になった「安部晴明」が祀られている神社です。

2009年の1月……友人と一緒に京都を訪れた際、何となく立ち寄った場所
です。

私は「陰陽師」の小説を読んでもいないし、映画を観てもいないので、あまり
関心がなかったのですが、

星の形をした「晴明紋」に何となく魅せられて、

500円を出してお守りを買いました。

「絶対達成マインドのつくり方」を読まれた人はご存知かと思いますが、

4年近く前といえば、ようやく年間30回程度のセミナーが実施できるように
なってきた時期です。

プロ野球選手でたとえると、1軍に上がり、5、6試合は登板できるようにな
ってきたレベル。

セミナー講師として立つときは、慣れないせいで、まだまだ緊張した頃です。

私は財布に、この「晴明神社」で買ったお守りを入れていたので、緊張してい
るときは、たまにこのお守りを眺めて、

「大丈夫、大丈夫、俺は陰陽師のパワーをもらってるんだ」

と自分に言い聞かせていました。

(陰陽師が、どのような人物なのかも知らないくせに、です)

そのおかげなのか、どうなのかわかりませんが、今では人前で話すとき、緊張
することはほとんどありません。

陰陽師のパワーのおかげしょうか。

それから財布を2回、変えているのですが、そのたびにこのお守りを処分しよ
うと思ったのですが、なぜか捨てられず、

どこへ行くにしても常に持ち歩いてきました。

今回、たまたま「晴明神社」の近くに来たので、これまで4年近く持ち歩いて
いたお守りを返し、

また同じお守りを500円で買って、財布の中に入れました。

験を担ぐ(げんをかつぐ)、ということは、ほとんどしない性格なのですが、

何だか、とてもスッキリしました。

2012年11月22日

ハードルが高ければ高いほど、熱くなることがある。【ロミオとジュリエット効果】

● 今回のテクニック:【ロミオとジュリエット効果(3)】

ロミオとジュリエット効果とは、ある目的を達成するまでのプロセスにおいて、
障害や阻害要因が多いほうが、

達成意欲が高まるという心理効果。

無論、シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」から由来。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「ちょっと時間あるか? 話を聞いてくれ」


部下 :
「はい。どうしたんですか、課長」


マネージャー :
「雑談なんだけど」


部下 :
「かまいません。課長が雑談してくれるなんて、なかなかないですから」


マネージャー :
「この前、Y商事へ行ったんだ」


部下 :
「ああ、Y商事ですか。最近、通ってらっしゃるんですね」


マネージャー :
「おう。重要な案件があるから。1年以上は通うつもりだ」


部下 :
「すごく困難な案件だと聞いています。Y商事で何かあったんですか」


マネージャー :
「あそこの打合せ、けっこう長い。2時間も3時間も続くときがある。それ
で、たまにトイレへ行ったりするだろ」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「そうしたら、トイレを清掃している女性に出くわす」


部下 :
「ああ、はい」


マネージャー :
「それで、この前、衝撃的なことがあった」


部下 :
「……どうしたんですか?」


マネージャー :
「Y商事の男子トイレを清掃していた女性が、俺の知ってる人だった」


部下 :
「え……!」


マネージャー :
「しかも、俺が20歳のとき、真剣に結婚を考えた相手だ」


部下 :
「……マジ、ですか……」


マネージャー :
「そう。目を疑った。他人の空似かな、と思ったんだけど、今日の朝も会っ
て、確認した。間違いない」


部下 :
「そ、その方も課長のこと、気付いたんですか?」


マネージャー :
「いや」


部下 :
「……」


マネージャー :
「まいった」


部下 :
「……」


マネージャー :
「もう20年近く前の話だ。両家の顔合わせもしていたし、婚約寸前だった。
ところが……。彼女の妊娠が発覚した」


部下 :
「妊娠て」


マネージャー :
「他に彼氏がいたらしい」


部下 :
「そ……!」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……そんな」


マネージャー :
「それが発覚してから、何度連絡をとろうとしても、彼女は会ってくれなか
った。当時は携帯電話もメールもなかった時代。どうにもならんかった」


部下 :
「それから20年……」


マネージャー :
「そう」


部下 :
「……」


マネージャー :
「ずっと気になっていたことがある。2つだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「本当に、本当に妊娠していたのだろうか、ということと。もし妊娠してい
たのなら。本当にそれは、そのときの別の彼氏の子供だったのだろうか、と
いうことだ」


部下 :
「……!」


マネージャー :
「20年間、ずっと心のどこかで考えていて……。だから、引き寄せられた
んだろうか」


部下 :
「……」


マネージャー :
「両膝をついて、小便器を雑巾で拭いている彼女の横顔を見ていたら、胸に
ものすごく熱いものがこみ上げてきた」


部下 :
「ど、どうされるんですか」


マネージャー :
「どうしたらいい?」


部下 :
「その方に声をかけるんですか? そして真実を聞こうとするんですか?」


マネージャー :
「ん……」


部下 :
「事情はよくわかりませんが、私は反対です。その方は、課長に声をかけら
れて嬉しいと思わないでしょうから」


マネージャー :
「そうだな……」


部下 :
「そうですよ! 仕事だってやりづらくなるんじゃないですか? 課長が他
のトイレを使えばいいことです」


マネージャー :
「しかし……。そんな単純なものじゃないんだ」


部下 :
「だから……。だから、課長は結婚されないんですか?」


マネージャー :
「……」


部下 :
「そうなんですね?」


マネージャー :
「とにかく、Y商事の案件はとる」


部下 :
「え」


マネージャー :
「何としても、Y商事の案件はとる。抑えることのできない感情を、そこに
ぶつけるしかない」


部下 :
「とても困難な案件だと聞きましたが……」


マネージャー :
「だから、よけいに燃える」


部下 :
「……」


マネージャー :
「絶対にとる」


部下 :
「なんか、私も、燃えてきました。私は課長のために何もできないですけど、
私も困難な案件に立ち向かってみます」


マネージャー :
「お前は関係ない」


部下 :
「いえ……。なんか、わかるんです。いや、わかるって言っても、本当はわ
かるわけじゃないんですけど、課長の気持ちを考えたら、私だって……」


マネージャー :
「じゃあ、D建設の案件をとってくれ」


部下 :
「は、はい。やります」


マネージャー :
「死ぬ気で行きゃあ、何とかなるだろ」



……ハードルが高ければ高いほど、燃える。

そのハードルを乗り越えようという気持ち、意欲がアップするということはあ
ります。

ただ、そのための土台・マインドが醸成されていないと、「そこまでやらなく
てもいいのでは」という発想に、どうしてもなってしまいます。

心のOS(オペレーティングシステム)を鍛えましょう。


■「絶対達成マインドのつくり方」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447802149X/attaxsales-22/ref=nosim

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【編集後記】

新刊「絶対達成マインドのつくり方」に、【スケールテクニック】というのが
紹介されています。

作業時間を見積もる考え方ですね。

数値化することで、いろいろなことが見えてきます。

たとえば、

朝、私はできる限り毎日、筋トレをしようと思うのですが、時間がないときは
できません。

しかし、本当に「時間がない」のかどうか、疑わしいものです。

そこで「スケールテクニック」を使ってみます。

いつも私が実践する筋トレメニューはだいたい同じ。

・腹筋(110回)/背筋(70回)/腕立て伏せ(60回)

です。

これを、どれぐらいの時間でできるのか、普通のペースでやってみました。

キッチンタイマーで計測してみると、【4分34秒】という結果。

このことを、フェイスブックで繋がっている筋トレ仲間に質問してみると、

ほとんどの方が、3〜5分以内に終わらせています。

腕立て・腹筋・スクワット……それぞれ50回ずつ、とか。

やり方は個人差があるのですが、

トーストを焼いている間に腹筋80回を終わらせる、とか。

だいたい同じでしたね。それほど時間をかけていません。

朝、ランニングするには、けっこう時間がかかります。

実際に走る時間プラス、着替えやGPS機能搭載の腕時計のセッティングなど。

しかし、前述したとおり、筋トレはあまり時間がかからないのですよね。

もし時間がないかもと思ったら、5分とか10分とか、早く起きるだけで、そ
の時間は創出できます。

スケールテクニックって、意外といろいろなところで使えますので、

皆さんも、面倒だなー。やりたくないなー。と思うことがあれば、使ってみて
ください。

意外と、「時間をはかったら5分で終わるのか。だったらやってしまおう」と
思えたりしますので。

2012年11月18日

「力でねじ伏せる」を合言葉に【ミステイク・オン・パーパス】

● 今回のテクニック:【ミステイク・オン・パーパス(5)】

ミステイク・オン・パーパスとは、わざと事実と異なることを言って相手に修
正させ、リーディングする技術。

相手に確認したくても確認しづらい場合などに使うと効果的である。

たとえば、相手に依頼したことでまだ着手さえもされていないとわかっている
場合に、「どうもありがとう、けっこうはやく終わったみたいだね」とわざと
言ってみる。

すると相手は「あ、まだやっていませんが」と素直に答えるだろう。「依頼し
たことをやったのか、どうなのか」と質問するよりも「カド」は立たない。

押しの弱いマネージャにお勧めしたいテクニック。


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● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「店長、S店の副店長がどのような行動が売上アップにつながるのか、スタ
ッフの行動分析するそうですよ」


マネージャー :
「ほォ。スタッフの行動分析するというんだね?」


部下 :
「はい。そして売上につながる行動が見つかったら、それぞれのスタッフに
その行動指標を定め、ロックさせるそうです」


マネージャー :
「ロック?」


部下 :
「定めた行動を絶対にやり切ってもらう、ということのようです」


マネージャー :
「なるほど」


部下 :
「スゴイですね。どうして、そこまでやるんでしょう」


マネージャー :
「そこまで?」


部下 :
「ええ……」


マネージャー :
「そこまで?」


部下 :
「……いや」


マネージャー :
「そこまで、やらないの?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「売上をアップさせるために、スタッフ全員、重要な行動指標を決めて、や
り切るってことでしょ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「見習うべき取り組みだと思うけど」


部下 :
「ま、そうですね……」


マネージャー :
「売上アップのために、組織で何かルールを決めようとしたり、決めたこと
を守ろうとすることは、普通のことだよ」


部下 :
「まァ、そうですけど」


マネージャー :
「労働時間を増やすわけでもないんだから、ちょっと面倒なだけだよね?」


部下 :
「ええ……」


マネージャー :
「面倒なことはやらない、というなら社会人として失格だ」


部下 :
「店長は、面倒だと思うことはないんですか? そこまでやらなくても結果
は出るんじゃないかとか迷うこともあるでしょう?」


マネージャー :
「そりゃあ、あるよ」


部下 :
「そういう場合は、どう対処しているんですか?」


マネージャー :
「そんなときは、力でねじ伏せる」


部下 :
「力でねじ伏せるっ?」


マネージャー :
「面倒だな、厄介だな、わずらわしいな、という感情が沸きあがってきたら、
その感情そのものを力でねじ伏せるよ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「他人を思い通りにしようと、力でねじ伏せるのはカッコ悪いけど、自分自
身が抱くマイナスの感情を、自分の力でねじ伏せることができたら、カッコ
いいかなと思って」


部下 :
「……はい」


マネージャー :
「昔、ボクシング部だっただろ? だから、得意の右ストレートでマイナス
感情をノックアウトする」


部下 :
「カッコいいですね」


マネージャー :
「そォ?」


部下 :
「いや、マジでカッコいいですよ……。今、鳥肌が立ちました」


マネージャー :
「そうかな」


部下 :
「自分のマイナス感情を、力でねじ伏せる、ですか。すげーな」


マネージャー :
「あ! そういえば、この前頼んだポスティング用のチラシ、原案をエリア
マネジャーに渡してくれたんだろう? ありがとう」


部下 :
「えっ!」


マネージャー :
「どうした?」


部下 :
「いや、まだ……すみません。まだやってません」


マネージャー :
「え」


部下 :
「すみません。渡してないどころか、まだ原案を作っていません……」


マネージャー :
「え、そうなの?」


部下 :
「はい。すみません」


マネージャー :
「……そうか。てっきり、もうマネジャーに渡してくれたと思い込んでた
よ」


部下 :
「も、申し訳ありません」


マネージャー :
「別にいいけど……」


部下 :
「すぐにやります。今すぐ、やります。申し訳ありません」


マネージャー :
「うん」


部下 :
「マイナス感情を力でねじ伏せて、やります」



……世の中のほとんどの「言い訳」の源泉は、

まず間違いなく、「面倒くささ」からきています。

今回は、マイナス感情を力でねじ伏せる研修を紹介いたします。

(講義風景を撮影した動画は必見! ボリュームは小さめでお願いします)


◆ 若手営業パーソン向け 営業力アップ研修
「絶対達成スピード講座」
【東京 12/14】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01596.html
【名古屋 12/12】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01597.html

◆ 絶対達成スピード講座の動画
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=r34fofiYyjI

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【編集後記】

先週、子供に移されたのか? 風邪をひいてしまい、ずっと体調不良のままで
した。

日曜日、20年以上つづけている知的障がい者のボランティア活動で、動物園
へ引率で行ったのですが、

朝から頭が朦朧としていたので、

出かける前は、さすがに、大量の「マイナス感情」が頭の中を飛び交いました。

「面倒くさい……」

「明日から講演で福岡だしな……」

「明後日は静岡だし……」

「その次は東京だし……」

「今日、体調が悪化したらどうしよう……」

「俺ひとりボランティアいなくても、大丈夫じゃないだろうか……」

「あああ、いやだいやだ……」

と、2秒ぐらいですね。

これは冗談ではなく、2秒ぐらいウダウダ考えたあと、すぐに

そんな感情は力でねじ伏せました。

「面倒くさい」と考えることそのものが面倒くさいわっ!

と自分に喝を入れ、出かけました。

日曜日、天気は良かったのですが、風が強く、4時間以上も動物園に滞在して
いたのはキツかったです。

しかし、気合いで乗り切りました。

小学生のころから剣道を習っていましたので、「気合い」とか「根性」という
言葉は好きですね。

「力でねじ伏せる」というフレーズも気に入っています。

経営コンサルタントにあるまじき言葉遣いですが……。

2012年11月15日

「クールヘッド&ウォームハート」で行け!【アクノリッジメント】

● 今回のテクニック:【アクノリッジメント(11)】

アクノリッジメント(アクノリッジ)とは、相手に関心を寄せて承認し、その
ことを肯定的な言葉で伝えることである。

どのようなときも感謝の気持ちを忘れず、相手の可能性だけを見つめることに
より、行動の変革を促すことができるようになる。

承認することを目的とするぐらいに、承認を意識することが重要である。

承認が目的になってしまうと心が伴わない、と思われる方も多いだろうが、そ
れを気にしていたら何もできない。

「気持ちはあとからついてくる」

と考えるようにして、まずは「相手を承認する」という体験を積むことにフォ
ーカスして取り組むぐらいがちょうどよい。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「相変わらず早いなァ」


部下 :
「あ! おはようございます、本部長」


マネージャー :
「まだ7時半だ。いつもこんな時間に出勤してるの? 始業時間は9時だよ。
君はすごいなァ」


部下 :
「いつもは7時過ぎです。今日は子供がぐずってたんで、少し遅くなりまし
た」


マネージャー :
「早朝から託児所なんてやってるのか?」


部下 :
「今は、24時間保育園というのもあるんですよ。本部長」


マネージャー :
「へェ。便利になったもんだな」


部下 :
「すごく助かっています」


マネージャー :
「お子さんはいくつだっけ?」


部下 :
「2歳です」


マネージャー :
「2歳か……」


部下 :
「今日も夜の6時には帰らせてもらえませんか」


マネージャー :
「おお。もちろん」


部下 :
「すみません、私ばっかり残業が少なくて」


マネージャー :
「残業が少な……」


部下 :
「みんな遅くまで仕事してるのに、私ばっかりいつも早く帰って申し訳ない
と思ってます」


マネージャー :
「……じょ」


部下 :
「え」


マネージャー :
「じょ、冗談じゃないっ!」


部下 :
「ど、どうしたんですか」


マネージャー :
「わ、悪い……」


部下 :
「本部長」


マネージャー :
「悪い。つい、感情的になってしまった」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「君の……。君の、残業が少ないから、陰でいろいろと言ってる奴らがいる
んだろう」


部下 :
「……」


マネージャー :
「ざけやがって」


部下 :
「いや、あの」


マネージャー :
「残業は延長戦だ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「野球で言うと延長戦なんだよ。9回で試合が終わらなかったら延長するの
は仕方がない。しかし、本来なら試合は9回で終わらせなくちゃいけないん
だ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「毎日毎日、延長戦をやってる連中が文句を言えるのか!」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君はほとんど毎日9回で試合を終わらせている。そのようにちゃんと朝か
らダンドリしているからだ。だらだらと毎日延長戦やってる奴らに、君が陰
でいろいろと言われてると聞くと、ハラワタ煮えくり返ってくる」


部下 :
「ちょ……」


マネージャー :
「冗談じゃない! 朝から、本当に頭にくる! 2歳のお子さんを抱えなが
ら仕事をしているんだから、君が残業できなくて当たり前だ」


部下 :
「ありがとうございます」


マネージャー :
「しかも営業17人のうち、圧倒的な結果を出しているのは君だ。利益率は
2位の営業の3.2倍。これだけの成績を出しているんだから、経営陣とし
て何ひとつ注文はない。しかも毎日9回で試合を終わらせているんだから」


部下 :
「私は、おそらく皆さんとのコミュニケーションが足りないんだと思います。
それは気をつけます」


マネージャー :
「馬鹿馬鹿しい! パソコンの前にばかり座っている営業は腐った流木だ。
インターネットの情報に脳みそが浸かって腐ってる」


部下 :
「そんな」


マネージャー :
「それに比べて君は本当によくやっている。何度も言うが、わが社の手本だ。
しかし、どうして君は腹が立たないんだ。後ろめたいことなど何もないのに、
陰口を叩かれて」


部下 :
「うーん……」


マネージャー :
「俺なんか、毎日頭にくることばかりだから、涼しい顔で結果を出している
君が不思議でしょうがない」


部下 :
「……実は、ですね」


マネージャー :
「……ん?」


部下 :
「こう見えても、すごく怒りっぽかったのです」


マネージャー :
「え?」


部下 :
「ですから妻は出ていってしまったんです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「なんていうか」


マネージャー :
「……」


部下 :
「あのショックから立ち直るために、今は怒りの感情を封印してるんです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「そうしたら、いろいろといいことが出てきました」


マネージャー :
「……いいこと?」


部下 :
「今はとても前向きです。定時に仕事を終えて娘を迎えにいかなくちゃいけ
ないですから、毎日必死に仕事をします。期限があると燃えるじゃないです
か。だから、これで良かったんです」


マネージャー :
「奥さんは……」


部下 :
「他の人と結婚してしまいました」


マネージャー :
「……!」


部下 :
「でも、いいです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「私には娘がいますから。怒りの感情はもう、ほとんど覚えないのですが、
でも、胸に秘めた闘志は誰にも負けません」


マネージャー :
「……すごいな。君のスゴさが、わかった気がする」


部下 :
「本部長、今日も9回で試合を終わらせます」



……クールヘッド(冷静な頭)&ウォームハート(温かい心情)でいきましょ
う。

負の感情をいかにコントロールできるか。

言語的コミュニケーション技術を学ぶより、まずはこのノウハウを体得したほ
うが人間関係はうまくいきます。

NLP理論を加味した、今年最後の「アンガーマネジメント講座」が12月に
あります。

ご興味のある方は、ぜひお越しください。


● メモ帳ひとつで怒りとイライラの感情をコントロールする
「アンガーマネジメント講座」
【東京 12/7】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01406.html
【名古屋 12/10】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01475.html

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【編集後記】

私にとって朗報が2つあります。

そして困ったことが1つあります。

朗報の1つ目は、新刊「絶対達成マインドのつくり方」が大増刷を繰り返して
いることです。

つい昨日、ダイヤモンド社から3万部まで増刷するという連絡を受けました。

処女作の「絶対達成する部下の育て方」が現在3.2万部ですから、発刊して
10日あまりで部数で追いつくことになります。

現在、アマゾンや楽天でも品切れ状態が続いており、嬉しい悲鳴を上げていま
す。


朗報2つ目は、先週の日経ビジネスオンラインのコラムがアクセス新記録を作
りそうな勢いだということ。

掲載されてから1週間も経過するのに、いまだ上位にランクインしており、

【100万ページビュー】も目前という状況です。

まだ読んでない方は、ぜひご一読ください!

◆「部下が上司に言ってはいけない言葉」ワースト10
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121106/239095/


困ったことは……ですね。

年内はおろか、来年の2月ぐらいまで、スケジュールが埋まりつつあることで
す。

昨日、来年のセミナーの打合せをしていたら1月も2月も、まったくスケジ
ュールがないことが判明!

自分のスケジュールなのに、キチンと把握していませんでした……。

これは正直なところ「嬉しい悲鳴」ではありません。

10月から代表となったはずなのに、いまだ「プレイングマネジャー」ではな
く、ただの「プレイヤー」のままでいる私は、もっと自省しないといけないで
すね。

今から、来年の3月、4月以降の「マネジメントのための時間」をスケジュー
リングしたいと思います。

2012年11月12日

「大数の法則」で、すぐに結果の出る確率について考える【オープンクエスチョン】

● 今回のテクニック:【オープンエンドクエスチョン(21)】

オープンエンドクエスチョンとは、イエス・バット法と同様にコミュニケーシ
ョンテクニックとしては代表的な手法。「4W2H」もしくは「5W1H」等
の疑問詞を駆使し、質問していくことで相手の心の中に潜む問題点や潜在的ニ
ーズを探り当てること。

「イエス/ノー」で答えられる質問は極力避けることが重要である。クローズ
ドクエスチョンとは反意語。

オープンクエスチョンはヒアリングの基本であるが、ペーシングなどの技術を
活用しながら質問を続けないと「尋問」のようになってしまいがちであり、注
意したい。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「あれこれ言い訳ばかりしていると、言い訳というノイズに頭が浸って、
『腐った流木』になるという話をしたよな」


部下 :
「はい。やることもやらずに言い訳ばかりしていると、思考停止になります
から」


マネージャー :
「この情報時代には、人を迷わせる膨大なノイズがあるから、正しくノイズ
をカットしていかないと、決断力が落ちて、どうしても流されていってしま
うからな」


部下 :
「ええ」


マネージャー :
「10月から営業活動を思いっきり変えただろ?」


部下 :
「はい。特に、商社を中心にまわるようにしています」


マネージャー :
「商社を?」


部下 :
「はい。営業3課の係長に聞いたところ、商社からの引き合いが増えている
そうなので、そちらを重点的にまわっています」


マネージャー :
「これまでまわっていた先はどうした」


部下 :
「ええ。ちょっと、今はやめています。なかなか結果が出ないものですから、
もっと確率の高いところを攻めたほうがいいと判断したんです」


マネージャー :
「【誰が?】」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「誰が【いつ】そういうことを判断したんだ?」


部下 :
「え、あの……。私が、10月ぐらいに」


マネージャー :
「【どこ】に、【何回】、まわろうと決めた」


部下 :
「引き合いが来そうな商社19社をピックアップし、月に1回はまわろうと
考えています」


マネージャー :
「掛け算すると、月にたかが『19回』じゃないか」


部下 :
「も、もちろん、そうですが、既存の取引先もありますので」


マネージャー :
「それで、1ヶ月以上まわってみて、手ごたえはあったのか?」


部下 :
「うーん、これと言って……ないです。年内、商社を重点的にまわって、あ
まりに引き合いの来る確率が低ければ来年からどうするか考えようと思って
います」


マネージャー :
「まず、その考え方がおかしい」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「『大数(たいすう)の法則』って知ってるか?」


部下 :
「たいすう……? いえ」


マネージャー :
「簡単に言うと、繰り返し、膨大な数、何度も試していると、経験的確率が、
理論的確率に近づいていくという法則のことだ」


部下 :
「……?」


マネージャー :
「たとえば、何の細工もしていないコインを投げた場合、表か裏が出る確率
は50%だ」


部下 :
「そうでしょうね」


マネージャー :
「これが理論的確率という。だけど20回投げたら、表が15回。裏が5回
出たとする」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「これを経験的確率という。少ない数の試行だと、経験的確率と理論的確率
と差が出るケースがあるということだ」


部下 :
「あっ……!!」


マネージャー :
「そうだろ」


部下 :
「なるほど」


マネージャー :
「コインを1000回も2000回も投げたら、表もしくは裏が出る確率は
50%に近づくだろう。つまり、少ない数の試行で、確率論を語ることはで
きないということだ」


部下 :
「……確かに」


マネージャー :
「商社への訪問に力を入れるのはいい。しかし10月までまわっていた先に
も同じように行け」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「それから、年内で結論を出そうとするな。来年も引き続き、商社をまわ
れ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「つまり」


部下 :
「……」


マネージャー :
「全部まわれ」


部下 :
「は、はい」


マネージャー :
「そして、何度もまわれ」


部下 :
「……はい」


マネージャー :
「まだ理論的確率がわかってもいないのに、『選択と集中』など、する必要
はない」



……私たちが提唱している「予材管理」は、リスク分散と複利効果をあわせ持
つマネジメント手法です。

「全部まわれ」「何度もまわれ」は、まさにそのまま「リスク分散」と「複利
効果」の意味合いをあらわしています。

今年最後の予材管理セミナーが12月にあります。

ぜひお越しください!


● 第10回売上アップセミナー
「最低でも目標予算を達成させる!営業会議の進め方&予材管理の徹底解説」
【東京 12/5】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01403.html
【名古屋 12/13】http://www.attax.co.jp/seminar/detail/01402.html

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【編集後記】

11月11日(日)、私は43年生きてきて、はじめてマラソンに挑戦しまし
た。

愛知県の稲沢市で開催された「稲沢シティマラソン」というものに出場したの
です。

距離は10キロ。制限時間は70分です。

マラソンにエントリーしたのは数ヶ月前のことでしたので、そのこと自体は何
の問題もありません。

その約1週間前に新刊「絶対達成マインドのつくり方」が出版されましたが、
そのこともずいぶん前から決まっていたことなので、いいのです。

ただ、

11月に入ってからマラソンまでの日々に、いろいろなイベントをスケジュー
ルに入れてしまったため、まったく準備ができませんでした。

自己管理ができていなかったですね……。

本当に反省しました。

7月に40キロ、8月に70キロ、9月に80キロ以上、走り、準備をしてき
たのですが、

9月に右足の甲を痛めたせいで10月に練習がストップ。

10月は30キロしか走れず、

しかも11月になってからはほとんど練習ができない日々を送り、

そうして11月11日(日)を迎えました。

生涯初のマラソンですから、タイムなんかどうでもいいです。

最下位でもいいから「完走」したい。そう考えたのですが、不安でいっぱいで
した。

10キロの制限時間は70分なのですが、7キロ地点を45分で通過しなけれ
ば待機しているバスに回収されるとも言われていました。

したがって、7キロまでは「1キロ6分ペース」ぐらいで走る必要があります。

ここ数ヶ月、「1キロ6分ペース」で走る練習を重ねてきました。

しかしビギナーの私には、けっこうキツかったです。

だいたい「1キロ5分45秒ペース」で練習するのですが、3キロも走ると、
かなりヘバってきます。

11月に入ってから、少しだけ練習しましたが、練習不足で心肺機能が低下し
ているのか、毛細血管の発達も減退したのか、

ここ最近は夏のころに走りこんだ貯金が失われているな、と実感していたので
す。

不安を抱えたまま当日を迎えました。

天候は雨模様。

気温は低く、スタートまでの間、3回もトイレへ行きます。

体内の水分が減ると、走っている最中に体温の上昇を招くのではないか、

そうすると脱水症状になり、足が動かなくなる可能性もある……。

などと、

あれこれ考えてトイレへ行きました。現地は寒いのだから仕方がありませんね。

私は「ナイキ・プラス」と呼ばれる腕時計を持っていて、その時計に表示され
る「ペース」を見ながら走ります。

1500名近い方がマラソンに参加されたようです。

スタートしてすぐ、集団に巻き込まれながら走ったのですが、

想像していたとおり、ペースが速い!

時計を見ると「5分15秒ペース」。

こんなペースでは、すぐにバテてしまう!

妻を含めた友人たちは、そのペースで走っていきます。

私はとてもついていけません。

自分との「ペーシング」です。

どんなに速くても「5分45秒ペース」。

このペースでも7キロ走ったことないわけですから、これ以上のペースアップ
はいけません。

ドンドン抜かれていきましたが、自分のペースを信じて走りました。

前述したとおり、この「5分45秒ペース」で走っても、3キロも走れば、か
なり息があがってしまうと思ったのですが、

やはりマラソン大会ということで、アドレナリンが出てるのでしょうねェ。

想像以上に、頑張れました。

3キロを過ぎても、ペースが落ちません。

しかし、4キロ地点で左足の靴紐がほどけてしまうという、ド素人っぽいアク
シデントが!

急ブレーキをかけ、すぐさましゃがんで靴紐を結びなおし、リスタート!

しかしながら、すぐにペースを上げられません。

どんなにピッチを速めても、「6分30秒ペース」から上がらないのです。

それから約1キロを費やして、何とか再び「5分45秒ペース」まで押し上げ
ました。

5キロを過ぎても、「5分45秒ペース」から落ちません。

雨がぱらつき、沿道で声援を送っている人たちも皆さん傘を差しています。

声援には勇気付けられましたが、感謝の気持ちを表現する余裕はまったくあり
ません。

6キロを過ぎてもペースダウンはせず。

あと1キロだっ!

あと1キロふんばれば、まず完走はできる。

そこから一気にペースダウンしても、10キロを70分で走破できる計算だ!

しかし、この1キロが長い……。

寒いので走っている最中からトイレへ行きたくなるし、メガネは吐息と雨で曇
り、

「なんでこんなこと、やってるんだっけ。俺は……」

と思いながら、

何とか、7キロを同じペースで走りきりました。

7キロを過ぎたら、完走する確率は一気に跳ね上がります。

ここから一気にペースダウン。

「6分30秒ペース」まで落とそう、と考えたのですが、なぜかペースを落と
せません。

やはり「流れ」ですね。

周囲で走っている人の顔ぶれは似通ってきます。

敢えて、その人たちと別れを告げて、自分だけ後方に下がっていくこともない
かな、と。

苦しくてもペースはほとんど落とさず、「6分ペース」で最後の3キロを走り
きりました。

時計で確認するペースにはいつも多少の誤差があり、実際にゴールインしてみ
ると、

タイムは「1時間1分」でした。

つまり、10キロを61分で走ったことになります。

全体の中でも遅いほうでした。

54分で走った妻と比べても、7分も遅いタイムです。

しかし、

他人との比較ではなく、自分の過去と比較したいと私は思います。

青年海外協力隊の候補生だったときに走った「10キロマラソン」のときは、
地獄の苦しみを味わいました。

あのときから長距離走は嫌いになったのですが、

19年以上が経過し、

ある一定のペースを保ちながら、同じ距離を気持ちよく完走できた自分に、今
は拍手をおくってやりたいと思っています。

さて来春、名古屋シティマラソンで「ハーフ」を走る予定ですので、

これからまた準備をしていきます。

その周辺は、じゅうぶんな練習ができるよう、余裕のあるスケジュールを入れ
ていきたいと考えています。

今日は当然、全身筋肉痛……。(苦笑)

2012年11月8日

部下が上司に言ってはいけないフレーズ「ワースト10」【恐怖アピール】

● 今回のテクニック:【恐怖アピール(3)】

恐怖アピールとは、相手の恐怖感情や危機意識をアップさせることで説得効果
を得る方法。

恐怖喚起コミュニケーションとも言う。

「もしもこうしたら/もしもこうしなかったら、どうなるかわかるか?」とい
う、表現で相手をリーディングする。

恐怖体験が臨場感たっぷりに味わえるかどうかがポイント。

当然のことながら多用は禁物。多用すれば、当然のことながらラポール(信頼
関係)は崩れていく。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「来週の火曜日までに、展示会で使用するアンケートを作って欲しい」


部下 :
「え。ちょっと無理ですけれど」


マネージャー :
「無理? どういうこと」


部下 :
「いや……。いろいろとバタバタしておりまして。時間がないんです」


マネージャー :
「何を言ってるの、AさんだってBさんだって、展示会の準備で忙しいんだ
から、君が手伝ってくれなきゃ誰に頼めばいいんだ」


部下 :
「そんなこと言われましても……」


マネージャー :
「だいたい、先週頼んだ戦略シートは作ったの? まだ君だけだよ、提出で
きていないのは」


部下 :
「あ、ちょうど今やろうとしていたんです」


マネージャー :
「ちょうど今、やろうとしてたって……。それじゃあ、G工務店への電話は
どうなってるの? 全然報告がないんだから」


部下 :
「それはまだやっていません。ところで課長、今度の展示会で、私なりに新
しいアイデアがあるので、それを聞いてもらえませんか?」


マネージャー :
「おいおいおい! 話をすり替えるな」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「え? じゃないよ。G工務店への電話はどうなったんだ、と聞いてるん
だ」


部下 :
「ですから、まだできていないと言ったじゃないですか」


マネージャー :
「どういう言い草だ、それは!」


部下 :
「どういうって……。さっきから私に文句ばっかり言ってるじゃないですか。
そういうこと言われるとモチベーションが下がるんです」


マネージャー :
「出た……。モチベーション」


部下 :
「何ですか?」


マネージャー :
「あのさ、モチベーションって言葉、安易に使うなよ。何かあるとすぐに君
は『モチベーション』『モチベーション』って……。意味わかって使ってる
の?」


部下 :
「ん……」


マネージャー :
「もういいよ。とにかく、展示会用のアンケートを作って欲しいんだ。忙し
いんだったら、どうすれば業務効率できるか、自分で考えろよ。どうすれば
いいと君は考えてるんだ?」


部下 :
「わかりません。課長はどうすればいいと思ってるんですか?」


マネージャー :
「な・ん・だ・とォ……! 質問を質問で返すなよっ!」


部下 :
「どうすればいいか私にはわからないんですよっ! 私だって一所懸命やっ
てます。どうすればいいんですか。どうすればいいか教えてください」


マネージャー :
「……」


部下 :
「課長が言ってください。どうすればいいんですか」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「このままだと、お前……」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「腐った流木になるぞ」


部下 :
「腐った、流木……?」


マネージャー :
「そうだ」


部下 :
「腐ったミカンじゃなくて、流木ですか」


マネージャー :
「言い訳という思考ノイズに脳が浸っていると、いずれ脳が腐ってきて、流
れる川を泳ぎきる体力がなくなっていく」


部下 :
「……」


マネージャー :
「外部環境の変化にも適応できず、ただ流されるだけの人間に成り下がって
いくぞ」


部下 :
「んん……」


マネージャー :
「市場価値は地に落ちるから、当然、他社でも通用しない。君が言っている
ことは論理的に正しくないからだ」


部下 :
「論理的に正しくないですか?」


マネージャー :
「展示会用のアンケートを作るのに、どれぐらいの時間がかかるんだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「即答できないのか」


部下 :
「1時間も、あればできます」


マネージャー :
「明日の朝からの会議、出席しなくてもいいからアンケート作ってくれ。毎
回、この会議は1時間ぐらいかかってる。なら、できるだろう?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「もしそれでも無理だと瞬間的に思ったら、お前は今、腐った流木になりか
けてる」


部下 :
「腐った流木……」


マネージャー :
「どうだ?」


部下 :
「そ、そうですね……。やれない理由がないですから、やります」


マネージャー :
「俺も、こんな強引なやり方はしたくない。しかし、君も本当は変わりたい
はずだ」


部下 :
「はい。すみません」


……本日の日経ビジネスオンラインのコラムに、「部下が上司に言ってはいけ
ない言葉 ワースト10」をまとめました。

入魂の一作です。

このコラムを読んでから、もう一度このメルマガ本文を読み返すと、理解がさ
らに深まると思います。

【部下が上司に言ってはいけない言葉 ワースト10】
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121106/239095/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

11月2日に、拙作「絶対達成マインドのつくり方」が出版されました。

出版とは関係がなく、先週からずーっとバタバタしています。特に最近はコン
サルティング案件が増え、対応に追われています。

「無理だ」「時間がない」「やろうと思えばできなくはないけど、もしできな
かったときはゴメンね」

と、

今回のコラムで紹介したフレーズを私は最近、使いまくっています。

上司にではなく、部下や家族に言っているのだからいいのか……。

いやいや、いけませんね。

頭がオーバーフローしていて、よくない状態です。

2012年11月5日

お金で「モチベーション」は上がるか?【アンダーマイニング効果】

● 今回のテクニック:【アンダーマイニング効果(2)】

内的動機づけ(モチベーション)に対して、報酬を与えるなど外的動機づけ
(インセンティブ)を行うことによって、反対に意欲が低くなる現象。

「過正当化効果」とも呼ぶ。

意欲的な活動をしている人物を評価し、金銭的報酬を与えると、かえって逆効
果になりやすい、などの例がある。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


部下 :
「私の部下が、これだけ一所懸命にやっているのに、待遇が変わらないと言
って、ぶつくさ言っています」


マネージャー :
「ほう」


部下 :
「ええ、そうなんです」


マネージャー :
「だから?」


部下 :
「え?」


マネージャー :
「それを私に伝えに来たのか? もう遅いんだから帰りなさい」


部下 :
「え? いやいや……。ですから部下が、ぶつくさ言うもんですから」


マネージャー :
「だから、何だ? その件は聞いた。それ以上、何も言ってないだろ」


部下 :
「あ、ですから、不満があるようなんです」


マネージャー :
「わかった。君の部下がお給料に不満があるということなんだね? それを
私が知ればいいのかな?」


部下 :
「うーん……。と言いますか、できれば改善してもらえないか、と思って。
わ、私は別にいいんですけど、部下がそのように言うもんですから」


マネージャー :
「ハッキリしないな。君の態度は」


部下 :
「す、すみません」


マネージャー :
「部下が待遇に不満を持っている。だから改善して欲しい、と最初から言え
ばいいじゃないか。物事をハッキリ言わないと、とても効率が悪い」


部下 :
「申し訳ありません」


マネージャー :
「それで? どうして不満に思ってるの」


部下 :
「えっと……。どういうことでしょうか?」


マネージャー :
「不満の根拠を言わないと、ハイ、そうですかと私は言えないだろう? ど
うやってそんなことを人事部に私が伝えればいいんだ? 一所懸命にやって
る人間が報われるような人事制度にしてくれと、そんな言い方で相手は納得
するのか」


部下 :
「い、いいえ」


マネージャー :
「じゃあ、何だ」


部下 :
「そう、ですね……」


マネージャー :
「一所懸命やってるのに給料が少ない? 『一所懸命』というフレーズと、
『少ない』というフレーズに着目して、その論拠を指し示してくれ」


部下 :
「う……」


マネージャー :
「基準を明らかにしよう。何が一所懸命で、何と比較して少ないのか」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「君は今年から、被災地のボランティアへ行ってるそうだな」


部下 :
「はい。岩手の陸前高田に、ちょくちょく」


マネージャー :
「お金をもらってるのか?」


部下 :
「お金? とんでもないです! そんなもの、もらってません!」


マネージャー :
「だろうな。ボランティア保険も自分で払ってるんだろ」


部下 :
「そ、そりゃあそうです」


マネージャー :
「一所懸命やってるのか?」


部下 :
「……一所懸命かどうかはわかりませんが……。自分なりには、やってるつ
もりです」


マネージャー :
「君の部下から聞いてる」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「君の部下たちは、君を尊敬してるよ」


部下 :
「え」


マネージャー :
「君はお金と聞いて、『そんなもの』と言った」


部下 :
「……」


マネージャー :
「お金は貴重なものだ。被災地の皆さんにとっても、そうだろう」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「来月、北上市まで部下と行くそうじゃないか」


部下 :
「はい。……12月の岩手は、かなり厳しく、寒くなると思いますが」


マネージャー :
「なぜ、そこまでする?」


部下 :
「……わ、わかりません」


マネージャー :
「そうだよな。理由なんてない。一所懸命、何かに打ち込めるのはなぜか?
その理由なんて、わからないよ」


部下 :
「はい……」


マネージャー :
「でも、一所懸命やった後、未来の自分が教えてくれそうな気がしない
か?」


部下 :
「……未来の、自分が?」


マネージャー :
「そう」


部下 :
「……」


マネージャー :
「一所懸命、仕事をして結果を出したら、給料が増える。俺もそれでいいと
思う。でも、給料が増えないから一所懸命、仕事をしないという理由にはな
らないんじゃないか」


部下 :
「そ、そうですね……」


マネージャー :
「仕事とボランティアは同じじゃない。しかし、社会に貢献するという意味
合いでは同じだ」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「しかし会社からは『お金』という対価が支払われる。だから勘違いする人
もいるかもしれないが、原理は近い」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「とはいえ、お給料のことはデリケートな話なので、放置できない。君の部
下と面談してみるよ」



……目標達成に向けて頑張ってる人の評価をどうしたらいいか、という相談を
よく受けます。

私は、「達成に向けて頑張ってる」ときが、一番ドーパミンが出ている状態な
ので、その人は幸福なはず。

(たとえ幸福そうに見えなくても)

しかし、そこに別の報酬を与えることによって、

頭は混乱します。

目標を達成してしまうとドーパミンは出なくなるので、そこで報酬を与えたほ
うがいいのでは、と答えるようにしています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】

11月2日に、拙作「絶対達成マインドのつくり方」が出版されました。

書籍キャンペーンが5日の夜中まで続き、

今は、まさに「宴の後」の状態。

アマゾン総合ランキング1位となり、

現在(11月5日8:00)、ドラゴンクエストの公式ガイドブックに抜かれ
て2位に落ちるまで、

3日間、首位を守りました。

キャンペーンに参加された方、そうでない方も、ご購入いただいた方に心より
感謝申し上げます。

本当にありがとうございました。

昨年、処女作で1位をとったあとと同じように、今はとにかく「謙虚」でいた
いなと考えています。

今週も土曜日まで、ほとんど余裕なく、動き回ることになります。

日曜日には、私にとって「生涯初のイベント」が待っていますので、それまで
は、体調を整えておきたいと思っています。

今週も、どうぞよろしくお願いいたします!

2012年11月1日

「倍速管理」とは? 先送りの習慣を治療する仕事術

昨日は、10月31日。


私には以前から10月末が期限の、やらなくてはならない作業があり、ずーっ
とやらなくては、やらなくては……と思いながら「先送り」してきました。


そして私は昨日、期限ギリギリになって始め、何とか終了させました。


もちろん、


期限ギリギリになってから始めるので、ストレスはピークに達しました。


何よりも、


「そもそも、どうしてコレやるんだっけ?」


「これって、本当にやらなくちゃいけないことなのか?」


「やっても意味がない気がするんだが……」


と、思考ノイズが頭の中をぐるぐる駆け巡るのが、本当にうっとうしいです。


先送りし続けたのは、100%自分の責任であるにもかかわらず、ウダウダ考
えてしまう自分に呆れます。


さらに、ストレスを感じるのは、作業をスタートさせた期限当日だけでなく、


その作業をしなくてはいけないと知ってから、期限までの数週間、ずーっと頭
の片隅にあったのです。


この「ストレスの種」が、脳の短期記憶の中に居座り続けたという事実に、す
ごく残念な気持ちになります。


「やりかけの仕事」「やるべき作業」をそのまま放置しておくと、


思考ノイズで、脳の短期記憶がオーバーフローしていきます。


そうすると、


本当は物理的に時間があるのにもかかわらず、


「時間がない」「忙しい」「バタバタしていて、とてもやり切れない」


などと、考えてしまいがちです。


そこで、新刊「絶対達成マインドのつくり方」でも紹介している【倍速管理】。


これは、先送りの習慣を治療し、期限内に仕事を絶対達成させる自己管理術で
す。


書籍には書かれていない言葉で、少し解説いたします。


仕事には必ず「期限」と「ノルマ」があります。


期限を設定し、絶対に達成していく。やり切っていくと、とても気持ちのよい
毎日を送ることができますよね。


周囲からも信頼(ラポール)を寄せられるようになり、


「あの人は何をやらせても速い」


「何を頼んでも、必ず遅れることはないよね」


と言われるようになります。とても素敵なことです。


依頼された仕事の「質」にこだわるのではなく、「スピード」にこだわる。そ
うすることで逆に「質」がアップする。


これが「倍速管理」です。


仕事の期限を決めて、それを「二つ折り」にしてください。


つまり、


期限を【1/2】にするのです。


今日が月曜日で、上司に「木曜日までにこの資料を提出してくれないか?」と
言われたら、火曜日に提出するのです。翌日です。


今日が月初で、月末までに仕上げたいと思う仕事があれば、15日までに仕上
げてしまうのです。


こうすることで、目標未達成というリスクをヘッジできること以外に、以下の
ような思わぬ効果があります。


● 期限を二つ折りにすることで、期限までの「時間」「日にち」が明確にな
る。


要するに、期限を決めて仕事をしよう! などと言ってても、結局のところ期
限までの正確な「距離」がわからずにスタートする人がほとんどです。


ゴールまでの距離がわからなければ、「ゴールからの逆算」の発想が生まれま
せん。


そうなると、期限が近くなってから慌てるということになるのです。


期限を「二つ折り」にするということは、


(1)依頼された日から期限までの日数・時間を計算する


(2)その期間を2で割る


という2つのプロセスが必要になり、自動的に(1)の、期限までの距離を測
るという作業ができるのです。


こうすることで、かなり心の余裕ができます。


「今週の木曜日までに、この資料を作らなくてはならない」


と考えるのではなく、


「4日間の中で、資料作りをする2時間をどこかで確保しなければならない」


と受け止めたほうが、気がラクだからです。


期限を「二つ折り」にしても、結局は前倒しで仕事をするだけの話であって、
ほとんどの場合、慌てて作業する必要はありません。


作業に取り掛かる時期が、はやまるだけの話です。


どんな小さなことでもいいのです。


かなり前倒しで仕事ができた、と思えるだけでいい。その「インパクト×回
数」で、ご自身の「マインド」が成長していきます。


「もっと自信をもって仕事をしろ」


と言葉をかけられても、言葉だけで根拠のない自信など身につきません。


肯定的なマインドを手に入れるためには「根拠」が必要です。その【歴史】が
大切なのです。


この「倍速管理」に必要なオプションテクニックは2種類。


作業時間を見積もる「スケールテクニック」。


達成リスクを回避する「ワンツー確認」。


ぜひ新刊「絶対達成マインドのつくり方」でチェックしてみてくださいね!


いよいよアマゾンキャンペーンは明日(11月2日)の9:00スタートです。


お楽しみに!


【キャンペーンページ】
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【特典DVDの動画】
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それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
いつもありがとうございます。

2012年10月30日

「無駄な努力」とは何か?

先日、ある経営者の方から、


「無駄な努力はしたくないのです」


と言われ、そういえば「無駄な努力」とは何だろうと考える機会がありました。


そもそも、


「無駄な努力」といつ理解するのか、と考えた場合、何かを行動したあとだと
私は思います。


何らかの行動したあと、振り返ったときに「無駄な努力だったな」と感じるわ
けで、


行動をスタートする前に「無駄な努力」かどうか理解するのはけっこう困難で
はないかと私は考えます。


もちろん、わかりきった「無駄な努力」をする必要はないでしょうが、


行動する前から「無駄な努力」だとわかりきっているのであれば、誰も葛藤は
しませんし、判断に悩むことはありません。


「無駄な努力」かどうか判断できない場合がある。だから人は悩むんですよね。


昨日のメルマガで、


「消去法でしか成功できない」


と書きました。


成功したのか、成功しなかったのか。


無駄だったのか、無駄でなかったのかは、


自分自身が身をもって体験してはじめて「理解」するわけで、


「無駄な行動だった」と自ら理解し、そしてその行動を消去し続けて、


「無駄ではない行動」のみを自分で残して、成功への階段を昇っていくのだと
私は考えています。


したがって、


いま目の前にやるべきことがありながらも、


それをやって本当に意味があるのか?


自分の本当にやりたいことなのか?


それで本当に結果が出るのか?


もっとうまい方法が他にあるのではないか?


……と、


あれやこれや悩むこと、


それ自体が「無駄な努力」だと私は思うのです。


多くの人は「時間の概念」を間違って捉えています。


【遠回り】することで、よけいに「労力」はかかっても、よけいな「時間」が
かかっているかどうか、わからないものです。


遠回りした「歴史」が、自分の心を強くします。


自信を芽生えさせてくれます。


11月2日に販売される新刊「絶対達成マインドのつくり方」に、


そのことをNLP理論「学習の4段階」を使いながら解説いたしました。


アマゾンキャンペーンは11月2日の9:00スタートです。


お楽しみに!


【キャンペーンページ】
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【特典DVDの動画】
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それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
いつもありがとうございます。

2012年10月28日

「消去法」でしか成功できない

いよいよ11月2日(金)の朝9:00から、新刊「絶対達成マインドのつく
り方」のアマゾンキャンペーン」がスタートします。


たった3日間しかありませんし、特典DVDがプレゼントされるのは先着10
00名様のみですので、2日の9時以降、お早めにお申込みください。

http://attax-sales.jp/tokuten/book03/


※「脱会議」のときのキャンペーンとかなり異なるので、気をつけてください
ね。


ところで、今回の「絶対達成マインドのつくり方」には、


なぜ、高度情報時代になり、これほどまでに「成功法則」を入手しやすくなっ
たにもかかわらず、


相変わらず、うまくいく人はうまくいくし、うまくいかない人はうまくいかな
い。


期待通りの結果を残せない人の比率は、以前から変わらないのです。


それはいったいなぜなのか……ということを書きました。


このことを、私はNLPを活用して「体験の量」で指し示しています。


人は、どのように素晴らしい「方法論」を他人から紹介されても、


結局のところは自分で体験を繰り返し、


成功した体験のみを「消去法」で残していくから、何をもってうまくいくのか
身をもって知ることができるのですよね。


つまり、


「体験の量」が足りないと、


消去しようにも、消去できないのです。


どんな体験をも消去したくないから、うまくいく体験だけを実施したいという
人は、


結局は、何事もスタートできずに、くすぶり続けることになります。


「ストレス耐性」が低く、自信を失っている人は、「成功体験」を増やすとい
うことではなく、


「成功させようとして無我夢中にがんばった体験そのもの」の量が必要なので
す。


その「量」が足りないと、消去法が使えないからです。


ストレスに強くなるためには、やはり「遠回り」は必要なのでしょう。


そして、その人個人に、遠回りをした「歴史」があってはじめて、「近道」を
見つけられるのではないのか。


私はそう思っています。


「絶対達成マインドのつくり方」に、その遠回りの目安は「8ヶ月間」だと書
いています。


ぜひ、ご参考にしてください!


http://attax-sales.jp/tokuten/book03/


アマゾンキャンペーンまで、あと4日です。お楽しみに!


それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
いつもありがとうございます。



以上

2012年10月25日

「モチベーション」が必要なケースとは?【ドア・イン・ザ・フェイス】

● 今回のテクニック:【ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(13)】

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは、はじめに本当に頼みたい事柄よ
りもかなり負担の大きな依頼をし、一度断られてから本当に頼みたいことを伝
えるテクニック。

最初に提示した情報が頭に残り、その後の判断に影響を与えるアンカリング効
果の一部と考えてもよい。

依頼者が一端譲歩すると、ついつい相手も譲歩してしまうことを「譲歩の返報
性」と言うが、これを利用ししている。

※ 「フット・イン・ザ・ドアテクニック」の反意語。


───────────────────────────────────

● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「いや〜。コレは凄い。本当に凄い……」


部下 :
「吉田さんですか?」


マネージャー :
「凄すぎるな。レスリング世界選手権で、2002年から10年連続で金メ
ダル。オリンピックは2004年のアテネから3連続で金メダル」


部下 :
「だから世界大会13連覇と言われているんですよね? ギネスでも認定さ
れたようですよ」


マネージャー :
「しかも、アジア大会も2002年から3大会連続で金メダルだよ」


部下 :
「ほえ〜」


マネージャー :
「さらに、レスリングアジア選手権は2004年から5連覇。調べれば調べ
るほど、凄い!」


部下 :
「吉田さんが国民栄誉賞をもらえなかったら、誰ももらえないですね……」


マネージャー :
「賞の選考基準がわからないから、なんとも言えないけど、この戦績は凄
い! もの凄い!」


部下 :
「課長、『凄い』としか言ってませんね」


マネージャー :
「他にどういう形容詞が思いつくんだ? 『凄まじい!』か?」


部下 :
「いやいやいや……」


マネージャー :
「それにしても頂点に立ち続けるというのは、どういう気持ちなんだろうな。
当社で言うと、T係長か?」


部下 :
「ああああ。T係長ですか。Tさん、10年ぐらいトップセールスですよ
ね」


マネージャー :
「そう。もう少し長いんじゃないかな。当社の吉田沙保里と言ってもいい」


部下 :
「それぐらい長いあいだトップの座を維持するには、どれぐらいのモチベー
ションが必要なんでしょうね。私もモチベーションの上げ方を教わりたいで
す」


マネージャー :
「どうだろう。T係長、そんなモチベーション高いように見えるか?」


部下 :
「あんまり、やる気があるようには見えないですね。でも影で頑張ってるん
じゃないですか?」


マネージャー :
「そりゃあ、頑張るのは誰だって頑張るだろう。君だって、日々、頑張って
るんだろう」


部下 :
「ええ、まァ……」


マネージャー :
「当社でトップを10年と言ったって、吉田選手と比べたら全然たいしたこ
とない。まったく比較することじゃない」


部下 :
「そりゃ、そうかもしれませんが」


マネージャー :
「モチベーションって、どういうときに必要か知ってる?」


部下 :
「え……。いや」


マネージャー :
「『あたりまえ以上のこと』をやるときだよ」


部下 :
「ま、そうでしょうね」


マネージャー :
「年間の目標予算を達成させるのは、あたりまえのことだよな?」


部下 :
「え……。まァ、はい」


マネージャー :
「だったら目標を達成させるのに、モチベーションなんて必要ないってわか
るだろ」


部下 :
「うーん……。はい」


マネージャー :
「だから、モチベーションを上げようと思ったら、もっと高い目標を掲げる
必要がある」


部下 :
「……」


マネージャー :
「君、今期はT係長を抜け」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「T係長もそろそろ課長になる。世代交代が必要だ。君がT係長を抜いたら
いい」


部下 :
「え、あの……。私、前期まで、ほとんど目標を達成したこともないんです
が……」


マネージャー :
「T係長を抜くどころか、トップの座を今後10年ぐらいは守り続けて欲し
い」


部下 :
「ええっ!」


マネージャー :
「そのためには、今期、いまの目標の1.5倍ぐらいはやってほしいんだ
よ」


部下 :
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってください……」


マネージャー :
「T係長は、だいたい目標の1.3から1.4倍はやってるから、それを抜
くんだ。しかも吉田選手のように圧倒的な強さで敵を叩き潰す! だから、
1.5倍というか、2倍ぐらいまでやってしまおうか」


部下 :
「な、何を言い出すんですか……。いくらなんでも無理です。2倍って。し
かも敵って……」


マネージャー :
「君のモチベーションを上げようと思ってるんだ」


部下 :
「そんな途方もない目標を目指せと言われても、モチベーションは上がらな
いです」


マネージャー :
「途方もない目標っ!? 何を言ってるんだ。たとえ君が当社の年間予算を
2倍以上達成し続けても、ギネスに認定はされないし、国民栄誉賞ももらえ
ないぞ」


部下 :
「それと、これとは違いますよ……」


マネージャー :
「君はいくつだ」


部下 :
「30歳です」


マネージャー :
「そして女だ」


部下 :
「はい。それが何か?」


マネージャー :
「吉田沙保里さんとまったく同じじゃないか」


部下 :
「年齢と性別だけじゃないですか!」


マネージャー :
「出身はどこだっけ?」


部下 :
「えーっと、三重県ですけれど」


マネージャー :
「出身地も同じじゃないか! 吉田選手も三重出身だぞ」


部下 :
「そりゃあ、わかってますよ。三重の誇りです。しかし、2倍は無理です」


マネージャー :
「どうしても無理か!」


部下 :
「勘弁してくださいよ。どうして吉田選手の国民栄誉賞の話からそんな話題
になってしまったんですか」


マネージャー :
「君がモチベーションの上げ方を教わりたいと言うからだ」


部下 :
「今期の目標は絶対に達成させます。トップになれるかどうかはわかりませ
んが、とにかく最低でもノルマはクリアさせます」


マネージャー :
「しょうがないな。会社から与えられた目標を達成するぐらいでは、あまり
モチベーションは上がらないと思うけど、とにかくそこからだな」


……モチベーションは「あたりまえのこと」以上のことをやるときに必要な心
理エネルギーです。

したがって、

日常の業務をやるうえで、それほど「モチベーション」がどうのこうのと言う
必要はないんですよね。

結果を出すのに、モチベーションは100%必要ありません!

このキャッチフレーズの新刊「絶対達成マインドのつくり方」、いよいよ1週
間後に発売です。

キャンペーンページが出来上がりましたので、ぜひご確認ください。

http://attax-sales.jp/tokuten/book03/

(※ 先着1000名様にプレゼントされるDVDは、アマゾンでご購入いた
だいた方1アカウントにつき1枚です。1人10冊ご購入いただいても、DV
Dは1枚ですので、ご注意ください!)

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【編集後記】

ほぼ、毎日のように私はどこかで講演や研修をしています。

特に1日の研修ですと、受講者の皆さんに必ずその場で行動をロックしてもら
います。

以前であれば、

私どもの「絶対達成」という考え方に賛同できない、もしくは理解できないと
いう態度をとる受講者の方もいたのですが、

昨今は、ほとんどいなくなりました。

やはり「絶対達成する部下の育て方」そして「脱会議」が出版されたあと、

受講者の皆さんほとんどが、その書籍を確認してから参加してくださるからで
す。

たった1日で、行動量を3倍から7倍近くまでアップして宣言するマネジャー
がほとんどです。

研修を受講する前から横山がどのような話をするのか、何をロックさせようと
するのか、

ある程度、わかっているからですね。

労働時間を増やさずに、行動量を爆発的に増やすために、

「朝から外へでる」

「会議を減らす」

「日報をなくす」

……と、だいたいの方が宣言してくださいます。

書籍というのは、とても重要なアイテムですね。この1年で、研修効果がさら
にアップしていて嬉しいです。

2012年10月22日

「やり切るコツ」とは?【無言クロージング】

● 今回のテクニック:【無言クロージング(5)】

クロージングを最も強力にしたい場合は、「無言」を貫くことである。

相手の要望・ニーズに沿った解決策/提案をしても、なかなか相手が決められ
ないときがある。理屈ではなく、踏ん切りがつかないケース。

ダブルバインドを活用して二者択一を迫ってもいいが、敢えて言葉を発せずに
待つという手もある。

人間は普通、「間」を嫌う。しかしその「間」を恐れずに無言を貫く相手から
は強烈なプレッシャーを感じるものである。無言が最強クロージング技術。し
かし難易度はかなり高い。


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● 今回のコミュニケーション例


マネージャー :
「え、そんなことで悩んでるの?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「どうやったら『やり切る』ことができるかって……」


部下 :
「申し訳ありません。なんか変な質問ですけど、この前、若手で集まって飲
み会を開いたんですけど、『なかなかやり切ることって難しいよな』って話
が出て……」


マネージャー :
「それで?」


部下 :
「それで、本部長は若いころから凄かったって話になったんです」


マネージャー :
「誰がそんなこと言ったんだ?」


部下 :
「K課長です」


マネージャー :
「若手の飲み会なのに、K課長が出席していたのか?」


部下 :
「はい。一応、K課長が企画してくださったので」


マネージャー :
「ふーん」


部下 :
「何をさせても、とにかくやり切ってみせたと聞いています。何が本部長を
そこまでやる気にさせるんですか?」


マネージャー :
「何もないからだろ」


部下 :
「何もない?」


マネージャー :
「オウ」


部下 :
「……えーっと、ハングリーだったってことですか? 何もないってことは、
お金も彼女も仕事もなかったんで、それで……」


マネージャー :
「違う違う! 失礼だな。そういう言い方は」


部下 :
「す、すみません!」


マネージャー :
「俺は普通だったよ。何も恵まれてなかったけど、それほど不自由していた
わけでもない」


部下 :
「じゃあ、何がそこまで意欲的に行動させたんでしょう? ぜひ聞かせてく
ださい」


マネージャー :
「だから言ったじゃないか! 何もないからだって!」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「お前みたいに、ゴチャゴチャ考えるようなことが、なーんにもなかったか
らだ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「やり切るコツを教えてやろうか?」


部下 :
「はい! ぜひ!」


マネージャー :
「ないよ」


部下 :
「え……」


マネージャー :
「コツなんかない。お前、会社に定時どおりに出勤するコツって何だ?」


部下 :
「いや……。どうでしょう。定時どおりに会社に来るのは、あたりまえです
から……」


マネージャー :
「だろ? あたりまえのことをやるのにコツなんかいるか?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「どうなの?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「な、ないですね……」


マネージャー :
「だろ?」


部下 :
「はい」


マネージャー :
「それだけだよ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「お前さ、俺の手元に資料があるけど、チラシの配布量が、4月から半年間、
90%を下回ってるよな?」


部下 :
「は、はい」


マネージャー :
「目標の達成率が90%を下回ってるんじゃなくて、チラシの配布量だよ」


部下 :
「……」


マネージャー :
「自分が宣言したチラシ配布量をやり切るコツを教えてやろうか?」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「……」


部下 :
「いえ」


マネージャー :
「……」


部下 :
「や、やります。……やるだけです」


マネージャー :
「……」


部下 :
「……」


マネージャー :
「やれよ」


……ゴチャゴチャ言わず、とにかくやれよ!

と誰かに言いたいときってありますよね。自分に対して言いたいときもありま
す。

11月2日に発売される新刊「絶対達成マインドのつくり方」では、すべての
人に対して、

「やれよ!」

とは書いていません。

相手(もしくは自分)を正しく観察できるキャリブレーション・アイ(観察
眼)がなければダメです。

そうでなければ副作用があるからです。

相手(もしくは自分)を正しくキャリブレーションする簡単な方法も紹介して
いますので、ぜひ新刊でチェックしてみてくださいね。

さてその新刊のキャンペーン(先着1000名様にDVDが当たる!)は、今
週中にアナウンスいたします。

それまで、少しお待ちください。

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【編集後記】

数ヶ月間、入院していた母が、先日ようやく退院しました。

子供を連れて、両親が住む家へ訪れたところ、母は元気そうでした。

相変わらず父は、母に小言を言われながらも酒をあおっていましたが、なんだ
か二人、楽しそうに生活している風に見えました。

数年間、別居していたふたりが、もう一度生活を共にすると決めたとき、

私は父に対し、馬乗りになって、母との生活を再スタートさせるなら、酒とギ
ャンブルをやめろ、

そうでないと生活は破綻する。

母の病気も治らないと迫りました。

しかし、小さくなった父にもプライドがあったのか、

「お前の世話には絶対にならない!」

と私の要求を跳ね返し、

毎月の仕送りなどいっさい受け取らず、年金だけで生活すると決めてしまいま
した。

家庭のことなど、ほとんど何もせず、酒におぼれ、ギャンブルで命を削ってき
た父に、私は心の底から失望したのですが、

母との同居をはじめると、

父はなんとギャンブルをやめたのです。

私や姉が小さなころ、家じゅうの箪笥や引き出しを開けて「100円玉」を血
眼になって探した父は、すでに老いていたということもあるのですが、

父は「ギャンブル好き」というよりも、

それ以上に、

「ケチ」

だったのです。

どんなに好きなことがあっても、借金してでもやろうとは思わない。

70歳を過ぎてから、ようやく知った父の姿でした。

私はずっと貧乏を憎んできました。

以前も、メルマガ編集後記にそのことを記しましたが、貧乏だったからお金の
大切さを私は知っているつもりです。

だからこそ、目標を達成もせずに「われ関せず」という顔をしている営業に対
して、理解できない気持ちを抱くのです。

しかし、

父母を救ってくれたのは、貧乏だったのです。

中途半端ではない貧乏が、父を改心させたと言えるでしょう。

家計にまったく余裕がないとわかり、父は自分で家計簿をつけ、病弱の母に代
わって家事をし、

わずかなお金で生活する術を、70歳を超えてから身につけていきます。

父の「現状維持バイアス」がはずれた瞬間と言えるでしょう。

この世がひっくり返っても、父はギャンブルをやめられない。依存症は治らな
いと信じていましたが、

あっさりとやめてしまった父を見て、

いまだに「父を殴る夢」を見続ける私を嫌悪したりします。

新刊「絶対達成マインドのつくり方」には、私がダメ人間だったときのエピ
ソードが赤裸々に書かれています。

父や母には、読ませられないエピソードだなーと、今しんみりと思います。